コーエーテクモゲームスが2020年11月20日に発売する、Nintendo Switch用ソフト「ゼルダ無双 厄災の黙示録」。本作のプレイインプレッションをお届けします。
任天堂が2017年3月にNintendo Switch/Wii U向けに発売した「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」。主人公“リンク”が世界の平和を脅かす“厄災ガノン”を倒すために冒険に旅立つというシリーズの流れはそのまま、「ゼルダの当たり前を見直す」をコンセプトに今までにない「ゼルダの伝説」として誕生した作品です。
そしてコーエーテクモゲームスより2020年11月20日に発売されるNintendo Switch用ソフト「ゼルダ無双 厄災の黙示録」では、「ブレス オブ ザ ワイルド」で断片的にしか語られることのなかった「100年前の大厄災」の壮絶な物語が描かれます。
100年前に何が起きていたのか、どんな戦いがあったのか。「ブレス オブ ザ ワイルド」を補完する物語が「無双」シリーズならではのアクションとともに、ドラマティックなストーリーで楽しめるのが本作です。
ここでは、そんな「ゼルダ無双 厄災の黙示録」を、発売に先駆けてプレイ。ここでわかった本作の魅力をお届けしていきます。
100年前の大厄災、そこにあったドラマに注目
「ゼルダの伝説」ファンが一番気になるのは、なにより本作のストーリーになるのではないでしょうか。「大厄災」が起こる100年前の「ハイラル」の風景を新たに描き、主人公「リンク」をはじめとしたおなじみのキャラクターたちが、在りし日の姿で登場するというのは、何よりも嬉しいポイントです。
「ブレス オブ ザ ワイルド」では過去の人となっていた4人の英傑たちはもちろん、プルアやロベリーなど一部のキャラクターは若かりし頃の姿で登場(プルアは「BotW」時代の方が若いのですが……!)。彼らが何を想い、どのような経緯で大厄災に立ち向かっていったのか。これをゲーム体験として味わえるのが、本作の魅力です。
物語は、厄災ガノンの復活が予言され、魔物たちがこれまでにないほどに増加しているという状況から始まります。ハイラルの人々はこれに対抗するため、神獣を発掘し古代遺物の研究を進めるなどの対策を練っています。主人公・リンクは、この段階ではまだ一介の兵士に過ぎませんが、戦いの中で功績をあげていくことでゼルダ姫のお付きとして、神獣の繰り手となる4人の英傑を探す旅にでます。ここで描かれる、100年前のキャラクターたちの関係にも注目です。
任天堂の公式監修によるストーリーはもちろん魅力なのですが、ゲームをプレイして驚くのは、そのグラフィックです。トゥーンレンダリングで描かれたキャラクタービジュアルはもちろんのこと、草木の揺れから空気感まで「ブレス オブ ザ ワイルド」の世界観が継承されています。その出来栄えは、「ゼルダ無双」ではなく「ブレス オブ ザ ワイルド」の続きをそのまま遊んでいると錯覚してしまうほど。
もちろんグラフィックだけでなくSEも「ブレス オブ ザ ワイルド」でお馴染みのものが使われています。さらに流れるBGMは、「ブレス オブ ザ ワイルド」の曲がアレンジされたもの。「ブレス オブ ザ ワイルド」好きならどの曲がアレンジされているのか気づくかもしれませんね!
登場する魔物たちもお馴染みのキャラクターが登場。多くのプレイヤーを苦しめたライネルや、圧倒的な巨体のマグロック、イーガ団の長であるコーガ様など(100年前からいるということは世襲制なのでしょうか……?)と、再び熱いバトルが楽しめるのも本作ならではです。
「ゼルダ」と「無双」のいいとこどりをした爽快アクション!
