バンダイナムコエンターテインメントが2020年4月25日から27日にかけて実施した、PS4用ソフト「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」のネットワークテスト。ここでは、本作のシステム面を紹介していく。

1000コストが撤廃され、1500コストに

2020年7月30日に発売を予定しているPS4用ソフト「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」。主にアーケードで展開する2on2対戦アクション「EXTREME VS.」シリーズ待望の家庭用移植新作となるタイトルだ。

「マキシブーストON」においても、基本的なルールやシステムは従来の「EXTREME VS.」シリーズと同様。プレイヤーは2対2のチームに分かれ、4つのコストに分類されたプレイアブル機体を選択し、それぞれのチームに設定された総合コストである戦力ゲージを削りきった側が勝利となる。

慣性ジャンプなどのテクニックはいくつかあるものの、ボタンを押せばそれに対応した武装が出るようになっており、格闘ゲームのような複雑なコマンド入力をすることなく対人戦が楽しめるのも「EXTREME VS.」シリーズの特徴。一部には操作が大変な機体もあるが、初心者でもすぐにスピード感に溢れた対戦を体験できる。

家庭用の前作である「EXTREME VS.フルブースト」からの変更点を挙げていくと、まず従来の4つのコスト帯である3000・2500・2000・1000コストの内、1000コストが撤廃され、代わりに1500コストが新設された。従来の1000コスト機体の多くは1500コストにそのまま移行している。

基本的にEXTREME VS.シリーズでは、コストが高い機体の方が性能が高く設定されているが、500コストが上がった分、全体的に機体性能が向上しており、上位のコスト帯の機体ともある程度やりあえるようになっている、

ただし、コストが変わったことでコストオーバー(再出撃の際、コスト分の戦力ゲージが不足していると、不足するコスト分再出撃したユニットの耐久値が減少する)の影響を最小限にするため、どの順番で撃破されるのが理想的な展開になるか、コスト調整のための戦略従来から変化していることに注意。

例えば2500コストとペアを組んだ際、1000コストなら先に撃破されても、1度までなら2500側が再出撃する際に影響はなかったが(2500+1000を6000から引くと、ちょうど残りコストが2500になるため)、本作では1500コストが一度でも撃破されると、500分のコストオーバーが2500側に発生してしまう。

一度ならオーバーするのは500コスト分だけなので、耐久値への影響は少ないが、クロスボーン・ガンダムX1改のABCマントがリロードされていない状態になるなど、コストオーバーすることで手痛いペナルティを受ける機体も存在する。

3000コストと組んだ際には、先に撃破されると再出撃する3000側の耐久が半分まで減ってしまうこともあり、1500コストを使う際は、前作以上に慎重な立ち回りが必要になることが多くなった。その分、コスト調整に成功し、撃破されてもいい状態になった時に相手を攻める力はかなり上がっている。

それ以外の3つのコストに関しては、従来の「EXTREME VS.」シリーズのまま。ただし味方でも敵でも、1500コスト帯の機体が出撃していた場合は、これまでと異なるコスト計算をしながら戦略を立てる必要がある。

基本的にどの機体もクセが強めで、戦力ゲージの計算も複雑なため、1500は上級者向けのコスト帯となっている。

3つの新たなEXバーストが勝負を分ける

「フルブースト」からのもっとも大きな変更点と言えるのが、攻撃を命中させたり被弾した際にたまっていくEXゲージで発動できるようになる、「エクストリーム(EX)バースト」だ。

フルブーストの時は、敵に一気に攻め込める「アサルトバースト」と、じっくりと敵を追い詰める「ブラストバースト」の2種類のEXバーストが存在していたが、本作ではそれらのカテゴリが一新。「F(ファイティング)バースト」、「S(シューティング)バースト」、「E(エクステンド)バースト」の3種類へと変更されている。

「Fバースト」は、格闘の伸びやダメージの強化など、主に近接攻撃に関連した武装性能を強化するEXバースト。ゴッドガンダムやガンダムエピオンなど、格闘攻撃を主力とする機体との相性が抜群なのはいうまでもないが、射撃から格闘へのキャンセルルートが追加されるという性質も持ち合わせているため、νガンダムなど射撃寄り万能機とのシナジーも悪くなく、意外な機体との組み合わせが力を発揮することがあるのも面白いところ。

