スクウェア・エニックスが2023年1月24日に発売する、PS5/PC用ソフト「FORSPOKEN」の先行プレイレビューをお届けする。

目次
  1. 「魔法パルクール」で広大な世界を自由自在に駆け巡る
  2. 豊富な魔法を駆使して行うアクション性の高いバトル

「ファイナルファンタジーXV」に携わったスタッフらを中心に設立された「Luminous Productions」が開発を担当する本作。2023年1月24日に発売が予定されている中、9月15日から開催予定の東京ゲームショウ2022のスクウェア・エニックスブースにて、試遊台の出展が予定されている。今回はTGSに先駆けて本作のPS5版をプレイし、本作のバトルやフィールド探索のシステムを体験することができた。

なお、Coディレクターの寺田武史氏、クリエイティブプロデューサーの光野雷生氏へのインタビューも掲載しているので、あわせてチェックして欲しい。

「魔法パルクール」で広大な世界を自由自在に駆け巡る

本作の特徴は、なんといってもオープンワールドで作られた異世界「アーシア」を自由に移動できる「魔法パルクール」のシステムだ。高速ダッシュから、魔法のフックをフィールドに打ち込んでの上下移動、壁や障害物を足場にしてのジャンプなど、上下左右のあらゆる方向に移動が可能で、目に見える世界の隅々まで探索が可能。

この魔法パルクールによる移動のスピード感は、様々なオープンワールドゲームの中でも突出しており、非常に爽快感のある探索を楽しめるようになっている。

ただし、魔法パルクールは無制限に使用できるわけではなく、魔法の使用可能量をあらわすゲージを消費する形で行う。とはいってもそれほど制限は厳しくなく、ゲージは少しの時間経過で全快する。一般的なオープンワールドゲームにおけるスタミナをイメージしてもらえれば分かりやすいだろう。

一方、個人的に面白いと感じたのが「ダッシュ中にジャンプ」→「着地タイミングに合わせて再度ジャンプ」という操作を行うことで、ゲージをほとんど消費せずに長距離を移動できるシステム。オープンワールドのゲームでは、長距離移動をする際にスタミナが切れてダッシュが中断され、ストレスを感じることも多いが、本作ではこのシステムのおかげで、マップ間の移動が非常にテンポよく行われる。

入力タイミングもさほどシビアではなく、数回やればすぐに慣れられるレベルで、移動の速度も早い。マップ上は遠そうに感じられるような距離でも、あっという間に到着できていた。

一方で、フックを使っての移動には少し操作にクセがあり、慣れるのに少し時間がかかりそうだと感じた。

フックは、何かしらのオブジェクトが存在していればどこにでも打ち込むことができるのだが、ダッシュと同様にゲージを消費するため、無制限に使用できるわけではない。高い崖を登る際などは、このゲージが足りずに登りきれないというケースも発生し、登れるルートに制限がかかることもある。

ゲージが足りない場所に登るには、一部の壁や崖にある特殊なギミックを利用する必要がある。その地点にフックを打ち込むと、そこを起点に自動で大ジャンプを行ってくれるので、再度次のギミックに狙いを定めればいい。

「フックをギミックに使用→大ジャンプ中に次のギミックへフック」を繰り返すことで、通常なら登れない高い崖を登ることができる。フックの狙いをつけている間は時間がスローになり、空中でも静止に近い状態になるため、さほど焦って操作する必要はない。

また、本作のフィールドは高低差が非常に広く作られており、普通のゲームなら確実にゲームオーバーとなるような高所から落下することもある。しかし本作では、落下の衝撃を魔法によって軽減しているようで、ゲージが残っている状態ならHPへのダメージを受けずに済む。ゲージがなかったり、軽減する量の限界を超えるとHPにダメージを受けるものの、そのダメージ量もさほどは大きくない。

少し待てばゲージも回復する上、落下間際にフックを使えばゲージを減らさずに着地することも可能。プレイを開始したばかりの頃は落ちることに恐怖感があったが、少しゲームに慣れてくると躊躇いなく高所から落下できるようになり、テンポよい探索ができるようになった。

