2022年7月2日よりTOKYO MX、BS11ほかにて全28話で放送されるTVアニメ「うたわれるもの 二人の白皇」。同作でクオン役を演じる種田梨沙さんへのインタビューをお届けする。
TOKYO MX、BS11などで再放送も行われていたTVアニメ「うたわれるもの 偽りの仮面」の続編として製作されている本作。ゲームをプレイしている人はご存知の通り、「うたわれるもの」シリーズ3部作の完結作にあたるということで、シリーズにまつわる多くの謎が解き明かされる作品にもなっている。
今回のインタビューでは、7年越しのTVアニメ続編やキャラクターに対する思いなどを伺った。種田さん演じるクオンは、物語の始まりではオシュトル(ハク)とは行動を別にするということもあり、クオンの心情などにも言及している。
――TVアニメとしては7年ぶりの続編ということで、「二人の白皇」のTVアニメの放送開始時期などが正式発表された時の率直な気持ちをお聞かせください。
種田さん:「二人の白皇」のアニメ化自体は結構早い段階で発表されていて(※2019年に発表)、そこからずっと時間が経ってから、アニメの放送時期が決まりましたというご連絡をいただき、素直に企画が流れていなくて良かったなと思いました(笑)。アニメ化の話が流れてしまっていたらどうしようという不安な気持ちは、多分私だけではなくてみなさんもあったと思うので、「二人の白皇」までやってくれるというのは嬉しかったですね。
――(インタビュー時点で)アフレコ収録自体はどこまで進んでいるのでしょうか?
種田さん:全28話と通常のアニメよりは少し多い2クールになっているのですが、今は2クール目の終盤に差し掛かってきています(※インタビューは5月下旬に実施)。
ありがたいことに「うたわれるもの ロストフラグ(以下、ロストフラグ)」であったり、「うたわれるもの 斬/斬2」や「ドカポンUP! 夢幻のルーレット」などの派生のゲームでクオンを演じさせていただくことが数年続いていたので、久しぶりではあったのですが、すごく寄り添っていたキャラクターではありました。
ただみんなで一緒に録るということはずっとできていなくて、これはもうアニメの特権なので、久しぶりにキャストのみなさんと一緒にブースでアフレコできたのが一番嬉しかったです。
――新型コロナウイルスの感染拡大後は少人数で収録されることが増えたと思いますが、今回の収録も一部のキャストとの収録になったのでしょうか?
種田さん:そうですね。絡みがある役の方との収録だったり、時には1人で録ったシーンもありました。クオンの初登場の話では一緒に録った方々とずっと喋っているシーンがあったのですが、実際にキャストのみなさんの声を聴きながらアフレコすると、ゲームの時は若干感情の込め方とかが変わっている部分はあると思うので、ぜひゲームもアニメも両方触れてほしいなと思いました。
――「二人の白皇」は「偽りの仮面」から続く物語ということで、シリアスな展開も多くなっていくかと思いますが、二作品の違いをどう感じられているのでしょうか。
種田さん:「偽りの仮面」はクオンとハクの出会いの物語で、ヤマトの世界観やキャラクターの魅力をアニメでもすごく丁寧に描いていたなと思っているのですが、今回の「二人の白皇」は別れから始まるストーリーということで、見せ方の部分で全然違っています。
「偽りの仮面」がキャラクター性や家族感を描いていたのに対して、「二人の白皇」は完全に争いを描く展開から始まるので、クオンが可愛いから、ネコネが可愛いから見ようという感じではないので、ゲームを遊んでいるとより飲み込みやすいのではないかと思います。もしシリアスな展開が苦手かもという方はぜひ「偽りの仮面」を予習・復習していただけるとより楽しめるのではないかと思います。
「偽りの仮面」でクオンの相棒で、みんなも大好きだった主人公のハクが物語的には亡くなったというシーンで終わっているので、大半の登場キャラクターがハクを失った状態から始まり、それからいろいろあって「うたわれるもの」の根幹に関わる話だったり、ハクは何者だったのかとか、そういう今までの伏線の種明かしもされる展開もあって、シリアスなだけでなく、とにかく情報量が多いという印象です。
中にはクオンやいろいろなキャラクターのプライベートなシーンもあって、自分の素直な気持ちを吐露する場面も描かれます。ただただ辛いだけではなく、感動できる展開もありますし、キャラクターたちの関係って素晴らしいなと改めて感じられます。「偽りの仮面」よりは息抜きするシーンは少ないのですが、「偽りの仮面」が好きだった方は楽しめると思います。
――クオンにとっては「偽りの仮面」の最後で大きなショックを受けたところから始まりますが、種田さんが「二人の白皇」におけるクオンの心情や行動などで見てほしいポイントはありますか?
