「ラストイデア」は、一見王道のスマホ向けRPGに見えるものの、その実はガチのハクスラとして作られたRPG。本記事ではそんな本作の内容について細かく紹介したい。
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「ラストイデア」は、スクウェア・エニックスが4月18日にリリースしたスマートフォン向けのハクスラ系RPG。ハクスラ…ハック&スラッシュとは、ハック=切り刻む、スラッシュ=叩き斬るを組み合わせた言葉で、戦闘を繰り返してアイテムを集め、キャラクターをひたすら育てていくというタイプのゲームのことを言う。
RPGといえばどんな作品でも戦闘を繰り返したり、アイテムを集めたりといった要素は持っているので、中でも戦闘・トレジャーハント・育成がストーリーより中心に据えられている作品と理解するといいだろう。
ハクスラ系RPGは中毒性が高いため、そのジャンルに対してファンが存在するほど根強い人気を持っている。今回はそんな本作について紹介したい。
スマホ向けRPGの王道スタイルが紡ぎ出す王道冒険モノストーリー
「ハクスラ系」についての説明から入ったことで、一般的なRPGとどう違うのだろう?と身構えさせてしまったかもしれないが、本作の基本的な部分は、一般的なスマホ向けRPGのスタイルを踏襲している。一覧表示された中から挑戦したいクエストを選んでプレイ。ホーム画面から育成や装備を行うといったスタイルは、これまでスマホ向けRPGをプレイしたことがあるという人にとってはおなじみのスタイルだろう。
また、ハクスラ系はストーリーより戦闘・トレジャーハント・育成が中心と書いたが、本作はしっかりストーリーも用意されている。トレジャーハンターの主人公が、お宝を求めて向かった地「沈黙の城」で一人の少女に遭遇。この少女を助けたことから、壮大な冒険の旅が始まる…という王道冒険ものストーリー。ストーリーの要所ではアニメーションを使った演出も盛り込まれており、決してストーリーを軽視した作品ではない。ただ、それ以上に戦闘・トレジャーハント・育成が重視されているのだ。
大量の敵をタッチ操作でなぎ倒す!爽快感溢れるバトルシステム
まずは、バトルについて触れたい。本作のバトルは、オートで行われる通常攻撃に、手動操作によるスキル使用を組み合わせたもの。この説明だけだと、これまたスマホRPGでよく見られるスタイルのように思うかもしれない。ところがどっこい、本作のバトルは他のスマホRPGでもなかなか見られない。
というのも、本作のスキルはボタン操作ではなく、スワイプやダブルタップ、長押しタップといったタッチ操作によって繰り出すのだ。しかも、「スキル効果」と「必要なタッチ操作」の組み合わせが巧妙。
たとえば、スワイプで発動できる「剣スキル」の「スラッシュ」は、スワイプした一直線上に並ぶ敵へ攻撃が可能。また、同じ地点を二回タップするダブルタップ操作によって発動する「彗星剣」は、タップした地点を中心として円形の攻撃判定を持っている。つまり、プレイヤーに要求される操作と、ゲーム内で発動される効果が一致するように作られているのだ。自分の意志がゲームへ違和感なく反映されるので、とても直感的。まるでアクションゲームをプレイしているようだ。
アクションゲームのように感じられる理由は、操作だけじゃない。スピーディーなゲームのテンポも挙げられる。スキル使用にあたってはMPを消費し、さらに一度使用するとクールタイムが発生。このため、強力なスキルを無尽蔵に連続で放ち続けることはできない。けれど、MPは時間経過とともにガンガン回復するし、スキルの中でも「スラッシュ」などはクールタイムゼロで連発できる。それどころか、「スラッシュ」は連発することで2発目の攻撃範囲が拡大するという特性を持っている。このため、スキルをガンガン使っていくプレイスタイルになるのだ。
また、敵キャラクターも無双系アクションのように大量出現する。このため必然的に、範囲攻撃で大量の攻撃をなぎ倒す形になり、爽快感が味わえるのだ。剣をメインウエポンに選んでいるなら、まさしくハック(切り刻む)&スラッシュ(叩き斬る)を体現した形になるだろう。
どんなアイテムが手に入るのか?本作が重視したトレハンの楽しさとは
先に書いた通りハクスラという言葉の語源は戦闘に由来したものだけど、ハクスラゲームと言われると、アイテムを集めるトレジャーハントシステムをイメージする人も多いだろう。それくらい、トレハン要素はハクスラと密接な要素だ。
もちろん本作も、トレハン要素を備えている。バトルで敵を倒すことで宝箱をゲットし、宝箱の中から装備やアイテムを獲得。トレハン要素の醍醐味と言える「今度はどんなアイテムが手に入るんだ?」というドキドキ感がバッチリ味わえる。
このトレハン要素に絡む本作の特徴が、ダンジョンを課金要素としている点。本作はガチャ形式ではなく、トレハン用ダンジョンの解放が課金要素となっているのだ。
考えてみれば、「今度はどんなアイテムが手に入るんだ?」というドキドキ感は、ガチャのドキドキ感に近いものがある。ある種、システムがカブった状態ともいえるだろう。人によっては、課金によってガチャでアイテムが手に入るなら、トレハン要素の意味がないと感じてしまう人もいるかもしれない。
こう考えると、トレハンの楽しさを護るためには、ガチャではなくダンジョンを課金要素にするというのは自然な発想に思える。ハクスラ系RPGであることを重視した結果なのだろう、と筆者は考えた。一応、即時クリアチケットが用意されているのは、一般的なスマホRPGでガチャシステムへ慣れ親しんだ人への救済措置と考えるべきだろう。
スキルを習得しビルドしていく!やり込み甲斐のある育成要素
いかに自分なりのキャラクターを育てることができるか?これが、ハクスラ系RPGの育成要素で重要なポイントではないかと思う。何故なら、「自分なり」のキャラクターが育てられるということは、十人十色の多彩なキャラクターが育てられるということ。ということは、そこに必要な装備も、多彩なものが求められる。
ただ「強い」=「パラメーターが高い」というだけでなく、追加効果であったり、攻撃範囲的な変化であったりと、各キャラクターにあったものが求められることになるわけだ。そうなると当然、トレハンで多彩な装備が出現することになる。この結果、「保有しているアイテムより強いか否か」ではなく、「どんなアイテムが手に入るかな?」と楽しさの幅が広がるのだ。
本作ではこの自分なりのキャラクター育成について、スキルツリーという形で回答している。剣、炎、弓、死霊…といったスキル系統から自分の系統を選択。選んだ系統の中で、スキルポイントを消費してスキルを獲得していく。さらに、スキルポイントを使って獲得済みスキルを強化することも可能だ。どんなスキルを獲得していくかによって、自分好みのキャラクターを作り上げることができる。
スキルを習得しビルドしていく!やり込み甲斐のある育成要素
まとめると、本作は表面こそ一般的なスマホRPGだけれども、中身は完全にハクスラRPGだ。なので、ハクスラを求めるプレイヤーは是非プレイしてみてほしい。
一方、一般的なスマホRPGのノリで本作をプレイしてしまうと、ガチャがない点や、装備や育成がバトルに強く影響する点について違和感を持つかもしれない。そんな時はどうか、少しだけ意識を変えてプレイしてほしい。トレハンで装備を集め、バトルに応じて装備を変え、自分なりのキャラクターを育成する。こうしたハクスラゲームの良さ楽しむつもりでプレイすると、本作の楽しさにハマれるはずだ。