韓国のウェブトゥーン作品「神之塔」を原作とする放置型RPG「神之塔:NEW WORLD」をレビュー。美麗3Dビジュアルとオートプレイ前提のシステムにより原作の世界観をお手軽に楽しめる。
「神之塔:NEW WORLD」は、Netmarbleからリリースされたスマートフォン向けのフル3D放置型RPG。原作は、韓国のウェブトゥーン作品「神之塔」。ご存知の人も多いだろうが「ウェブトゥーン」とは、ウェブ=インターネット上で公開されることを前提に作られたデジタルコミックのこと。日本国内での一般的なマンガとは異なり縦長の構成で、下へスワイプして読んでいくというスタイルが特徴となっている。「神之塔」は「ウェブトゥーン」作品の中でも高い人気を誇る一作。日本のマンガアプリでも配信されているほか、アニメ化もされているため、RPG化を楽しみに待っていた人も少なくないのではないだろうか。
塔の頂上を目指し試験を重ねるバトルストーリー
「神之塔」は、頂上にあるという本当の星を見るため塔内部へと入った少女「ラヘル」と、ラヘルを追って塔へと入った少年「二十五日の夜(=夜)」の戦いを描いた物語。塔を上ることが許されているのは「選別者」と呼ばれる者のみ。その権利を持たない「非選別者」である夜は、塔の管理人とされる「へドン」の試験に打ち勝つことで、塔の上層を目指す権利を得る。しかし、塔の上層を目指す上では、さらにいくつもの試験が待ち受けているのだった…。試験として描かれるバトルと、試験の中で出会うキャラクターたちとのドラマが魅力の物語だ。
「神之塔」をゲーム化した本作では、「夜」と「ラヘル」以外にもう一人塔へ入った「非選別者」がいるという設定。そのもう一人の「非選別者」こそ、プレイヤーだ。プレイヤーは「へドン」との約束により、「夜」の冒険を追いかけることとなる。つまり、原作のストーリーを追体験していくかたちになるわけだ。
「冒険」と「ストーリー」の2つのモードで「神之塔」を追体験するスマホRPG
ジャンルは「放置型RPG」とされているが、全体的なゲームシステムは一般的なスマートフォン向けRPGに近い。プレイヤーは「神之塔」のキャラクターで5人パーティーを編成。バトルを繰り返し、ストーリーを追体験していくことになる。
メインとなるゲームモードは「冒険」と「ストーリー」の2つ。「冒険」はバトルに特化したモードで、「放置型RPG」のフォーマットを踏襲したモードといえる。
バトルは自動的に戦闘するキャラクターたちを見守りつつ、スキルゲージが貯まったら手動でスキルを発動するというもの。ただし、オート機能を使えばスキル発動も自動化できる。基本的にゲージが貯まり次第スキルを発動するという立ち回りで問題ないので、オート使用が前提と考えていいだろう。
もうひとつのモードである「ストーリー」は、一般的なスマートフォンRPGを踏襲したモードだ。フル3Dにより本作のストーリーが描かれ、敵との戦いが描かれるシーンではバトルが発生する。なお、「冒険」モードの進行状況によって「ストーリー」がアンロックされていくというかたちになっているので、「ストーリー」モードのみプレイするということは不可能だ。
バトルやストーリーで描かれるキャラクターたちの3Dキャラクターデザインはコミック版ともアニメ版とも異なっており、本作独自のテイスト。このため、原作ファンの中には違和感を持つ人もいるかもしれない。とはいえ原作のイメージを崩すようなデザインにはなっていないし、スキルやキャラクターの演技といったビジュアル面での演出クオリティが非常に高いので、コミック版やアニメ版のファンであっても、あらためて追体験する価値アリといえる。
ユニークな育成システム「神之水リンクシステム」
美麗な3Dビジュアルによるバトルとストーリーが本作最大の魅力なのは間違いない。ただ本作の育成システムも、非常にユニークで魅力的なものになっている。
「神之水リンクシステム」と名付けられた本作の育成システムは、キャラクターではなくスロットにレベルが設定されているというもの。本作のパーティー編成は、キャラクターをスロットに設定し、スロットを前衛や後衛といった配置に設定するというシステムになっている。プレイヤーが育成するのはキャラクターではなく、このスロットなのだ。
キャラクターではなくスロットにレベルが設定されているということは、これまで使い込んできたキャラクターであっても、入手直後のキャラクターであっても差がないということ。このため入手タイミングに関係なく、使いたいときに使いたいキャラクターをパーティーへ編成できる。したがって、お気に入りのキャラクターを手に入れたけど、レベルが低くて実戦投入できない…といったケースが発生しない。自分の好きなキャラクターを好きなように編成できるので、原作ファンにとっては非常に魅力的だ。
「神之水リンクシステム」は非常に便利なシステムだ。ただプレイ当初は、キャラクターに対する愛着がわきにくいのでは…と感じてしまった。しかし愛着という点については、別途、好感度をアップさせるシステムが用意されている。キャラクターにプレゼントをあげることで好感度をアップすると、ホーム画面でキャラクターの新たな側面が見られるようになるというシステム。また、スキルレベルのアップについてはキャラクターごとに行うというかたちになっているため、使い込んだキャラクターに対してはしっかり愛着が持てるようになっている。
美麗ビジュアル×夢のパーティー編成で原作を追体験!原作未体験でもバッチリ楽しめる
原作ファンにとっての本作の魅力は、美麗ビジュアルによってリデザインされたキャラクターたちを自由に編成し、原作追体験できるということだろう。原作のあのシーンが、本作の美麗ビジュアルでどう描かれるか?という点だけでも楽しいし、原作のあの敵に対して、このパーティー編成で臨む…なんていう楽しみ方ができるのも魅力的だ。
一方、本作は原作を知らないプレイヤーにとっても遊ぶ価値のあるものになっている。本作のような原作付きのゲーム作品は、たいてい原作ファンをターゲットにしているため、原作ストーリーについてはダイジェスト的に描くことが多い。しかし本作は細やかにストーリーを描写している。このため、本作から入っても過不足なくストーリーを理解できるのだ。もちろん、マンガ、アニメ、ゲームという表現媒体の違いによってゲームではあえて描いていない点もある。ただそれは不満点というよりむしろ、原作への興味が湧くポイントとして機能しているように感じた。原作未体験のプレイヤーが「神之塔」ワールドを楽しむきっかけとしても、本作は有効な一作だと思う。
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