格闘で敵のシールドを崩せるガードブレイクの効果や、3種の中でブースト回復量がもっとも大きいという特色も兼ね備えるなど、攻めにおいては無類の強さを発揮するEXバーストといえる。

ワンチャンスをモノにする爆発力に長けたFバースト。一度攻撃が通るだけで、一気に戦況が傾くほどだ。

一方、射撃面の性能が大幅に強化されるのが「Sバースト」。射撃ダメージの向上、ロックオン距離の延長、動きの止まる射撃をステップでキャンセル可能になることに加えて、何よりも強力なのが、武装のリロード時間の大幅な高速化と、射撃から射撃へのキャンセルルートの追加だ。

「EXTREME VS.」シリーズには、攻撃すると動きが止まる武装を、動きが止まらない武装でキャンセルすると、その場に落下を始める仕様になっており、アシストメインキャンセルと呼ばれるさまざまな機体が使える落下テクニックも、この仕様を利用したもの。

そのためSバースト中はオーソドックスなビームライフルのような動きの止まらない射撃をもつ機体なら、ほぼどんなタイミングでも落下しながらメイン射撃を連射しながら落下するという攻防一体の動きができるようになる。

リロードの高速化の効果も合わさって、Sバースト中に展開される弾幕量は凄まじく、V2アサルトバスターガンダムやペーネロペーのような、メイン射撃の性能が高い機体が使用すると、どんな上手いプレイヤーでも完璧に凌ぎ切るのは難しい。

反面、ブーストの回復量や機動力の上昇の恩恵が少ないという欠点もあり、従来のEXバーストとはかなり使い勝手が異なる。しかし多くの機体と相性がよく、攻めにも守りにも活用できる、汎用性が非常に高いEXバーストだ。

これまでのシリーズ作品にはなかった爽快感を味わえるSバースト。
コストオーバーした敵にトドメを刺す際などに非常に役立つ。

残る「Eバースト」は、主に防御や生存力に特化したEXバーストといえる。キャンセルルートの追加や、ダメージアップの補正がないなど、攻撃面では上記の2つのEXバーストに大きく見劣りする。だが、EXゲージが半分の状態でも、相手のコンボから抜けて即座に行動に移ることができる(上記の2つのEXバーストでは、ゲージが最大の時にのみ可能)のが非常に大きい。

とくに、相方をコストオーバーさせないことが最も重要になる後衛を務める機体との相性がよく、撃破されそうになった時の保険をかけられる。あまりにも優秀すぎたため、アーケード稼働時には下方修正(EXバースト発動中に撃破された際、再出撃時にEXゲージが溜まらなくなった)が加えられていたほど。それでも主に2000コストなど、後衛を務めることが多いコスト帯では主流として使われることが多い、安定度を優先したEXバーストだ。

ほぼどんな組み合わせでも、安定して2回以上EXバーストを発動できるのが最大の強み。
EXゲージが半分になったらEXバーストを使い、EXバーストの回転率を少しでも上げるという
セオリーを覚える意味でも、初心者にオススメのEXバーストだ。

EXバーストが強力になった分、対戦における重要性がさらに増しているのも、「マキシブーストON」の特徴ともいえる。とくにFバーストとSバーストの爆発力は凄まじく、どんなに劣勢でもEXバーストの成果次第で、状況を一変させる力を秘めているため、優勢を保たった状況からの逆転勝ち・負けが「フルブースト」の時よりもかなり増えたように感じられた。

キャンセルルートの自由度が上がることで、これまでのシリーズにはない動きができるようにもなったのも新しい要素。選択したEXバーストによって、機体の立ち回りが大きく変わるため、同じ機体を使っても、どのEXバーストを選択し、それをどう生かした動きをするかで、プレイヤーの個性がより反映されるようになっている。それぞれの機体ごとに自分にあった戦い方を模索する楽しさも、本作の魅力となるポイントだ。

相方の耐久値の表示や、ブーストダッシュからのステップが可能に

それ以外の変更点としては、PS4で家庭用向けにリリースされた「GUNDAM VERSUS」と同様に、相方の耐久値が常に表示されるようになっている。「フルブースト」までは、自分の現在の耐久値を知らせるために絶えず耐久を知らせる通信を送る必要があったのだが、いつでも相方の耐久を確認できるようになったことで、通信を送る必要性が大きく低下し、通信を忘れがちな初心者でも遊びやすくなった(格闘コンボを食らっている最中などに、こちらの被弾を知らせる際には役立つ)。

