壮大な冒険と自由度の高いバトルシステムにハマる「アライアンス・アライブ HDリマスター」インプレッション

0 2019年10月25日 00:00

担当：カワチ

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フリューより2019年10月10日に発売されたPS4/Nintendo Switch用ソフト「アライアンス・アライブ HDリマスター」のプレイインプレッション記事をお届けします。

魔族が設置した大結界によって発生した黒き流れで大陸が分断された世界。そこから1000年後の時代を舞台に、9人の主人公の視点が切り替わる群像劇形式の物語が展開する「アライアンス・アライブ HDリマスター」。

2017年にニンテンドー3DS用ソフトとして発売され、王道RPGとしての魅力が詰まった内容に多くのファンを生んだ「アライアンス・アライブ」をHDリマスター化したタイトルです。そのインプレッション記事をライターのカワチがお届けしていきます。

新たに初心者向けのガイドブック機能を搭載していたり、PS4版はやり込み派向けのトロフィー機能も用意されていたりと初心者から3DS版をプレイ済みの人まで幅広く楽しめるようになっている本作。ボクは3DS版から久々に「アラアラ」をプレイしましたが、ワールドマップを歩き回ったり多彩な探索要素をこなしたりと、昔ながらのRPGをプレイしている感覚が相変わらずおもしろく、「そうそう、こういった丁寧に作られた部分が好きだったんだよな」と思い出しました。

最近はワールドマップやダンジョンが簡略化される作品も多いですが、本作では街にいるキャラクターたちひとりひとりにもしっかりセリフが用意されているので、寄り道をしながらこの世界について理解していくのが楽しいです。

さらに今回のHD版は背景の美しさが鮮明だったりキャラクターの表情がわかりやすくなったりしているので、余計にいろいろな場所を調べてみたくなります。もちろん、寄り道をせずに物語だけを追ってサクサクと進むことも可能。いろいろな遊び方を許容する作品になっています。そんな点もうれしいですね。



平尾リョウさんの描くかわいらしいキャラクターが魅力の本作。 HD版は彼らの顔がクッキリと映っており、イラストに近いイメージになっています。

群像劇のストーリーも本作の大きな見どころ。とくに序盤は各世界に住む主人公たちが別々に行動しているので、冒険の雰囲気も異なります。最終的には全員が合流して好みのキャラクターでパーティを組むことができるようになりますが、そこまでの流れも丁寧に描かれているため、しっかりひとりひとりのドラマに感情移入できるようになっています。

本作のシナリオは「幻想水滸伝」シリーズを手掛けていた村山吉隆氏によるものなので、群像劇の描き方がうまいんですよね。氏のファンはぜひチェックしてもらいたいです。


同じイベントを違う視点で体験することもあります。

序盤の流れが丁寧なので、仲間が合流して全員が揃ったときは興奮します。

また、物語が進むと本拠地となる方舟が手に入るのですが、その後は世界中にいるキャラクターをギルドの仲間として勧誘できるようになります。戦闘に参加するわけではありませんが、ギルドの機能を拡張できるため冒険が有利になります。ギルド員になったNPCは方舟で会話ができるので、どんどんにぎやかになっていく方舟を歩き回るのが楽しいです。

パーティがそろったあとはNPCのキャラクターを集める楽しさがあります。

新しい技を覚える「覚醒」が気持ちいい！

戦闘はターン制のコマンドバトルになっていて、多彩な武器や術を使い分けて戦うもの。「サガ」シリーズなどでバトルデザインを手掛けた小泉今日治氏による絶妙なバランスの戦闘を楽しむことができます。

バトルはターン制。じっくり戦略を練ることができます。

もっとも特徴的なのは「覚醒」。これは戦闘中に技を使うと一定の確率で新しい技を覚えるというものです。覚醒すると専用のカットインが入ることもあり、新しい技を覚えたときは興奮します。また、バトル中にピンチになるとキャラクターのパラメーターがアップして技も覚醒しやすくなる「イグニッション」が発生。この状態だと装備武器を犠牲にして発動できる強力な専用技「ファイナルストライク」も使用可能になるので、一発逆転もできます。これら「覚醒」と「イグニッション」がバトルに予測できないドラマを生んでワクワクさせられます！


「覚醒」や「イグニッション」によるランダム性が魅力です。

ちなみにHD版は2画面だった3DS版から1画面になりましたが、戦闘中のUIは一新されており、重要な情報もひと目で見やすくなっています。また、バトルは最大4倍速に設定できるのでテンポよくサクサクと戦うことができますね。

ほかにも「秩序の石」というアイテムがあれば戦闘に負けれもゲームオーバーにならずに再戦や撤退が可能になっています。小泉さんの手掛けた作品は難しいというイメージがありますが、本作はプレイしやすい作品となっているので構えずにプレイしてみてもらいたいですね。

HD版はガイドブックで操作やシステムを解説してくれるので、その点も親切になっています。

「秩序の石」を持っていればゲームオーバーになってもやり直すことができます。

バトルの終了後にタレントポイントを消費することでキャラクターの成長に関わる「資質」を習得することができます。キャラクターのステータスによって有利な武器や戦法がありますが、資質によって自由な育成が可能。武器も自由に装備可能で、自分好みのキャラクターに育てていくのが楽しいです。

どの「資質」を習得するかによってキャラクターの役回りも変わってきます。

ということで、本作は昔ながらの壮大なRPGでありながら、現代的な快適さも併せ持っている作品です。HD版で画面もキレイになっているところが見どころです。欲を言えばキャラクターボイスがないのが寂しいですが、RPGとしての面白さは本物です。いろいろな人が楽しめる開口の広い作品になっているのでぜひチェックしてみてください！