スマートフォン向けカードRPG「カルドラシル」をレビュー。「ヒュプノノーツ」作者の新作である本作は、デッキを構築して戦うカードバトルゲームとローグライトRPGを融合させた作品。その魅力を紹介する。

「カルドラシル」は、ishinoura.comからリリースされたスマートフォン向けのカードRPG。デベロッパー名は異なるが、インディーゲームとして高い人気を誇る「ヒュプノノーツ」作者の最新作だ。「ヒュプノノーツ」はRPGのシステムをベースにしながら、プレイヤー自身に子ども時代の子ども時代の思い出を刺激する抒情性豊かな作品だった。一方新作となる本作は、ストーリー性よりもシステム面に重きを置いている。ローグライトRPG的に新たなカードを獲得し強力なデッキを構築していく戦略性や、カードバトルの駆け引きといった部分が魅力だ。

バトルを左右するのは属性・装備・スペル!戦略と戦術が奥深いカードRPG

本作の全体的な流れは、オーソドックスなソロプレイ向けRPGを踏襲している。会話イベントによってクエストが設定され、敵と戦いつつダンジョンを探索しボスを倒せばクエスト達成…といったスタイルだ。

街やダンジョンは見下ろし型で描かれており、プレイヤーは上下左右1マスずつ進んでいく。進んだ先のマスによって店や会話イベント、バトルなどのイベントが発生するかたちだ。街の中ではすべてのマスが明らかになっているが、ダンジョンの中ではマスの内容が隠されている。このため、ダンジョン内では進んでみるまで何が起こるかわからない。

移動以外に、マップ上で実行可能な重要アクションがデッキ構築だろう。デッキに入れることが可能なカード枚数は30枚。モンスターカード、グッズカード、スペルカードという3種類を組み合わせてデッキを編成する。カードにはコストの概念が存在するものの、デッキ編成時には影響しない。このため、どんな組み合わせであっても上限である30枚まで編成可能だ。

また、デッキに入れるグッズカードとは別にアイテムが存在。移動中に使用することができる。本作では、バトルが終了時に主人公のダメージが自動回復しない。このため、ある程度HPが減ってきたらアイテムで回復することになる。

肝心のバトルシステムは、カードバトルゲームとRPGのバトルシステムが融合したユニークなシステムに仕上がっている。プレイヤーの目的は、マスターとして敵マスターを倒すこと。敵マスターのHPをゼロにすれば勝利、逆にプレイヤーのHPがゼロになるとゲームオーバーだ。

バトルのメインとなるカードが、モンスターカード。使用することでモンスターを召喚可能。召喚すると、そのモンスターが持つコマンドを使った行動ができる。マスターに対して直接攻撃することはできず、基本的に攻撃対象となるのは敵モンスターだ。攻撃によって敵モンスターのHPがゼロになるとモンスターは死亡し、敵マスターのHPが減少。もちろん、プレイヤーが召喚したモンスターが倒された場合は、プレイヤーのHPが減少する。

また、グッズカードは使用することでモンスターの回復を行ったり、モンスターに武器や防具を装備したりといったことが行える。使用枚数の制限はないが、装備可能なグッズ数は1つだけという点に注意が必要だ。何らかのグッズを装備中、新たに装備系のグッズカードを使用すると現在装備中のカードは破棄され新たな装備が有効となる。

一方、1ターンに1枚しか使用できないという制限はあるものの、カードを追加ドローするなどの強力な効果を発動できるのがスペルカード。モンスターを召喚した上で、スペルカードとグッズカードを駆使して上手にモンスターにバフをかけるというのが立ち回りのポイントとなる。ただし、バトル開始時のカードは5枚。そして、1ターンにドローできるカードの数は1枚なので、よく考えずにガンガン使っているとデッキが枯渇してしまう。いつ仕掛けるか? が非常に重要だ。

これらの要素に加えて、さらに戦略を左右する要素が属性だろう。モンスターには「赤」「青」「緑」…といった属性が設定されており、「青は赤に強い」といった属性間の相性も設定されている。相性が有利だとダメージが2倍となるので、基本的には戦う敵に対して有利な属性のモンスターでデッキを編成したほうがいい。ただ、それだけではない。属性はコストにも絡んでくるのだ。