種田さん:クオン自身もトゥスクルの皇女で責任感ある立場でありながら、旅の途中で出会ったハクやヤマトのみんなと仲間になっていって、それでもハクとはお別れしなくちゃいけないというところから始まっているので、序盤は結構クオンの成長物語にもなっていると思います。
今まではクオンがハクの保護者としてしっかり引っ張っていたのですが、これからはクオンがクオンとして生きていかなければいけない選択を迫られています。でも、大切なものを失って心にゆとりがないからこそ覚悟を決めなければいけないというシーンも多く、クオンの弱い部分と強い部分の両方をずっと描いていくので、その変化にも注目してもらいたいです。
また、トゥスクルのキャラクターたちがたくさん出てきて、クオンとの絡みも「偽りの仮面」以上に濃厚に描かれているので、初代の「うたわれるもの」が好きだった方はそこもぜひ楽しみにしてほしいと思います。
――「二人の白皇」の序盤ではクオンはトゥスクルに帰還していますが、トゥスクルでのキャラクターたちとのやり取りに対する印象をお聞かせください。
種田さん:クオンはトゥスクルにたくさんのお母様たちがいて、お姉様たちがいて、みんなにとっての末っ子の娘みたいな感じで育っているんだなというのがより「二人の白皇」の冒頭で感じられるのではないかと思います。
クオンがハクを失って無気力になってしまった状態から、父親のオボロやトゥスクルの人たちが心を溶かしていって、クオンが素直に泣けるまでを見守るというシーンになるので、オボロとの涙の抱擁のシーンはゲームの時から温かさと辛さの両方の感情が入り乱れて私もすごく印象的でした。今回のアニメでは実際にオボロ役の桐井大介さんとアフレコで一緒に掛け合わせていただいたので、すごく思い出深いシーンになりました。
その後オボロがクオンを元気づけようとしてちょっとしたふっと笑えるようなシーンがあったり、クロウとベナウィも2人のやり方で勇気づけてくれます。今回から登場するフミルィルもクオンにとってすごく大事なキャラクターで、クオンを支えてくれるキャラクターたちが活躍してくれたのがとても嬉しかったです。
――改めて、クオンというキャラクターの魅力はどこにあると思いますか?
種田さん:「偽りの仮面」の時からただ可愛いだけじゃなくて、ただものではない雰囲気や品があって。口調であったり、ハクと接する時の姉のような、母のような、妹のような包容力だったり、かと思えばお風呂のことや食べ物のことになると急に幼くなったりと、一つの印象に収まらない、何か根幹の部分でしっかりとしたこの子の魅力の理由があるはずだと思わせるようなキャラクターだと思っています。
クオンの魅力がどこかと言われるといつも結構悩んでしまうのですが、元気なところだけでもないし、物語を進めていくにあたって、彼女はただの一般人ではないというのが分かる時に納得するというキャラクター性になっているので、一番近い言葉で言うとカリスマ性ですかね。生まれ持っている人を惹き付ける魅力みたいなものがあって、だからこそ何をしていても魅力的に見えるし、子供っぽくしているのにすごく色気があったりするのかなと。
あと守られるだけの存在じゃないというのもすごく魅力的で、仲間を引っ張って先頭に立つ素養があるというのが、戦のシーンになる前から見ている方に伝わっているので、秘めたる所以が見事に詰まった魅力的なキャラクターです。初代であれだけ魅力的なヒロインたちがいる中で、またここまでみなさんに愛されるヒロインを描けるのは素直にすごいなと思います。
――クオンはハクのどういうところに惹かれたと感じていますか?
