2023年2月5日に「モンスターハンターライズ」と「サンブレイク」のミュージックライブ「モンスターハンターライズ&サンブレイク~百竜ノ響宴~」が中野サンプラザで開催された。
今回のイベントは、すべてゲーム内で使用された楽曲を公演用にアレンジしたものとなっており、まさにほかでは聴くことができないスペシャルな内容となっていた。
当日は16時少し前より入場が開始。会場内には花やパネルなども飾られており、そちらを撮影するための列も作られていた。メインはライブということで、それ以外にパネルなどは展示されておらず、ゲーム関連イベントとしては比較的シンプルであくまでもメインはライブといった感じであった。
また、少し離れた場所にグッズ売場も設置されており、この会場内でした手に入れることができないアイテムも販売されていた。ちなみに今回のライブは全席指定となっており、チケットに限定グッズのエコバックも付属していた。
和のイメージから一転してハードロック調に!
開演前から会場内に「モンスターハンター」のBGMが流されており、徐々に気分が盛り上がっていく。ステージ中央には大きなスクリーンが設置されていたのだが、最初に登場したのがゲーム内のキャラクターであるフィオレーネとウツシ教官だ。いわゆる影アナ的な役割で、スマートフォンはマナーモードにするなどライブ中のマナーが流されていた。今回のライブは声出しNGであったため、ウツシ教官が代わりに「ブラボォォォォ」と叫ぶシーンもあった。
会場内が暗転し、いよいよライブがスタート。トップバッターとして登場したのは薩摩琵琶奏者の友吉鶴心さんだ。ステージ上には、和紙を使用した優しい明かりがともる四角いテーブルランプのようなものが設置されていたのだが、まさにそれとマッチした感じで和の音楽が奏でられていく。その背後では、巨大スクリーンにモンスターたちが暴れまくる様子も流されていた。
オープニングから一気に別世界へと連れ込まれていった感じであったが、ここから先はまったく別のスタイルでライブが繰り広げられていった。ゲームのコンサートというと、一般的なイメージではオーケストラがずらりと並んだクラシカルなイメージがあるが、今回はそれとはまったく異なりツインギターにベースとドラム、キーボードという5人編成のロックバンド形式で行われていった。
ロックアレンジされたインストのナンバーが数曲演奏されたあと、スペシャルゲストとして最初に登場したのが加藤いづみさんだ。オレンジ色の衣装に身を包みステージに現れた加藤さん。かなり緊張していたようだが、袖でバンドサウンドを聴いていて緊張がほぐれたと、素直な気持ちを語っていた。
加藤さんが最初に歌ったのは「カムラ祓え歌」だ。ここまではどちらかというとハードロックなスタイルの音楽が続いていたが、耳慣れた歌声でしっとりとしたサウンドということもあり、歌唱中自然に会場内からは手拍子が沸き起こっていた。
1曲目を歌い終えた加藤さんが、ここでレコーディング時のエピソードを披露。事前に音楽が重要な作品と聞かされていたということもあり、かなり気合いが入っていたと語る。しかしゲームには秘密事項が多く、レコーディング時には自分がなんのゲームの曲を歌うのかすら教えてもらっていなかった。だが、ゲームでは独特の用語が使われていることもあり、マネージャーと「モンハンだよね?」と話していたとそうだ。
続いて加藤さんが、「つなぐ花篝」を披露。こちらはピアノから始まるアコースティックなサウンドとなっていた。演奏が終わった時点で開始から35分程が経っていたが、ここで第1部は終了。20分の休憩が間に入るという、比較的に大人に優しいスタイルでイベントが行われていった。
これまた余談だが、会場内は比較的ギッシリと席が埋められていた。コロナ渦の最中に行われるイベントやライブでは、ひと席分開けて座るということも多かったが、今回は通常のイベントとほぼ同じスタイルであった。また、観客も必ずしも大人ばかりというわけではなく、女性のみのグループや家族で訪れて、開演前にステージ近くで記念撮影をしている様子も見かけることができた。
意外なあの曲もバンドサウンドで蘇る!?
