7月18日に発売された「すみっコぐらし 学校生活はじめるんです」を直感赴くままに10時間プレイしてみましたので、その状況をゆるく正直に正確に、そして、なんとなくモヤっと伝えていきます。
「すみっコぐらし」というと、すでにこの連載ではSwitch第1弾の「すみっコぐらし すみっコパークへようこそ」を取り扱っていますが、ゲームのジャンルがボードゲームということでちょっとイレギュラーなタイトルでした。一方、今回取り扱う「すみっコぐらし 学校生活はじめるんです」は3DS時代から「すみっコぐらし」では定番の、すみっコたちの生活拠点を充実させて、彼らの生活に関与しつつ観察するようなゲーム内容になっています。
3DSではお店を作り、村を作り、探検にまで行ってしまったすみっコたちも、Switchでは基本に戻って町を作ったのが前作までの流れ。さて、次はすみっコワールドがどんな方向に広がっていくのか期待していたところ、学校というシンプルなテーマに落ち着きました。
学校生活というと、大人であればすでに通過した生活拠点。学生さんにとっては今でもリアルに生活している環境ということで、誰にとっても一度は経験しているだけに、自然と想像が膨らむ素養があります。その、誰もが経験している学校生活を「すみっコ」たちがどのように過ごすかというのは大変興味深いところがあります。何よりも、「すみっコ」にとって大事なことは、隅っこを確保する事ですから、狭い(といっても十分に大きいのですが……)学校の中で「すみっコ」たちがいかにして活躍するか、その期待は膨らみます。
月の真ん中に発売されたタイトルをわざわざ月の隅っこにプレイして、気持ちや態度から「すみっコ」になり切ることで、プレイを始めることにします。
1.新入生気分が抜けずに30分経過
2.卒業生を無難に送り出し5時間経過
3.2期生も無事送り出し9時間半経過
4.輝かしき未来を夢見て10時間経過
5.そして、まとまらないまとめ
Nintendo Switchにカートリッジを差し込むと隅っこにゲームアイコンが表示され、少しうれしい気分になりながらゲームを開始。
いきなり校舎とグラウンドが整っているような学校が見えるタイトル画面。
タイトル画面のまま放置していると、デモで一通りキャラクター紹介を見ることができます。いつもの5人とそのなかまたちの中には「とかげ(本物)」や「ぺんぎん(本物)」といった姿も見えますが、ゲームをプレイする上でここまで揃うのはしばらく後の話。
ゲームを始めようとメニューを見ると、次のような項目が表示されます。
いつものゲームの流れを考えると、ゲーム内で初めてセーブされた時点で「つづきから」を選べるようになり、ミニゲームが発生したら「ミニゲーム」も選べるようになるため、ひとまずさっさとゲームを始めてしまいましょう。「占いの館」については後ほどにでも。
前作にあたる「すみっコぐらし あつまれ!すみっコタウン」で過ごすすみっコたちがふと立ち寄った学校で、学校ごっこが始まります。
学校ごっこといっても建物は本格的。
しっかりと入学式があります。
みんなで記念写真を撮影するのですが、後ろの段が空いているのが気になります。
いざ、学校生活が始まると、どうやら校舎自体はあっても、教室は工事中状態のようです。まずは学校の名前を決めましょう。初期状態は「すみっコぐらし学校」なのですが、ある程度自由に名前を決めることができるので、ここは「さけかん学院」にしておきましょう。
ゲームの序盤はチュートリアル的な流れで進んでいきます。ここでは「すみっコリクエスト」ですみっコたちが何をやりたいかリクエストを募り、そのリクエストに対応するようになっています。
「しろくま」が教室の掃除をしたがっているのですが、そのために必要な備品が教室にありません。そこで、備品を購入しようと思うのですが、お金が全くありません。そこで、「ミニゲーム」をこなしてお金を稼ぐことになるのですが、この「ミニゲーム」は部活をモチーフにした内容になっています。最初に遊べるミニゲームは「バスケット部」の「つかんでダンクシュート!」のみなので、ボールを持っている「すみっコ」をアームでつかんで、どんどんダンクシュートを決めていきましょう。
稼いだお金で「そうじ用具入れ」を購入すると教室に設置されます。
これだけでも十分に目的を達成できているのですが、どうせなら「しろくま」に「そうじ用具入れ」を使ってもらいたいモノです。学校内を徘徊している「すみっコ」たちは、プレイヤーが指カーソルでマップの一部をタッチすることでその方向に導くことができます。
