3gooが2019年10月10日に発売を予定している、PS4/Nintendo Switch用ソフト「トライン4:ザ・ナイトメア プリンス」のプレイレポートをお届けする。
「トライン4:ザ・ナイトメア プリンス」は、フィンランドのデベロッパー・Frozenbyteによる横スクロールアクションゲームであり、国内では2009年12月に1作目が発売された「トライン」シリーズの最新作だ。魔道師・アマデウス、騎士・ポンティアス、盗賊・ゾヤの3キャラクターを切り替えながら、それぞれの能力を使いこなし、様々な仕掛けやパズルを解いていくゲーム性を特徴としている。
本稿では、そんな本作の特徴的な要素や序盤のゲームプレイなどを、プレイレポートを通して紹介していく。
本作は王道のファンタジー世界が舞台。雪深いフィンランドの自然豊かな風景を思わせるステージや、剣と魔法、個性豊かな動物やクリーチャーなど、絵本に出てくるおとぎ話のような世界観が構築されている。また、BGMも懐かしさを感じるような落ち着いた曲調で、牧歌的な雰囲気を作り上げている。近頃のファンタジー作品は、おどろおどろしかったりダークな作風が多いため、こうした世界観はかえって新鮮に感じるだろう。
物語は、王子・セリウスが魔術の才能を暴走させ、悪夢を世界に解き放ってしまうところからスタート。シリーズおなじみの主人公3人、アマデウス、ポンティアス、ゾヤがセリウスを見つける旅に出ることになる。シリーズ4作目ではあるものの、過去作とは独立したストーリーが展開されるため、シリーズファンだけでなく、本作で初めてシリーズに触れる人も楽しめるだろう。
剣と魔法とひらめきで冒険に挑む、3人の英雄を紹介!
プレイヤーが操るのは、それぞれに異なる能力を持った3人のキャラクター。旅の道中で遭遇する謎解きやバトルでは、彼らをボタン一つで切り替えながら進んでいく。ここで、その3人を紹介しよう。
魔道師:アマデウス
アマデウスはオブジェクトを自由に動かす魔法が使用でき、探索や謎解きパートにおいて主軸となるキャラクターだ。オブジェクトは動かして仕掛けを作動させたり、足場にするなど様々な用途に利用可能。直接的な攻撃能力は持たないものの、オブジェクトを敵の攻撃を防ぐ壁にしたり、頭上から落とすことで戦闘にも参加できる。
また、ブロックやプレートを召喚する能力も持っており、利用できるオブジェクトがない場合でも、この力を使って問題なくプレイを進めていくことができる。後述のゾヤの能力と組み合わせることで、様々な応用とともにステージを攻略できるだろう。
騎士:ポンティアス
3人の中で唯一、直接攻撃と防御能力を持ち、戦闘において無類の強さを発揮するのがポンティアスだ。盾は一部の敵を除き、殆どの攻撃を防御することが可能。また攻撃を防ぐだけでなく、遠距離攻撃を弾き返して反撃したり、遠くのオブジェクトに当てて道を切り開くといった利用方法も。
また、剣での直接攻撃はリーチが短い分、連続攻撃で一気に相手の体力を削る事ができる。攻撃方法に癖のある他の2人とは違い、一般的なアクションゲームのように戦闘を行うことができるキャラクターとなっている。なお、盾には光を反射する機能が備わっており、光を利用した仕掛けには必要不可欠な存在だ。
盗賊:ゾヤ
パーティーの紅一点であるゾヤは、弓による遠距離攻撃が可能だ。この弓は遠くのスイッチを作動させたり、ストーリーを進めると入手できる炎と氷のエレメントの矢で、足場を凍らせる、オブジェクトを燃やすといったパズル攻略にも利用できる。
さらに、ステージの各所に仕掛けてあるフックやアマデウスの召喚したブロックにロープを引っ掛ける事ができ、これを利用して移動したり、引っ張り寄せたりといったこともできるので、アマデウスと並び探索パートで活躍するキャラクターだろう。
初心者でも楽しめる奥深い謎解きやパズル要素!
