DeNAが配信を開始した「HUNTER×HUNTER アリーナバトル」をレビュー。高い人気を誇る原作をベースにした対戦型カードバトルゲーム。その魅力について詳しく紹介する。
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「HUNTER×HUNTER アリーナバトル」は、DeNAが配信を開始したスマートフォン向け対戦型カードバトルゲーム。原作コミック、アニメともに高い人気を誇る「HUNTER×HUNTER」が題材というだけあって、既にプレイしている人も多いと思う。今回は、そんな本作のレビューをお届けしたい。
はさんで相手をひっくり返す!リバーシのルールでバトル
まずは本作のゲームシステムから紹介しよう。本作は「カードバトルゲーム」と銘打たれているが、実際のルールはDeNAの「逆転オセロニア」に近い。テーブルゲームの「リバーシ」のルールに基づいたルールが採用されている。
ご存知の人も多いと思うが改めて「リバーシ」のルールに触れておこう。「リバーシ」は、白の石を使うプレイヤーと黒の石を使うプレイヤーに分かれて2人で対戦するゲーム。盤面に置いた相手の石を自分の石2つではさみこむと相手の石がひっくり返り、相手の色から自分の色に変わる。盤面のマスすべてに石が置かれるとゲーム終了。自分の色の石が多い方が勝つというゲームだ。
本作は使用するのが石ではなくカードだが、マス目にカードを配置し、相手のカードをはさみこむとひっくり返って自分の色に変わる…という点ではリバーシと一緒。ただし、勝利条件は異なっていて、相手プレイヤーのHPをゼロにした方が勝利する。
どうやって相手プレイヤーのHPを減らすのかというと、カードだ。カードにはそれぞれ攻撃力が設定されており、盤面に配置した際、相手プレイヤーへダメージを与えることができる。
さらに、盤面に配置したカードを2つ以上ひっくり返すことで追加ダメージも発生。この追加ダメージが本作ならではの楽しさを形作っている。というのも、ひっくり返すカードが多ければ多いほど、より大きな追加ダメージが発生するので、盤面に多くのカードが配置される後半ほど、逆転の可能性が高くなるのだ。
また、バトルの意外性を高めているのが、GP(グループポイント)や育成・スキルといった要素。攻撃力が高かったり、スキルを持っていたりといった強力なカードにはGPコストが設定されている。プレイヤーの手持ちのGPがカードのGPコストに満たない場合、カードは弱体化。攻撃力が1になってしまう。このためゲームが後半に近づくほど、強力なカードの出てくる確率は高い。
しかし、GPを必要としないカードの攻撃力を育成によって高めておいたり、スキル効果を組み合わせたりすることで、ゲーム序盤からアグレッシブに攻めることも可能だ。オセロ的な盤面のせめぎ合い以外に、どんなカードをどう使っていくかという、デッキ構築の楽しさも楽しめるようになっている。
これからプレイする人でも安心!行き届いた初心者サポート機能
ところで、こうした対戦型ゲームでは、ルールに慣れていない内に強いプレイヤーと当たってしまいボコボコにされる…という問題がある。もちろん、たいていのゲームでは自分と同レベルのプレイヤーとマッチングするような仕組みになっているのだが、同レベルといったところで、まったく同じ実力というわけではない。自分より強いプレイヤーと当たってしまう可能性は常にある。それが嫌で対戦ゲームをプレイしないという人も少なくないはずだ。
本作はこうした問題に対して、最大限の配慮を行っている。マッチングの際に同じレベル帯で戦うよう作られているのはもちろんのこと、3戦までは対人戦ではなくコンピュータと戦うように作られていたり、ソロプレイの「道場」を通じて基本戦術をマスターできるようになっていたりする。また、「おしえて!キルア先生」という形でYoutubeで解説動画も公開中。初心者でも段階的に実力を高め、対戦のおもしろさを理解できるようになっている。
「HUNTER×HUNTER」ファンアイテムとしても秀逸なつくり
ちなみに本作は対戦がメインなので、ソロプレイはほとんど対戦のための練習用という位置づけ。ゲームを通して「HUNTER×HUNTER」のストーリーを再体験するだとか、オリジナルストーリーが楽しめる…といった要素はない。それでは、原作ファンが「HUNTER×HUNTER」の世界観を味わうことはできないのか? …いや、そうではない。
本作には「キズナ」と呼ばれる要素が用意されている。「キズナ」に対応したキャラクターカードを手に入れると、HOME画面で鑑賞できたり、スキンを変えたりといったことができるようになるのだ。
特にファンとして嬉しいのが、キズナレベルを上げることでアンロックされる「名シーン」。各キャラクターにまつわるアニメの名シーンがアンロックされていくというものだ。愛着あるキャラクターの動画コンテンツがコレクションできるというのは、かなり満足感が高い。「おお!このシーンあったよな!」などと思わず盛り上がってしまう。
なお、キズナキャラクターはレアリティSSやSといったキャラクター達。本作はキャラクター収集を「ガチャ」で行う形なので、キズナキャラクターを獲得できるかどうかは運に負うところが少なくない。ただ、実際の確率はさておき、筆者がプレイした感触だと比較的キズナキャラクターは引きやすい印象だ。これは、デッキに必要なキャラクターカードの数が24枚と多い上、同じキャラクターを重複して持つことに意味があるというゲーム性によるところも多いだろう。ただ、原作のお気に入りキャラが手に入りやすいというのは嬉しいことだ。
対戦ゲームとしてもファンアイテムとしても○!プレイして間違いのない一作
「HUNTER×HUNTER」という人気作品がベースだけあって本作はプレイヤー数が多いのか、マッチングが非常に早い。「逆転オセロニア」ライクなゲーム性が持つ「逆転」「戦略性」の楽しさも相まって、「対戦ツール」としての出来は非常に高いと感じた。ここに加えて、「HUNTER×HUNTER」のキャラ、設定を上手に活用しているため、ファンアイテムとしての価値も高い。対戦ゲームか「HUNTER×HUNTER」のいずれかが好きならプレイして間違いのない一作だろう。