この行動を繰り返すことで「しろくま」を「そうじ用具入れ」のところまで導くと、「そうじ用具入れ」を使ってくれます。なんとなく、使い方が違うような気がしますけど、気にせずその瞬間を写真に収めましょう。
次に、2つ目の教室を使えるようにして、その教室を「理科室」にします。
再び「すみっコリクエスト」ですみっコたちのやりたいことを確認すると、今度は「ぺんぎん?」が理科の先生になりたがっているようです。「バスケット部」の活躍によってお金を稼いで「ぺんぎん?の白衣」を購入して「ぺんぎん?」の衣装を着せかえると、「授業」を行えるようになります。
「授業」では、すみっコたちが先生と生徒になって、授業が展開されます。この一定時間続く「授業」の間に、プレイヤーは自由にカメラを動かして、「今回のお題」に沿った写真の撮影を試みます。
時間は結構長めにとられているのですが、撮影できるチャンスは5回まで。この5回の撮影を終えると、強制的に授業を終わらせることができるのですが、そのまま見続けることもできます。
「授業」が終わると、撮影した写真の評価に伴ってお金を貰うことができます。
ということで、ここまでの流れで「部活」や「授業」をこなしてお金を稼ぎ、「備品」や「衣装」を購入して学校を充実させていき、すみっコたちの特定の行動を撮影していくという流れを一通り確認できました。
癒しという意味ではどんなシチュエーションでもシャッターチャンスなのですが、ゲームを攻略するという意味では「かんさつ日記」を確認すると何を達成すればいいか目的を把握できるようになっています。
この学校には校舎とグラウンドと体育館があり、校舎の1階を使えるよういなっているのですが、まだまだいける場所がいろいろあるようです。
時間経過に合わせてすみっコに「!!」のマークがつくことがあり、タッチしてみるとイベントが発生します。このイベントは、後に「おもいで劇場」で確認することができる、すみっコたちの癒されるイベントのことが多いのですが、ここでは新部活の発表。
部活が発生するごとに「ミニゲーム」で遊べる内容が増えていきます。
なんとなくゲームの流れが分かってきたので、ここからは自由にやらせていただきましょうか。
チュートリアルに従うと、「すみっコリクエスト」ですみっコたちの要望を確認した上で、目的を達成していくことになっていましたけど、この辺りはちょっと無視していきましょう。実はここまでのプレイで「学校ランク」の存在がとても気になっていました。
そこで、この「学校ランク」を上げることを目的にプレイしていくことにしましょう。まずは部活動に勤しみ、お金を稼いでいきましょう。とはいっても、闇雲にミニゲームをプレイするのもバランスが悪いので、ひとまず遊べる部活が増えたタイミングで、一通りの難易度を解放していくことにします。ミニゲームが発生すると、最初は難易度「らくらく」しか挑戦することができません。
そこで、「らくらく」で300点以上を達成すると、難易度「そこそこ」がオープンされます。さらに難易度「そこそこ」で300点以上を達成すると難易度「げきむず」が発生し、「げきむず」で300点を達成すると部活を極めたということになります。ここまで達成すると「かんさつ日記」の「そのほか」のパーセントが一気に増えていきます。
お金をそれなりに稼げたので、まずは「空き教室」を解放していき、続いて5人のすみっコたちに1つずつ衣装を買ってあげて、あとは学校の備品を充実させていきます。
これで十分に認められたのか、「学校ランク」を上げることができました。
学校のランクが上がると、転校生という形で新たにすみっコたちがやってきて、学校内がかなり賑やかになります。
学校生活はただ眺めていても時間の経過があるのですが、「部活」と「授業」を積極的に行うと、速く時間が経過するようです。月ごとに発生するイベントがある程度決まっているようなのですが、イベントには発生条件もあるようなので、まずは学校内の設備の充実と転入生のコンプリートを早めに進めていきたいモノです。
「授業」や「部活」でお金を稼ぎ、学校の設備を整えていく、癒し系のゲームの割にはあまりに一生懸命仕事をこなし過ぎのような気がしますが、ゲーム内の1年が経過すると唐突に「そつぎょうしき」が始まってしまいました。
これまでに撮影した写真がアルバムになり、卒業ソングに合わせて次々と画面に流れていきます。
なぜその写真が!と思ってしまうようなチョイスはあるのですが、すべてが自分自身で撮影した写真なのでしょうがありません。いずれにしてもすみっコたちが卒業していくはなむけとして……えっ? このゲーム、終わっちゃうの??
