スクウェア・エニックスとコーエーテクモゲームスのTeam NINJAが共同で開発する「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」。6月14日よりPS5向けに配信された体験版のプレイレポートをお届けする。
6月14日に実施された「E3 2021」のスクウェア・エニックス カンファレンスにて、その存在が明かされた「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」。本作は、「ファイナルファンタジー」の新たな方向性を示す本格アクションRPGとしてPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC向けタイトルとして2022年の発売に向け開発中のタイトルだ。
昨今の「ファイナルファンタジー」シリーズは、「ファイナルファンタジーXV」や「ファイナルファンタジーVII リメイク」などを代表に、コマンドバトルとアクション要素の融合が様々な視点から行われてきた。しかし本作では、新機軸として「ファイナルファンタジー」の世界観で骨太なアクションが楽しめる。
タイトルの発表に合わせて、はやくもPS5向けに体験版の配信も開始。ここでは、実際に体験版をプレイしたインプレッションをお届けしていこう。
バトルの鍵を握る「ソウルシールド」と付随するアクションを紹介
「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」はいわゆる“ソウルライク”に分類されるゲームだ。ダークな世界観や“死にゲー”とも称されるほどの難易度、トライ&エラーが前提のステージ構成などといった要素を継承しつつ、そこに「ファイナルファンタジー」のエッセンスが盛り込まれている。
そして、そんな本作をスクウェア・エニックスと共に開発するのは、「NINJA GAIDEN」や「仁王」など、歯ごたえのあるアクションに定評のあるTeam NINJAだ。今回実際にプレイしてもその手腕が存分に発揮されていることが確認できた。
今回の体験版では、主人公のジャックが仲間のジェド、アッシュと共に、カオスの神殿に足を踏み入れるところからスタートする。複雑に入り組んだカオスの神殿を進み、玉座に待ち受ける「カオスとなる者」を討伐することが目的だ。
道中にはモンスターが多数潜んでおり、雑魚モンスターであったとしても一撃一撃が重たく、一瞬の油断が死に繋がる難易度となっている。故に守備的な行動がとても重要になるのだが、本作では主に、ある程度の削りダメージを受けるが攻撃を防ぐ防御、攻撃を食らう可能性があるが成功すると無傷でやり過ごす回避、そして相手の攻撃をタイミングよく受け止めることで周囲の敵を怯ませて攻撃に転じる「ソウルシールド」が存在する。
それぞれ一長一短なので状況に応じた使い分けが生死を分けることになるのだが、その中でも重要なのがソウルシールドだ。本作では敵もガードや回避などを織り交ぜながら行動をしてくるので相手に隙を作ることができる本アクションは非常に重要。相手の攻撃に合わせて発動する“パリィ”のようなアクションなのだが、受付時間は比較的長くボタンを長押しすることで構え時間を延長することもできるので、この手のアクションが苦手という人でも比較的扱いやすい調整がなされている。
ただし無条件で強いアクションにはなっておらず、デメリットも存在する。まず、発動には「ブレイクゲージ」を消費する。このゲージは敵の攻撃を受けた際などにも減少し、ゲージが0になってしまうと大きな隙を晒すことになってしまうのだ。ゲージの残量と相談しながら、ガードや回避といった別なアクションも検討しなければならない。前述したソウルシールドの構え延長を行うとそれだけブレイクゲージを消費してしまうのだが、上手くなるにつれてソウルシールドを効率良く発動できるようになり、自身のプレイヤースキルの上昇が実感できるポイントになっている。
ソウルシールドが成功するとMP回復+最大MP増加というメリットも存在する。 |
敵の一部アビリティはソウルシールドで受けることでインスタントアビリティとして獲得できる。使用回数に制限はあるが新たな活路が開く場面も。 |
ちなみに、ブレイクゲージはプレイヤーだけではなく敵にも存在する。敵のブレイクゲージを削りきった状態で〇ボタンを押すと通常のモンスターなら確殺、ボスモンスターには大ダメージを与えることのできる「ソウルバースト」を発動できる。この行動により、最大MPを増加させつつMPを回復できるので、積極的に使っていくことで後の攻略にも余裕が生まれるだろう。