種田さん:クオンがなぜハクの保護者になろうと思ったのかというのは「二人の白皇」を見てもらえば全て分かりますが、ハク自身はちょっとおちゃらけた雰囲気で、仕事はできないし、戦闘もすごく強いわけではないという中で、なぜあれだけクオンにとって特別な存在になったんだろうと思うと、出会ってから過ごした時間の中で本当に魂で惹かれ合った家族になったんだなと感じています。説明がすごく難しいのですが、出会う運命だった2人なんだなと私は思っています。
あとはハクみたいな主人公って意外と少なくて、最初に演じてくださった藤原啓治さんのお声の力も大きいと思うのですが、ただだらしないだけではなく、なぜだかこのキャラクターをみんな構いたくなってしまう魅力があるんだと思います。男女みんなに愛される、ハクみたいな主人公ってあまり見たことがないですし、唯一無二の存在になったと思います。
――クオンはもちろんだと思うのですが、そのほかにも種田さんの目線で注目してもらいたいキャラクターがいらっしゃればお聞かせください。
種田さん:利根健太朗さんが演じられているオシュトル(ハク)ですね。以前は藤原啓治さんが演じてくださっていたキャラクターを引き継いで2代目として演じられるということで、元々のキャラクターの愛されていた部分や大事にしたい部分を保ちながら、でも自分の声で演じるという作業が入るので、利根さんも現場で誰よりも汗を流して、毎回アフレコの度に過去の藤原さんの声を聴いてから、自分の中で咀嚼して演じるということをやられていました。
とにかくただならぬ覚悟みたいなものを感じていて、その意思を引き継いで演じてくださっているので、ちゃんとハクだなと素直に受け入れられるものに仕上がっていて、それは私も本当にびっくりするぐらいです。声は違うし、別の役者さんなんですけど、物語の設定も相まって二人で演じられているような錯覚に陥って、エモい感情にもなっています。前のハクを好きだった方ももちろん多かったと思うのですが、意思を引き継いだハクも素敵なのでどちらも愛していただけたら我々も嬉しいなと思っています。
――利根さんがハクを演じられることが発表されたのが「斬2」の時でしたが、その時も本当に利根さん以外にはいらっしゃらないんじゃないかなと強く感じました。
種田さん:私が一番驚いたのが、ハクを利根さんに引き継ぐにあたって、ちゃんとオーディションし直したらしいんですよ。それって本当に異例なことだと思いますが、オーディションをした結果、やっぱり利根さん以外は考えられないということで、そこから制作チーム一丸となって取り組んでいます。利根さん自身はおちゃらけてシリアスな空気にしないようにしてくれているのですが、我々としては利根さんの真面目な部分を現場で見ているので、作中のオシュトル(ハク)も素敵なものになっていると思いますし、一番の注目ポイントかなと。
――アンジュ役の赤﨑千夏さんのお芝居はどういう印象でしょうか?