卒業すると終わりなどということはなく、「学校ごっこ」はまだまだ続きます。卒業したはずのすみっコたちは卒業後もそのまま学校内を徘徊して生活を続け、4月になると何事もなかったかのように「にゅうがくしき」が発生します。
まぁ、ここはごっこ遊びなので細かいことには触れないとしておいて、昨年よりもすみっコメンバーが充実していることだけは確認できます。
それでも、まだ空きスペースがあるので、残りのメンバーが転入してくるように、学校を充実させていきましょう。
これまではただ闇雲に学校内を充実していったため、実のところすみっコと備品の組み合わせについてはあまり試していませんでした。そこで、「かんさつ日記」を見てそれぞれの日記を充実させつつ、「かんさつ日記」の項目の達成もできるような遊び方にシフトしていきます。
「かんさつ日記」の項目の内、衣装関係の内容についてはきせかえた時に写真を撮影すれば達成できてしまいます。備品を要求する内容は備品を購入した時点で達成できてしまいます。この2つの項目についてはあまり意識しないでも達成できてしまうのですが、その一方で、すみっコが備品を使っている姿を撮影するのは、バリエーションがたくさんありすぎて適当なプレイではどうにもなりません。これについては「かんさつ日記」の各項目を確認しながら実践していくことになります。
備品の場所を知っていれば、あとは該当するすみっコを導けばいいだけなのですが、このミッションを成功させるには若干コツがいります。指カーソルで床をタッチすればすみっコたちが反応するのですが、周辺にすみっコが複数いる時は全部がまとめて突っ込んでくるので振り分ける必要があります。全員を導いても問題ないのですが、時にはすみっコ同士の会話が始まってしまうので、分けておく方が無難なのです。
どうにか備品の近くまですみっコを導いたと思ったら、備品をスルーして歩き続けたり、備品を前にしてとんぼ返りしたりと、その行動が素直じゃない場合があるので、適度な微調整も大事になります。
どうにかすみっコが備品を使い始めたら撮影してしまえばミッションクリア。
「かんさつ日記」の各すみっコの日記の達成方法については大体上記の通りなのですが、「だいじなこと」についてはちょっと条件が変わってきます。こちらは特定のすみっコに特定の衣装を着せた上で授業を行わせる必要があるため、「授業」の際の撮影が重要になります。
通常の「授業」では、「授業」ごとに割り当てられている「今回のお題」の達成が重要になるのですが、ここはちょっとお題を無視して、特定の衣装を着たすみっコの先生姿を撮影しましょう。
「授業」をやる際には、撮影したいすみっコの衣装が大事なのですが、教室の種類とすみっコの衣装の組み合わせも重要になり、それと同時に同じ授業をするすみっコが複数発生しないように、すみっコ間の衣装の調整が必要になります。
ここまでひたすら「すみっコリクエスト」は完全に無視して、自分勝手な学校の充実を繰り返しているうちに「学校ランク」が星4つまでアップし、どうやらすみっコは一通りそろったっぽいです。
そして、約9時間半で2年目が終了。
「学校ランク」は星5つが最高のようですが、残りの時間では達成できそうにないため、他の点をいろいろと確認していきましょう。
メニュー画面の中で、いくら遊んでも増えなくて気になっていたのが「かたがき変更」で変更できる「かたがき」の種類。9時間以上プレイしているのに、いまだに「1/150」なんですよ。
ここで各項目にあるヒントを見てみると、普通にプレイしていると全然「かたがき」が増えないことが分かってしまいました。
ひとまず、「すみっコリクエスト」で「しろくま」に散々聞きまくること33回。
どうにか「しろくま係」をゲットできました。
続いて、「しろくま」をひたすら撫でまわす事1000回。
やっとのことで「しろくま大好き♪」をゲットできました。
