ピクセルアートが描き出す「ココロの物語」が心に強く刺さる!魅力的なRPG「ココロインサイド」レビュー

プレイレビュー
0コメント 田中一広

SYUPRO-DXからリリースされたスマートフォン向け2DRPG「ココロインサイド」をレビュー。プレイヤーの心に強く残る魅力を持った本作について、詳しく紹介する。

「ココロインサイド」はSYUPRO-DXからリリースされたスマートフォン向け2DRPG。「彼女は最後にそう言った」など、SYUPRO-DXが手掛けた作品は、スマートフォン向けゲームで根強い人気を持っている。

このため、新作と聞いて即座にプレイした人も多いだろう。とはいえ、大手デベロッパーほど知名度があるわけではないので、知らなかったという人も少なくないハズ。しかし、本作の出来を考えると、それはもったいない! 本作は、一人でも多くの人にプレイしてもらいたい。それだけの魅力を持った作品だ。なので、本記事でその魅力をお伝えしたい。

ココロを巡るピクセルアートの2DRPG

本記事のスクリーンショットを観てもらえば一目瞭然。本作はピクセルアートで作られた2DRPGだ。ピクセルアートと一言でいっても、最近では多彩なスタイルが存在している。ファミコンなどの8bit世代を思わせるもの、スーパーファミコンなどの16bit世代を思わせるもの、そしてニンテンドーSwitchのRPG「オクトパストラベラー」のように、ピクセルアートと3DCGやライティング技術などを組み合わせたモダンなもの。こうした中で本作のスタイルは、現代的な技術を最低限に抑えた8bitスタイルが取られている。

実際、本作のスクリーンショットから、ファミコン時代のRPGを連想した人も多いのではないだろうか。とはいえ、本作はことさらレトロを狙った作りにはなっていない。ただその一方で、筆者のように子どものころファミコンに夢中になった世代であれば、本作から胸を締め付けるような切なさを感じることだろう。

というのも本作は、「ココロ」をテーマにした作品。かつて幼なじみとと過ごした街へと戻った主人公は、幼なじみから「ココロインサイド」というアプリを紹介される。ゲームタイトルにもなっているこのアプリは、人の心に入れるというもの。

街では、女子高生の連続失踪事件をはじめとして、「人が消えてしまう」事件が立て続けに発生していた。こうした事件を解決するカギとなるのが「ココロインサイド」アプリ。人の心に入ることで、その人だけが知る情報を調べたり、時にはその人の心を蝕む怪物を倒すことで、直接的に事件を解決したりといったことが可能になる。

つまり、本作のストーリーは「ココロの問題を解決する」ことを描いていく。こうした、「ココロの問題」と「社会的な事件・トラブル」とを繋ぐ見せ方そのものは「ペルソナ」シリーズが得意とするテーマだ。

しかし、「ペルソナ」シリーズがアニメ調のスタイリッシュな3DCGで演出していくのに対し、本作は8bitスタイルのピクセルアートと、演出は正反対。このことが、本作独自の魅力を生み出している。

おそらく、本作の魅力がダイレクトに伝わるのは、子どものころファミコンに夢中になった世代ではないだろうか。この世代が本作をプレイする時、本作のファミコンRPG的ルックスによって、自然と子どものころの記憶が刺激されてしまう。

そこに流れてくるのは、「ココロの問題」。2020年現在、30代後半~50代といった年齢に達しているファミコンキッズなら、これまでの人生で、辛かったこと、苦しかったことをいくつも経験してきているだろう。だからこそ、だからこそ、本作が見せる登場人物の「ココロの問題」が深く刺さるのだ。

かくいう筆者は、本作の第一章、とある人物の心の中にぽっかりと空いた穴のエピソードで号泣。さらにその後も、終章に至るまで事あるごとに号泣するという体験を繰り返してしまった。涙が出るというレベルではなく、「ひっく、ひっく」としゃくりあげるレベル。これは、このエピソードが筆者の個人的な記憶にドンピシャで刺さったからだろう。

すべての人が号泣するエピソードではないと思う。でも、刺さるポイントこそ違えど、本作で描かれている「ココロの中」のいずれかは、これを読んでいるあなたの心にも刺さるのではないかと思う。それくらい、各エピソードがよくできていて、共感させる力が強い。