休憩を挟んで18時頃より第2部がスタートした。ポップでどこか耳慣れたサウンドで軽快な音楽が奏でられていく。それに伴い、会場の観客から手拍子が沸き起こる。途中、ドラムからベース、キーボード、ギターという感じでソロパートも挟まれるなどユニークな構成になっていたが、最後に宮崎カナエさんがステージに現れ「上手に焼けました!」とおなじみのセリフを叫び演奏が終了した。
知っているハズの曲であっても、こうしたバンドアレンジになると知っているようで知らないような、不思議な感覚に包まれる。ちなみに宮崎さん自身もかなりのハンターのようで、ジンオウガなどを狩りまくっているというエピソードを披露していた。
ここから先はスペシャルゲストのボーカリストが次々と参加して、ライブが行われていった。宮崎さんに続いてステージに登場したのは、鈴木このみさんだ。キラキラとした黒い衣装で登場した鈴木さんが披露したのは「禍群の息吹:ロックver.」である。会場内を突き抜けるかのようなボーカルの迫力もあり、こちらも多くの観客を魅了していた。
続いて、ナノさんがステージに登場。一転してヘヴィなサウンドで演奏が始まり、「禍群の鳴神:ロックver.」が披露された。ステージを大きく移動ながら歌い上げるナノさん。バンドのサウンドも相まって、まさにロックのライブといった感じであった。
歌唱後、このステージに立てたことが嬉しいと語っていたナノさん。今回の楽曲を歌うことになるという話が来たときは、驚きと意外性でいっぱいであったという。ちなみにそのときに、日本語ではないと言われていたのだが、英語で歌うことは度々あったということもあり、それほどの驚きはなかった。だが、実際に歌うことになったのはモンハン語だったというエピソードを披露していた。
アップテンポのインストナンバーを間に挟み、ステージに登場したのはサラ・オレインさんだ。白いドレス姿で現れたのだが、この衣装にもこだわりがありリオレイアをイメージしたものだという。ちなみに楽曲を歌うというオファーが来たときは、告知してしまわないことに苦労したと当時の思い出を披露。楽曲は、自分にとってもハイライトのような作品だったという。
サラさんが披露したのは「Sunbreak」という曲だが、こちらは日本語と英語に加えて、モンハン語の歌詞も含まれているトリリンガルな楽曲となっている。1日に3曲レコーディングを行ったのだが、最初に収録したのがモンハン語だったそうだ。
第2部最後にこちらの楽曲が披露され、ステージは幕を閉じた。しかし、会場内の照明は明るくならずわずかな照明が照らされたままだ。そこで、会場内から徐々にアンコールを呼びかけるような手拍子が沸き起こっていく。
ふたたびアンコールでバンドメンバーが登場。それに加えて、鈴木このみさんとナノさんも同時にステージに上がり、ふたりによる「百竜ノ淵源」のロックver.が披露された。こちらは元々加藤いづみさんと宮崎カナエさんが歌っていた楽曲だが、歌い手とアレンジが変わると、まったく別の曲のように聞こえてくるから不思議である。鈴木さんとナノさんのハーモニーも素晴らしく、息がピッタリと合っていた。
アンコールはこれで終わりではなく、最後に演奏されたのがバンドアレンジされた「モンスターハンター」のメインテーマ曲である。これまでに何十年も耳にしてきた楽曲だが、こちらもかなり新鮮なサウンドとなっていた。
ライブはこれで全て完結。最後の出演者が全員ステージに登場し、会場に訪れたファンと一緒におなじみの「ひと狩り行こうぜ!」のかけ声で記念撮影をして締めくくった
会場に訪れていた人たちの話に耳を傾けていると、コロナ渦の影響などもありこの「モンスターハンターライズ&サンブレイク~百竜ノ響宴~」が久々のライブ参加だという人も多かったようだった。イベントそのものはまだまだ規制が多い中行われている感じではあるが、今後も続けていってもらいたいところである。
「モンスターハンターライズ&サンブレイク~百竜ノ響宴~」公式サイト
https://www.promax.co.jp/mhrlive/2023