マイクロソフトが9月28日に実施した、クラウドゲーミングサービス「Xbox Cloud Gaming」に関するグループメディアセッションのレポートをお届けする。

本セッションでは、東京ゲームショウ2021 オンラインで公開されるXbox Cloud Gamingのトレーラーとともに、マイクロソフト本社でCloud GamingのCVPを務めるKareem Choudhry氏、Xbox Cloud Gaming内のProduct&Strategyを統括するVPのCatherine Gluckstein氏より、本サービスの概要などが紹介された。また、本サービスに関する質疑応答の時間も設けられた。

Kareem Choudhry氏 Catherine Gluckstein氏

まずKareem氏は、Xboxで中心となるのはプレイヤーであることを述べ、ユーザーからのフィードバックに常に耳を傾け、サービスや製品を改良していくとした。また日本では、コンソールゲーマーの80%以上が、PC・モバイルでもゲームをプレイするということが分かっており、この事実がマイクロソフトの持つプレイヤー中心の環境が正しいということを証明していると述べた。

続いてCatherine氏より、なぜクラウドゲーミングなのか、という観点から本サービスの概要が語られた。Xboxでは、地球にいる全ての人にコミュニティとゲームの楽しさをもたらしたいと考えており、クラウドゲーミングにより、コンソールゲームを持っているユーザーが新しいやり方でゲームに触れることができる。クラウドでゲームをプレイすると、どのデバイスでプレイしても達成したもの全てがクラウド上にセーブされ、プレイを中断していたゲームを別の端末で再開する、といったこともできるという。

次にKareem氏は、Xbox Cloud Gamingはあくまで追加のサービスであり、既存のコンソールやPCのゲームと置き換える意図はないと強調。既にプレイをしている人にはより多くの選択肢を与え、新たにクラウドでしかゲームをプレイできない環境のユーザーをサポートしていくとした。

また、成功には「コンテンツ」「コミュニティ」「クラウド」の3つが必要で、ファーストパーティとサードパーティーの豊富なコンテンツを、コミュニティの力と組み合わせて提供するという。Xboxのネットワークは、月間アクティブユーザー数が1億人以上、Xbox Game Passは1,800万人以上のメンバーがおり、すばらしいゲームを体験するには、このコミュニティがとても重要。クラウドは、コンテンツとコミュニティを繋ぐ技術要素となるとした。

また、Xbox Series X|Sは何年も前からクラウドを構想において設計しており、本サービスによって高速なロード時間や高品質なグラフィックといった最新ハードの魅力を体験できるという。

紹介の最後には、Xbox Cloud Gamingが10月1日に国内でXbox Game Pass Ultimateを通じてリリース(一般公開)されることが、Catherine氏より発表された。日本と同時にオーストラリアやメキシコ、ブラジルでもリリースされ、提供市場は全部で6カ所となるという。

また、Xbox Game Pass Ultimateに既に入っていれば、10月1日以降にログインするだけで100以上のゲームを楽しむことが可能。「SCARLET NEXUS」「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」「龍が如く7 光と闇の行方」など多くのゲームが日本市場向けにローカライズされる。またタッチ操作にも対応しており、iOSやAndroid、PCでもプレイできるとのこと。

さらに、「Forza Horizon 5」や「Halo Infinite」などXbox Studioのゲームは、発売と同日同時間に全てXbox Game Passにてローンチされるという。

続いて、本サービスに関していくつかの質疑応答がなされた。まずは、クラウドゲーミングの問題の一つである遅延への対策として、新しい試みはしているかという質問。Kareem氏は、映像のエンコードやデコードに関してどのように改良していくのかを、日本のインフラを提供する企業とも提携しながら調査したと回答し、将来的にも色々なことを検討していくと述べた。

また、トレーラーのようにマルチプレイをすることはできるのか、という質問に対しても回答。本サービスはデータセンターにあるハードウェアから提供しているため、マルチプレイ体験も完全に統合されているとし、自分がモバイル、息子がコンソールでプレイすることもできると、サービスの幅広さを語った。

一方、2020年の発表からサービス開始時期が延期されたことに関しては、Catherine氏より、日本でクラウドサービスを提供するにあたって早さよりも良いものを出すのを重視したこと、そして日本市場ではiOS/Androidでも完全な状態で提供したいという思いがあったことが理由として述べられた。

また、クラウドサービスが主流となるのが難しい中、どのようなプロモーションを行っているかという質問に対して、Kareem氏はXbox Game Pass Ultimateを例に挙げ、最初の1か月は100円(税込)、それ以降は月額1,100円(税込)でプレイできることに改めて言及した。

さらに、Razer KishiやMOGA XP5-Xなどのモバイル用コントローラーやアクセサリーの国内販売や販促の予定に関して、Catherine氏は今は回答できないが、後日発表予定と述べた。ただし、約100タイトルがタッチ操作に対応しているので、コントローラーなしでもプレイ可能。加えて、XboxのコントローラーやDualShockコントローラーといったその他のbluetoothコントローラーにも対応しているとのことだ。

またCatherine氏は、クラウドゲーミングの起動方法に関する質問に対しても回答した。Androidでは、10月1日よりXbox Game Passのアプリからクラウドサービスにアクセス可能。PCでは、Xbox for PCのアプリからアクセスできる。ブラウザでは、どのデバイスからも「https://www.xbox.com/ja-JP/play」からプレイできるとのこと。なお、プレビュー期間中にAndroid上で使われていたアプリは停止となるという。ブラウザはChrome、Edge、Safariをサポートしており、Macからもプレイ可能とのことだ。

まもなく開始となるXbox Cloud Gaming。ゲーム業界の新たな主流となるか、サービス後の展開に期待しよう。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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