カプコンがPS5/Xbox Series X向けに発売する「デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション」の先行プレイレビューをお届けする。
本稿ではストーリーに関するネタバレには極力触れないが、後半の特にバージルの性能についてはストーリーのネタバレに抵触する記載がある。「デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション(以下、「DMC5SE」)」で初めて「DMC5」に触れる人は、バージルの部分は(できれば)読まないでプレイをしてほしい。
※ただし、「DMC4」までで判明しているキャラクターの設定などは、本稿でも触れている
最初に、そもそもの「DMC5」について、軽くおさらいをしておこう。「DMC」シリーズのストーリーは過去の4作品(※小説版の設定を拾っている)と繋がっているが、初めて遊ぶという人にも前もって知っておいてほしい点は実はそう多くはないので、「DMC5」で初めてシリーズに触れるという人にも、下記のおさらい要素だけ確認をしておいてほしい。
本作の主人公のひとり。悪魔を屠る機動の剣「レッドクイーン」と、ネロの右手の義手を武器とした「デビルブレイカー」、連装銃「ブルーローズ」を主軸に悪魔を屠る、デビルハンター。長年「DMC」シリーズで主人公を務めてきたダンテの双子の兄・バージルの息子。(つまり、ダンテの甥)
デビルブレイカーは通常8種に加えて、DLCで販売されたものを収録されている。デビルブレイカーによって電撃で敵を攻撃したり、レーザーを発射したり、ロケットパンチのように飛ぶものがあったり、ネロが失った「デビルブリンガー」を再現したものだったり、様々な性能になっている。デビルブレイカーの装備順もカスタマイズ可能。ただしデビルブレイカーは壊れやすく、デビルブレイカーでの攻撃中に敵から攻撃を受けると壊れてしまう。一方で、デビルブレイカーを消費して、必殺技を放つこともできる。
本作の主人公のひとり。本作が初登場のキャラクターで、素性は一切不明。「DMC5」は、Vがダンテに“魔王ユリゼン”の討伐を依頼したところから始まる。
自身は戦う力を持たず、召喚した使い魔である鳥のような「グリフォン」と、豹のような「シャドウ」を使役して戦う。「DTゲージ」を消費することで、強力な魔獣「ナイトメア」を呼び出すことが出来る。ただし、使い魔たちは敵を瀕死には出来るが倒すことは出来ず、瀕死になった敵にVがトドメを刺さなければならない。大分クセが強いものの、初心者が最もスタイリッシュランクを稼ぎやすいキャラクターとなっている。
本作の主人公のひとり。悪魔である魔剣士スパーダと人間の女性エヴァの間に生まれた双子の片割れで、悪魔退治専門の便利屋事務所「Devil May Cry」を営んでいた。これまでに数多くの大悪魔を倒した、伝説のデビルハンター。
武器は「リベリオン」と呼ばれる剣、殴りと蹴りを出す「バルログ」、そしてバイク型の武器の「キャバリエーレ」の他、ヌンチャク型のような武器「キングケルベロス」など、多様な武器を使いこなす、最強の男。また、武器以外に「スタイル」を切り替えて戦うという特徴があり、回避特化の「トリックスター」、近接武器特化「ソードマスター」、銃火器特化「ガンスリンガー」、防御特化「ロイヤルガード」などの各種スタイルを、武器と組み合わせて戦う。また、DTゲージを消費することで、ダンテの持つ悪魔の力を解放して「魔人化」することが可能。
ダンテの双子の兄にして、ネロの父親。人間の可能性を信じたダンテと違い、かつて母を守れなかった自分の無力さを嘆き、人間らしい感情を捨て、ただひたすら力を求め、悪魔として生きる道を選び、ダンテとは袂を分かった。「DMC5」ではプレイアブルキャラクターとしては使用できなかったが、「DMC5SE」からプレイアブルキャラクターになる。
さて、それではまず早速、「DMC」シリーズのファンが最も気になっているであろう、バージルのプレイ動画から紹介したい。バージルの詳細な使い勝手については後述するので、そちらを参考にしてほしい。
プレイヤーバージル+レイトレーシングオンでの動画。レイトレーシングについても後述。
