スクウェア・エニックスが、2020年8月27日に発売を予定しているPS4/Nintendo Switch/iOS/Android用ソフト「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター(以下、FFCC リマスター)」。ここでは発売に先駆け、Android版のプレイレポートをお届けしよう。
過去に掲載した記事ではマルチプレイを中心としていたが、今回はソロプレイを中心に紹介していく。
どこか懐かしい雰囲気で、穏やかに始まるストーリー
今回発売となる「FFCC リマスター」は、2003年に発売して今なお愛され続ける「FFCC」の雰囲気はそのままに、より美しく鮮やかに蘇らせたタイトルだ。すべてのハードでオンラインマルチプレイが可能なほか、主題歌「カゼノネ」の新録や新規楽曲の追加、キャラクターバリエーション・ボイスの新規実装、高難易度ダンジョン・ボスや装備の追加など、すでに遊んだプレイヤーも、初めて遊ぶプレイヤーも楽しめる内容になっている。
本作の舞台は、猛毒の瘴気に包まれた世界。人々の暮らす場所はクリスタルによって守られているが、その力を保つために年に一度「ミルラの雫」でクリスタルを清める必要がある。この使命を背負うのが「クリスタルキャラバン」と呼ばれる存在で、ダンジョン内のモンスターやギミックをかいくぐりながら「ミルラの木」を探すことになる。
プレイヤーは、この「クリスタルキャラバン」として世界を巡っていく。まずはバランス型の「クラヴァット」、物理攻撃の達人「リルティ」、魔法のエキスパート「ユーク」、スピード特化の「セルキー」といった4つの種族から外見、性別、ボイス、家族の職業を選ぼう。
外見は「FFCC リマスター」で新たに加わったものを含め、各種族10種類ずつのバリエーションとなっている。以前使っていた愛着ある外見を選ぶもよし、改めて選ぶもよしだ。キャラクターは最大8人まで作成でき、同じ村に住むことになっている。
種族によって必殺技が異なるほか、特定の種族向けの装備もあり、家族の職業によっても自分の村に帰ったときに得られる恩恵が異なる。それぞれを上手く活用するために、複数のキャラクターを作成して切り替えるのもいいだろう。倉庫を通じ、作成したキャラクター同士でアイテムの受け渡しもできる。
また、サブキャラクターになりきれる新要素「ものまね」は、モーグリの家を見つけてスタンプを集める、クリア後の高難度ダンジョンの報酬として入手できる「思い出の結晶」を使えばサブキャラクターになりきれるというもの。まねる種族とプレイヤー側の種族が同じでなくてはならないので、ものまねしたいキャラクターがいればあらかじめ同じ種族のキャラクターを作成しておくとよさそうだ。
モーグリの家では旅についてきてくれるモグをペイントしたり、毛をカットしたりできる。使う魔法の傾向や、寒暖の差が激しいダンジョンでのモグのスタミナに影響があるようだ。
こうしてクリスタルキャラバンとして旅立ち、世界を巡っていく中でプレイヤーはさまざまなキャラクターと出会う。街道でのボイスつきカットシーンは何度も見直しが可能なので、新たに加わったボイスをゆっくり味わえるのは嬉しいところ。プレイヤーが経験した出来事は日記に残り、自分だけの冒険記が綴られていくのも非常にワクワクした部分だ。
序盤は生まれ育った村のため、待っている家族のためにささやかな冒険を繰り広げるといった印象だが、旅の中で「黒騎士」といった存在を耳にしたり、そもそも何故世界が瘴気に包まれてしまったのか……と疑問を抱いたりする。色々な場所を訪れた先で、プレイヤーは一体何を知るのだろうか……?