ちなみに「授業」を行う条件になっているすみっコたちの状態は、撫でたりアイテムを与えたりすると回復するようになっていますが、誰に対して行ってもすべてのすみっコに影響を与えるため、常に1人に絞って撫でまわすような遊び方をすれば、狙わずして肩書を貰えることでしょう。
ガチャをやるにしても、リクエストを聞くにしても、すべてのすみっコになるべく均等になるようにしていたのですが、どうやら誰か1人に注力するような遊び方をしないとなかなか肩書が揃わないような作りになっているんですよね。ちなみに、すべてのすみっコが転入生としてやってきている状態になれば、この肩書が一番入手しやすそうですよ。
残りの時間は「授業」と「部活」に注力して、お金を稼ぎつつ学校の備品や衣装を揃えてみたのですが、残念ながら「学校ランク」は微妙に星5つに届かず仕舞い。
そして、「かんさつ日記」の達成度はこんな感じで10時間のプレイが終わりました。
実のところ「すみっコぐらし」のゲームをいろいろとプレイしている中で、お金を稼ぐ最善手は得意なミニゲームを見つけてひたすらプレイしまくる、という方法を思いついていたため、今回はなるべく「部活」という名のミニゲームを、「かんさつ日記」の各項目を埋める程度のプレイに留めていたのですが、今作でもミニゲームのプレイは攻略という意味ではかなり有効に感じました。
特に、ボーナスが入るときは確実にミニゲームをこなしておくとお得です。
あと、ミニゲームに関しては、プレイできる状態にしておけばタイトル画面から選ぶことで4人までのプレイができるので、Switchで友達と遊ぶ機会がある人は、ミニゲームをすべて発生させるところまでは大急ぎで進めておくべきです。
また、お金を稼ぐという意味では、「授業」も大事なポイントになります。「授業」では「今回のお題」を達成するとガチャを回すためのコインを取得することができるのですが、写真の評価によってもらえるお金が変わってくるため、無理に「今回のお題」を狙わず、特定のすみっコに焦点を合わせて、正面からアップの写真を撮りまくるのも金儲けという意味では大事になります。
まぁ、これは邪道かもしれないので、適度に使いこなすとよろしいのではないかと……。さもないと、卒業アルバムの内容がめちゃくちゃになってしまいますから……。
地味なところでは、学校の色変えができるので、自分だけの学校を作りましょう。プレイを進めると使える色が増えていくので、ある程度ゲームを進めてから好きな配色に切り替えるとよろしいのではないかと思います。
3年目に突入しても「おもいで劇場」のイベントが埋まり切らず、すみっコたちの衣装もコンプリートには程遠く、癒されながらもまだまだやることがたくさんあるように見えました。ただボケーっと画面を見ているだけで十分に癒されるのですが、その癒しを得るためにも積極的なプレイが必要のようです。
やり込む、というタイプのゲームではないことは重々承知しているのですが、ただ癒されるだけでは到底コンプリート出来ないことを改めて教えてもらえました。
そして、最後にタイトル画面から選べる「占いの館」についてですが、「今日のうんせい」「すみっコ占い」「おなやみ占い」「相性占い」の4つの占いを行うことができます。ちなみに「おなやみ占い」では25文字までの悩み事を書くと占ってもらえるので、率直に悩みを書いてみました。
すると、その結果は……。
これは……気にせずどんどん動画を「アゲよう」、という事でしょうか。何はともあれ、すみっコたちに癒されたので、この暑い夏もゲーム業界の隅っこでもう少し頑張ってみることにしますかね。
プロフィール酒缶(さけかん)/ゲームコレクター15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
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