バージル特有のゲージ「集中ゲージ」は走ったり攻撃を空ぶると減少してしまうが、上手く維持できれば技の性能がアップする。魔剣「閻魔刀(やまと)」と呼ばれる日本刀を模した武器をメインに、篭手と具足の近接武器「ベオウルフ」、連撃に特化した「ミラージュエッジ」、飛剣「幻影剣」などを使用して戦う。DTゲージで自身の分身「ドッペルゲンガー」を出現させる。そして「SDTゲージ」を消費することで、「真魔人」となることが出来る。
他にも登場人物は多数いるのだが、ストーリーに大きく関わるのはこの4名。また、前述の通り、「DMC」シリーズを初めて遊ぶ人にとって必要な知識も、ほぼこれだけだ。もちろん続き物である以上、前作までのストーリーを踏襲していたほうが楽しめるのは間違いないが、上記の知識さえあれば少なくともストーリーで完全に置いてきぼりになることはないと思うので、ぜひ「DMC5SE」が初めてという人も、この世界に飛び込んでみてほしい。
そして「DMC」シリーズと言えば、スタイリッシュなアクションが、何よりの魅力。この手のゲームにしては珍しく、まずガードというものは基本的に存在しない。守るのではなく、時にはクールに敵の攻撃を回避し、いかに華麗に攻め続けられるかこそが、「DMC」シリーズの最大の特徴と言える。
元々は上級者向けといったイメージの強いゲームだったが、最近の「DMC」シリーズはアクションが苦手な人でもひたすらボタン連打しているだけでカッコよくコンボがつながるモードもあれば、アクションを得意な人が自分のこだわりのコンボをカッコよく繋げて究極のスタイリッシュさを追い求めていくことも出来るようになっており、ライト層からヘヴィ層までが幅広く遊べるゲームとなっている。
実際筆者は長らく「DMC」シリーズのファンだが、腕前としてはアクションが苦手な組に分類される。そんな筆者のようなライト層からディープなアクションゲームファンまでが、分け隔てなく楽しめるゲームなのだ。
今回のスペシャルエディションでは、ストーリー本編で使用できる3人の主人公に加えて、バージルがプレイアブル化。それぞれのキャラクターの使い勝手は全く違うので、まずは全キャラクターの操作性を色々試してほしい。
なお、「DMC5」のメインストーリーはミッションごとに主人公が切り替わっていく形となり、プロローグ~ミッション3まではネロ、ミッション4~5はV……というように、ミッションで操作するキャラクターは決まっているが、バージルを選んだ場合のみ、ストーリーの最初から最後までを、バージルひとりきりで走り切るような形となっている。そういった都合上、バージルでのプレイ時はほぼ全部のストーリー上のカットシーンが削除されているので、基本的には二周目以降専用のキャラクターだと思ってほしい。(だが、バージルでクリアすると嬉しいカットシーンがあるという情報も……!?)
バージルの使用は最初から可能だが、既に「DMC5」を遊んだ人はともかく、「DMC5SE」で初めてプレイをする人は、難易度の面からも本来のストーリーモードをクリアしてからバージルでプレイするのがオススメだ。
「DMC5SE」は、ハードが次世代機になったことで、元々美麗だったグラフィックが更に美しくなり、水面や鏡などの反射をダイナミックに表現するレイトレーシングによって、CGとは思えないほどリアリティのある光と影が表現されている。レイトレーシングは、「グラフィックオプション」から「オン/オフ」を選択可能。レイトレーシングはさらに解像度優先(4K/30FPS目安)とフレームレート優先(1,080P/60FPS目安)のいずれかを選ぶことができる。なお、前述のバージルのプレイ動画はレイトレーシングがオンになっているので、改めてじっくり見直してみてほしい。ただし、レイトレーシングはかなりマシンパワーを割く機能のため、本作で実装される「ハイフレームレート」とは共存ができない。
ハイフレームレートをオンにすると最大120FPSのハイスピード描画でゲームプレイが楽しめるが、レイトレーシングは強制的にオフになるので、自分のプレイしたい遊び方に合わせて、どの設定を選択するか、考えてほしい。なお、ハイフレームレートで遊ぶためには対応したモニターが必要なので、最高のゲーム体験を追い求めたい人は、次世代機にあわせてモニターの買い替えも検討してほしい。
