カプコンから2023年1月20日に配信予定のPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Windows 10/Windows 11)版「モンスターハンターライズ」(以下、MHR)。ここでは、PS5版のプレイレポートをお届けする。

目次
  1. 細かなグラフィック設定やアダプティブトリガーに対応
  2. アクションが苦手でも楽しめる、シリーズ初心者にこそ体験して欲しいタイトル

細かなグラフィック設定やアダプティブトリガーに対応

前提として、今回リリースされる「MHR」は、Nintendo SwitchとSteam向けに発売された同タイトルの移植版にあたり、基本的な内容は同じ。その上で、配信中の大型拡張コンテンツ「サンブレイク」については2023年春頃の配信が予定されており、「サンブレイク」で追加された装備や鉄蟲糸技は現時点では使用できない。ただし、Switch・Steam版向けに配信中のアップデートや追加クエストはすぐにDL可能となっているので、初期から十分なコンテンツが用意されている。

PS5版では、グラフィック設定はフルHD解像度の120fpsフレームレート優先モードと、4K60fpsの画質優先モード、その中間にあたるデフォルトの3種類の基本設定が用意されている。高品質なグラフィックで没入感のある狩りを体験できるようになったのはPS5版のメリットだ。

左が画質優先、右がフレームレート優先モード時の映像。
解像度だけではなく、テクスチャの品質や影の表現も異なる。

さらにレンダリングやテクスチャの解像度、影品質なモーションブラー、草木の揺れといった項目を個別に設定することも可能。PC用のゲームでは、PCのスペックに合わせるため細かな設定項目が用意されていることも多いが、コンシューマ版でここまで細かな設定ができるのはかなり珍しい。フレームレートと画質のバランスを、プレイヤー好みのバランスで調整できるようになっている。

アクションゲーム好きとしては、画質よりもフレームレートを優先したいというプレイヤーも多いかと思うが、本作では画質優先の設定でも60pfsで安定しており、ゲームプレイにはまったく支障がないと感じられた。ある程度解像度の大きいモニターに出力するのなら、画質を優先した設定にするのが個人的なオススメだ。

Steam版にも実装されていた機能だが、モノクロやセピア、戦国にClassicといった画面に特殊な効果をつけるフィルターをかけてプレイすることもできる。画質だけではなく音質もレトロ調に変化するフィルターもあり、気分転換にも最適。素材集めのために同じモンスターを延々と狩り続けることも少なくないので、プレイにちょっとしたアクセントを加えられるのはありがたい。

和風の世界観とも相まって、レトロ風なモノクロフィルターとの相性もバッチリ。

さらにPS5版は、DualSenseワイヤレスコントローラーの機能であるアダプティブトリガーにも対応。片手剣やランスでのガードや、弓やボウガンといった遠距離武器を使用する際にはR2L2ボタンの押し心地が変化し、より緊迫感のある狩りを楽しめるようになる。ただガードについてはとっさに出したい場面が多いこともあり、やや押しにくさを感じる人もいるかもしれない。その際には、アダプティブトリガーの設定もオプションでオンオフを切り替えられるので安心だ。

なおPS5版はロードも非常に高速で、クエストに出発してからフィールドに切り替わるまでの時間は約1秒ほど。体感的にはロード時間はほぼないといっていいほど、すぐにゲームプレイに移れるようになっていた。

アクションが苦手でも楽しめる、シリーズ初心者にこそ体験して欲しいタイトル

「MHR」の魅力はもちろん健在。すでにSwitchやSteam版をプレイした人には今更語るまでもないだろうが、従来のシリーズとのもっとも大きな違いは翔蟲を使ってのアクションだ。

これまでの「MH」シリーズでは、対象のモンスターがいるポイントまで移動する際、ルート上にある山などの障害物を迂回する必要があったが、本作では翔蟲ゲージを消費して行う「疾翔け」によってあらゆる斜面を登ることができるようになった。ハンターが搭乗することのできる新たなオトモ「ガルク」が登場したのもあり、移動の自由度・快適性が大幅に増している。

フィールドの各地にはヒトダマドリと呼ばれる特殊な環境生物が存在しており、そのクエストの間のみハンターの様々な能力を強化してくれる。とくにHPの最大値を上げてくれるヒトダマドリは地味ながらも重要で、強力なモンスターを相手にする際にこの効果のおかげで何度命拾いしたか数え切れないほど。効率のいいヒトダマドリの回収ルートを考えながら、クエスト目標がいるエリアを目指すのも本作ならではの面白さがある。

もう1つの翔蟲アクションである「鉄蟲糸技」と、武器アクションをカスタマイズできる「入れ替え技」も特徴的なポイント。鉄蟲糸技は翔蟲ゲージを消費して行うことができる武器固有のアクションで、カウンターやスーパーアーマーなど通常のアクションにはない強力な特殊効果をもつものも存在する。セットできる鉄蟲糸技は最大2種類までで、どの技をもっていくかをプレイヤーが選択する必要があるため、同じ武器を使っても個々のプレイスタイルごとに個性が出る。同じ武器でプレイする場合でも、これまであまり使ってこなかった鉄蟲糸技と入れ替え技をセットすることで、異なる操作感を楽しむことができる。

個人的にプレイしていてかなり重宝したのが「翔蟲受け身」。敵の攻撃などを受けて吹き飛ばされた際、翔蟲ゲージを消費することで受け身をとりながら即座にその場から離脱できるというアクションだ。従来の「MH」シリーズでは、モンスターの連続攻撃でHPを一気に削られることも少なくなかったが、本作では翔蟲ゲージさえ残っていれば連続攻撃の途中で離脱できるため、クエスト中に倒されるケースがかなり少なくなった。攻撃的なスキルを重視した装備構成にした場合でも、ある程度保険を残しつつ戦うことができるのはかなりありがたい要素だった。

一定時間、モンスターをプレイヤーが操作することができる「操竜」も「MHR」ならではの要素。操竜を行えるようになる「操竜待機状態」にするには、鉄蟲糸技やジャンプ攻撃を連続でヒットさせるか、モンスター同士の縄張り争いを発生させる必要がある。複数のモンスターが同じエリアにいる状況は、従来のシリーズ作品ではプレイヤーにとってのデメリットになることが多かったが、「操竜」が可能な「MHR」では逆にメリットが大きくなった。操竜中はハンター自身が戦闘不能になることはなく、積極的に攻撃していけるので、アクションが苦手な人でも気楽にプレイできる瞬間となっている。

通常のクエストとは別に、バリスタなどの狩猟設備を配置して現れる大量のモンスターを撃退する「百竜夜行」も存在。百竜夜行では何度戦闘不能となっても復活可能で、迫り来るモンスター達からカムラの里への門を守るタワーディフェンス的なクエストとなっている。通常クエストよりも時間は掛かるものの、複数のモンスター素材や護石の錬成に使用できる百竜チケット、武器の性能をさらに強化できる百竜スキルの開放に必要な素材も手に入るなど、かなり美味しい報酬が用意されている。

門さえ破壊されなければクエストが失敗にならない百竜夜行では、さほどシビアなプレイは求められない。
フレンドとワイワイプレイするのに最適だ。

今回はPS5版のリリースにあわせて、改めて「MHR」をプレイした形となったが、最初のプレイではおぼつかなかった翔蟲アクションの操作がよりスムーズになっていたことで、とにかくテンポよくプレイすることができた。やり込めばやり込むほど、「MH」シリーズの中でも抜群のスピード感とスタイリッシュさに溢れた狩りを楽しめるのは、本作の大きな魅力となっている。

他機種からのセーブデータの引き継ぎはできないため、すでに他のハードでプレイしている場合は注意が必要だが、これまで「MHR」をプレイする機会を逃していた人には自信をもってオススメできる。前述した「翔蟲受け身」や「操竜」といった要素もあり、これまでの「MH」シリーズの中でも非常に初心者にとっつきやすいタイトルとなっているので、是非ともプレイしてみて欲しい。

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