兵器擬人化美少女RPG「カウンター・アームズ」をレビュー。陸・海・空各フィールドの兵器を「戦姫」として擬人化したRPG。本作の魅力である「お気に入りのキャラを愛でる楽しさ」を紹介する。
Ujoy Gamesからリリースされたスマートフォン向けRPG「カウンター・アームズ」は、兵器を美少女化した「戦姫」を育てる放置系RPG。バトルをカジュアルにこなしながらお気に入りの「戦姫」を見つけ、育てていくことが魅力の作品だ。
カジュアル・ハイテンポに楽しめるバトル&ストーリー
放置系RPGといっても、様々なスタイルの作品が存在している。もっとも振り切ったスタイルが、いわゆる「タップゲー」と呼ばれるものだろう。画面タップでモンスターと戦闘を行ってリソースを獲得、ひたすら育成を行っていくというスタイルだ。ゲームが進むことで画面タップせずとも自動的に戦闘が行われるようになり、育成以外の比重が減っていく。こうなるとまさしく「放置」状態でプレイできるというわけだ。ただ本作の場合、そこまで割り切った作りにはなっていない。
本作の基本的なゲームの流れは、ワールドマップから挑戦するステージを選択し、バトルをこなしていくというもの。ステージ内で出現する敵をすべて倒すことで次のステージが解放されていく。ステージによっては会話劇によってストーリーが語られることもある。この形式自体は、放置系RPGというより、スタンダードなスマホRPGに近い。
ただ、ジャンルを「放置RPG」とするだけあって、放置ゲーム的な要素ももちろん備えている。そのひとつは、オート形式のバトル。本作のバトルはフルオート。スキルの使用まで自動化されており、プレイヤーが操作できる要素はバトルスピードの設定変更のみという割り切りようだ。プレイヤーはただ見ているだけでOK。
また、ステージ選択をに挑む前の「出撃」画面では、キャラクターたちが自動的にモンスターと戦っている。この画面、一見単なるデモンストレーションのようにも見えるが、そうではない。ちゃん~と倒れたモンスターから育成用のリソースをゲットしている。もちろん、ストーリーやステージの解放が進むわけではない。しかし、育成に関しては放置でもできてしまうというわけだ。
こうした仕様から本作は、非常にお手軽にプレイできる。ハイテンポにバトルが進んでいくプレイ感は、まさに放置系ゲームのものだ。その一方で、ストーリーやバトルと言った演出は一般的なスマホRPGと同様のスタイルなので、キャラクターや本作の世界観について深く感情移入できるという仕掛けになっている。
お気に入りの「戦姫」を愛でる!充実の育成機能
他の多くの放置系ゲームと同様、本作もバトルより育成がメインといえる。プレイヤーは「戦姫」たちの指揮官として彼女たちを育成していく。その中で当然、お気に入りのキャラクター…つまり、「推し」が生まれることだろう。そうやって生まれた「推し」を愛でていく。それが本作の楽しみ方だ。そのための機能が本作には充実している。
なんといってもまず、本作はガチャでのSSR確率が7%と高い。必ずしもレア度の高いキャラクターが「推し」キャラクターになるとは限らないが、やはりレア度の高いキャラクターに魅力的な存在が多いのは事実だろう。また、ガチャ以外にピースを合成して「戦姫」をゲットするなどといった獲得手段があるため、キャラクターが集まりやすい。
また、キャラクターを育成することで姿が変化していくという要素も見逃せない。通常のレベルアップではなく、「戦姫」を素材に使った「改修」を行うことで、「戦姫」はその姿をより魅力的に変化させていく。もちろんパラメーター的にも強化されるので、戦略アップにもつながる。
さらに「好感度」という要素も用意されている。これはまさに「愛でる」ための機能。寮やギフト、デートなどの機能を使うことで「戦姫」の好感度をアップ。好感度を上げることで、「戦姫」と結婚することが可能だ。結婚すると結婚証明書が獲得でき、「戦姫」の能力がアップするほか、外見が「花嫁姿」に変化する。この要素は、本作の「目的」のひとつといっても過言ではないだろう。
ただ、若干残念な点は、「好感度」に関する機能がされるのは、ゲームがある程度進んでから…ということ。本作はプレイヤーレベルに応じて各種機能がアンロックされていくという仕組みになっており、「寮」機能がアンロックされるのは、プレイヤーレベル24。それまでは「好感度」よりも「バトル」や「ストーリー」が中心になる。本作の場合「好感度」はかなり重要度の高い要素だと思うので、できればもっと早い段階で使えるようにしてほしかった…。
とはいえ、最初からすべての要素が解放されていると何をすべきか迷ってしまうし、徐々に機能がアンロックされ、できることが増えていくという展開は面白い。また、ここまで書いた通り、本作はお手軽にプレイできてテンポも早い。なので、さほど気にならないという人も多いだろう。
ただ、好感度アップの方法が解放されていない状態だと、好感度がずっと初期状態のまま。初期状態は「戦姫」に「警戒」されているという状況であり、アイコンも何かこう、「疑いのまなざしで見られている」感じのビジュアル。推しキャラにこんな目で見られているのかと思うと、筆者は若干悲しくなってしまった。
兵器美少女の育成をカジュアルに楽しみたいならオススメ
ここまで書いた通り、一般的なスマホRPGが持つようなバトル・育成を、よりカジュアルにスピーディーの楽しめるというのが本作の魅力だろう。特にバトルについては、「戦姫」の育ち具合にもよるが、3倍速でプレイすると一瞬で決着がつく。ほんのちょっとの空き時間であっても十分楽しめるだろう。
カジュアルに楽しめる一方で、育成機能やコンテンツは充実している。なので、育成ゲームをプレイしているという満足感は高い。キャラクターのビジュアルもクオリティが高いので、兵器を擬人化した少女というコンセプトに惹かれる人であれば、プレイする価値アリだろう。ただ、好感度に関する機能がアンロックされるまで一定のプレイ時間が必要となるので、プレイの際はその点だけ注意しよう。