スクウェア・エニックスが2022年3月18日に発売予定の「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」(以下、「FFオリジン」)のマルチプレイ先行プレイレポートをお届けする。
目次
―開発を「仁王」や「ディシディア ファイナルファンタジー(AC/NT版)」などを生んだ、コーエーテクモゲームスのTeam NINJAが担当する本作。2021年6月の生放送で電撃発表された際は、体験版も配信され(※体験版配信はPS5のみ)、「FINAL FANTASY(以下、『FFI』)」の「カオス神殿」をモチーフにした、ガチ盛りダークファンタジーなアクションRPGを楽しむことが出来た。
そして2021年10月1日、TOKYO GAME SHOWの生放送にて、またも本作のマルチプレイを体験できる体験版が期間限定でPS5とXbox Series X|S向けに配信されることが発表。前回は遊べるエリアが「カオス神殿」のみだったが、マルチプレイ体験版では「カオス神殿」に加えて、新エリア「光歪(こうわい)の水郷」が追加されている。
本稿では、前回の体験版にて難易度「HARD」で苦闘の末に“カオスとなる者”を倒した筆者が、エリア「光歪の水郷」を先行プレイしてきた模様をお届けする。なお、今回の体験版はマルチプレイの体験以外にも、前回の体験版でのユーザアンケートを元に、一部改修が行われている。前回の体験版を遊んだ人こそ、引き続きプレイをしてみてほしい。
体験版プレイ可能期間:2021年10月1日(金)~10月11日(月)23:59まで
対応機種:PS5、Xbox Series X|S
基本の操作を思い出しながら、マルチプレイを初めてみよう
まずは、基本の操作を紹介する。(※ボタンはPS5版)
通常攻撃はR1。回避は×、ガードはL1。敵の攻撃を弾いたり奪うことの出来る万能ガード、ソウルシールドと、フィニッシュ技のソウルバーストは○。ポーションは十字キーの下。△でジョブチェンジ。
……と、これだけでは終わらない細かいあれこれがあるのだが、本作独特のシステムは前回の体験版レビューなどを参照してほしい。
オンラインマルチプレイは、ホストと他2名との、最大3名プレイとなる。プレイ時には使用するキャラクターを選択するが、ホストはジャックで固定。参加者はジェドとアッシュ、今回の体験版から新たに加わったネオンの3名から割り当てられる。
前回の体験版はレベル1からのまっさらな状態からのスタートだったが、今回は試遊用として事前に用意してもらったレベル30のセーブデータでプレイ。ジョブは2つまでセットできるが、サブジョブ的なものではないので、自分のプレイスタイルに合わせて様々な組み合わせを楽しんでみよう。
ジョブはマルチプレイ中でも「バトルセッティング」画面を開けば自由に付け替えが出来るので、臨機応変に対応するのが良い。特に、プレイヤーが3名それぞれで操作できる最大の利点は、「ポーションの残数が足りなくなりそう」と思ったら、誰かが白魔道士に着替えてケアルガを使用する、といった対応をすぐに行えるところだ。
このプレイレポート執筆時は、あらかじめ待機ルームにいた3人でスタートするという形でのスタートだったが、ホストがソロで攻略を進めつつボスだけゲストを呼んだりすることも可能で、もちろんフレンドと共にプレイすることも出来る。
その際はルームIDをフレンドに伝えて待ち合わせをするということだが、恐らくTeam NINJA開発のゲーム「DISSIDIA FINAL FANTASY NT」のマルチプレイに近いのではないだろうか。
難易度はホストのみ変更可能で、STORY、ACTION、HARDの三段階。今回はACTIONでプレイしたレポートとなる。前回の体験版はプレイの途中で難易度を変えるとエリアの冒頭に戻されたが、マルチプレイ体験版では【難易度を下げる場合に限り】その場で変更可能となった。「HARDにしてみたけれど、ちょっと難しいからACTIONに下げよう」とかであれば、その場でそのまま難易度が変更できる。
高い方に変えられないのは、低い難易度で攻略を進めてボスだけ難易度を上げ、良いドロップ品をもらう、というようなプレイの防止。本作は、何回も周回してより良い装備を集めて少しずつ先に進んでいくというハクスラ要素を含むので、良い装備が欲しければ適切な難易度で最初からプレイしよう。
今回はあくまで体験版ということもあり「カオス神殿」と「光歪の水郷」をホストとしてもゲストとしてもプレイすることが可能だが、製品版ではゲスト側で参加する場合、自分が既にクリアしたエリアか解放済みのエリアになる可能性が高いということだ。
「光歪の水郷」のモチーフは…?