豊富な魔法を駆使して行うアクション性の高いバトル

異世界「アーシア」には、瘴気(ブレイク)の影響を受けて凶暴化したエネミーが多数存在しており、エネミーに近づくとシームレスでバトルに突入する。

本作の基本的な攻撃は、様々な魔法を使用する形で行われる。魔法には攻撃と支援の2つのカテゴリがあり、R2ボタンを押すと攻撃魔法、L2ボタンを押すと支援魔法が発動する。

攻撃魔法には、魔法で剣や槍などの武器を形成して近接攻撃を行うものや、岩などを撃ち出して射撃攻撃を行うなどのバリエーションが存在。地上か空中かによっても性能が変化し、地上では槍を投擲して攻撃を行う魔法が、空中ではジャンプしてからの落下攻撃を行う魔法に変わったり、まったく異なる性質のアクションになることもある。

支援魔法は、直接攻撃を行うものの他にも、固定砲台のようなものを設置する、自分の周囲にバフ効果のあるフィールドを形勢する、ステータス異常を回復するなど攻撃魔法以上に効果のバリエーションが非常に豊富。支援魔法は強力な効果も多いが、一度使用するとクールタイムが挟まり、連続して使用することはできない。ただクールタイムはそれほど長くないので、惜しみなく使用しても問題なさそうだった。

また、本作の魔法が特徴的なのはプレイヤーがあらかじめセットしておくのではなく、習得したものの中から適宜使用する魔法の系統を切り替えて戦うということ。今回のビルドでは炎系統と土や植物系統の2つが解放された状態で、6種類の攻撃魔法と14種類の支援魔法をバトル中に使い分けながら戦うことができた。

エネミーには属性に対する耐性や弱点が個別に設定されているのに加え、空中の敵に対しては遠距離用の魔法が有効だったりという相性もあるため、状況に応じて魔法を切り替えて戦うのはかなり重要そうだと感じた。

アクション要素の強いバトルで、膨大な種別の中から1つを選択するという工程を挟むのはなかなか珍しいが、魔法切り替えの最中はフックと同じように時間の流れが遅くなるので、ある程度落ち着いて操作できる。豊富な選択肢の中から、敵の弱点や状況にあわせた最適の行動を選ぶというのは、コマンドバトルRPGのシステムにも少し通じる要素だと感じた。

また、本作にはガードに相当するアクションは存在せず、○ボタンで発動する回避アクションで敵の攻撃を凌ぐことになる。この回避アクションはなかなか優秀で、様々なアクションの隙をキャンセルする他にも特殊な回避アクションにも派生するケースもある。

面白いのが、前項で触れた魔法パルクールのダッシュ中に攻撃を受けると、自動的に回避アクションが発生すること。本作はダッシュへ移行する速度が早いので、あらかじめダッシュ状態に入っておき、タイミングをあわせるのが難しい敵の攻撃を確実に回避するといった戦い方もできる。

ダッシュ中はゲージが減り続けるため、回避アクションだけを行う時よりゲージ消費が激しくなるデメリットはありそうだが、アクションゲームが苦手なユーザーにとってありがたい仕様だ。敵の群れの中を突っ切って目的地に向かいたい際などにも役立つだろう。

主にフィールドの移動に使うフックもバトルで活用可能で、フックを敵に直接打ち込んで急接近して近接魔法を叩き込むことができる。フックでの移動を織り交ぜると空中時の攻撃魔法をスムーズに発動できたり、個々のアクションを組み合わせて新しい動きを発見するのも楽しい。

また、今回紹介したもの以外にも、フィールドに点在するボス的な存在を倒すと宝箱やパラメータボーナスが手に入ったり、新たなスキルを獲得できる泉、アーシアの各地に存在する拠点「巡礼者の宿」でアイテム作成、装備の強化を行えるなどの育成・やりこみ要素の存在も確認できた。製品版ではアクション面だけではなく、RPGらしい育成も楽しめそうだ。

アクションが非常に豊富なため、操作に慣れるまでやや時間は掛かったものの、プレイすればするほどスタイリッシュな動きができるようになっていき、バトルの爽快感も増していく。一方、膨大な種類の魔法をバトル中に適宜切り替えていく、コマンドRPGの戦略性に近い要素が盛り込まれているのも印象的で、新規IPならではの独自性の遊びを感じ取ることもできた。

※画面は開発中のものです。

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