一般的な横スクロールアクションゲームと同じく、落とし穴やトゲの床・壁などが登場し、これらに落ちたり触れたりすればキャラクターがダウンしてしまう。しかし、3人のうち1人がダウンするだけであり、すぐに他のキャラに切り替わりプレイが続行される。さらにダウンしたキャラも数秒で復帰するため、よほどのことがなければゲームオーバーになることはないだろう。
また控えに回ったキャラは体力が少しづつ回復していくので、戦闘においてもキャラを切り替えながら戦えば、そう簡単にやられることがない。さらに、ゲーム開始前にパズルのヒント表示のオン・オフを設定できるため、謎解きに詰まっても安心できる仕様だろう。これらの仕様を緊張感がないと見るか、初心者にも親切だと見るかは意見が分かれるだろうが、個人的には余計なストレスなくゲームプレイに集中できるため、好印象を覚えた。
ステージ中に登場する仕掛けやパズルは、ひと目見れば何をすべきか分かるような簡単なものから、試行錯誤して時間をかけなければ解けない難解なものまで多種多様。本当に解けないような難易度のものはないうえ、ヒント機能もあるので進行不能にはならないだろうが、どれも3人の能力をうまく組み合わせないと攻略できないものばかりだ。ここで、いくつかの実例を紹介したい。
この場面では、差し込む光を画像下の装置に当てて仕掛けを作動させ、上へと進むことになる。まずアマデウスの魔法によって、光を反射する鏡面ブロックを適切な位置へと移動させる。次にポンティアスの盾で光を反射して、仕掛けを作動。それによって動き出した足場にはフックが付いているため、ゾヤでロープを引っ掛けて登ることができた。
ここでは、先に進むために3つのボタンを同時に押さなくてはならない。そこでまず、ゾヤの氷の矢で一つ目のボタンを凍結させ、アマデウスの召喚ブロックをトゲに突き刺して2つ目のボタンを押す。そして最後に、ゾヤの通常矢で3つ目のボタンを押すことで、先に進むことができた。
また、本作の特徴の一つとして、一つ一つパズルに明確に定められた攻略法が存在しないという点がある。例えば、アマデウスでブロックを召喚して離れた足場に移動させ、そこにゾヤでロープを掛ければ、どんな高所にも仕掛けを利用せずとも移動することができる。
存在する板やブロックをすべて使わなくても攻略できるパズルなどもあるため、気づいたらオブジェクトが余っていたり、仕掛けや能力を使わずにプレイヤーの腕前だけでクリアできる箇所があったりと、こういったジャンルでは珍しく、攻略の自由度に富んだ作品となっている。
本作ではパズル要素だけでなくバトルも存在。特定の場面まで進むと前後の道が封鎖され、いくつかの足場とともに敵が出現する。バトルは、全体的にカジュアルな本作において、敵の攻勢が激しく、更に主人公3人の体力が少なめなので、少し難易度が高いように感じられた。攻撃に癖があり、時間もかかるアマデウスとゾヤではさらに難しく感じるため、防御できるポンティアスでプレイするのがオススメだ。探索パートでは活躍の場が少なめなポンティアスが、輝けるシチュエーションと言えるだろう。
またいくつかのステージでは、ラストにボスとの戦闘が存在する。ボスはそれぞれ特殊な攻撃方法を駆使する強敵であり、基本的に無敵だ。いくつかの手順を踏むことで攻撃が通用するようになるため、探索パートと同じく周囲をよく観察し、様々な攻撃やスキルを試しながら弱点を見つけ出していくことになる。しかし、こちらも決して難解過ぎるという事はないため、挑戦しがいのあるバトルになるだろう。
ステージ上では隠し部屋のような場所があり、そこでは世界観の理解を深める際に役立つ、手紙や宝物といったコレクションアイテムが入手できる。また、各ステージでは経験値アイテムも散らばっており、これらを集めることで能力を強化する要素も存在。ただステージを進めるだけでなく、怪しげなところを調べて見ることで、攻略を有利に進めることにもつながるだろう。経験値の取得数はチェックポイントごとに細かくカウントされているため、取り逃したものを集めることもお手軽にできる。
ヒント機能や細かいチェックポイントによるリトライのしやすさなど、とにかくユーザーフレンドリーなゲームデザインで快適に遊べる「トライン4:ザ・ナイトメア プリンス」。おとぎ話のような世界観やキャラクターたちはファンタジー好きにオススメできるうえ、パズルや謎解きという自分のペースで進められるゲームプレイが多いので、アクションゲームが苦手という人にもぜひチャレンジして欲しい作品だ。