追加された新エリア「光歪の水郷」のスクリーンショットを見て、「おや?」と思った「FF」ファンもいるのではないだろうか。
前回が「FFI」の「カオス神殿」をモチーフに作られていたように、「光歪の水郷」は名前こそ違うものの「FFXIII」のサンレス水郷をモチーフに作られているのではないかと思う。天候を切り替える装置もあり、天候を切り替えることによってマップに変化が起こり道を作っていく手順は、まさにサンレス水郷だ。
マルチプレイではつい気が大きくなって突進しがちだが、本作が高難易度アクションであるというゲーム性は変わらないので、雑魚が2~3体しかいなかろうと、軽率に突っ込むと即死する(筆者は割と軽率に突っ込んで死んだ)。
なお死んだ場合、フェニックスの尾を使って蘇生するか、仲間に助け起こしてもらう(救援)かを選ぶことが出来る。フェニックスの尾はチームで共有するので、チームとして3回までは無条件での蘇生が可能だ。フェニックスの尾の残数はポーションと同様、キューブと呼ばれる回復ポイントに触れることで復活するため、ボスの手前であればどんどん消費してしまって良いだろう。
一方で救援は、他の仲間が最低1名以上生きていなければならない。敵の攻撃が激しいタイミングなどでは仲間が救援に向かえないという状況もあるので、現在の状況とフェニックスの尾の残数から、どちらで蘇生するかを考えるのが良い。
ちなみにフェニックスの尾の残数が0で、操作キャラクターが全員死亡した場合、この手のゲームではそこでマルチプレイが終了になることが多いが、本作では最後に触れたキューブまで戻される。あまりデスペナルティが厳しくない本作ではあるが、全滅からのリスポーン時には最大MP値が減少してしまうので、注意しよう。
また今回はマルチプレイならではということで、定型文も使用可能。ボイスチャットももちろん接続できるが、好みに応じて使い分けて、ゲーム内でのコミュニケーションに役立ててほしい。定型文は十字キーの切り替えにより、ゲームプレイに必要な文章が入っている。
今回の体験版から、敵のヘイトが向いているキャラクターが赤く光るようになったので、自分が現在ヘイトを取っているかどうかが解りやすくなった。マルチプレイでは、NPC2名のときよりもヘイトがジャックばかりに向かないことが増えているため、ソウルシールドのタイミングのためにも有り難い変更点だ。
難易度ACTIONながら、ボスで全滅すること3回
アクションのバランスについては、やはり高難易度アクションを謳っているだけあり、かなり難しい。
この”難しい”の感覚は伝えにくいが、筆者はアクションが好きだがアクションが苦手なため死んで覚えてを繰り返すタイプのプレイヤーで、前回の体験版では難易度HARDは十数回ほどチャレンジして、ソウルシールドのタイミングを完全に叩き込んだ。
高難易度アクションを嗜むプレイヤーとしては下の部類に近い腕前なのだが、今回は序盤の雑魚からボスを倒すまで何度死んだかわからない、というほど死んだ。前回の体験版では手詰まり感を覚えたのがHARDからだったため「なんだ、ACTION(前回のNORMAL)か」くらいの気持ちで油断していたが、どうやら前回の体験版はまだまだ小手調べの域だったようだ。
念のため(正確には、あまりに何回も死ぬので)担当者にその都度「これ、難易度普通レベルなんですよね?」と確認をしつつ、オフとオンで敵の強さに変動があるのかも確認したのだが、マルチプレイ時とソロプレイ時で敵の強さが変動することはないということだった。
前回の体験版は、あまり役に立たないNPC2名(申し訳ないが、事実だった)だったこともあり、実質ジャックのソロでHARDをクリアしたも同然、と言える状況だったが、今回はACTIONでありながら気を抜いたらもう死んでいた。「3人いるからなぁ」という、よくわからない謎の強気感も、本作の天敵である。
ソウルシールドと回避はほぼ必須のアクションなのだが、初見ということもあってソウルシールドのタイミングが計りにくい。だが、ソウルシールドで攻撃を奪って放つという本作の一番の特徴とも言える部分は、決まりさえすれば最高に気持ちが良い。
特にボスは、どの攻撃がソウルシールドで吸収できて、どの攻撃を回避しなければならないのか最初はまったく解らず、更に戦闘エリアいっぱいにばらまかれた爆発エリアに巻き込まれてHPの7割近くを持っていかれたりと、かなり苦戦した。
とは言っても3回全滅して4回目でなんとかクリア、という状態だったので、高難易度アクションであれば、順当な難易度かもしれない。
最終的に取った手段は、各自ジョブの1枠に白魔道士をいれておいてプロテス、シェル、リジェネなどをそれぞれ使用してからメインに使用したいジョブにチェンジ、補助魔法の効果を一定時間維持したままボスにさっさと突入して、できるだけこれらの補助魔法の効果時間中にボスのHPを削るというものだった。
一見地味な戦法だが、プロテスとシェルの効果中はかなり被ダメを減らすことが出来て、結果的にはポーションとフェニックスの尾を節約してボスの後半フェーズにまで入ることが出来たので、決して無駄ではなかった。
補助魔法の効果は体感的におよそ1分程度ではあるが、効果時間内に攻略を効率よく進めるためにも、手分けして補助魔法を掛けあうことで、少しでも攻略を有利に進めたいところだ。
ほぼ近接系ジョブばかりでボスに挑んでしまったのも、何回もワイプした原因だったかもしれない。近接はどうしてもソウルシールドのタイミングが見極めにくく、ボスの攻撃を真正面から受けて死んでしまっていたが、誰かひとり黒魔道士をメインジョブにして遠方から魔法で攻撃するなどしていれば、もっと楽に勝てたのではないだろうか。