「子どものころファミコンに夢中になった世代」と書いたが、それ以外の世代は感動できない作品なのかというと、そんなことはない。子どものころにファミコン未体験の世代であれば、確かにピクセルアートが懐かしさを刺激することはないだろう。ただ、「ココロの問題」は誰にでも当てはまる普遍的なものだ。「MOTHER」シリーズや「UNDERTALE(アンダーテイル)」といった作品が世代を超えて愛されているように、本作もまた、あらゆる世代から愛される作品だと思う。

テンポのよくスピーディーにプレイできるゲームシステム

次に、本作のゲームシステム面に目を向けたい。ゲームの流れは、2Dマップを移動して会話や探索を行い、ココロの問題が絡んだ時限を解決していく…というもの。会話対象によっては、「ココロインサイド」を使って「ココロの中」に入ることができる。この「ココロの中」が、一般的なRPGでいうところのダンジョンだ。

「ココロの中」には、敵として怪物が登場する。怪物との遭遇はシンボルエンカウント形式。接触すると、画面はそのままで戦闘に移行する。戦闘はターン制で、通常攻撃はオート。1ターンに1回、手動でスキル使用が可能だ。

スキル使用は、ややカジュアルなアクション的な仕様になっている。スキルを選ぶと画面に左右に揺れるバーとゲージが出現。画面タップでバーを停止することができ、タイミングよくスキルが表示されているエリアで止めることができれば、スキルが発動する。どことなく「UNDERTALE(アンダーテイル)」を思わせるシステムだ。

攻略にあたってはスキルを使用するタイミングそのものも重要。敵がスキルを発動した瞬間にスキルを発動すれば、敵のスキル発動に先がけてこちらのスキルを発動できる。たとえば、本作の冒頭で手に入る「たえぬく」は、2ターンの間攻撃を受け付けないというスキルなので、タイミングよく「たえぬく」を発動すれば、たいていの敵攻撃を回避可能だ。

画面切り替えなし、通常攻撃オート。こうした要素によって本作はテンポよくサクサクプレイできる。カジュアルアクション的なスキル使用がもたらす、適度なスリルも心地いい。さらに本作、マップの移動速度が超速!本作の移動操作は、タップするだけ。タップした場所へ主人公が移動し、調べたり、会話したりといったアクションが行われる。主人公は瞬間移動するわけではなく、マップを一歩ずつ進んでタップ地点へと向かうのだが、時間的にはほとんど瞬間移動といっていい。気になるところを次々軽快にタップする感覚は、まるで脱出ゲームのようだ。

お金を払ってでも追加ストーリーをプレイしたいと思える作品

手放しのベタ褒めに近い状況だが、実際本作をプレイしてもらえれば、筆者の感覚を理解してもらえると思う。本作は無料ゲームだが、無料だから心理的なハードルが下がっているということもない。

ちなみに本作には、主人公のHPをアップしたり、装備品である「マネキン」を購入したりするためのアイテムとして、「ネコ缶」という課金アイテムが登場する。「マネキン」は「ココロの中」での自分の姿を表しており、付け替えることで外見や能力値、スキルが変化。いわば「ペルソナ」シリーズにおける「ペルソナ」のようなもので、非常に重要な要素だ。

なので、課金で「マネキン」をガンガン買ったらそれだけゲームは有利に進むのだが、ゲームバランスは、課金を一切使わずとも十分進行可能なレベルに調整されている。そもそも「ネコ缶」は通常にゲームプレイするだけでも獲得可能なのだ。

しかし、筆者は課金した。…というもの、「ネコ缶」の累計購入数が一定数に達すると、今後配信される追加ストーリーが手に入るのだ。つまり、「ストーリーがおもしろいから、お金を払ってでも追加ストーリーを楽しみたい」そう思える作品だった、ということ。RPGファンは是非とも本作をプレイして欲しい。

App Store
https://apps.apple.com/jp/app/id1516089446?mt=8

Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.syuprodx.cocoro&hl=ja

本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

関連タグ

注目ゲーム記事

ニュースをもっと見る

ゲームニュースランキング