KONAMIから2022年2月24日に配信予定の「EDENS ZERO Pocket Galaxy」。原作者である真島ヒロ氏への合同インタビューの模様をお届けする。
真島ヒロ氏は、週刊少年マガジンにて連載中で、アニメ化に続いて今回ゲーム化もされる「EDENS ZERO」のほか、代表作である「RAVE」や「FAIRY TAIL」もアニメ化されている人気漫画家。今回のインタビューでは、ゲーム化への関わりや期待することを聞いた。
――原作の話になりますが、そもそも「EDENS ZERO」を宇宙が舞台のSFにした理由をお聞かせください。
真島:今まで中世ファンタジー的な作品が多かったので、SFにすれば読者に驚いてもらえるかなと思いました(笑)。ただ、自分では宇宙が舞台のSF(スペースファンタジー)モノだと思っているので、やっていることは今までのことと変わらないのではないかと思っています。
――真島先生はゲーマーとしても有名ですが、ゲーマー目線で「EDENS ZERO Pocket Galaxy」のオススメポイントを教えて下さい。
真島:今回の作品はIPものではありますが、ゲーム好きの人から見ても楽しめる作品になっていると思います。ポイントは豊富なハクスラ要素とカスタマイズ要素なので、原作を知らなくてもゲーム好きな人なら触ってみてもらいたいです。
――原作再現もポイントだと思いますが、3Dで描かれたキャラクターを見たときの率直なご感想をお聞かせください。
真島:細かいところまで3Dでこだわっていて、すごい労力をかけてくれているなと感謝しています。
――今回は真島先生が衣装デザインも手がけられているとのことですが、どのような衣装を手がけられたのでしょうか?
真島:一部ですが衣装デザインを担当させていただきました。自分が普段ゲームをプレイしていてキャラクターに着せてみたいなと思っているものを反映させていただているのですが、具体的には女性キャラはカウガールやメイドさん、SFチックなボディスーツだったり、男性キャラだったらギャングっぽいものだったりファンタジーの鎧っぽいものなどをデザインしました。
――原作付きのゲームだと着せ替えができない場合などもありますが、先生がOKを出した理由をお聞かせください。
真島:ユーザーさんは衣装を変えるのが好きなんじゃないのかなと思ったのと、僕自身が衣装替えできるゲームが大好きだからですね。
――ゲーム体験をしてみて、オリジナルのキャラクター衣装に惹かれました。漫画原作では中々描くことができない衣装でも、ゲームでは登場させることができるので、真島先生もこれから、さらに案を出していきそうな気がします。これから先、どのようなキャラでオリジナル衣装を登場させたいでしょうか?
真島:比率的に女性キャラクターのほうが多いので女性の衣装をデザインすることが多くなりそうですが、男性キャラクターのネタに走った衣装なども手掛けてみたいですね。ちなみに、先ほども言ったように自分は衣装替えができるゲームが好きなので、僕のほうからKONAMIさんに衣装替えが出来るようにして欲しいとお願いしました。
――最初にゲームのお話を聞いたときの印象はいかがでしたか?
真島:最初の企画は少し現在とは違うものでしたが、面白そうではありました。その後、KONAMIさんがやりたいと考えることと自分がやりたいと考えることが合わさっていき、現在のような作品になっていきました。
――衣装変えも真島さんの案ということですが、ほかに真島さんからはどのような要望を出されたのでしょうか?
真島:自分が好きなジャンルということもあり、見下ろし型のアクションにしてほしいというお願いをしました。
――キャラクターのアクション部分も真島さんが監修されているのでしょうか?
真島:開発部分に直接は関わったわけではないですが、出来上がったものの監修はさせていただきました。素晴らしいモーションばかりだったので、ほとんどNGはありませんでした。むしろ、僕自身が「このキャラクターはこんな動きだったんだ」と驚いた部分もあります。
――モバイルゲームは間口を広くする場合はRPGなどのジャンルを選ぶことが多いですが、アクションにした理由を教えて下さい。
真島:確かにRPGにしたほうが間口は広かったかもしれませんが、今回の作品は強く海外を意識しており、その場合はアクションのほうがいいかなと。また、僕自身はRPGもプレイしますが、このときはアクションゲームをやりたい意欲が大きかったです。
――漫画原作の連載が続いているなか、ゲームがリリースされるわけですが、自身でもプレイしたいと同時に漫画も描かなくてはいけないと、さらに時間に追われるかと思いますが、ゲームプレイはどのように時間確保しているのでしょうか。睡眠時間が気になりますが、寝れていますか?