特にマルチプレイでは敵視を自分が独り占めしてしまうことがないため、黒魔道士で遠距離からチクチクと攻撃するのはかなり有効なはずだ。
ついでではあるが、この「光歪の水郷」はなかなかに長いマップ。ボスで何回もワイプしたこともあり、初見クリアまでに45分ほどかかってしまった。プレイ時間には個人差が出ると思うが、1プレイの参考程度になれば幸いだ。
ちなみにもしもプレイ途中でやむを得ずパーティを抜けなければならなくなった場合は、代わりにNPCが加入してくれる。もしくは募集の対象をフレンド限定にしなければ、攻略の途中からでもゲストを募れるとのことなので、参加者全員(様々な意味で)余裕を持って挑んでほしい。
自分が助けてもらった恩は、いつかどこかの誰かを助けることで返してほしい
マルチプレイを体験してみて、前回の体験版と大きく差を感じたのは、敵の配置だ。「カオス神殿」では、ほぼ「目の前にいる敵を倒す」ことに注力していればよかったものの、「光歪の水郷」からは「どこから攻撃されているのか解らないまま死ぬ」という、高難易度アクションらしい敵の配置になっていた。
マルチだからこそのデメリットとも言えたのが、3人がそれぞれ画面内で大乱闘を繰り広げているので、いやらしい配置にいる敵の場所を探りにくかった。
高難易度アクションでは、既にこのマップをクリアした先駆者が、見落としがちな場所にいる敵を先に始末しておくことで安全に進む、という”親切”によって他のプレイヤーの安全が守られる一方で、なかには先回りされることを「余計なお世話」と嫌がる初見プレイヤーもいるため、この塩梅は難しいところだ。
前述の通り、ホストが死んでもゲストが死んでもマルチプレイが終わらないという緩い部分もあるため、お互いのプレイスキルや温度感を見ながらマルチプレイを進めていくのが良さそうだ。
高難易度アクションを強調してはいるが、最悪“強くて上手い人がいれば後ろをついていくだけで終わる”のがマルチプレイでもある。どうしても自分のアクションに自身がなければ、白魔道士をメインジョブとしてひたすら回復や補助魔法に徹底し、避けなければいけない攻撃を回避することに集中する、……というようにサポートに徹し、パーティ全体を助ける役目になるのもいいだろう。
むしろ高難易度アクションでは“(自分が下手なので)ただ後ろをついていくだけしかなく、面白さを感じられなかった”というプレイヤーも少なからずいるが、「FFオリジン」ならばケアルガやプロテガ、シェルガ、ヘイスガ、といった各種白魔法などで、自らが戦わずともきちんとパーティに貢献できる。
どうしてもプレイに慣れない人は「いつも助けられてばかりだ」と感じてしまうかもしれないが、そもそもマルチプレイは助けたほうも報酬を得るので、引け目を感じる必要はない。
「かつてどこかで助けてもらった恩は、いつかどこかの誰かを助けることで返す」という、それが高難易度アクションにおけるマルチプレイだ。
このゲームは周回が前提なので、何回も同じボスを経験していくうちに攻撃タイミングなどもわかってくるだろう。もしも「このボスは余裕」と思えるくらいにまでなったその時は、今度は自分が積極的にダメージを与える側にまわって、新たな初心者を導いてほしい。
人は何故、死んでも、死んでも、再び立ち上がって死にゲーをプレイするのか。「やり遂げた」という達成感も、もちろんある。しかし、「誰かに助けてもらって、誰かに返す」という部分にやりがいを感じているプレイヤーも多くいる。そして「FFオリジン」のマルチプレイ体験版は、その楽しみを知ることが出来やすいゲーム設計となっているので、高難易度アクション初心者にもオススメのタイトルなのだ。
前回の体験版はプレイしなかったという人も、ぜひ“高難易度アクション”という言葉に尻込みせず楽しんでもらえると、幸いだ。また、今回も体験版をプレイした人を対象に、品質向上のためのアンケートが行われる。意見・感想などはどんどん送ってほしい。
アンケート実施期間:2021年10月1日(金)~10月18日(月)23:59まで
STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN Standard Edition
スクウェア・エニックス- 発売日:2022年3月18日
- 価格:8,800円(税込)
- 17歳以上対象
STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN Standard Edition
スクウェア・エニックス- 発売日:2022年3月18日
- 価格:8,800円(税込)
- 17歳以上対象
STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN Standard Edition
スクウェア・エニックス- 発売日:2022年3月15日
- 価格:5,500円(税込)
- 17歳以上対象
- 2023年3月17日に価格改定
STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN Standard Edition
スクウェア・エニックス- 発売日:2022年3月15日
- 価格:5,500円(税込)
- 17歳以上対象
- 2023年3月17日に価格改定
STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN Standard Edition
スクウェア・エニックス- 発売日:2022年3月17日
- 価格:5,500円(税込)
- 17歳以上対象
- Epic Games Store 2023年3月17日に価格改定