そして今回イチオシの、ゲームプレイそのもののスピードが1.2倍速となる「TURBO」。元々「DMC5」はハイスピードなスタイリッシュアクションなので、「キャラクターの移動速度が遅い」とかそういった不満を覚えることは一切ないのだが、「TURBO」はそこからさらにスピード性が上がり、移動からアクションまで、たった1.2倍、されど1.2倍という、絶妙な速度感でプレイをすることが出来る。
「TURBO」に関しては、これまでにもスペシャルエディションで追加されてきた機能だが、それでもやはり1.2倍という速度でのプレイ感は、素晴らしいの一言に尽きる。
「DMC」シリーズは周回プレイ前提のゲーム性となっており、ユーザー次第では周回毎にどんどん難易度を上げていくことになるが、TURBOがあれば周回プレイが楽になることはもちろん、スピードが全体的に速くなることで、よりかっこよく見えてしまうという、素敵なオプション付き。コンボが上手い人はもちろんのこと、筆者のような下手くそ側の人間でも、TURBOにするだけで更にキャラクターたちがかっこよくなってしまうという、神のような設定なので、これはぜひ「DMC5SE」から初めて触れるという人にも、最初からオンにしてプレイしてみてほしい。
ただし、「TURBO」は若干”速すぎる”ため、慣れ親しんだマップであっても曲り道を一瞬通り過ぎてしまったり、ジャンプをする場所でこちらの動作のほうがついていかず、若干遅れて引っ掛かることなどがあった。ただこれについては、遊んでいくうちに速度感に慣れていくだろう。
そして新難易度の「レジェンダリーダークナイト」。これは最高難易度「Dante Must Die」を更に上回る、歴代の「SE」シリーズにて搭載される真の最高の難易度だ。「DMC5SE」では次世代機になったことで、大量の敵とのバトルが可能になっている。
今回は試遊用に用意されていたスーパーシリーズ(Dante Must Dieをクリアすることで解放される各キャラクターのコスチューム)が使用できたため、スーパーコスチュームを使って、ミッション4を体験させてもらった。「大量の敵」というのがどの程度なのだろうと思っていたが、実際に次から次へと敵が現れ、プレイヤーに襲い掛かってくる。スーパーシリーズを使用していたのでなんとか倒すことができたが、次から次へと現れる大量の敵を相手にするのにはなかなかに苦労した。
ゲーム性としては無料DLCで解放される「ブラッディパレス」に近くはなるのだが、敵の強さや難易度からも、Dante Must Die以上の難易度に設定されており、通常のコスチュームではレジェンダリーダークナイトのクリアは相当に難しいとのこと。
もちろん言うまでもないが、大量の敵が出てくることによる処理落ちなどは見受けられず、スタイリッシュなアクションを損なうことは一切ない。正直なところ、多数の敵の登場による処理落ちに関してはかなり覚悟をしていたのだが(というのもおかしな話になるが)、これについてはさすがの一言。スーパーシリーズを使用しておびただしい数の敵を薙ぎ倒していく爽快感を味わうか、より一層スタイリッシュに敵の攻撃を掻い潜り立ち回るかは、プレイヤーの好みで遊び分けてほしい。
なお、スーパーシリーズは「DMC5」では有料DLCとしても販売されていたが、「DMC5SE」でも発売されるとのこと。Dante Must Dieを自力で乗り越えられる自信がない人や、遊ぶ時間がなかなか取れなくてそこまでやりこめない、というユーザーは、有料DLCを購入してレジェンダリーダークナイトにチャレンジしてほしい。
さて、いよいよここからはファンが「DMC5SE」にて恐らく最も楽しみにしているであろう、プレイヤーバージルの紹介をしよう。バージルは、「DMC4SE」でのアクションをベースに、更なる進化を遂げている。そしてここより以下は「DMC5」のストーリー本編のネタバレをかなり含むため、未プレイの人は注意してほしい。
劇的なグラフィックの進化を遂げ、フォトリアルで細部の表現も歴代のシリーズとは一線を画す「DMC5」だが、バージルもエフェクトの派手さはもちろんのこと、閻魔刀を使用してのアクションを始め、その動きはいずれも、より洗練されたものとなった。