種田さん:アンジュも変化が多いキャラクターで、それこそ「偽りの仮面」の時は本当にギャグ担当みたいな賑やかしのおてんば姫という感じでしたが、今回はアンジュ自身に一国を率いる皇女としての自覚みたいなものが芽生えています。
「今のセリフはアンジュが皇(オゥルォ)として発言しているので、もう1回しっかり地に足がついている感じでやってもいいですか」とか、赤﨑さんもお芝居に乗せるようこだわってらっしゃったところですね。特にアンジュは叫ぶシーンが多いので、その時に声がひっくり返ってしまうと威厳が出てこないというところで録り直していて、アンジュとしての成長をすごく大事にされているんだなと思いました。
――「二人の白皇」を見る方々に向けて、全体を通してのアピールポイントがあればお聞かせください。
種田さん:「うたわれるもの」はキャラクターの魅力が大事なポイントですが、今回は「偽りの仮面」だけでなく、初代の「うたわれるもの」から全てのキャラクターがほぼほぼ登場すると思っていただいて大丈夫です。
2クールあってもゲームからはカットされるシーンも出てくるのですが、それでも各キャラクターの重要なシーンは大切に描いてくださっていて、全てのキャラクターが主人公だなと。敵も味方もなく全ての正義に意味があるなと共感する部分もあるので、とにかく「うたわれるもの」の世界が好きな方は絶対見ていただきいですし、「うたわれるもの」がこういう世界のお話だというのを丁寧に描いているシーンもあるので、そこも楽しみにしていただければと思います。
――「うたわれるもの」は壮大なストーリーとともにオリエンタルな世界観が魅力的ではありますが、描かれる雰囲気などで好きなところはありますか?
種田さん:「うたわれるもの」の世界観ってすごくリアルで、現代の日本ではないものの、歴史の中でこういう国あったよねと思っちゃうくらい、描かれ方が細かいです。食べ物や国、そこに住む人々の生活を描いていたり、あとは国があるということは争いがあり、派閥があるという。ただ現代の日本ではそういった風習が無いので、逆にそれがすごくファンタジーに感じられるのかなと。
ファンタジーといえば西洋を思い浮かべる中で、オリエンタルな雰囲気があって親しみやすいのに、そこに暮らすのは獣の耳や尻尾が生えているキャラクターばかりで、リアルな中にリアルじゃない設定やキャラクターがいるのに、この世界が成り立っているという説得力がある作品なので、とにかく世界観が素晴らしいなと思います。
あとはキャラクターデザインだけではなくて、洋服や街のデザインにもすごく統一感があって、とにかくオシャレですし、服を着替えてもそのキャラクターが着てそうと思うシーンが多いです。
ファンタジー世界なので見える部分以外にもすごく設定がたくさん練り込まれていて、多分最初はキャラクターや出演されている声優さんが好きでゲームをやる方も多いと思うのですが、全てがバランスよくできているので、ストーリーが面白くて、設定が素晴らしくて、最終的にクリアした時に「うたわれるもの」の重厚な物語に触れた満足感で終わることができるのが魅力だなと思います。
――設定部分で言うと、アニメではゲームで絵として見えていなかった部分も楽しみですよね。
種田さん:それこそ、戦で馬ではなく鳥に乗っていたり、移動は人力車だったりと、細かい部分が見えるのはアニメの楽しみですよね。
――「うたわれるもの」では作中で食べ物の話題が多い印象ですが、印象に残っている料理はありますか?
種田さん:コラボカフェやイベントのメニューとしてアマムニィを何度か出されていて、私も食べたことがあるのですが美味しかったです。あとクオンは蜂蜜酒が好きでそれもコラボメニューとして用意していただいたりと、少し頑張れば作れるんじゃないかというリアルさが「うたわれるもの」の料理の良いところだなと思います。
きっとまたコラボカフェをやられると思うので、その際はぜひ実際に食べてもらいたいです。これ食べたいというリクエストがあれば、もしかしたら実現するかもしれません(笑)。
――最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。
種田さん:本当に長い間お待たせしておりまして、その間我々以上にファンの方々が、ゲームの「うたわれるもの」をプレイして私たちの声を聴いてくださっていたと思います。その気持ちを大切にして、これから描かれるアニメーションの世界の「うたわれるもの」も絶対に楽しんでいただけるものになっていますので、是非我々と一緒にまた再び冒険に出ていただけますと嬉しいです。改めてよろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。
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(C)うたわれるもの二人の白皇製作委員会
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