日本一ソフトウェアが2021年11月25日にPS4/Nintendo Switch向けに発売する完全新作タイトル「アサツグトリ」のプレイインプレッションをお届けする。

目次
  1. 目覚めると、そこは無機質な部屋。手には謎の装置も
  2. 誰も信用できない?個性的な8人の少女たち
  3. ヒバリを操作して事件を解決せよ。「探索パート」と「事件回避パート」

本作は、探索、聞き込みといったアドベンチャーの王道とも言えるシステムをベースに「タイムループ」の要素を加えたアドベンチャーゲーム。主人公ヒバリを含む8人の少女たちの奮闘ぶりをドラマティックに描いている。

今回、筆者はそんな「アサツグトリ」を発売に先駆けてプレイすることができたので、インプレッション記事として魅力をお届けしよう。購入する際の参考になれば幸いだ。

目覚めると、そこは無機質な部屋。手には謎の装置も

ストーリーは、「ヒバリ」がベッドの上で目を覚ますシーンからスタート。無機質な部屋で目覚めたヒバリだが、以前の記憶がない。動揺を隠せない中、ふとあることに気がつく。左腕に点滴風の装置を付けられているのだ。そんな中、部屋から出ると、同じ境遇と思われる7人の少女たちと遭遇。年齢が近いこと以外、特に共通点もない。謎は深まるばかりだ。

見知らぬ部屋で目覚めたヒバリ。状況がまったく理解できない。
部屋を出ると同年代の少女と遭遇。ヒバリのほかに、7人の少女がいるようだ。

自分たちがどんな状況なのか依然分からないなか、突然アナウンスが鳴り響く。内容は、この建物から出られるのは最後まで生き残った1人だけ、という衝撃的なもの。そんな不可解な状況のなか数日が過ぎたころ、ついに事件が起こる。8人のうちの1人が死んでしまったのだ。止められたかもしれない悲劇を悔やむヒバリ。あの子が死ぬ前に戻れたら。そう考えるヒバリが翌日目にしたものは、何もなかったかのように過ごす死んだはずの少女の姿だった。時間が戻っている?

無機質なアナウンスによって告げられる無情な宣告。
過去に戻り仲間の死を回避できたことが、ヒバリの自信へと繋がる。

以上が大まかなストーリーラインだ。もうお分かりだと思うが、ヒバリは作中、「時間遡行能力」という過去に戻れる特別な力を使えるようになる。

ゲームの主な目的は、施設からの脱出に加え、死んでしまった仲間たちの死を回避すること。王道の探索アドベンチャーに加えタイムループの要素を絡めたシナリオは、数あるアドベンチャーゲームの中でも独特の雰囲気を纏っている。

過去へ戻るには、ドッグタグのヒモを引く必要がある。ただ、他にも条件があるようだが?

誰も信用できない?個性的な8人の少女たち

登場する8人の少女たちはみな個性派ぞろいだ。主人公のヒバリは、やや人見知りの傾向があるが、真面目で正義感の強い性格。父親を事故で失うという過去を持っていることから、死に対して強い恐怖を抱いている。作中では、たびたび過去の記憶がフラッシュバックして彼女を苦しめる。しかし、そんな過去の辛い経験が「誰も死なせない」という正義感に繋がっているようだ。

ヒバリ以外のキャラクターも個性的で、例えばマチネは常に飄々としたムードメーカー。トウカは努力家で負けず嫌いな性格だが、それが災いしてか、他人と意見が合わずケンカしてしまうことも少なくない。エノは深い医療の知識を持つ天才少女だが、理解し難いほど興味への理解欲が深く、普通では考えられないような行動をも平気で取る危なっかしい面を持つ。カリンは細かい気にしないノリの良さを持つ金持ちのご令嬢。親とは上手くいっていないらしく、その事を気にしているフシも。

マチネ
トウカ
カリン
エノ

フヅキは引っ込み思案な性格で、自分の意見を口にすることが苦手。皆に人気の双子の妹を誇りに思っている。コマリは幼い外見をしているが、実はクラス委員長をやっていたしっかりものの最年長。しかし、トウカやカリンとはなかなか反りが合わず苦労している様だ。スズは文武両道な優等生。舞台鑑賞が趣味で、ダンスやメイクの勉強もしているオシャレなタイプ。といったように、どのキャラクターも独特の存在感を持っている。プレイしていれば、一人はお気に入りのキャラクターを見つけられるかも?