ブレイクゲージは通常の攻撃をしているだけではなかなか削ることが難しく、意識的にソウルシールドを活用していく必要があるのだが、特に大勢のモンスターに囲まれてしまうと一人の敵に集中できずやられてしまうことが多々ある。
そんなときに活用していきたいのが、「ライトブリンガー」というアクションだ。ライトブリンガー状態になると一定時間敵に与えるブレイクダメージが増加し、さらに敵を倒した際に上記のソウルバーストと同じ効果が得られる。発動すると最大MPを1ゲージ分消費してしまうので、ソウルシールドでMPを増やしておくことが重要だ。
プレイヤーはこのような過酷な状況の中、己の腕を信じてカオスの神殿を駆け上っていくことになる。ダンジョン内にある中継ポイントに到達するまでは、やられると元の場所から再スタートとなり敵モンスターなども全て復活する。回復アイテムとなるポーションも使用回数が限られており、雑魚モンスターの何気ない一発が後々に大きく響いてくるという、この手のゲームのお約束もしっかりと踏襲されている。
「ファイナルファンタジー」らしいジョブシステム、お馴染みのアビリティ
続いては本作ならではの要素を見ていこう。まずは成長要素についてだが、ここは「ファイナルファンタジー」らしくプレイヤーキャラクターにはジョブが設定されている。今回の体験版で使用できたのは、「大剣士」「魔術士」「槍士」の3種類。ジョブ毎に使用できる武器やアビリティが設定されており、戦闘中は事前に設定した2つのジョブを切り替えながら戦うことができる。
使用しているジョブは経験値を獲得することでレベルが上がっていき、レベルアップでもらえるジョブポイントを使用してアビリティやパッシブ能力を獲得することが可能だ。
さらにジョブポイントを使用して強化ツリーを進めていくことで、上位ジョブを獲得できる。今回の体験版では先に紹介したジョブの上位版として「戦士」「黒魔道士」「竜騎士」が登場。黒魔道士であれば“フレア”、竜騎士であれば“ジャンプ”など、シリーズでもお馴染みのド派手なアビリティを使用できるのは本作ならではだろう。
なお、アビリティには2種類の使い方が存在し、通常状態でR2ボタンを押すことで使用できるジョブ固有アクション、通常攻撃(R1ボタン)との連携中に使用するコンボアビリティがある。コンボアビリティは、通常攻撃1回目の後に発動するもの、2回目の後に発動するものと細かく設定でき、アクションの幅はプレイヤー毎に個性が出てきそうだ。
道中では宝箱やモンスターからのドロップなどで様々な武器や防具が獲得できる。これらも全てジョブ毎にセットしていくことになるのだが、装備のレベルやユニークパラメーターがランダムで付与されているのも面白いポイント。ブレイクゲージのダメージにボーナスがかかるものや、特定の属性攻撃を強化するものまでその種類は様々。良装備を求めてハック&スラッシュ感覚で楽しむことも可能だ。
ダークな世界観で描かれる「ファイナルファンタジー」
「ファイナルファンタジー」の新たな挑戦として発表された「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」。これまで行われてきたコマンドバトルとの融合ではなく、アクション要素に突き抜けた作品となっていた。
「ファイナルファンタジー」ד高難易度アクションゲーム”というこれまでに無かった組み合わせではあるが、“ORIGIN”の名が示す通り、初代「ファイナルファンタジー」を思わせながらどこか異なるストーリーやダークな世界観など新しい魅力はたっぷりで、シリーズファンにはぜひ遊んでもらいたいタイトルだ。
非常にハードなアクションゲームではあるので、これまでのRPGファンに気軽に勧めることができるかと言われると少々悩ましくもあるのだが、NPCキャラクターの存在や比較的軽めのデスペナルティ、レベリング要素、そしてプレイヤー自身の上達が実感できるシステム等々によって、高難易度アクションゲームの入門としてはかなりオススメだ。
ハードコアなアクションゲーム好きな人はもちろん、新しい「ファイナルファンタジー」の原点が最終的にどのような着地を見せてくれるのか気になっている人にもまずは触れてもらいたい。本作は現在PS5向けに体験版が配信中だ。
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※画面は開発中のものです。
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