「キングオブキングダム」をレビュー。スマートフォン向けの多人数対戦型リアルタイムストラテジー。ソロプレイや短時間でのプレイでも満足感を味わえる、本作の魅力について紹介する。
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「キングオブキングダム」は、様々な英雄たちが覇権を争う多人数対戦型リアルタイムストラテジー。登場する英雄たちはカエサルに関羽、伊達政宗にサラディン…と、地域や時代の枠に収まらない。場所・地域を超え、最強の英雄たちが集う国を作っていけるのが特徴となっている。
時代と地域を超えたドリームチームで領地を増やすリアルタイムストラテジー
ゲームスタートしてまずプレイヤーが行うのは、文明の選択。ヨーロッパ文明、中国文明、大和文明、アラブ文明という4つの中から好きなものを選ぶ。選んだ文明ごとにゲーム内の行動に対する効果と初期英雄が異なっており、ヨーロッパ文明はカエサル、中国文明は関羽、大和文明は伊達政宗、アラブ文明はサラディンが初期英雄となる。
筆者がチョイスしたのは、大和文明。ヨーロッパの歴史や三国志も大好きだが、やはりゲームは感情移入できた方がおもしろい。なので、自分の国である日本を選んだ。戦国武将で一番好きなのは織田信長だが、伊達政宗も好きな武将なので、感情移入してプレイできるはず。
ちなみに、大和文明を選んだら日本の英雄しか扱えないのかというと、そんなことはない。他の文明に属する英雄も使用可能だ。なので、時代と地域を超えた英雄ドリームチームを編成できる。歴史ファンにとってはこれだけでも十分楽しさを感じられるのではないだろうか。
文明を選んだら、続いて自分の国を築くエリアを選ぶ。エリアは中東~ヨーロッパ西部を思わせるかたちになっているが、エリア名そのものはオリジナル。ここで筆者は、最も西に位置するブルームランドを選択した。ブルームランドの首都はロンドン。なのでモデルはイギリスだろう。霧の都で自分の国を立ち上げる伊達政宗…絵面的にも悪くないように思う。
文明とエリアを選んだらいよいよゲームスタート。本作におけるプレイヤーの目的は、自分の領地を増やしていくこと。そのために施設を整え、城外の土地を占領していく。
基本的なゲームシステムは、一般的なスマートフォン向けMMO戦略ゲームを踏襲している。木材や石材などの資源を消費して、城内に施設を建設。施設から獲得できる資源を使って、施設のレベルアップを行い獲得資源量を増やしていく。
ただ、城内の施設だけでは獲得可能な資源量に限界がある。そこで、城外の土地を狙う。まずは斥候を送ってその土地にいる敵の弱点となる兵種を確認。続いて、英雄を確認した兵種で編成し、土地へと派遣する。派遣した英雄はリアルタイムでの行軍時間経過後、土地に到着。土地を支配する敵兵を見事倒すことができれば、その土地は占領することができる。
戦闘はフルオート。各英雄ごとに固有のスキルを持っているが、これもオートで発動する。なお、本作は多人数対戦型。なので土地を他のプレイヤーが支配していることもあるし、マップ内には他のプレイヤーの城だって存在。なのでもちろん、他のプレイヤーの英雄と戦闘になることもあれば、自分の英雄が戦闘しているそばで他のプレイヤーの戦闘が戦闘することもある。マップ上で2つの戦闘の様子が描かれるのはなかなかの迫力だ。ちなみに戦闘の状況はリアルタイムで見守ることもできるが、アプリを閉じて放置することも可能。その場合、後で通知を見て戦闘結果を確認するかたちになる。
こうした基本的なシステムは、先に触れたとおり一般的なスマートフォン向けMMO戦略ゲームに共通するものだが、その中で本作はゲームバランスに優れていると感じた。序盤の施設建設や、城外の土地占領にかかる時間が適度な範囲に抑えられており、パラメーターがテンポよく増えていく。自分の国が順調に育っていく感覚は、とても楽しい。ただそれだけではない。ソロ向けのモードである「遠征」がプレイにさらなるテンポのよさをもたらしていると感じた。
ステージクリア型のリアルタイムストラテジーが楽しめる!「遠征」モード
「遠征」モードは、ステージクリア型のソロ向けモード。ステージごとに用意された敵を倒すと報酬が獲得でき、次のステージがアンロックされる…という仕組みだ。
基本的な操作は、メインモードも「遠征」モードも変わらない。ただ、メインモードと比べて自軍のユニットを細かく動かす必要があるため、本来のリアルタイムストラテジーに近いと感じた。
本作のような多人数対戦型のリアルタイムストラテジーでは、自軍が強くなればなるほど時間がかかるようになっていく。より遠くにいる敵と戦わなければならなくなるし、施設のレベルアップにかかる時間もアップするからだ。ただ本作には「遠征」モードがあることで、時間のかかる派遣指示や施設のレベルアップを行っている間、「遠征」で楽しむ…ということが可能。また「遠征」であれば短時間でも敵を倒す満足感を味わうことができる。プレイスタイルに応じた楽しみ方ができるのは魅力的だと感じた。
収集も魅力!ほどよくディフォルメされた英雄たち
基本的には城内の施設を増強していく内政と、戦闘によって城外の土地を占領していくことが戦力強化に繋がっていく。ただ、戦力の要となる英雄については、内政でも戦闘でもなくガチャ形式で獲得する。
ガチャ形式となると、強力な英雄を揃えるためには課金が必須なのか…と思ってしまうが、この点も本作は上手くバランス調整されていると感じた。確かに課金機能なので、お金をかければそれだけ強力な英雄が手に入る可能性はアップする。ただ、ゲームを進めていくことで十分な回数のガチャを引けるようになっているほか、レア英雄の排出率も悪くない。無料でも楽しめるし、課金すればもっと楽しめるという適度なバランスに調整されていると感じた。
課金でガチャを楽しむ…という点では、見逃せないのが、キャラクターのディフォルメのバランス。本作のような戦略ゲームでは、キャラクターを写実的に表現することが多い。そんな中本作は、頭身はリアルだが顔はマンガ的にディフォルメするというバランス。一言でいえば、日本のゲームやマンガでよく見られるバランスでディフォルメされている。なので個人的に、キャラクターのビジュアル面でもストレートに魅力を実感できた。これは英雄を集めたくなるビジュアルだ。
シーズン2以降のお楽しみも存在!今触れておいて損はない一作
本作は多人数対戦型のリアルタイムストラテジーとしてのバランスはもちろん、ソロ向けのモードも用意されていて完成度が高い。キャラクターのビジュアルも魅力的に作られているので、戦略ゲームのファンであれば楽しめる一作だと思う。
また、本作はシーズン制になっており、次のシーズンである2シーズン目からは優勝報酬つきイベント「キンキン王決定戦」の実施が告知されている。「キンキン王決定戦」は同盟対抗戦で、「ノワール城」の占領が最も早かった同盟主には優勝報酬1000万円が与えられるという。もちろん、実際に優勝を目指すとなるとその道は険しいだろう。ただ、こうした規模の大きなイベントがあることは、お祭り的で楽しいし、ゲーム的に高い最終目標があるのもおもしろい。イベントに備える意味でも、今触れておいて損のない一作だと感じた。