まずバージルの特徴といえば、「コンセイトレイション」と呼ばれる”集中ゲージ”。的確に回避や攻撃を行うことで上昇し、ゲージが上がれば上がるほど技の性能があがる反面、秘奥義”次元斬・絶”は集中ゲージが最大+SDTゲージも消費しないと出せない大技。
バージルがメインに使用する閻魔刀は集中ゲージの影響が大きく、集中ゲージが最大レベルになれば攻撃範囲や威力も上昇する。また、バージルのキメの技として頻繁に使われる次元斬は、ほぼ全部の攻撃からボタンを長押しすることで発動するという特徴があり、閻魔刀が光ったタイミングで発動すると性能が強化。そして本作で新たに追加された技「時空裂閃」は、時空を切り裂いて敵を引き寄せることが可能。
「ベオウルフ」はリーチが短いが威力が大きい篭手と具足で、閻魔刀とは一変した格闘術。敵を空中に浮かせるのに向いている。
「ミラージュエッジ」はバージルの魔力で具現化した剣で、閻魔刀と大きく違うのは幻影であるのを示すように青い光を放っている。
また、バージルは銃を使用せず、遠距離攻撃も「幻影剣」で行う。幻影剣のその美しさは、敵に攻撃がヒットした後も残留するところだろう。
DTゲージを消費して自身の分身を生み出したり、DTゲージのその更に上位となるSDTゲージが最大のときにはバージルの悪魔の姿を解放する真魔人へと変貌する。真魔人の時にしか使用できない閻魔刀とミラージュエッジの二刀流攻撃や、ベオウルフの秘奥義もある。
そして本作で更に追加されたのが、バージルから分かたれた人としての力である「ワールドオブV」だ。VとVが従えていた魔獣たちが一斉攻撃を行う攻撃で、技を出すにはPS5の場合、LスティックをR1+L3一回転+〇というコマンドになるが、このコマンドはVの最強技「ロイヤルフォーク」と同じ。強力な技のため発動時には全ての集中ゲージを消費してしまうが、多数の敵に囲まれた場合は非常に有効な攻撃で、しかもワールドオブVを使用したあとはバージルの体力も回復する。狙った時に自在に出せるように練習したい。
ここまではほぼ説明になりがちだったが、ここから先は「DMC5」をプレイしたひとりのプレイヤーとして、改めて「DMC5SE」の話を進めていこう。
まず推したいのは、圧倒的なまでの画面の美しさ。「DMC5」の時点で既に充分に美しく、4K環境では充分すぎるほど美麗なグラフィックを堪能出来ていたのだが、本作ではそれを更に上回るものとなっている。今回は残念ながら120FPSでの体験が出来なかったが、こちらのプレイ環境は相当に素晴らしいようで、まさに「ヌルヌル動く」という表現がぴったりなほどだったという。開発内部でも、120FPS環境でのテストは奪い合いだったのだとか。
また、今回試遊をしたのはPS5版だったのだが、PS5用ワイヤレスコントローラー「DualSense」についても特筆したい。というのも、「DMC5」の操作感がDualSenseと実に相性が良いのだ。特に驚いたのは、ゲーム内の状況に応じてトリガーを引く強さを体感できるという、「アダプティブトリガー」。例えばネロの剣・レッドクイーンの特徴とも言える「イクシード」は、剣の柄をバイクのグリップを捻るような動作が特徴的なアクションで、イクシードには実装当初からL2ボタンが割り当てられているが、「DMC5SE」ではL2ボタン――つまりLトリガーを引くことで、レッドクイーンのグリップを本当にグイっと捻っているかのような感触と振動があるのだ。
なお、主に武器を切り替えるキャラクターで使用することの多いR2ボタン(RT)は、トリガーを引く強さにもあまり抵抗はなく、比較的カチっとした軽めの押し心地と振動になっている。左右で完全に違う、トリガーを”引く”感触には、虜になってしまい、普段イクシードの発動タイミングをなかなか上手く決められず、イクシードをあまり使っていなかった筆者も、ついついイクシードをフカし気味にプレイしてしまった。(「DMC5」から入力タイミングが緩和されているので、イクシードは以前よりも発動しやすくはなっている)
そしてバージルは、「DMC4SE」からの新戦闘スタイルであるコンセントレイションを更に奥深く掘り下げたようなバトルスタイル。基本的にはほぼ「DMC4SE」からの正統進化でありつつ、少なくとも筆者が動かした限りでは以前よりもテクニカルキャラクターというイメージは少し減ったように感じる使い勝手だった。――とは言っても、結局バージルがバージルたる所以として、”いかにバージルらしさを極めるか”にあると言っても過言ではないので、そこを突き詰めるならばもちろんテクニカルな操作が求められる。
