「これぞ!」という女性向けコンテンツについて語っていく連載企画「おとめげ!」。Nintendo Switch用ソフト「テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団」についてお届けします!
目次
「おとめげ!」は、イケメンと可愛い女の子をこよなく愛するライターが、さまざまな乙女コンテンツをご紹介する連載企画です。今回はアイディアファクトリーの女性向けゲームブランド「オトメイト」から2023年4月27日に発売したNintendo Switch用ソフト「テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団」についてお届けします!
「テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団」ここがポイント!
・神々が創造した、独自の背景をもつファンタジーの世界
・呪われた王女と悲運を背負った5人の騎士が信頼関係を築いていく過程
・「誰を騎士団長へ任命するか」によって団の雰囲気も大きく変わる個別ストーリー
「テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団」とは?
舞台は、神々への信仰が深く根付いた世界にあるテミラーナ国。「呪われた王女」として生まれ、特別な力・強運を宿した主人公が、5人だけの小さな騎士団と共に暗躍する存在や500年に一度訪れるという厄災に立ち向かう。
攻略対象キャラクターはジョセフィ(CV:古川慎)、アデル(CV:狩野翔)、トビアス(CV:小林裕介)、ミラン(CV:阪口周平)、キア(CV:山本和臣)で、ベネティーアステラ(CV:高橋広樹)やエリック(CV:木村良平)など多数のサブキャラクターも登場する。
呪われた王女が、5人の騎士とさまざまな悲運を乗り越える
この「テミラーナ国の強運姫と悲運騎士団」の舞台は、かつて6人の神々によって作られたとされる世界です。このエトルディアと呼ばれる地には6つの国があり、人々は日常的にそれぞれの守護神を崇めながら生活しています。
主人公のセシリア・ファリアス・テミラーナ(名前のみ変更可)は、その6つの国のひとつ「テミラーナ」の第三王女として生まれました。しかし額のアザや、生まれて間もなく起きた不幸によって“呪われた王女”と噂され、幼い頃から家族や王城から離れて暮らしています。そんな主人公も成人となる16歳の誕生日を目前に控え、王族の習わしで自身のための騎士団を設立しなくてはなりません。
とはいえ、ほとんど王族として扱われていない主人公に率先して仕えようとしてくれるような相手は、聖騎士の肩書き目当ての者ばかり。それでも主人公が騎士候補を探して奮闘している最中、自身に宿る「強運」が発動し、その直感を信じて出会ったばかりの5人の男性をスカウトしました。
主人公が選んだのは、プライドが高く尊大な亡国の王子、大家族を抱える貧乏な長男、虚弱体質な孤高の貴族、こだわりの強い鍛冶職人、1日分しか記憶できない少年と、剣術すらまともに扱えない人物ばかり。おまけに主人公を邪魔者扱いする姉妹や叔父の妨害もあり、騎士団の結成までに大変な苦労を強いられました。
そうした苦楽を共にする中で、主人公と5人の騎士たちはかけがえのない仲間として一致団結していきます。立場に応じて各キャラクターの髪型や服装が変化していくのも注目ですよ。
こうした共通ルートを経て、好感度により「誰を団長に任命するか」が変化して個別ルートへと突入。やがて主人公の命を狙う存在や、多くの被害をもたらす500年に一度の「厄災」へそれぞれの立場で立ち向かうことになります。
個人的にイチオシしたい本作の注目ポイントは、信仰に基づく独特の背景をもった世界観です。例えば主人公の祖国テミラーナは、生まれた月の「運星月」によって職業などが制限されるほど「運」を重要視しています。そうした運試しの風潮は国を挙げて賭け事が盛んなことに留まらず、次代の王も候補者の中から“くじ引き”で決めるほど。現代の常識からすると不思議な部分も当たり前のように受け入れられていて、丁寧に作り込まれたファンタジーの世界へ思う存分没入できました。
その分、固有名詞や独自のワードが多く飛び出しますが、多彩な用語をしっかり解説してくれる辞書機能が充実しています。この世界やテミラーナという国がたどってきた歴史なども深く知れるので、読み物としても楽しめますよ。物語を楽しんでいくとイベントCGをはじめ、攻略キャラクターたちのちょっとした日常を堪能できるミニドラマも解放されます。異国情緒の漂うBGMも必聴ですよ!
