2023年4月27日に発売予定のNintendo Switch用ソフト「イース・メモワール -フェルガナの誓い-」や、2023年に発売予定のPS5/PS4/Nintendo Switch用ソフト「イースX -NORDICS-」について、日本ファルコム 代表取締役社長の近藤季洋氏に聞いた。
――2023年はすでに発売日が発表された「イース・メモワール -フェルガナの誓い-(以下、フェルガナ)」を皮切りに、最新作である「イースX -NORDICS-(以下、イースX)」がリリースされますが、今年は「イース」を中心に展開する年として考えられているのでしょうか?
近藤氏:元々「イースX」が今年というのは決まっていたことで、「フェルガナ」については後から決めたタイトルになります。まずはSwitchのノウハウが欲しかったからということで、2022年の「那由多の軌跡 アド・アストラ」から始めている取り組みになります。
現行の「イースX」は基本的に自社エンジンで作っているのですが、そのエンジンをSwitchに対応させる前段階として、そして若手がタイトルを1本マスターアップさせるというのが良い経験になることから、「フェルガナ」は規模的にちょうど良いタイトルだったので、このタイミングでリリースすることになりました。
あとは単純に日本一ソフトウェアさんから「イースIX -Monstrum NOX-(以下、イースIX)」や「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」のSwitch版がすでに発売されているので、ラインナップを拡充させるという狙いもあります。
――「フェルガナ」に関して、基本はSwitchだけの予定なのでしょうか?
近藤氏:まだ何にも決めていないですね。Switchでのリリースに関しては、やはり「イースX」が一番の山場になると思うんです。移植作ではなく、オリジナルのタイトルを出すというのは初めての経験なので、まずはそこに向けての準備という意味合いがあります。
もちろん、「フェルガナ」はそもそもの評価が高いゲームですので、なるべく現行機種で遊べるようにしておきたいというのもあります。今後のことはいろんなご意見をお聞きして反響を見ながら、場合によってはSteam版やPS版の展開なども考えられるかもしれないです。
――現行機で遊べない「イース」というのは今だとまだ結構ありますからね。
近藤氏:「イースV」はスーパーファミコンでしか遊べないので社内でもいつやるのか、という話になりますね。もう作り直すしかないですし、シナリオもちょっと見直したほうがいいですしね。
――「イース」は時系列もバラバラなので、過去作ですと出すタイミングや順番も難しそうですね。
近藤氏:その時に一番良いと思える判断をしてきていているので、今回もそうなりますね。Switchで初めて「イース」を知る方もいて、年齢層の幅も広いので、「イースX」では若い17歳のアドルでシリーズを仕切り直すぐらいの感じで、「イースII」の終わった直後から始まります。割と周りを固めているメンバーも10代が多かったり、ジュブナイルというほど大げさではないですが、そういうことも意識しながらテーマを考えています。
――「イースX」では新たなシステムを用意していることも発表されています。現時点でお話できることをお聞かせください。
近藤氏:「イースX」では舞台がガラッと変わって、船を操作していろんな島を渡り歩いていくゲームになるので、「イースIX」とは全く違う雰囲気になるように聞こえますが、「イースIX」で培った移動の気持ち良さみたいなものはパワーアップさせていきます。
その一方で、ゲームの体験としては「イースIX」は監獄都市を舞台にした立体アクションみたいな感じでしたが、今回は王道の冒険が繰り広げられます。そこがどう両立されているのかというところに期待していただきたいです。
それと「イース」も世界観の描き方がなんとなく定型化してきてしまっていて、ロムン帝国に支配されている範囲でずっと描かれてきているんですが、それ以外のところがどうなっているのかというところはなかなか触れられてきていないです。今回はシリーズの大きな設定を数十年ぶりに付け加えて、世界をより広く見せるようにシナリオでもトライしているので、シリーズを通じて遊んだ方も注目してほしいなと思います。
――ありがとうございました。