アカツキとトゥーキョーゲームスは、新IPプロジェクト「トライブナイン」について、2022年1月10日より放送および配信が開始となるテレビアニメの完成披露宴を、本日12月22日に東京・秋葉原UDXシアターで実施した。
アカツキとトゥーキョーゲームスが共同で制作する新IPプロジェクト「トライブナイン」。20XX年・ネオトーキョー国を舞台に、社会に絶望した若者が「トライブ」を結成、野球をベースにした“エクストリームベースボール(以下、XB)”に熱狂していくストーリーが描かれる。
アニメ完成披露宴には、総合プロデューサーを務めるアカツキの山口修平氏、トゥーキョーゲームスの小高和剛氏、アニメの監督を担当する青木悠氏、声優の堀江瞬さんと渕上舞さん、応援大使のえなこさんとつんこさんが出演。本作の魅力などが語られたほか、アニメの第1話および新PVの先行上映が行われた。
まずは、本作の制作陣がアニメの魅力や制作秘話を語った。新しいIPを作る際に重要なのは独自性である、と語る小高氏。しかし独自性を求め過ぎると、分かりづらさに繋がってしまう。そうした部分を補完するため、ゲームとアニメの2本の柱で制作を進めてきたという。なおゲームとアニメは世界観は共通であるが全く異なるストーリーを描いており、それぞれ単体でも楽しめる。
本作が初監督となる青山氏は、“野球だが野球でない”XBのコンセプトに戸惑いつつも、誰も見たことのない作品を作ってほしいというオファーに前のめりに取り組んだと語る。ゲームとアニメで互いにフィードバックし合いながら制作を進めたことは、難しくもあり楽しくもあったと振り返った。
また、システムに沿って進行していくゲームとは違い、アニメは映像の楽しさを追求したとコメント。野球がベースとなってはいるが、野球のルールを知らない人でも楽しめるよう、“打った・走った・殴った・倒した”で決着がつく分かりやすさも魅力となっている。
小高氏とはXBのルールについて議論を繰り返したほか、キャラクターをどんどん過酷な環境に誘導していく小高氏に対し“それではキャラクターが最後までマウンドに立てない”と押し問答を繰り広げた場面も。そのおかげもあり、ギリギリな駆け引きやキャラクターの深い内面をアニメに織り込むことが出来たのだという。
加えて、絵コンテは全て青山氏が担当。キャラクターや世界観のブレをなくしつつ、XBや作品の濃度を増すことができたという。また本作は、東京23区をベースにした空間に存在するランドマークなどを一つの国として描いており、国ごとに全く異なる情景にも注目してほしいとアピールした。
小高氏は本作のポイントについて、“細かいことを気にしないこと”とコメント。設定に縛られすぎない、少年漫画的な外連味も魅力の一つとなっている。
制作の中で愛着がわいたキャラクターやトライブについて、青山氏は初見の印象と話が進んだ上での印象が大きく異なるとした上で、善悪ではなく正義対正義の戦いを描いているため、どのキャラクターも“推せる”と回答。小高氏は、ミナトトライブのキャラクターたちはかわいらしく、またその若さが羨ましいとコメントした。新型コロナウイルスの影響もあったが素晴らしいものができた、と青山氏。ゲームとあわせて楽しんで欲しいと意気込みを語った。
続いて、本作で白金ハルを演じる堀江瞬さん、有栖川さおりを演じる渕上舞さんより、キャラクターや物語への印象などが語られた。
前作に引き続き、今作でもオリジナル作品のキャラクターを演じた堀江さん。本作ならではの体験として、オーディション台本の最後に“キャラクターのことは忘れて、自身の声で喋ってみてください”というセリフが用意されていたことが印象的だったと振り返った。青山氏によると、オーダーする声だけでなく、キャスト自身の持っている雰囲気や表現方法をキャラクターに反映させたいという意図があったのだとか。また堀江さんは本作のインパクトの強さにも触れ、出塁するのも命がけなXBの斬新さも面白いと魅力を語った。
渕上さんは収録現場について、コロナの影響がありつつも、やりやすく楽しい現場だったと振り返る。堀江さん、沢城千春さん(タイガ役)との組み合わせでほとんど収録していたので、他のキャラクターの声を実はあまり聞けておらず、一視聴者としてもボイスや次の展開を楽しみにしていたのだという。
作品に対する印象については、事前に受け取った情報がキャラクターのイラストといくつかのセリフのみだったのでとにかく“謎”だった、と渕上さん。またスポコン要素のある中で、夜の街が舞台という世界観が珍しいと本作独自の魅力を語った。
続いて話題は気になるキャラクターに。渕上さんは、アダチトライブの千住百太郎はさおりと関わることも多いので注目としつつも、タイトウトライブの二人(上野弥次郎兵衛と桜花札)のビジュアルが好きとコメント。堀江さんは、曲者ぞろいのトライブ・オオタタオライブの雪谷えのきを挙げ、見た目と喋った際の印象のギャップや、ヤンデレ的な一面が魅力とした。
次に、本作のオープニング・エンディング映像が公開となった。制作を手掛けた青山氏は映像について、テーマソングのカッコよさをどれだけ盛り上げられるかを意識したとコメント。また、オープニングは本編の見せ場のシーンも交えつつ見ただけで世界観が分かるように、エンディングは世界観や街をよりポップに見せることを心掛けたという。
本作はハルの成長物語でもある、と堀江さん。キャラクターデザインやXBなど、どんな入り口からでも入れる作品と改めて魅力を語った。渕上さんは、色々な要素が詰め込まれた作品としつつも、メインストーリーは分かりやすく、掘り下げても面白い作品とアピールした。
続いて、本作のキャラクターの応援大使を務めるえなこさん、つんこさんが今回の衣装のポイントを語った。
有栖川さおりのコスプレで登場したえなこさんは、金髪系のウィッグをつけるのは珍しいとコメントし、普段はウィッグを自身で調達するのだが、今回はとにかく色に悩んだ思い出があると振り返った。衣装に関しても、2次元のキャラクターを再現するためスカートの位置を調整するなどこだわったのだとか。
ミナトトライブのリーダー・神谷瞬のコスプレを披露したつんこさんは、瞬の髪型を“超次元”と表現し、それを再現したところも見どころの一つと語った。また衣装はシンプルであるものの、長さやシルエットにこだわったのだという。
そして、いよいよ本作の第1話と新たなPVが公開となった。青山氏は、1話にすべてが詰まっているので、1話を観てもらえればどんな作品か分かると改めて魅力をアピール。また1話に登場しなかったキャラクターの姿も確認できたPVについて、小高氏はキャラクター同士の絡みもお楽しみにとした上で、王道か邪道かを見極めてほしいとコメントした。
最後に、改めて本作についての意気込みが出演者より語られた。えなこさんは、制作に関わってはいないが、宣伝大使として力添えをしたいとコメント、つんこさんは一視聴者として良さを発信したいとした。
音楽も魅力の作品なので注目してほしい、と小高氏。青山氏は、自分で作っていて何度見ても面白い作品と語り、一人でも多くの人に見てほしいと述べた。
渕上さんは、本作を分かりやすいながらも奥深い作品としつつ、さおりとあわせて演じている“ねこまる”の活躍(?)も楽しみにして欲しいとコメント。堀江さんは、ツッコミどころがありながらも、キャラクターたちそれぞれに信念があるとし、最終話まで目が離せない作品と語った。