フヅキ
スズ
コマリ

とまあ、女の子がいっぱいで華やかさを感じるかもしれないが、「アサツグトリ」の舞台は謎の施設。おまけに脱出できるのは最後まで生き残った一人ということもあり、他人を死に至らしめてでも脱出したいという考えを持つ者がいても不思議ではない。つまり誰も信用できないということだ。

そんな異常とも言えるなか、状況はまったく好転しない。当然のように施設内の雰囲気は悪くなり、言い争いになることも少なくない。そして、そんな中で起こる数々の悲劇。「アサツグトリ」では、そういった生々しい人間ドラマも魅力の1つと言えるだろう。

ヒバリを操作して事件を解決せよ。「探索パート」と「事件回避パート」

続いてはシステムを紹介したい。本作には大きく分けて「探索パート」と「事件回避パート」が存在する。流れとしては以下の通り。

事件発生

タイムループ

探索パート

事件回避パート

事件発生からタイムループまでは王道のテキストアドベンチャーをベースにしているのだが、探索パートになると見下ろしタイプのゲーム画面へとチェンジ。少女たちに聞き込みをしたり、様々な場所を調べたりといった調査をすることになる。探索パートは往年の探索アドベンチャーを彷彿させるもので、どこか懐かしさを感じられるかもしれない。

探索パートでは、キャラクターを動かして自由に探索できる。

探索の過程でアイテムを入手することも。アイテムには大きく分けて「情報」と「物証」の二種類が存在する。情報とは会話の中から得られるキーワード。例えば「苦手な人は?」や「気になることは?」といった会話のバリエーションだ。物証は「鍵」などの物理的なアイテム。その後に訪れる推理パートではこれらのアイテムが事件解決へつながることも少なくない。

聞き込みから、思わぬ流れでガールズトークになることも?
「苦手な人は?」というアイテム(情報)を手に入れた。キャラクターによっては思わぬ本音が聞けるかも。

探索パートが終了すると、続いては事件回避パートへ。ここでは、探索パートで調べた情報を元に事件の真相を推理することに。時には選択肢が登場したりと、プレイヤー自身の推理力も試される。とはいえ、推理自体はそれほど難しいものではなく、ちゃんと考えればおのずと答えが出るものが多いので、必要以上に身構えることもないだろう。

さて、ここまで紹介してきた「アサツグトリ」だが、いかがだっただろうか。そろそろまとめに入ろう。筆者の感想として「アサツグトリ」は、古典的とも言えるアドベンチャーゲームのシステムに、「タイムループ」というスパイスを加え、これまでにないタイプの作品へと仕上げたと感じる。

また、可愛らしい絵柄からは想像もできないほど容赦ない展開が待ち受けているのも、良い意味でのギャップだ。筆者もリリースに先駆けてプレイさせていただいたが、先が気になる展開の連続で、試遊時間があっという間に過ぎたという印象だった。タイムループや脱出ゲームといったジャンルが好きな方にオススメしやすい作品なので、気になった方はぜひチェックしてみてほしい。

アサツグトリ

日本一ソフトウェア

PS4パッケージ

  • 発売日:2021年11月25日
  • 15歳以上対象
アサツグトリ

アサツグトリ

日本一ソフトウェア

PS4ダウンロード

  • 発売日:2021年11月25日
  • 15歳以上対象

アサツグトリ

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Switchパッケージ

  • 発売日:2021年11月25日
  • 15歳以上対象
アサツグトリ

アサツグトリ

日本一ソフトウェア

Switchダウンロード

  • 発売日:2021年11月25日
  • 15歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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