陰謀の渦巻くテミラーナで、主人公が掴み取る信頼と愛
続いて、各キャラクターについて紹介していきます。主人公は命の危機が迫ると、それを強い光として感じ取れる「強運」の持ち主。周囲からは冷遇されていますが、幼い頃に見た立派な騎士の姿を胸に、王族としての矜持を失わず生きてきました。そのため基本的には王族らしい振る舞いや威厳を保っていますが、マスコットのようなベネティーアステラ(CV:高橋広樹)をはじめ心を許した相手にはくだけた言葉遣いやちょっぴり雑な反応など、16歳の少女らしい顔を見せてくれます。
序盤から5章までは選択肢で好感度が変動し、物語の中で任命した騎士団長に合わせて個別ルートへ突入。攻略キャラクターの抱える過去や目的をはじめ、この世界で何が起きているのか、主人公の持つ強運とはいったい何なのか、突然襲う不調の原因はどこにあるのかなど、さまざまな謎や思惑にも迫っていくことになります。そんな彼女の「強運」はストーリー展開にも大きく関わり、会話画面には通常の選択肢のほか、命の危機になると「強運選択肢」が表示されます。この選択は主人公の生死も左右するので、慎重に選びましょう。
ジョセフィ(CV:古川慎)は、主人公の暮らすテミラーナの反対側にある「ゾンダリク」という国の王子様です。しかし彼の父が国王の際に起こった反乱で国は滅び、現在は王室御用達の旅芸人一座「マーベイル座」の雑用係として生活していました。ゾンダリク復興が彼にとっての最大の目的ですが、一時的に主人公の騎士として忠誠を誓うこととなります。
王女である主人公にもやや尊大な態度を取り、自分の考えを押し付けがちな部分もありますが根は責任感が強く、非常に面倒見のいい青年です。そのためジョセフィが騎士団長となったときは、素直に「このメンバーの中だったらジョセフィが一番適任かも」と思えました。主人公ともゆっくりと絆を深めていきますが、ストーリーを進めるうえで気になったのは彼が他国の、それも重要な立場の人間だという点です。感情だけを優先するわけにはいかない2人がどう結ばれるのか、結末がとても気になりました!
大勢の弟や妹たちの面倒を見る苦労人のアデル(CV:狩野翔)は、ぼんやりと騎士へ憧れを抱く青年です。この国では王族・貴族・平民・下民という明確な身分制度があり、アデルはもっとも低い下民の生まれ。ろくに学問へ触れる機会もない状態にありましたが騎士団の一員として知識を吸収し、その才能を遺憾なく発揮するようになります。ぐいぐい引っ張っていくタイプのリーダーではありませんが「アデルなら信じて任せられそう!」と思わせる安心感がありますよ。
主人公のような王族とはあまりにも身分が違うため、どうしても遠慮がちになってしまうアデルには「もっと自信もっていいよ!大丈夫!!」と応援したくなる気持ちでいっぱいになります。アデルと主人公に自分たちだけではどうしようもないほどの大きな試練が訪れますが、2人なら乗り越えられると信じられました。
没落したハーベック家の当主であるトビアス(CV:小林裕介)は、騎士団のメンバーの中では唯一の貴族です。幼い日に主人公が憧れたバーキット(CV:江越彬紀)のような騎士を目指していましたが、異常ともいえる虚弱体質で屋敷に引きこもっていました。どうにか体調が整ってからは、憧れの存在へ近づくために奮闘します。主人公の目指す騎士団へとくに強い理解を示してくれる、心強い存在といった印象でした。
一方、トビアスと共にさまざまな事件を追ううち、彼が天涯孤独となった理由やハーベック家にまつわる謎が少しずつ明らかに。やがて背負わざるを得なかったもののため、姫と騎士として隣に立つことすら難しい状況へと陥っていきます。双方に確かな絆があるのに、なかなか一緒にいられない状況にはもどかしい気持ちになりましたが「きっとまた笑顔で寄り添える日々が来るはず!!」と、プレイを進める原動力になりました。
鍛冶職人のミラン(CV:阪口周平)は、平民区で鍛冶屋を経営しています。いわゆる頑固な職人気質といったところで、最初は取り付く島もありません。しかし彼にはずっと気にかかっている出来事があり、真実を知るために騎士団への加入を決めます。そうした事情もあり、騎士団長への就任も代わりが見つかるまでの間という条件付きとなりました。こうした態度も、むしろミラン自身が誠実だからこそ仲間を騙したくないという想いの表れかなと感じます。
ミランがずっと追い求めていた真実は、主人公との関係を大きく変えるものでした。そして、距離だけならむしろ一足飛びで縮まったと言えなくもないのですが「ダメじゃないけど、そうじゃなくて!!」と思わず叫びたくなったほど。個人的にやきもきさせられた展開ナンバーワンで「早くこの状況を終わらせて、2人が幸せなところが見たい!!」と一気に進めてしまいました。
身寄りがなく、トビアスに仕えるキア(CV:山本和臣)はどんな出来事も一日経過すると忘れてしまう記憶障害を抱えています。そのため忘れて困ることは首から下げた木札に記録していて、傍目には大変な事態に思えますが本人は淡々と日々を過ごしていました。そのため、騎士団長に任命された際は「キアがいい子なのは伝わってくるけれど、大丈夫?」とつい心配してしまいましたが、しっかりキアらしく騎士団長を務めていきます。
キアのポイントは、やはり「変化」でしょうか。出会った時は長い前髪で表情もほとんど見えませんでしたが、顔がよく見えるようになった見た目の変化に加え、主人公に対する感情が少しずつ育っていく過程がたまりません。記憶障害だったことが後々とても重要な要素と関わっていき、どんな結末を迎えるのか先が読めずにドキドキさせられっぱなしでした。
そして本作は恋愛模様に留まらず、壮大な世界観も見どころです。詳細不明なサブキャラクターがどういった存在なのかをはじめ、さまざまな謎や真実を解き明かすためにもぜひ全キャラクターをクリアしてくださいね!
(C)2022 IDEA FACTORY/ichicolumn inc.
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー