アンノウンXが2021年8月4日にiOS/Android向けに配信予定のダンマクリズムアクション「東方ダンマクカグラ」の先行プレイレポートをお届けする。
目次
「東方ダンマクカグラ」は、「東方Project」初の公認スマートフォン向けリズムゲーム。プレイヤーは「東方Project」の舞台である「幻想郷」の異変を突き止め、失われた「幻想郷」を取り戻すために、リズムアクション「ダンマクカグラ」と「ハコニワ」で復興を進めていく。
ここでは本作を配信に先がけてプレイ。そこで感じた魅力をお伝えしていく。
幅広いプレイヤーが楽しめるよう工夫されたリズムゲーム「ダンマクカグラ」
本作の魅力は何といっても東方アレンジ楽曲でリズムゲームが楽しめるという点だろう。東方アレンジ楽曲は、「東方Project」の原作者・ZUN氏による楽曲の二次創作で、東方の人気の一因とも言える長い歴史のあるジャンルだ。そんな数々のアレンジ楽曲が一つのアプリで楽しめるというのは、東方ファンにとっては本当に感慨深いものがあるのではないだろうか。
収録されている楽曲は「Bad Apple!! feat. nomico」や「チルノのパーフェクトさんすう教室」、「明星ロケット」など有名なものから、「HANIPAGANDA」などの新しい楽曲まで様々。また、アレンジ楽曲だけでなく「幽霊楽団 ~ Phatom Ensemble」などの原曲も一部収録されている。
個人的には「東方Project」の格闘ゲームが好きなので、「有頂天ドリーマーズ」や「嘘と慟哭」といった楽曲まで手広く収録されているのが嬉しかった。
リズムゲームとしては、7ラインに流れてくるノーツをタイミングよくタップしていくとうオーソドックスな形を採用。ノーツの種類は通常の黄色ノーツと、流れてくるタイミングで判定ラインに指が触れていればいい緑ノーツ、始点でタイミングよくタップし終点まで押しっぱなしにして指を離すことで判定となる青ノーツの3種類とシンプルな形だ。
原作がシューティングゲームであることを考えると、幅広い層が遊びやすい仕様は本作に合っていると感じた。
その中でも、緑ノーツは判定ラインを押しっぱなしにしていればとれてしまうので、トリルや縦連など一見すると難しめの譜面でも実は簡単にプレイできる場面もあり、リズムゲーム初心者には嬉しい存在だった。それでいて、ノーツをとったときにSEと振動でしっかりとプレイしている感を味わえるので非常に好印象。このように様々な部分で遊びやすい工夫がなされているのが本作の特徴だ。
ただし、もちろん簡単なだけではなく、上を目指そうとすると非常に高難易度のゲームが楽しめるという「東方Project」の魅力もしっかりと継承されている。本作の難易度は、原作になぞらえて「EASY」「NORMAL」「HARD」「EXTRA」「LUNATIC」と5段階も用意されている。
「EASY」や「NORMAL」はカジュアルに遊びやすく、「HARD」そして「EXTRA」ともなると歯ごたえを感じる難易度に。そして「LUNATIC」は……と、こちらの難易度も紹介したいところだが、「LUNATIC」は「EXTRA」をフルコンボしなければ解放されず、筆者の腕前では実力不足だった。正式サービス時には、ぜひこちらにも挑戦していきたいところだ。
また、本作ならではの要素として、弾幕を避けながらボスを倒すSTG風の特別ステージ「Danmakuステージ」が登場する。特定の楽曲ではゲーム中にボスがスペルカードを発動し、リズムゲームから弾幕シューティングへゲームジャンルが突然様変わりするのだ。このモードでは弾幕を避けながら、スコアがアップする【点】と攻撃力がアップする【P】を獲得して、よりハイスコアを狙っていく遊びが楽しめる。
当たり前だが、通常のリズムゲームではなかなかお目にかかれない体験となっているので、ぜひチャレンジして欲しい。なお、こちらは特定の曲限定の仕様になっており、シンプルにリズムゲームだけを遊びたい場合、同じ曲の通常バージョンもきちんと用意されている。
消滅した幻想郷を自分の手で復興していく「ハコニワ」
続いて、「東方ダンマクカグラ」のストーリーが楽しめる「ハコニワ」を紹介していこう。本作では、物語冒頭で「東方Project」の舞台「幻想郷」がいきなり滅びてしまう。プレイヤーは八雲紫に導かれ、“ダンマクカグラ”でエネルギーを集めながら幻想郷の復興に当たることになるのだ。
最初は何もない幻想郷にポツンと博麗神社があるのみだが、リズムゲーム“ダンマクカグラ”で集めたエネルギーと素材アイテムを使って賽銭箱などを設置していき元の姿を取り戻していく。復興度が上がるにつれ、魔理沙らお馴染みのキャラクターたちが現れるようになり、徐々に幻想郷は賑やかに。復興が進むにつれエピソードが解放され、明らかとなっていく物語の真相にも注目だ。
美麗イラストでつい集めたくなる魅力がある「ミタマカード」
リズムゲームの「ダンマクカグラ」、ストーリーが楽しめる「ハコニワ」。この2つで重要な要素となるのが、「ミタマカード」の存在だ。ミタマカードは主に夢見くじ(ガチャ)で手に入れることができ、デッキに編成することで「ダンマクカグラ」でスコアがアップするなどの恩恵を受けることが可能だ。
「ハコニワ」では、素材アイテムを集めるための「おでかけ」で使用することになり、レベルが高いミタマカードをおでかけさせることでより良い報酬を獲得できる。
ミタマカードは、幻想郷の情景を切り取った力の源という設定で、レアリティは「N」「R」「SR」「SSR」の4種類。SR以上は書き下ろしイラストとなっており、コレクションとしてもついつい集めたくなる魅力があった。
「東方Project」へのリスペクトを感じたダンマクリズムアクション「東方ダンマクカグラ」
「東方ダンマクカグラ」をプレイして感じたのは、「東方Project」へのリスペクトだ。例えば、以前配信された番組「東方ダンマク祭 新春SP」で本作が紹介された際、「HARD」の一つ上の難易度として原作には存在しない「VERY HARD」という難易度が用意されており、物言いが入るというエピソードがあったのだが、今回プレイをしたところ名称が「EXTRA」に変更されているのが確認できた。
本作は「東方Project」の公認ゲームとして、二次創作である東方アレンジ楽曲を大々的に扱うという少々難しい立場の作品となっているのだが、それ故にか、細かなところにまで気を配られていることが感じられた。本作を手掛ける「アンノウンX」は、もともと東方界隈で多数の活動をしてきた東方好きの集団として知られていることもあり、そういった意味での安心感もファンにとっては嬉しい要素と言えるだろう。
何はともあれ、いよいよリリース間近となった本作。「東方Project」や東方アレンジ楽曲のファンはもちろん、リズムゲームが好きな人にもぜひ遊んで貰いたい作品だ。コロナ禍によって東方同人音楽サークルの活動が制限されているこんな時代だからこそ、多くのプレイヤーに遊んで貰えることを期待したい。
![]() |
書き下ろしテーマ曲「幻想に咲いた花」は、岸田教団&THE明星ロケッツと草野華余子さんがコラボした一曲。 東方の楽曲でも特に人気の高い「神々が恋した幻想郷」が原曲となっており、 めちゃくちゃカッコイイのでぜひゲームでもプレイして欲しい。 |