コーエーテクモゲームスは、2021年4月4日に「ネオロマンス・フェスタ 遙か二十年《鬼》祭」を神奈川県民ホール 大ホールで昼夜2公演開催した。ここでは昼の部の模様をお届けする。
本イベントは、女性向け恋愛アドベンチャーゲーム「遙かなる時空の中で」に登場する「鬼の一族」にフィーチャーしたもの。新型コロナウイルス感染拡大後に初めて開催された有観客イベントで、併せてライブ配信も実施。今回は八葉も出演し、森村兄妹の初共演が実現するというファンにはたまらないイベントとなった。
視聴券は各公演とも4月11日(日)23:59まで「Streaming+」でアーカイヴ配信している(購入は4月10日(土)23:59まで)。さらに4月10日(日)にはアーカイヴ配信を同時再生する「#鬼の後宴」が開催され、Twitterの「ネオロマンスイベント」アカウントへキャラクターからのコメントが届くそうだ。当日にリアルタイム視聴が出来なかったファンも再度一緒に楽しめる機会となっているので、公式サイト・Twitterアカウントをチェックしておこう。
出演者
<鬼の一族>
置鮎龍太郎さん(アクラム役)
石井康嗣さん(イクティダール役)
川村万梨阿さん(シリン役)
浅川 悠さん(セフル役)
桑島法子さん(ラン役)
<八葉>
関 智一さん(森村天真役)
井上和彦さん(橘 友雅役)
<司会>
臼杵 寛さん
今回のイベントは、アクラムの「待っていたぞ、神子」と出迎えの挨拶から開幕。その呼びかけに応えて鬼の一族が登場し、それを遮るように八葉の2人も続く。緊迫した空気で始まったかに思えたイベントだったが、まずはアクラム先生と園児たちの可愛らしいミニドラマ「ぱられる遙か幼稚園~アクラム先生奮闘記~」が繰り広げられる。
クモ組の担任・アクラム先生がランに絵本の読み聞かせをしていたところ、天真はふと「アクラム先生が仮面を取ったところを見たことがない」と思い至る。アクラム先生が大好きなシリンも素顔が気になってしまい、天真のいたずらに手を貸してしまう。それに巻き込まれてしまったランが号泣し、てんやわんやの大騒ぎに。ちょっぴり可哀想だが泣きじゃくるランの可愛さにキュンとし、天真の率直な一言に笑ってしまう一幕となった。
ライヴコーナーでは観客が思いもよらないサプライズで叫んでしまうことを避けるため、セットリストを事前に公開するという配慮のもとで実施。“side 八葉”では井上さんがしっとりとした「空蝉の恋」、関さんがアップテンポな「オオカミの涙」を熱唱する。まだまだ制約がある中だが、ファンからは普段の歓声と変わらないくらいの大きな拍手が届けられた。
アクラム様のお考えを理解しろ!見事正解できたのは……?
バラエティコーナー「クイズ・アクラム様に続け!」では、お題に対してアクラム様……置鮎さんがどのように答えるか予想するクイズに挑戦。1問目はTwitter上のアンケートで決定した「入れ替わってみたい『遙か』キャラは?」となり、周囲からは置鮎さんに「強い?弱い?」「白い?黒い?」「大きい?小さい?」といった絞り込みや、「誰を書きました?」など巧妙かつ率直に答えを聞き出そうとする質問が次々と投げかけられる。浅川さんがキャラクター名を思い出せず苦肉の策で書いた回答が笑いを誘いつつ、出演者からは「イクティダール」が多く挙げられたが、果たして正解は……?
続いて「アクラムの一番好きなところはどこ?」では、関さんが自信満々に「これしかない!」と断言。やはり印象的な「声」にまつわるポイントが多く挙げられたが、置鮎さんは「仮面」「黒麒麟」「声」「顔」などを挙げつつ「これも好きだけど、一番ではない」と答える。正解は、言われてみれば確かにそれも大きな魅力……と納得できるものだった。
最後の質問は、匿名希望のEさんから寄せられた「私と一緒に司会をしてくれそうな八葉、鬼は誰?」というもの。名前こそ伏せられていたが非常に特徴的なシルエットも登場していたので、正体はすぐにバレてしまっていたようだ。ここでは“イベントの司会”との話題から“Eさんを演じる某さんと一緒に司会をするなら”とキャストで考える流れに。イノリ役・高橋直純さんや安倍泰明役・石田彰さんなどの名前が挙がる中、出演者からは長い付き合いだからこそ言える遠慮のない意見が飛び交いファンは笑いを必死に堪えるはめに。置鮎さんが答えたのは「この人になら任せられる!」といった人物で、井上さんがしっかり予想して見事に正解していた。
八葉も交えたメインドラマで“鬼の一族”を深掘り
神子がいれば大丈夫だと天真を励ます友雅、自分自身の力でランを助け出すと断言する天真、迷いながらもお館様のためと決意するイクティダール、お館様の邪魔はするなと龍神の神子へ警告するラン、鬼の一族の積年の恨みを晴らすべく動き出すアクラム……そんなインターバルドラマ、メッセージコーナー「鬼たちの誓い」を挟み、メインドラマ「京に埋もれし鬼の系譜(ルーツ)」がスタート。昼の部は「鬼の怒りのその理由」と題し、イクティダール、セフル、友雅を中心に白龍の神子が召喚される前のストーリーが展開していく。
龍神の力を我がものとするため、異世界から蘭を召喚するアクラム。京の繁栄へ手を貸したにも関わらず、異能を恐れて鬼の一族を迫害するようになった人間への嘆きや怒りを胸に、アクラムは一族の誇りを取り戻すべく行動を始めていた。
蘭のための使いで町を訪れたセフルは理不尽な言いがかりで人間と争いになり、イクティダールが収めようとするもますます騒ぎは大きくなるばかり。そこへ通りがかった友雅がセフルへ逃げるよう勧めるが、そんな友雅の態度にセフルは激昂。この時の友雅は立ち向かうことを避けていたため気づけなかったが、後に神子と出会い、自身の考えが間違っていたと思いを馳せる。鬼の一族が抱える人間への怒りに、正しさとは何かを改めて考えさせられる……そんな物語となっていた。
ライヴコーナーの“side 鬼”では、川村さんが蜘蛛の糸を思わせるパフォーマンスを交えつつ、美しく優雅に舞いながら「氷炎の薔薇の不幸」を熱唱。浅川さんは繊細かつ力強く「闇夜に孔雀の啼声を聞け」を歌い、客席へ大きく手を振り続ける。曲の合間にはイクティダール、シリン、セフルからバトンを繋ぐようなコメントも届けられ、アクラムの新ソロ曲「君臨の呪歌よ、響け」を置鮎さんが堂々と歌い切る。
八葉からの温かな言葉とは対照的に、鬼の一族は宣戦布告のようなメッセージを届け、最後はファンも一緒に「今宵、地獄の宴よ」で盛り上がる。コール&レスポンスも赤のペンライトや赤の入った布を掲げるというやり方でお館様への忠誠を表し、歓声はなくとも「お館様、最高!」という強い想いをステージへ届けていた。