WB Gamesから2023年2月10日にPS5/Xbox Series X|S/PC版が発売されたオープンワールド・アクションRPG「ホグワーツ・レガシー」のレビューをお届けする。
目次
体験会で本作の魅力に取りつかれ、闇の魔法使いになると意気込んでいた筆者。メインストーリー、そして予想外の展開を見せたサブストーリーに加えて、探索や戦闘など現在もプレイ中の筆者のお気に入りポイントを紹介していく。
なおキャラクタークリエイトや基本的な要素については、体験会の記事でも紹介しているので、併せて確認してほしい。
古代魔術を巡るメインストーリーはもちろん、サブクエストも魅力満載
物語はイギリス・ロンドンの街中からスタート。5年生からホグワーツに転入するという主人公が入学までのサポートをしてくれたフィグ先生たちとともに入学式が行われる学校へ向かうことに。道中では魔法使いに反乱を起こしたゴブリンのランロクの話題、そしてフィグの奥さんであるミリアムが残した遺物から鍵を入手したところで、突如ドラゴンに襲われる一行。
ポートキーとして作動した鍵で別の場所へ移動した主人公とフィグは、道を進みグリンゴッツ銀行へとたどり着く。鍵を使って開けた金庫の中にはロケットとペンシープが。他人の記憶を見れるペンシープを使い、古代魔術や偉大な魔法使いについて話す人物たちの会話を見た2人。戸惑っている彼らの前に現れたのはランロクだった。
ランロクの持つ圧倒的な力の前になすすべのない2人は、ポートキーを使って何とか逃げ延びることに成功。そして、いよいよホグワーツへとたどり着くのであった。
大広間で進行されていた組み分けに参加する主人公。プレイ前から「スリザリン一択!」と考えていた筆者だが、ゲーム内ではどのように組み分けがされるのかが気になったため、「Wizarding World」公式サイトの結果を連携せずに進めてみた。
ゲーム内では2つの質問に対してそれぞれ2択、4択の回答をすることになる。その結果を踏まえて所属する寮が決定されるのだが、「ハリー・ポッター」の知識がある人ならば「この回答をすればあの寮になるはず!」といった予想ができるだろう。とはいえ入る寮に関しては自分の好きなものを選択できるので安心してほしい。
入る寮も決まり、いよいよホグワーツの生徒としての生活がスタートする。メインストーリーでは引き続きフィグとともに古代魔術をめぐる物語が展開される。もちろん、メインストーリーも魅力たっぷりの内容となっているが、それに引けを取らないのが豊富に用意されたサブクエストだ。
ホグワーツ内の講師からホグズミードなどにいる町の人たちの悩みを解決するものまで種類は様々だが、中でも筆者がオススメしたいのがスリザリンに所属するセバスチャン・サロウとのサブクエスト。
スリザリン生というと鋭敏、狡猾、野心家などの特徴を持ち、どうしても原作・映画のドラコ・マルフォイのイメージが強く、どちらかというとあまりいい印象を受けない。「闇の魔法使いになるという目標があるため、他人となれ合うつもりはない」と息巻いていた筆者だったが……彼との出会いがすべてを変えたのであった。
初対面からとても親切にしてくれて、友のためなら罰則も恐れない男気溢れるセバスチャン。彼は妹・アンがゴブリンにかけられた呪いを解呪することを目的に一人奮闘していたのであった。そんなことを知った日には闇の魔法使いになることを忘れて、解呪する方法を一緒に探そうと必死になっていました。
その結果、どんどんと闇に落ちて行ってしまうセバスチャン。そんな彼と呪いに苦しむ妹を救うことはできるのか。その先に待ち受ける予想外の結末には思わず映画みたいだと思ってしまったほどだ。
セバスチャン以外にもグリフィンドールに所属するナツァイ・ナオイ、ハッフルパフ所属のポピー・スウィーティングたちとのサブクエストも魅力的なものとなっているので注目してほしい。
ホグズミードや禁じられた森など目に見える場所を片っ端から探索できる!
