千葉・幕張メッセにて9月12日より開催の「東京ゲームショウ2019」。スクウェア・エニックスブースで、9月14日に行われた、「「聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ」TGS2019スペシャルステージ」のステージをレポートする。
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1995年に発売された「聖剣伝説3」のリメイク版である「聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ」が、2020年4月24日にPS4/Switch/PC向けに発売される。今回のイベントでも、オリジナル版を遊んだファンが数多く足を運んでいた。
今回のステージでは、MCにエレキコミック今立進さん、「聖剣伝説」シリーズ プロデューサーの小山田将氏、「聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ」プロデューサーの田付信一が登壇。さらにスペシャルゲストとして、本作の声を務めた小野友樹さんと小松未可子さんが参加し、華やかな雰囲気の中、イベントが進められていった。
今回ふたりがホークアイ役とリース役を演じることになったきかっけは、小山田プロデューサーが5年ほど前に別の作品でコラボしてもらった役柄がはまっていたからだという。ちなみに、小野さんも小松さんもそうした経緯で選ばれたことはしらなかったそうだ。
国内外から要望の高かったリメイクが25年の時を経て実現
「聖剣伝説」シリーズは、1991年に第1作の「聖剣伝説~ファイナルファンタジー外伝~」がゲームボーイ向けに発売。1993年には「聖剣伝説2」、1995年には本作のオリジナルである「聖剣伝説3」がそれぞれスーパーファミコン向けに発売されている。これまでにナンバリングタイトルとしては4作、シリーズでは10作がリリースされている。
オリジナルの「聖剣伝説3」は、国内外でリメイクをしてほしいという声が非常に多かった。それが今回、ようやく実現した形となる。
「聖剣伝説3」では「3」という数字が非常に重要な意味を持つ作品となっている。本作では6人の主人公がいるが、その中から主人公と仲間ふたりの3人を選ぶことで物語の展開が変わる「トライアングルストーリー」が特徴的な作品だ。物語では、6人が過酷な運命を突きつけられ、それに立ち向かっていく姿が描かれている。
今回のリメイク版では、タイトルが「聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ」という副題が付け加えられている。こちらは、先日海外でリリースされた「聖剣伝説コレクション」から付けられたものだ。
小山田プロデューサーによると、オリジナルの「聖剣伝説3」が遊びたいという声に応えて、ローカライズが行われた。当時、海外でのタイトルが決まっておらず、生みの親である石井浩一氏に相談したところ、「聖剣伝説3」の「3」から「トライ」と、3ならではの「トライアングルストーリー」、それにちなんで試練という意味の「トライアルズ」をかけて「トライアルズ オブ マナ」と名付けられたそうだ。
先ほど試練という言葉が出てきたが、当然のことながら今回のリメイク版でもそちらは健在だ。リメイク版の基本的なコンセプトは、「聖剣伝説3」が2020年に発売されていたらどんな感じだったかということをイメージして作られている。
そのため、世界観やストーリーといった要素は、基本的にはそのまま。「トライアングルストーリー」についても、そのまま受け継がれている。
あえて違うところをあげると、当時はドット絵だったものを3D化。俯瞰視点だったものを、サードパーソンビューに変更しているところだ。また、バトルもアクションよりになっている。「聖剣伝説」はアクションRPGだと言われることが多いが、実際にオリジナルのスーパーファミコン版を遊んでみると、そこまでアクション性が高いわけではないことがわかる。そこで、今作では現代風のアクションに生まれ変わらせていると田付プロデューサーはいう。
小野さんが唯一プレイしていなかったキャラクターの声を演じることに!?
今回声優として選ばれたふたりだが、その話を来たときに小野さんは「現役でゲームをプレイしていたので、めちゃめちゃ嬉しかったですね。プレッシャーを感じるより先に、えっ、いいんすか!」という感じで、喜びが先に出てしまったそうだ。
今回小野さんの役はホークアイだが、10回以上エンディングを見ているにもかかわらず、1度も使ったことがないキャラクターだったという。その当時はかっこつけたキャラクターが嫌いだったそうだが、ある意味今回で「聖剣伝説3」のキャラクターをコンプリートしたことになったと語っていた。
一方の小松さんは、発売当時は3歳ぐらいだったので、ゲームのゲの字も知らない時代だった。最初はコラボ作品でのボイス収録だったが、コラボ作品は全編話すわけではなく有名な台詞のみであったため、プレッシャーがすごかったという。
ゲームが発売された当時の世代であれば、世界観やキャラクターがどのように愛されていたかといったことを体感できたが、残念ながら3歳だったので苦労した点も多かったようだ。
個性豊かな6人の主人公たち
続いてゲームに登場するキャラクターたちの紹介が、田付プロデューサーから行われた。まずはデュランだ。草原の王国フォルセナの用兵として使える若者で、誰もが認める剣士だ。オリジナル版では正統派主人公で剣を持っていることから、使用している人も多かった。今回は江口拓也さんが声を演じており、デュランらしい荒々しさが出ているそうだ。
アンジェラは、魔法王国を統治するアルテナの理の女王のひとり娘でボイスは大久保瑠美さんが担当している。田付プロデューサーが大久保さんに、「今回アンジェラ人気ですよ」と言ったところ、「私、リースが一番人気なの知ってますから」と返されたそうだ。
続いてはケヴィンだ。ビーストキングダムの獣人王の息子だ。夜になると、獣人に変身する力強い能力を持っている。声を演じるのは逢坂良太さんだ。こちらは人と接するのが苦手な、カタコトなキャラクターだが、上手く感情の使い分けもされいい感じになっているそうだ。
シャルロットは、聖都ウェンデルの光の司祭の孫娘で、かわいらしいキャラクターだ。声は諸星すみれさんだが、やはり5年前のコラボの時以来したのがきっかけだという。ちなみにシャルロットの台詞は全部ひらがなで書かれているのだが、収録中に漢字の読みがわからなくなったときに、シャルロットの台詞で調べていたそうだ。
ずっと「マナの剣(ケン)」と読んでいたのが、実は「マナの剣(つるぎ)」だったことがわかったというエピソードも。その影響で、江口さんの台詞を再収録することになったのだとか。
小野さん演じるホークアイは、砂の要塞を拠点とする義賊・ナバール盗賊団の一員だ。オファーが来た時点では、よく知らないキャラクターだったという小野さん。ひとつひとつの収録を経て、このキャラクターと仲良くなることができたそうだ。
最後は小松さん演じるリースだ。風の王国ローラントの王女にして、国家を守るアマゾネス軍のリーダーでもある。意志が強く、周りに対する気遣いも忘れないしっかりものだ。小松さんは収録時に、リースのかわいらしさよりも信念を大事にしたと語っていた。
6人の主人公たちに続いて紹介されたのは、フェアリーだ。こちらはマナの女神に使える妖精で、主人公たちを導くナビゲーションキャラクターという役割を持っている。声を演じたのは、内田真礼さんだ。
続いて、主人公たちを待ち受ける重要人物たちの紹介が行われた。紅蓮の魔導師は中村悠一さん、死を喰らう男は杉田智和さん、美獣イザベラは南條愛乃さんがそれぞれ声を担当している。
紅蓮の魔導師は、アンジェラの住むアルテナ軍を率いてデュランの住むフォルテナを攻める役割を持っている。死を喰らう男は、ケヴィンの故郷ビーストキングダムの王に取り入って、シャルロットが住むウェンデルへの侵略に加担する。美獣イザベラは、ホークアイの住むナバール盗賊団に所属し、陰謀を企ててリースの故郷ローラントに攻め込むという関係性になっている。
実機を使ったデモプレイを披露!
続いて実機を使ったデモが披露された。最初の場所は火山島ブッカで、海沿いの砂浜からスタート。右上に丸で囲まれたミニマップがあり、そこに表示されている星マーク目指して移動していくことになる。
途中、敵と出会うとエンカウントしてバトルとなる。本作のバトルは、基本的にアクションだ。プレイヤーはキャラクターを操り、弱攻撃や強攻撃を組み合わせて戦っていくことになる。弱と強攻撃を組み合わせることで、コンボを決めるほか、範囲攻撃などもできる。バトルに勝利すると最後にリザルトが表示されるが、戦い方によってもらえる経験値が異なってくるそうだ。
上空で飛んでる敵はジャンプしながら攻撃をする。敵の攻撃範囲が出る場合があるので、そのときは避ければOKだ。プレイ中、キャラクターチェンジすることもできる。魔法はリングコマンドのほか、ショートカットでも撃つことも可能だ。画面下にゲージが表示されているが、敵を倒すと溜まっていき、100パーセントになったときに必殺技を撃つことができる。
移動中、キャラクター同士の会話がシームレスに流れ、物語が進行していく。ちなみに今作では武器などを購入すると、見た目も変更されるようになっている。BGMアレンジバージョンのほか、オリジナルバージョンも収録されており、自由に切り替えが可能である。
光か闇か? クラスチェンジも可能!
職業をより強力なクラスにアップするクラスチェンジも可能だ。これにより、新しい魔法や必殺技が習得できるようになる。光と闇のふたつのクラスに分岐し、どちらを選ぶかも今後のバトルに影響を及ぼしていく。
ここで小野さんが暮らすチェンジしたキャラクターを選んで、ドランに挑戦するというデモが行われた。
ホークアイはクラスチェンジで光はレンジャー。闇はニンジャになる。それぞれ万能型と妨害型と、まったく異なるスタイルになっている。会場に意見を聞いたこところ、闇の支持が多くニンジャを選ぶことに。
続いてリースのクラスチェンジを選択。こちらは、光は支援型クラスのワルキューレ、闇は妨害クラスのルーンメイデンに変更することが可能だ。同様に会場の意見を反映させた結果、光のワルキューレにクラスチェンジすることが決定された。残りのアンジェラは時間の関係で光のソーサレスが選ばれている。
いきなりの大物登場でびびる小野さん。途中、出演者全員が声を出しながら応援するなど、ハラハラする展開が続いたものの、最後は無事ドランを撃破することができた。それを見ていた小松さんは、自分がプレイしていないにもかかわらず汗をかいたそうだ。
最後に小野さんからは「昔、風の回廊で無理矢理レベル上げてクラスチェンジしたのが懐かしいですが、ああいうことがまたできるのかいろいろ気になることはあります。ぜひ続報を楽しみにしたいと思います」と感想を語った。
小松さんは「今回が初の聖剣伝説のプレイになるなと思って、発売が本当に楽しみです。4月なんですよね? もう、早くやりたいです」と待ちきれない様子だった。
さらなる情報は、来年4月の発売に向けてどんどん発表されていく予定ということなので、楽しみに続報を待とう!