とはいえ、R1+◯でのエアトリックの使い勝手は相変わらず最高で、集中ゲージを高めるためにも、エアトリックは常に出せるようにしておきたい。ところで本作のバージルはフォースエッジがなくなり、その代わりにミラージュエッジが実装されているが、その理由については「DMC5」をプレイしたファンならば既に察しがついている人もいるのではないだろうか。(でも結構ネタバレの中でもネタバレなので、察しがついても、もう少しだけ黙っておいてほしいところだ)
閻魔刀で出せる時空裂閃は、本作でフォースエッジがなくなったため、閻魔刀に追加された新技といった感じだ。バージル自身が敵の前の前に瞬間移動するエアトリックとは違い、時空裂閃は敵をバージル側に引き寄せるので、周囲にいる敵の数、この先に予定しているコンボなどを考えて、エアトリックと時空裂閃を使い分けていこう。
今回は次世代機のローンチタイトルとなるとあって、「DMC5SE」を楽しみにしている「DMC5」ファンだけではなく、次世代機が購入できた層が新たに「DMC5SE」をぜひ手に取ってほしい、と思い、内容としては少々どっちつかずの記事になってしまった自覚はあるが、改めて「DMC5」はアクションに自信のある人から、まずはゆっくり「DMC」の世界観を知ってみたいというのんびり遊びたい人まで、どちらも楽しめる内容であることを重ねて言いたい。
また、コンボが楽につながるようになる「AUTOMATIC」は難易度に関係なくオンオフが可能で、例えば新しい武器や新しい技を覚えた時は一時的にAUTOMATICにしてコンボのつながりを確認したりすることもできるので、上級者でもAUTOMATICは積極的に活用していってほしい。もちろん初心者は常時AUTOMATICをオンにしておけば、どんどんスタイリッシュなコンボが決まるようになっている。だからこそ「DMC」シリーズには様々なファンがおり、筆者のようにそこまで細かい操作や高難易度はクリアできずとも「これぞヒーローもの!」というストーリーを目一杯楽しむプレイヤーから、ひたすらに華麗なコンボを追求したいプレイヤー、高難易度を高ランクでクリアすることに至高の喜びを感じるプレイヤーなど、多くのファンの欲求を満たす作品になっているのだ。
ちなみに第一作「DMC」は、同社から出ている「バイオハザード」シリーズの新作として開発されたという裏話があり(結局開発過程でバイオハザードとは異なる方向となったため、「DMC」という新たな作品として制作された)、「バイオハザード」シリーズらしい謎解きの要素が、ほんの僅かにだが、現在の「DMC」シリーズにも継承されている。(過去作品のほうが謎解き要素は濃い)
更に、「DMC5」は「バイオハザード7」、「バイオハザード RE:2」、「バイオハザード RE:3」などで使用されているカプコンが開発した「REエンジン」を使用して作成されているという、「バイオハザード」シリーズとも縁のある作品だ。実際、世界観は現代を舞台にした「バイオハザード」シリーズと、魔界などのファンタジー要素が多い「DMC」シリーズではまるで違うものの、”カプコンらしい画作り”というものを、どちらの作品でも共通して感じ取ることが出来る。
前述の通り、「DMC」シリーズは続き物ではあるものの、主要4名のキャラクターの人間関係さえ覚えていれば、ストーリー上では困ることはない。だが、強いて言うならばアニメ版から小説版まで様々な派生作品に出てきたキャラクターまで全員集合に近いようなタイトルとなっているため、過去の「DMC」は遊んでいたけれど最近は遊んでいなかった、というような人にもぜひ遊んでほしい内容だ。
誰でも気軽に遊べる正統派3Dアクションとして、「DMC」シリーズを抜けるほどの作品は実際なかなか存在しない。グラフィク、緻密な操作性、キャラクター、音楽、そのどれもが頭ひとつ飛び抜けている作品が「DMC5」であり、そのゲームが次世代機で「DMC5SE」となって帰ってくるのだから、ぜひとも次世代機の購入戦争を勝ち抜いた人たちに、手に取ってみてほしい。