真島:ありがとうございます。まず、睡眠は毎日7時間取れています(笑)。寝る前の2~3時間をゲームの時間にあてていますが、忙しいときはゲームができないですし、早めに仕事が終わったときは1日中ゲームをプレイしていることもありますね。
――真島先生のほうからゲームに関する要望はありましたか?
真島:音声を多めにしてほしいという結構ムチャなお願いをしたのですが、しっかり対応してくださいました。文章には乗ってないセリフまでボイスを付けてくれているため、画面を見ているだけではなく音声を聞いているだけでも楽しい作品になっていると思います。
――今回のゲーム化にあたって、原作にはない新しい魅力が伝わる部分はありますか?
真島:自分はピーノというキャラクターが好きなのですが、ゲームでも井澤(詩織)さんが魅力的に演じてくださいました。アニメもそうですが、そのほかの主演のみなさんもイメージ通りにキャラクターを演じてくださっていて、原作でセリフを描いているときも彼らの声が聞こえてきます。
――ゲームのオリジナルのキャラクターやストーリーが原作に逆移入されることはありますか?
真島:今は原作に新しい要素を入れる隙が無いタイミングなのですが、そういった試み自体は好きなのでもしも気に入ったキャラクターがいたら逆移入させてもいいですね。
――真島先生のほうからゲーム化にあたりNGにしたことはありますか?
真島:とくにないですね。むしろほかの原作者であれば絶対にNGにするところもOKしていると思います(笑)。もちろんキャラクターのイメージが大きく異なるものはNGにしますが、本作に関してはそんなことはまったくなかったです。
――メインストーリー以外にキャラクターのストーリーなども存在するようですが、どのぐらいのボリュームが用意されているのでしょうか?
真島:こまかい部分までは把握していませんが、かなりたくさん入っていると開発の方からお聞きしました。
――現在のゲームの満足度は何点ですか?
真島:まだリリースされていないので、100点満点を付けることはできませんが、現状の部分だけで言えば100点と言いたいです。非常に楽しいゲームになっていると思うので、リリースされたら自分もプレイしたいと思っています。
――全体を通じてゲームが「こうなってほしい」という願望はありますか?
真島:運営が続けば衣装も増えていくと思うので、最終的には僕が考えた衣装だけでなくユーザーさんの考えた衣装のコンテストなども開催して、ユーザーさんとのつながりを感じることができるようなものができたらうれしいですね。
――これまでの作品もマルチメディア展開が多かったと思いますが、ご自身の作ったものが別の方の手によって作り変えられることについてどういうお気持ちをお持ちでしょうか?
真島:それは、うれしいの一言です。作った人のアーティスト性も加わるので自分が作った原作とは異なるものになりますが、自分自身がゲーム好きなのでどんなものが出来るのか毎回楽しみです。
――今回はKONAMIからリリースされますが、真島先生自身が思い出に残っているKONAMIのゲームはなんですか?
真島:なにかひとつと言われたら「メタルギア」シリーズ一択ですが、ほかにもいくらでもあげられます(笑)。自分は「パロディウス」も好きで、ステージ2に登場する“ちちびんたリカ”をはじめてゲーセンで見たときは衝撃を受けました。ただ、KONAMIの若い人にその話をしたら、「誰ですか?」と言われてしまいました。いまの若い人は知らないんですね…?(笑)。もちろん「ウイイレ」や「パワプロ」、「悪魔城ドラキュラ」「がんばれゴエモン」などみんな好きなので本当に挙げ出したらキリがないです(笑)。
――ゲーム愛あふれる真島先生ですが、作品創作においてゲームが与えたことや、人生に与えたエピソードがあれば教えてください。
真島:KONAMIさん関連だと「SNATCHER」です。ある仕掛けがありましたが、まんまと引っかかって母親に怒られました(笑)。そういう体験もあり、ゲームって楽しいなと思いました。また、自分の作品である「RAVE」にエリーというキャラクターが登場しますが、「SNATCHER」に登場するエリーが元ネタです。
――本作は原作モノですが、あえて原作を知らない人にオススメするとしたらどんなところをオススメしますか?
真島:ゲーム好きであれば、ハクスラという言葉には反応してしまうのではないかと思っています。また、着せかえ要素もあるので、そこも楽しめるポイントじゃないかなと。そこからハマって原作やアニメを観てもらえるとうれしいですね。
――本日はありがとうございました。
(C)真島ヒロ/講談社・NTV
(C)Konami Digital Entertainment
※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー