見下ろし型アクションRPG「ガーディアンテイルズ for NINTENDO SWITCH」をレビュー。Nintendo Switch版で実装されることになったワールド10と未来姫について紹介するとともに、本作の魅力を解説する。
目次
KongStudiosが開発・運営を行っている見下ろし型アクションRPG「ガーディアンテイルズ」のNintendo Switch版に、ワールド10および未来姫が実装される。ワールド10は、ラー帝国でガーディアンが消えた10年後が舞台。小さなお姫様も大きく成長し、頼れるリーダーになっている。
そして、ゲーム的には難易度が大きく上昇しているというのが特徴だ。そこで本記事では、ワールド10の実装に向けて、プレイのポイントを紹介したい。
美しいピクセルアートと爽快アクションが魅力のアクションRPG
最初に、「ガーディアンテイルズ」未プレイの人に向けて、本作をカンタンに紹介しておこう。本作は、敵を倒しつつダンジョンを探索する見下ろし型アクションRPGだ。基本的なつくりはアクションRPGとしてオーソドックスなものになっており、攻撃や回避といったアクションを駆使して敵と戦っていく。
その魅力のひとつが、スクリーンショットからもわかる通り、美しいピクセルアート。ドット絵で描かれたディフォルメキャラクターがかわいらしく、しかもいきいきと動く。背景などはピクセルアートとマッチしているが3DCGを使用している部分もあり、クオリティの高いビジュアルに仕上がっている。
また、ピクセルアートの恩恵を受けているのはビジュアル面だけではない。ドット絵によるアニメーションはキビキビとハイテンポに動くため、アクションが爽快。高い操作性もあいまって、キャラクターを動かしているだけでも気持ち良いと感じられる。なので、そもそも本作がノーチェックだったという人は、これを機に是非プレイしてみてほしい。
難敵・ハーベスターを倒せるか?難易度急上昇のワールド10
それではいよいよワールド10について紹介しよう。まずワールド10に入って驚くことのひとつが、1体のキャラクターで挑むことになる点だ。パーティーに4体キャラクターを編成している状態であっても、ワールド10に入ると強制的に1体になってしまう。まずこの点で難易度の高さを感じさせてくれる。…ただ、これはまだまだ序の口。
本当に難易度の高さを実感する羽目になるのが、ワールド10のステージ1がはじまってすぐに登場するボス敵「ハーベスター」だろう。3方向に放たれた後、壁にぶつかると反射する水色のショット、緑色のショット、移動後に発生する落雷、突進攻撃…という攻撃を使いこなす難敵だ。
「ハーベスター」の強さは、その攻撃の激しさにある。水色のショットが反射したところに新たな水色のショットが放たれ、どちらに回避すればいいのか…と立ち回りを考えているところへ緑色のショット。そしてショットを避けたかと思ったら、スピーディーな突進攻撃が襲い来る。この波状攻撃を回避していく感覚は、アクションRPGというより弾幕シューティングのよう。
もちろん各攻撃のダメージも大きい。それまでのステージと同じ感覚で挑むと、敗北を繰り返すことになるだろう。実際に筆者はプレイしてみて、敗北を繰り返すことになった。正直なところ、心が折れかけ「バトル中に何か特定のことをするとストーリーが進む、負けを前提のストーリーバトルなのではないか?」と現実逃避しかかったほどだ。だが「ハーベスター」は現実に倒さなければならないボス敵であり、実際にちゃんと倒すことができる。とはいっても、難しいのは事実。そんな時に心強い味方となってくれるキャラクターが「未来姫」だ。
高い防御力と回復が魅力!ワールド10攻略の強い味方・未来姫
「未来姫」は光属性のタンクで、杖を使った遠隔魔法攻撃や杖と盾による近接戦闘で戦う。まず、タンクのため高い防御力を持っているという点が心強い。なにせ、「ハーベスター」の攻撃は超苛烈。なので、回避に失敗することも少なくない。そんなときに高い防御力が頼りになるのだ。
もちろん、そもそも「ハーベスター」は攻撃力自体が高い。しかしここで役に立つのがモチーフ武器だ。未来姫のモチーフ武器である「リベレーター」は、攻撃が命中した際に味方全員の体力回復という効果を持っている。このために、回避失敗時のダメージを他のキャラクターより抑えることができるのだ。
もちろん、他のキャラクターを使用しても攻略は可能だろう。ただ、「未来姫」を使うと難易度がグッと軽減する印象だ。「ハーベスター」戦を乗り越えて以降もワールド10の高難易度は続いていくので、もしワールド10で難易度の高さを感じたら、一度未来姫を使ってみてほしい。できれば「リベレーター」とのセットがオススメだ。
難しくはあっても理不尽ではない!アクションRPG好きにオススメの一作
ここまでワールド10の高難易度について触れてきたが、人によっては「難易度が高すぎると、あまり楽しくないのでは…」と心配になってしまうかもしれない。ただ、実際にプレイした感触を踏まえて言うが、本作のワールド10は「難しいけど楽しい」バランスだと思う。というのも、確かに難易度は高いが、決して理不尽ではないからだ。
「難しい」のと「理不尽」とはちょっと違う。たとえば、「発射されるのを見てからでは絶対回避できない攻撃」というのは、「理不尽」だ。なぜなら、見てから回避できないということは、事前に知らない限り回避できないということになるから。いわゆる「初見殺し」。知らなければ対応できない時以上、初プレイの際にはどんなに技術があっても対応しようがない。「理不尽」に感じて当然だろう。
しかし本作の攻撃は、強力な攻撃については基本的に事前に攻撃範囲が表示される。もちろん、「ハーベースター」も。なので、表示を見た上で攻撃範囲外に移動すれば必ず回避できる。
さらに、ボスの攻撃がパターン化されているという点も大きい。攻撃がランダムに構成されていると、立ち回りが運に左右されてしまう。しかし本作のボス…たとえばハーベスターの攻撃はパターン化されているため、こちらもどう回避し、どのタイミングで攻撃をするかという立ち回りがパターン化できる。パターン化できるということは、たとえクリアできなかったとしても繰り返しプレイすれば攻略の糸口が掴めるということ。このため感じるのは「難しいからクリアできない」という理不尽さではない。むしろ「難しいけど、挑戦次第でなんとかなりそう」という手ごたえなのだ。
本作は歯ごたえのあるワールド10が追加されたことで既存プレイヤーが楽しめるのはもちろん、アクションRPGとしての完成度が高いので未経験プレイヤーも満足できる一作だ。Nintendo Switch版もスマートフォン版同様、ダウンロードと基本プレイが無料のアイテム課金制となっているので、まずは触れてみてはいかがだろうか。