「クロニクル オブ インフィニティ」をレビュー。美麗&ド派手グラフィックによって表現されたスマートフォン向けのアクションRPG。アクションの爽快感とお手軽ハクスラ要素という本作の魅力を紹介する。
「クロニクル オブ インフィニティ」は、NEOCRAFTからリリースされたスマートフォン向けのアクションRPGだ。本作最大の魅力は、そのグラフィック。この記事に掲載されたスクリーンショットからお分かりいただけると思うが、アクションが美麗&ド派手!スマートフォンゲームの中でトップクラスといっても過言ではない。このビジュアルを活かした爽快なアクションは、本作の魅力のひとつだ。一方、本作はお手軽に遊べるようにもなっており、放置RPG的に育成を楽しむことも可能。そして、どちらかといえばこのお手軽さによってもたらされたハイテンポなハクスラ要素こそ本作のメインといえるだろう。
アクションRPG的ステージ構成とMMORPGのクエストシステムを持ったゲーム
本作の舞台は、星輝連盟と黒曜軍という2つの勢力が争いを繰り広げる世界。プレイヤーは星輝連盟によって召喚されたガーディアンとして黒曜軍との戦いにその身を投じることとなる。ファンタジーにSF要素が融合した世界観は、本作のビジュアルとマッチ。特に、SFヒーロー的な装備デザインは本作ならではの魅力といえるだろう。
ゲームの流れは、基本的にはスマートフォン向けのMMORPGのシステムに近いものとなっている。マップにいるNPCからクエストを受注、目的地へ移動しクエスト内容を達成することでゲームが進んでいく。もちろん、MMOなので他プレイヤーがいればマップ上に描かれるし、ギルドなどMMORPGが持つシステムもゲーム進行に伴いアンロックされていく。
ただ、クエストがステージクリア型になっている点はアクションRPG的だ。クエストを行う場所は独立したステージとなっており、基本的には敵を全滅させることでクリアとなる。
ステージ内での操作は、仮想コントローラーによって行う。仮想パッドで主人公を自由に移動でき、スキルボタンをタップすることで様々な攻撃を繰り出す。回避アクションによって敵の攻撃を回避し、ド派手&強力なスキル攻撃を決めていくという立ち回りは、王道3Dアクションとしての楽しさを感じられる。
ただ難易度はそれほど高くない。このため3Dアクションとしてプレイすると、手ごたえを感じられないかもしれない。これは本作がアクションの楽しさよりもハクスラ要素を重視しているからだろう。
装備をガンガン入手し戦力アップ!お手軽に楽しめるハクスラ要素
本作では装備がハイテンポにガンガン獲得可能。クエストを達成する度新たな装備が手に入り、「戦力」がアップしていく。「戦力」というのは本作においてキャラクターの強さを総合的に表現するパラメーター。「通常攻撃」や「スキル防御」など、細分化されたパラメーターも存在しているのだが、「戦力」を見ればそのキャラクターがどれだけ強いかざっくりと把握できるようになっている。
装備がガンガン手に入り「戦力」がどんどんアップしていく展開は、ド派手なアクションとはまた違った爽快感を持っている。クエストをクリアする→装備が手に入る→「戦力」アップ→次ステージで敵に与えるダメージ数がアップ…という一連の流れが気持ちイイ。アップした「戦力」を確認しようとして次のクエストに挑むと、また新たな装備が手に入るため、ついつい繰り返しプレイしてしまう。
ところで本作は、スマートフォン向けMMORPGでおなじみ、オート機能を搭載している。オート機能というのは、クエストボタンをタップするだけでクエストの受注→目的地への移動→ターゲットとなる敵とのバトル…という一連の流れを自動的に行ってくれる機能のこと。経験値稼ぎやお金稼ぎといったいわゆる「稼ぎプレイ」を効率化できるだけでなく、放置系RPGのように育成だけプレイしたいという願いを叶えてくれる。
本作のオート機能は、MMORPG的なクエスト受注パートとアクションRPGパートで別の機能となっているが、いずれのパートもオート実行可能。個人的には、クエスト受注パートとアクションRPGパート、両方ともオート実行するかたちこそ、本作の想定されたかたちなのではないかと感じた。
というのは、先に触れた通り、本作はアクション要素よりハクスラ要素を重視していると感じるからだ。ここでいうアクション要素とは、「プレイヤーの持つ操作スキルによってゲームを進行していく要素」のこと。一方、ハクスラ要素とは「強力なアイテムによってゲームを進行していく要素」のことを指している。そして本作のバランスは、明確にハクスラ要素が主体。強力なアイテムが次々手に入るし、強力アイテムを装備していれば、オート実行であっても攻略上はまったく問題がない。「アクションの爽快感を楽しむためにあえて手動でプレイする」というプレイスタイル上の理由以外に、手動プレイを選ぶ理由はないだろう。
そして本作をハクスラ系RPGとしてみた場合、ド派手なアクション表現に別の意味が出てくる。それは、強さのビジュアル化という意味。ハクスラ系RPGでは強力な装備を獲得し主人公が強くなると、パラメーターや敵に与えるダメージといった数値もアップしていく。これは、強さを数字的に表現しているということに他ならない。もちろん数字的な表現は何も悪くない。一撃がどれだけの威力を持っているのか具体的に把握できるし、桁数の大きなダメージが大量表示されるのは爽快だ。ただ本作はここに、装備のデザインと、ド派手なアクションというビジュアル表現が加わってくる。ビジュアルによって強さを実感できるのは数字だけの表現よりも直感的で、爽快感も強い。しかも本作のビジュアルは美麗。これが気持ちよくないはずがない。
お手軽&育成を求めるならプレイする価値アリ!な一作
ここまで紹介した通り、本作はアクションRPGとして作られているものの、アクション要素よりハクスラ要素の比重が高い。なので、「操作テクニックで強敵を倒す歯ごたえ」といったアクションRPG的な醍醐味を求めてプレイすると、肩透かしをくらったように感じることだろう。一方、「ハクスラとしての育成を楽しむ」という前提でプレイすると、キャラクターの強化を美麗ビジュアルで実感でき、満足できるハズ。なので、ハクスラファンは試してみてほしい。