モンスターを召喚すると、場に対して「属性値」というものが貯まっていく。たとえば「青」のモンスターを召喚すると、青の属性値が1貯まる…といった具合に。そして、この属性値がモンスター召喚時のコストと関係している。属性値がモンスターカードに設定されたコスト以上貯まっていないと、召喚できないのだ。このため、同属性モンスターでデッキを固めた方が効率よく属性値をアップできる。

強力なモンスターであればあるほど高いコストが設定されているので、いきなり召喚することはできない。まずコスト0の同属性モンスターを召喚し、属性値を貯めていかなければならないのだ。となると「だったら毎ターン、ガンガン召喚しよう!」と思うところだが、場に召喚可能なモンスターは1体のみ。入れ替えることもできない。このため高コストモンスターを召喚したいなら、低コストモンスターを犠牲にする必要があるわけだ。モンスターを犠牲にするということは、その分マスターであるプレイヤーのHPが削られる。つまり、戦況悪化と引き換えに強力なモンスターを召喚できるということ。この要素が本作にスリリングな展開を生み出している。

プレイヤーのHP減少を抑えたいのであれば、装備可能なグッズカードやスペルカードを使い低コストモンスターを強化するというのも手だ。ただ、グッズカードやスペルカードにもコストが設定されている。こちらは、手札内のカードとなっており、強力なグッズカードやスペルカードほど、多くのカードを破棄しなければならない。デッキ内のカード消耗が激しい反面、属性値のように数ターンかけて貯める必要がないため早いターンで仕掛けられるという点がメリットだろう。早期決着型の戦略といえる。また、破棄するカードは任意となっているので、複数属性でデッキ編成したい場合にも有効だ。

属性、スペルカード、グッズカード…この3つの要素を考えながら戦うバトルは、本作ならではの熱い駆け引きが味わえ、非常におもしろい。…ただ、おもしろいからこそ、もったいないと感じてしまう要素も本作にはある。

楽しさを握る属性と消耗!説明不足な点が残念…

本作はカードRPGとして、確実におもしろい作品だ。この点は間違いない。しかし、そのおもしろさもルールがしっかり説明されないとわからない。この点で本作は説明不足に感じる点があり、もったいないと感じた。

厳密には、説明自体は行われている。ルール説明がテーマごとに複数のアイテムに分かれており、そのアイテムを手に入れれば少しずつルールを把握できる…というかたち。いわゆるTIPSに近いかたちだ。確かに、一気に大量のルールを提示されるよりは、少しずつ提供された方が理解しやすい。ただ、属性間の相性や、属性値とコストの関係など楽しさを握る重要な要素については最初の段階でしっかり説明してほしかった。というのも、これらがわからないと、勝つためにどうデッキを組めばいいのか?どう戦えばいいのか?という根本的な部分がわからなくなってしまう。となると、本作のおもしろさが理解できないからだ。

また、本作には「消耗」という要素がある。本作におけるカードは、一般的なカードゲームのように一回獲得したら永遠に保有できるというものではない。死亡したモンスターカードや使用したグッズカードは消耗し、そのまま使用し続けるとカード自体を失ってしまう。カードを失わないためには課金アイテムであるアーツを消費し、「プロテクト」しなければならない。この「消耗」要素は、バトルの戦略・戦術へダイレクトにかかわる要素ではないものの課金が絡んでいるため、ゲーム自体を楽しむうえで非常に重要な要素だ。だからこそTIPSのような形で説明するのではなく、より確実なかたちで詳しく説明してほしい。

カードRPGとしてはオススメ!ルールを理解すれば確実におもしろい

説明不足な点はあれど、ここまで書いてきた通り本作のゲームシステムはおもしろい。属性値をどう蓄積するか?スペルカード、グッズカードをどう使うか?そしていつ仕掛けるかという駆け引きは奥深く、戦略・戦術を考える楽しさを持っている。「ヒュプノノーツ」のファンのみならず、カードゲーム好き、ローグライトゲーム好きであれば、是非プレイしてほしい一作だ。この記事で触れた「属性値」と「消耗」の仕組みを踏まえてプレイしてもらえれば、必ずや駆け引きの楽しさを理解してもらえると思う。

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