ネットマーブルが2020年11月10日にサービス開始を予定しているiOS/Android向けアプリ「A3: STILL ALIVE スティルアライブ」。本作のプレイインプレッションをお届けする。
「A3: STILL ALIVE スティルアライブ」は、ネットマーブルのオリジナルオンラインPCゲームをベースにしたタイトル。オープンワールドRPGの巨大な世界と、バトルロイヤルの激しい戦闘とを組み合わせた、クロスジャンルのゲームとなっている。剣と魔術のダークファンタジー世界を舞台に、プレイヤーは常にオープンなPvP(対人戦)環境で、強力な装備を求めてハックアンドスラッシュの激しい攻防を繰り広げる。
本作では攻城戦や暗闇の侵食、ワールドボスコンテンツを含むさまざまなPvP(1対1)とPvE(1対全員)の戦闘が可能。Unityエンジンの優れた最適化によるコンソールゲームクオリティの3Dグラフィックスも魅力の一つだ。
本作には、大きく2つのゲームパートが用意されており、1つがストーリーをベースにクエストをクリアしながら自分のキャラクターを育成していくMMORPGパート、もう一つが全てのプレイヤーが平等な強さになって行われるバトルロイヤルパートだ。MMORPGでは自分のキャラクターをコツコツ育成していく楽しさが、バトルロイヤルでは同じ条件で対戦する競技的な楽しさが味わえる。
ちなみに世界観は共通しており、MMORPGの世界は現在の世界となり世界の破滅を防ぐストーリーが展開。一方のバトルロイヤルの世界では、過去の自分を成長させるために戦いに身を投じることになる。
それでは、まずMMORPGパートから紹介していこう。こちらでは、前述した通りクエストをクリアしながらストーリーを楽しみ、自分のキャラクターを育てていくことになる。仮想スティックでキャラクターを操作しボタンでスキルを発動するお馴染みの形式だ。もちろん、オートモードなど昨今のニーズにも対応しており、一通りの機能は備わっている印象だ。
強力な敵が登場するダンジョンや、強大なボスに多数のプレイヤーで挑むワールドボスなども存在しMMORPGの醍醐味をしっかりと味わうことができる。
本作に登場する職業は、聖なる力を宿したハンマーを振るって戦場の敵を打ち砕き頑丈な盾で敵の攻撃を受け止める魔術近接アタッカー「守護騎士」、魔術道具のリングを自由自在に扱い、強力な呪文を詠唱する魔術遠距離アタッカー「魔術士」、巨大な両手斧と呪われた力で敵を粉砕する物理近接アタッカー「狂戦士」、素早く正確な射撃と敏捷な動きで敵を倒す物理遠距離アタッカー「弓使い」、双剣の使い手で敵の懐に入り込み、強烈な連続攻撃をする物理近接アタッカー「暗殺者」の合計5つ。どの職業にもそれぞれの個性的なバトルスタイルがあり、全ての職がアタッカーとなる。
本作の特徴的なシステムとして「ソウルリンカー」というものがある。全66種存在するというソウルリンカーは、多彩で魅力的な外見をしており、実際のフィールドでもプレイヤーを追従して一緒に戦闘に参加してくれる。攻撃型/防御型/サポート型の3種類に分類されており、それぞれが強力なスキルを有しているのが特徴だ。ソウルリンカーは最大3体編成することが可能で、どのソウルリンカーを連れていくかでプレイヤーごとに幅広い個性を出すことができる。
記事冒頭で、MMORPGパートでの育成はバトルロイヤルパートに反映されないことを説明したが、まったくの無関係というわけではない。MMORPGパートでキャラクターが成長するにつれて、バトルロイヤルパートで使用できる武器種が拡張されていくのだ。これによって、バトルロイヤルが好きなプレイヤーもMMORPGでキャラクターを育成していくモチベーションにもつながっている。
それではもう一方のバトルロイヤルパートを見ていこう。こちらは選べる武器種の違いこそあれ、基本的な強さは全てのプレイヤーが同一となるため、初心者・上級者問わずプレイヤーの力量がものを言う公平なPvPが楽しめる。最大30人が参加でき、個人戦とチーム戦(3人)が存在。個人戦は、個人間の戦略と熾烈な競争を通じて勝者を決める一方、チーム戦は、チームメンバーとの協力関係が勝利の鍵を握る。
実際のプレイ画面は以下の画像のようになっており、自キャラクターの周囲以外は常に真っ暗闇の状態となっている。プレイヤーはフィールドマップを頼りに、まずは暗闇の中を歩き回りながらモンスターを倒してキャラクターを成長させていくことになるだろう。
キャラクターの成長要素はレベル以外にも、スキルレベル上げや装備の獲得、消費アイテムの獲得などがある。稀に高レアリティの装備が獲得できるミミックに遭遇できることもあるので、最後まで気が抜けない戦いが行われるのが特徴だ。
フィールドが暗闇なので、いつ他のプレイヤーに遭遇するのかは運によるところが大きいが、近くに他プレイヤーがいる場合は足音が視覚的に表示されるので、おおよその位置は予測することが可能だ。近くにプレイヤーがいる際、戦いを仕掛けにいくか、それともその場から逃げるのか。咄嗟の状況判断がバトルロイヤルを生き抜くためのコツだ。
制限時間が近づくにつれてフィールドとなるセクターは狭まっていく。指定範囲外にいると死神に命を刈り取られてしまうので、試合後半は否応なしに他プレイヤーと戦う機会が増えていくだろう。特定のアイテムを獲得したり、オブジェクトを開放することでキャラクターが確認できる視界も増えていくので、レベルだけでなく視界確保も重要だ。
バトルロイヤルパートをプレイすると順位に応じてトークンアイテムを獲得することが可能だ。このトークンを消費することでMMORPGパートで使える育成アイテムなどを購入することができるので、単純にMMORPGをプレイするより効率よくキャラクターを育成することが可能だ。
本作はMMORPGでバトルロイヤルが楽しめることが魅力のタイトルとなるので、MMORPG部分は比較的簡素な作りになっているのではと思っていたのだが、実際にプレイをしてみるとMMORPGパートだけでもしっかり一本のタイトルとして楽しめたのが驚きだった。そのうえで、独特なバトルロイヤルを楽しむことが可能で、同時に2つのコンテンツをプレイしながら、バトルロイヤルでMMORPGの成長をサポートし、MMORPGはバトルロイヤルの戦略的な選択を広げる、循環構造になっている。
2つの異なるジャンルが融合した1つの世界で、幅広いゲーム体験を味わえるのが本作最大の魅力といえるだろう。MMORPGファンのみならず、バトルロイヤルファンも、11月10日の正式サービスが開始したら是非プレイして欲しいタイトルだ。