体験会の時はホグワーツ内の一部を探索しただけで「広い!」と思たが、改めて制限なくホグワーツ内を歩き回ってみると、改めてその広さに驚かされた。実際、プレイ後半の時でも構造は覚えられていないほど。だからこそ、まだ足を踏み入れたことがなかった場所へたどり着いた時のワクワク感は格別なものとなっていた。
ホグワーツ以外にも、魔法族のみが住む村“ホグズミード”や生徒の立ち入りは禁止されているはずの“禁じられた森”など、原作・映画ファンにはたまらない場所にも向かうことができる。ホグワーツの外に関しては、ストーリーの進行度により行ける範囲がどんどん広がっていく仕様となっている。最初はマップを開いてもモヤがかかっており、行くことはできない場所も、メインストーリーを進めればモヤが晴れていくことが可能になる。
一体どこまで広がるんだ、すべてを回りきれるのかと不安になるかもしれないが、筆者はストーリーをすべてクリアした後でも行ったことのない場所はまだまだたくさんある。今はその行ったことのない場所をすべて回りきるということを目標にプレイしている最中だ。
広大なマップを移動するという大変かつ退屈になりがちなことを面白いと思わせるまでに昇華させているのが豊富な移動手段だ。本作では箒はもちろん、ヒッポグリフなど魔法生物に乗った移動が可能。「ハリー・ポッター」の世界観だからこそできる移動方法でありながら、ファンにはたまらない要素となっている。
ファストトラベルを開放すれば一瞬で遠い場所まで移動できるが、箒やヒッポグリフを使ったからこそ発見できるものがあるという点もポイントだ。
何度やっても飽きない呪文を使った戦闘
そして、本作の魅力をより引き立てる要素となっているのが、覚えた呪文を使用しての戦闘だ。敵の動きを遅らせるアレスト・モメンタムなどの制御呪文、敵を発火させるインセンディオを含む攻撃呪文、敵を跳ね除けるデパルソなどの強制呪文を駆使して戦うことになる。
R2での通常魔法と個々の呪文を組み合わせて敵を攻撃していくのはもちろんだが、呪文をコンボのようにつなげることで、より多くのダメージを与えられることもある。中でも筆者が重宝したコンボがグレイシアスとディフィンド、レヴィオーソとディセンドといったものだ。
グレイシアスは敵を凍らせるのに加えて、次にあてたダメージを増加できる。そこにディフィンドを当てて凍った敵を切り刻む、あわよくば粉々にという一端の学生らしからぬ、凶悪なコンボとなっている。一方のレヴィオーソとディセンドのコンボも浮遊させた敵を地面にたたきつけるという聞くだけで恐ろしいコンボとなっている。
「これとこれを繋げばいいコンボになるのでは!?」という試行錯誤している時でさえ面白いと思えてしまうのも魅力の一つだ。
そして呪文の中でも特に使用するのを楽しみにしていたのがクルーシオ、インペリオ、アバダケダブラといった許されざる呪文。先行プレイ時にはクルーシオのみ使うことができ、製品版プレイ時も使える時を今か今かと待ちわびていた。
とあるクエストを進行していくとこれらの許されざる呪文を覚えることができるのだが、選択肢によっては覚えないということも可能。まっとうな魔法使いを目指したいという人も安心してプレイ可能だ。
そういった選択肢がある中でも迷わず覚えることを選んだ筆者。試し打ちと言わんばかりに近くにいた敵に放ってみたが、その瞬間から許されざる呪文の虜に。強大な敵に立ち向かうためにもある程度の力をつけなければならないということはもちろん、セバスチャンのため、妹を助けるためと自分に言い聞かせながらプレイを進めていったのであった。
また、魔法を使用するのは戦闘だけではない。アロホモラを使用すれば鍵を開錠でき、レヴィオーソやウィンガーディアム・レヴィオーサ、アクシオを使った謎解き要素も用意されている。ストーリーの進行上で解かなければ進めないというものもあり、難易度的には簡単なものから頭を抱えてしまうほど悩んでしまうものまで幅広く存在する。
そういった「ハリー・ポッター」の世界観ならではの要素が用意されているのも本作の魅力の一つである。
他の寮だったらどうなるのか?……選択肢によっては違った展開も!?
筆者はスリザリンを選択し、クリアするまで至ったが、そのあとすぐに新たなキャラクターを作成して他の寮でのプレイを始めた。というのもゲーム内では他の寮内へ行けないからだ。
グリフィンドールは映画でも馴染み深いが、スリザリン、ハッフルパフ、レイブンクローはあまりイメージできない人も多いと思うので、そういった点を楽しみに1周、2周と違う寮を選んでのプレイを楽しめる。
また、寮が変わるとストーリーなどに大きな変化があるのかと気になる人もいるだろうが、大きな違いというものはない。しかし、クエストの展開に変化があるというものはあり、中には思いもよらぬ場所を訪れることになるものも。
筆者自身、「ハリー・ポッター」は原作も映画もチェック済みなので、今回のプレイを通して本作をファンの人にオススメできるということを改めて体感できたことはもちろん、あまり詳しくないという人にもお勧めできる作品だというのを感じることができた。
というのも、本作の時代設定は「ハリー・ポッター」よりも前の1800年代となっている。本作をプレイして世界観を理解し、その後に原作や映画を見れば、また違った角度で作品を楽しめるのではないだろうか。
「ホグワーツ・レガシー」はPS5/Xbox Series X|S/PC版が現在発売中。PS4/Xbox One版は5月5日、Nintendo Switch版が7月25日発売予定となっている。お手持ちのハードに合わせて、ぜひ本作をプレイしてみてほしい。
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