ソロプレイはモーグリと一緒に冒険
「ミルラの雫」を集めるために挑むダンジョンも、世界と同様に瘴気に蝕まれている。そこでポイントとなるのが雫を貯めるための器「クリスタルケージ」だ。この周囲は瘴気が払われるので、持ち運びながら探索することになる。
シングルプレイでは画面内のモーグリのアイコンをタップすればモーグリに持ち運びを指示でき、移動中も自動でプレイヤーの後を付いてきてくれる。光るラインで囲まれた外に出ると体力にダメージを受けてしまうので、戦闘は位置取りに注意だ。
Android版におけるダンジョン内の移動は画面左側をタップ、スライドさせることで操作し、画面右側にあるミニマップ下のコマンドはスライドさせると「たたかう」「まもる」などに切り替えできる。「たたかう」の際は画面右側をタップすれば攻撃になり、必殺技や魔法を放つ場合は画面右側を長押しするとターゲットリングが表示されるので、当てたい位置を選んで発動させよう。
先に進むために敵を倒して手に入れた鍵を運んだり、トロッコを上手く移動させたりするギミックもあるが、ソロでも十分に対処できる。ゲーム序盤にスティルツキンから操作方法を教えてもらえるので、ここでしっかり学んでおこう。
魔法を使うにはモンスターを倒すとドロップする「魔石」が必要で、体力を回復する「ケアル」や、戦闘不能を解除する「レイズ」、攻撃を行う「ファイア」「ブリザド」「サンダー」など種類は豊富。マルチプレイの場合はプレイヤー同士でターゲットリングを重ねると「合体魔法」となり、より強力な攻撃を行える。
シングルプレイの場合はメニュー画面で装備した魔法をあらかじめ組み合わせておけるほか、モーグリも魔法を使ってサポートしてくれる。ただしモーグリがケージを運んでいる状態は魔法を使えないので、状況に応じて切り替えよう。
ダンジョン内には「ホットスポット」と呼ばれるポイントがあり、ここから外に出たり、「クリスタルケージ」の属性を変えたりできる。エリアを遮る「瘴気ストリーム」を進むためにはケージの属性と揃える必要があり、現在の属性はワールドマップで確認できるので移動する際には意識しておこう。
ダンジョンの最奥には「ジャイアントクラブ」や「モルボル」などのボスが待ち構えている。マルチプレイではお互いにサポートに回れるが、ソロプレイでは直接的なダメージだけでなく「スロウ」で行動が遅くなったり、毒を受けたりといった状態異常からもピンチに陥りやすい。それぞれアクションには前兆や特徴があるので、まともに受けないようしっかりと見極めて回避したい。
無事にボスを撃破すると「ミルラの雫」が手に入り、さまざまなプラス効果が受けられる「アーティファクト」を1つ持ち帰ることができる。
「アーティファクト」はダンジョンで宝箱やモンスターを撃破するなどで手に入り、魔法と同じくダンジョンから出るとなくなってしまうが、ダンジョンをクリアした際に手に入れたものは永続的に利用できる。
ステータスをアップさせるだけでなく、コマンドスロットを増やしたり、体力のハートを増やしたりできるものもある。ダンジョン突入時に表示される条件を満たしつつクリアすると貴重なアーティファクトや素材などが戦利品に入る場合もあるので、操作に慣れたらきっちり狙っていこう。
クリア後には家族や知り合いから手紙が届き、返事を出すこともできる。アイテムやギル(通貨)を添付したり、時にはアイテムを貰ったりと、のんびりとしたやりとりが可能だ。手紙で頑張っている自分を案じてくれたり、褒めてくれたり、叱咤してくれたりと、穏やかなコミュニケーションを眺めるたびにほのぼのとした気持ちになれる。
さらに本編をクリアすると、一筋縄ではいかない高難易度のダンジョンにも挑戦できる。新たに追加された装備やアーティファクトが手に入るので、すでに「FFCC」を遊びつくしたというプレイヤーもやり込み要素として楽しめそうだ。
ソロプレイのメリットは、ダンジョンを自分のペースでじっくり回れるところだろう。マルチプレイでは基本的にボスへまっすぐ向かうだろうが、ダンジョン内にはあちこちに宝箱があるし、モンスターを多く倒せば素材やギルも手に入る。強くなるためにはダンジョンや街でレシピを手に入れ、鍛冶屋で強力な武器・防具の作成が欠かせない。
そしてソロプレイは文字通り自分しかいないので、とにかく倒れないようにするのがもっとも重要となる。コマンドスロットには「ケアル」や回復アイテムをしっかり装備し、少しでも体力が減ったらこまめに回復しよう。なお、今回筆者がソロで試したところ序盤のダンジョンは問題なくクリアできたので、まずは1人で操作感をじっくり確かめるのもよさそうだ。
「リバーベル街道」「キノコの森」「カトゥリゲス鉱山」といった3つのダンジョンをクリアすると「クリスタルケージ」にためている「ミルラの雫」がいっぱいとなる。クリスタルキャラバンの帰還を祝うお祭りの中、これまでの旅を振り返る賑やかなムービーで1年目の旅が終了する。
発売当日に配信予定の体験版「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター Lite」でもここまでプレイでき、セーブデータの引継ぎやオンラインマルチプレイも体験できるので、本作が気になっているプレイヤーはぜひ遊んでみてほしい。
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CHARACTER DESIGN: Toshiyuki Itahana
※画面は開発中のものです。
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