続いては「ゼルダ無双」として生まれ変わった、アクション部分の魅力を探っていきましょう。本作の基本的なアクションは「無双」シリーズの流れを汲んでいます。Yボタンで通常攻撃、Xボタンで強攻撃、Aボタンで必殺技、Bボタンでダッシュといった具合です。Yボタンの通常攻撃コンボから繋げてXボタンを押すタイミングで様々な強攻撃を出せる、「無双」シリーズならではの操作感も踏襲されています。これによって、通常時は一騎当千の爽快感溢れるアクションが楽しめます。
では、「ブレス オブ ザ ワイルド」の特徴であるステップ回避を織り交ぜた緊張感のある戦闘はどうなっているかというと、こちらは強敵とのバトルで味わうことができます。ボスやモリブリンなど一部のモンスターは強敵として登場するのですが、これらの敵はRスティックを押し込むことで「注目」することができます。
注目状態になるとアクションが変化してBボタンでステップが可能に。この状態では「ブレス オブ ザ ワイルド」と、ほとんど遜色ない感触で戦闘を楽しむことができました(前ステップからのジャンプ切りのみできませんでした)。敵の攻撃を「回避ジャスト」で避けてスローモーション中に「ラッシュ」を叩き込むといったプレイも可能で、「無双」の爽快感と「ブレス オブ ザ ワイルド」の緊張感を一緒に楽しめてしまうのは、ただただ驚きでした。
「ブレス オブ ザ ワイルド」ファンが懸念することとして、Xボタンが強攻撃になっている関係でジャンプボタンが無くなっていることがあるのではないでしょうか。特にパラセールを使ったアクションは「ブレス オブ ザ ワイルド」の自由度を象徴するものでしたので、本作にどのような形で落とし込まれているのか気になっている人も多いはずです。
……ですがご安心ください。ジャンプボタンは無くなりましたが、様々なアクションの途中でジャンプすることが可能で、その派生行動としてパラセールも使用できます。リンクであればY>Xコンボで飛び上がった後にパラセールを使用したり、後述する「シーカーストーン」アクションのアイスメーカーで飛び上がったりすることができます。
また、壁に向かってダッシュをすると「三角飛び」をすることができ、こちらでもジャンプが可能です。これらを使いこなせるようになると、より「ブレス オブ ザ ワイルド」らしい戦いができるようになります。
以下にリンクのアクションを動画にまとめたので、ぜひ映像でチェックしてみてください。
本作では主人公のリンクに加えて、ゼルダやインパ、4人の英傑たちなどがプレイアブルキャラクターとして登場します。筆者は仮面の力で異なる種族のアクションが楽しめる「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」がシリーズで一番好きなタイトルなのですが、ダルケルやミファー、リーバル、ウルボザといった4人の英傑をプレイした時に、あの頃に近い興奮を感じました。
例えばダルケルは、ダッシュをすると体を丸めて転がって移動ができ、しっかりと攻撃判定もあります。リーバルは実際に空を飛ぶことができ、地上と空中でアクションも異なります。キャラクター一人ひとりのアクションの手触り感がまったく違うので、どのキャラクターをプレイしていても楽しくて、ついつい時間を忘れてしまいました。
ダルケルは、マグマを爆発させることができる他、「ダルケルの護り」で防御にも秀でています。 |
ミファーは、設置した水流をつかって滝登り攻撃をしかけたり、トリッキーな戦いができました。 |
リーバルは、「リーバルの猛り」上昇気流を発生させ、空を飛ぶことができます。 |
ウルボザは、固有の雷ゲージを使用して強攻撃をさらに強化することができます。 |
また、本作には「シーカーストーン」を使ったアクションとして、原作にも登場した「リモコンバクダン」「マグネキャッチ」「ビタロック」「アイスメーカー」が使用できるのですが、キャラクターによってその性能が異なる点も面白いポイントです。
「リモコンバクダン」であれば、リンクはシンプルに敵に投げて攻撃しますが、ゼルダは特殊な形のバクダンを呼び出して操作できたり、ウルボザは爆風に乗ってパラセールで飛ぶことができます。キャラクターの固有アクションのみならず、「シーカーストーン」のアクションまで差別化されていて、徹底的な作り込みを感じました。
ちなみに「シーカーストーン」のアクションは、攻撃のバリエーションという意味以外にも、特定の敵に対する攻略でお世話になります。防御を固める敵にはリモコンバクダン、鉄製の武器を使っている敵にはマグネチャッチ……、と効果的な場面があるのです。「シーカーストーン」のアクションが有効な敵には、頭の上に対応したアイコンが表示されるので、咄嗟に使えるようになると重宝します。
4人の英傑のアクションもそれぞれ動画にまとめたのでこちらも是非確認してみてください。
本作ならではのお楽しみ要素として、「ゼルダ無双 厄災の黙示録」ではなんと神獣に乗り込んで実際に操作することができます。「ブレス オブ ザ ワイルド」では、厄災ガノンに乗っ取られ暴走していましたが、本作では強力な切り札として登場するのです。神獣を操作するパートは迫力満点! ライネルの大群ですらバッサバッサとなぎ倒していく様は思わず笑ってしまうほどのインパクトがありました。
「ブレス オブ ザ ワイルド」ファンならマストバイ!
今回のプレイを通して、「ブレス オブ ザ ワイルド」と「無双」シリーズのいいとこどりをした戦闘システムに加えて、「ブレス オブ ザ ワイルド」で語られることの無かったストーリーが楽しめる本作は、「ブレス オブ ザ ワイルド」ファンなら間違いなく楽しめる作品に仕上がっていると感じました。
もちろん、「ブレス オブ ザ ワイルド」をプレイしたことを無い人が、本作から入って時系列順に「ブレス オブ ザ ワイルド」をプレイするというのも、アリです。本作が気になった人は是非プレイしてみてはいかがでしょうか? 本作はすでに体験版も配信されているので是非チェックしてみてください。
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※画面は開発中のものです。
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