「ドリーミーランド~遊ぼうよ、どうぶつの仲間たち~」をレビュー。どうぶつたちとともに、スローライフを楽しむ箱庭ゲーム。キュートでどこかコミカルな世界観に癒される…。そんな本作の魅力を紹介したい。
「ドリーミーランド~遊ぼうよ、どうぶつの仲間たち~」は、PGMTからリリースされたスマートフォン向け箱庭ゲーム。舞台となるのは、未開発の無人島。プレイヤーはどうぶつたちとともにこの島を開拓し都市を建設。食べ物をはじめとする商品を生産し、都市を発展させていくことになる。…ただ、発展といっても躍起になって攻略するタイプのゲームではない。スローライフをまったり楽しむことこそ、本作の醍醐味といえるだろう。
手描きを思わせるキュートでコミカルなどうぶつたち
本作最大の魅力と言えるのが、どうぶつたちや箱庭のビジュアル。いずれも、手描きを思わせる独特なタッチで描かれている。
確実にかわいいんだけど、でも、かわいいだけじゃない。なんとなく抜けている部分があってコミカル。だから、親しみやすい。そして親しみやすいからこそ、肩の力を抜いてプレイできる。本作の持つスローライフ的な魅力は、このビジュアル抜きには成り立たなかっただろう。
ちなみにビジュアルのみならず、どうぶつたちの声もまた、キュートでユーモラス。英語のようで英語ではない、独特な言葉と発音が魅力的だ。…もしかすると実際には英語でしゃべっていて、筆者のヒアリング能力の未熟ゆえ独特な言葉に聞こえているのかもしれない。しかしたとえそうであっても、話し方そのものがキュート&コミカルなことには変わりないだろう。
箱庭的に都市を建設!生産&販売でコミュニケーション
ゲームシステムは、オーソドックスな箱庭系シミュレーションゲームとして作られている。無人島を開拓して建設可能な土地を作り、施設を建設。生産施設を通じて商品を生み出し、販売することで資源を獲得していく…という流れだ。
施設の建設や生産には、作業を担当するどうぶつを割り当てなければならない。割り当てた後、リアルタイムで一定時間経過すると建設や生産が完了する。なお、どうぶつたちはそれぞれ得意な分野が存在。得意分野の作業に割り当ててあげれば、より短時間で作業をこなしてくれる。
箱庭系シミュレーションゲームの醍醐味は、なんといっても自分好みに街を作っていくことだろう。ただ、最初からなんでも自由にできる作りになっていると、逆に何をすればいいのか困ってしまうことも少なくない。この点について本作では「ミッション」と「研究」という機能を使い、上手く解決している。
「ミッション」は、次にやるべきことを提示してくれる機能。達成することで、報酬アイテムをゲットできる。スマートフォンゲームでは基本ともいえる機能だが、本作の場合「ミッション」用のイラストを使って絵本のような構成にしているのが特徴的。
「研究」は、新たな施設を建設可能にしたり、既存施設の機能を拡張したりといったことが行える機能。「ミッション」は行わなかったとしても報酬が手に入らないだけだが、「研究」は行わなければ新施設が開放されない。なので、実質的にゲーム進行をコントロールしている機能といえる。
基本的には、「ミッション」と「研究」の内容を踏まえた上で施設を建設していくことになる。これと同時に行っていくのが「生産」と「販売」だ。ゲーム序盤では、「パン」や「ケーキ」といった食べ物を中心に生産していく。
生産したものを販売することで、開拓や建設に使用するコインを獲得できる。なお、ここでポイントなのが、販売する相手は他プレイヤーということだろう。ボトルメールに入ったオーダーが他プレイヤーから届き、これに応じるかたちで販売を行う。もちろん、こちらから他プレイヤーにボトルメールを送ることも可能。「生産」と「販売」を通じて、ゆる~いコミュニケーションが行えるのだ。ガッツリとしたコミュニケーションではなく、ゆる~いコミュニケーションというのがまた本作らしく、魅力的に感じた。
まったりと楽しんで癒される!やさしさに満ちた世界感が魅力
本作のようなスマートフォンゲームは、ちょっとした隙間の時間にプレイすることが多い。それは言い換えると、やるべきことがあって、そんなに長時間休憩できない状況ということ。でもだからこそ、本作のまったりした世界観が「癒し」として効果的といえるだろう。隙間時間に本作を立ち上げると、そのやさしくてユーモラスな空気によって、ほっと一息つくことができる。これが実にいい。
ちなみに筆者が好きなゲームジャンルがホラーなので、普段は本作と真逆といっていい、スリリングで集中が必要なゲームをプレイしている。しかしそんな筆者ですら、本作の持つ「癒し」を魅力的に感じた。なので、本作の世界観に興味がないという人も是非一度、本作をプレイしてほしい。仕事の合間のちょっとした隙間時間に、ほっと一息つくこの感覚は体験する価値アリだと思う。
もちろん、もともとキュートでコミカルなキャラクターが好きという人には手放しでオススメできる。どうぶつたちとのゆる~い一時で、ぜひ毎日のストレスを癒してほしい。