ただ、とくに「フルブースト」を主にプレイしていたというプレイヤーは、慣れない内は相方の耐久表示を見落としがちなので、最初の内は耐久値の表示を常に意識しながら対戦するようにするといいだろう。

加えて大きな変化といえるのが、ブーストをしている最中でもステップが可能になったこと。「EXTREME VS.」シリーズにおいては、武装の追従を切る効果があるステップは非常に重要な動きだが、「フルブースト」では一度ジャンプや格闘モーションを挟むなりしてブーストダッシュを中断しなければ、ステップを使用できないという仕様だった。

それが本作では、ブーストダッシュをしている最中でもステップを行えるようになり、立ち回りの自由度が大幅に上がっている。ステップを踏むためにいちいちジャンプを挟むと無駄に機体の高度が上がってしまい、着地のタイミングを読まれやすくなるリスクもあったのだが、本作では直にステップしてすぐに着地に移るという動きが可能になった。

これを利用し、BDからステップを繰り出し、さらにステップをキャンセルするテクニック(ステBD、BDステップと呼ばれる)も存在しており、「フルブースト」と比べて武装の追従性能が全体的に上昇している本作においては重要な回避行動にもなってくる。

また、全体的に機体の機動力が上昇しているのに加えて、ブーストダッシュなどの慣性がより乗りやすくもなっている。落下可能なキャンセルルートが大幅に増えていることもあり、ゲームスピードが早くなっているとも感じられた。慣れない内は戸惑う部分もあると思うが、どの機体もかなりキビキビとした動作で動いてくれるので、使っていて非常に気持ちいい。

ブーストゲージを使い切った状態でも使える武装も増えており、着地時のタイミングをずらすテクニック(いわゆる「あがき」ムーブと呼ばれる動き)が豊富だったり、変形を生かしたテクニカルな操作を使う武装が強化されていたり、機体を使い込めば使い込むほど新しい発見ができるようになっているのも、「マキシブーストON」の魅力だ。

プレイアブル機体としては、今回のネットワークテストでも使用できたアーケード版からの183機に加えて、製品版では「ガンダム・バルバトスルプスレクス」、「モンテーロ」、「ザクアメイジング」(バルバトスルプスレクスは初回・早期購入特典)の3機を含めた186機が登場。DLC機体をすべて含めた「フルブースト」のプレイアブルが131機体だったため、約50機以上もの機体が追加されることになる。

3D対戦アクションゲームとしてはこの機体数は非常に驚異的で、TVシリーズはもちろんのことながら、MSV系などのややマニアックな作品を含めた、さまざまなガンダムシリーズからMSとパイロットが勢揃いしている。

それぞれの機体が、作中の細かいネタをアクションとして再現していたり、作品の垣根を越えた掛け合いのボイスが用意されていたり、対戦ゲームとしてだけではなく、好きなMSやキャラクターを思うままに動かしたい、ガンダムシリーズファンが満足できるキャラクターゲームとしても完成度が高い。

残念ながら今回のネットワークテストでは体験できなかったが、1人用のゲームモードである「マキシブーストミッション」も用意されているので、対戦ゲームをあまり遊ばないというガンダムファンにも是非とも遊んでもらいたいタイトルとなっている。

「EXTREME VS.」シリーズのファンを中心に、多くのプレイヤーから大きな期待を寄せられているPS4版「マキシブーストON」。7月の発売が今から待ち遠しい。

機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON

バンダイナムコエンターテインメント

PS4ダウンロード

  • 発売日:2020年7月30日
  • 12歳以上対象

機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON プレミアムサウンドエディション

バンダイナムコエンターテインメント

PS4ダウンロード

  • 発売日:2020年7月30日
  • 12歳以上対象

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機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON

2on2チームバトルアクション
機種
PS4
プラットフォーム
パッケージダウンロード
OS
会社
バンダイナムコエンターテインメント
シリーズ
エクストリームバーサス
ジャンル
アクション
システム
協力対戦
公式サイト
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  • プリコネR特集
  • セール情報
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