ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル」をレビュー。アニメタッチのハイクオリティ3Dグラフィックによって原作を再現した一作。その魅力を紹介する。

目次
  1. 原作を追体験!3Dモデルとイラストレーションによるストーリー演出
  2. 必殺技へとつなげる立ち回りがおもしろい!3Dアクションバトル
  3. あらゆるアクションRPGファンにオススメ!懐の深い一作

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル」は、Aimingからリリースされたスマートフォン・PC向けのアクションRPG。原作である「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の世界をアニメタッチの3Dグラフィックで再現しており、アニメを観る感覚で追体験できるのが特徴だ。また、王道の3Dアクションバトルを基本としながら、アクションの組み立てや「ロール」を活かした立ち回りといった独自要素を盛り込んだシステムも魅力的。完成度の高い一作に仕上がっている。

原作を追体験!3Dモデルとイラストレーションによるストーリー演出

本作のゲームの流れは、一般的なスマートフォンRPGのスタイルを踏襲している。ホーム画面からステージ一覧画面をひらいてステージを選択。ストーリーが描かれるのか、バトルをプレイすることになるのかはステージによって分かれており、選んだステージに応じたモードがスタートする。いずれにせよ、ステージをクリアすることで新たなステージがアンロックされていくというスタイルだ。

本作の舞台となるのは、地下に巨大な地下迷宮…ダンジョンを持つ都市・オラリオ。この世界では神が人間とともに暮らしており、その中でも神と契約した冒険者が、ダンジョンから生み出されるモンスターたちと戦っていた。主人公であるベル・クラネルも、そんな冒険者の一人だ。

ちなみにベルが契約した神は、炉の女神・ヘスティア。彼女のファッションである青い紐部分が「例の紐」として話題になったことがあるので、本作を知らない人でも彼女のルックスは見たことがあるのではないだろうか。

ストーリーは原作をなぞるように展開していく。ヘスティアの眷族はまだ主人公のベル一人。ベルもまだ駆け出しの冒険者で、ゴブリンやコボルトの相手がせいぜいといった状態。タイトルにもある、ダンジョンでの「出会い」の相手、アイズ・ヴァレンシュタインともまだ出会っていない。

ストーリーの見せ方は、3Dモデルを使った会話パートに、イラストレーションを織り交ぜるかたち。3Dモデルの動きを見せつつ、ストーリー上のキーとなる場面を静止画で効果的に印象づけていく。

原作であった名場面を丁寧に拾っており、原作の魅力であった主人公の成長や、美少女キャラクターたちの萌え要素はたっぷり味わえる。本作ではじめてストーリーを知るという人であっても、大まかなストーリーや本作のストーリー的な魅力を掴めるのではないだろうか。

必殺技へとつなげる立ち回りがおもしろい!3Dアクションバトル

本作のバトルパートは、敵の攻撃を避けつつ連続攻撃を狙う、王道の3Dアクションバトルとなっている。ただ、王道をただ踏襲するのではなく、独自要素によって本作ならではのバトルへと昇華していると感じた。

バトル時の操作は、仮想コントローラーで行う。仮想パッドで自由移動が行え、ボタンタップで通常攻撃や技、ダッシュ、必殺技といったアクションが繰り出せる。

立ち回りの基本となるのが、通常攻撃とダッシュだ。敵の攻撃をダッシュで回避し、その隙に通常攻撃の連続ヒットを狙う。通常攻撃がヒットすると技ゲージや必殺技ゲージが上昇、ゲージ満タンになれば、範囲攻撃やバフ効果などの特性を持つ技&必殺技で一気に敵を追い込むことができる。

本作でまず楽しいと感じたのが、この部分。技や必殺技のゲージは時間経過ではなく、通常攻撃のヒットによってアップするので、積極的に攻撃を仕掛けるのが重要ただ攻撃を当てようと近づけば、敵の攻撃をくらうリスクもアップするため、しっかり回避しなければならない。こうしたつくりになっているので、必然的に立ち回りがスリリングなものになるのだ。

ここに加えて、バトルをおもしろくしている要素が「ロール」。「ロール」とは「アタック」や「ディフェンス」、「サポート」といった役割のこと。本作のキャラクターにはそれぞれこうした「ロール」が設定されており、バトルの状況に応じて最適な「ロール」のキャラクターへ切り替えることが立ち回りのポイントとなる。

本作のバトルでは、最大3キャラクターまでのパーティー編成が可能。実際に戦うキャラクターはその内の1体だが、ボタンタップで切り替えることができる。ただ筆者は、こうしたシステムのゲームにおいて、ついつい自分の戦いやすいキャラクターばかり使ってしまうことが多い。つまり、せっかくの切り替え機能を持て余してしまうのだ。しかし、本作の「ロール」は、そうではない。効果的に立ち回りへ組み込まれているのだ。

立ち回りの基本となる「ロール」は攻撃力の要となる「アタック」で間違いない。しかし、敵の一部が放ってくる回避不能な強力攻撃を耐えるには、「ディフェンス」への切り替えが必要だ。また、HPが残り少なくなったり、強敵と出会った際には「サポート」に切り替えてHP回復やバフを行うことが有効となる。要するに立ち回り上、状況に応じた「ロール」切り替えが必要不可欠。このため、操作キャラクターは1体であっても、しっかりパーティーメンバーと連携している感覚が味わえる。

なお、本作にはオートでバトルを実行できる機能が用意されているが、オート機能は「ロール」切り替えを行ってくれないし、範囲攻撃のために敵を密集させるだとかいった立ち回りも苦手としている。このため、強敵と戦うなら手動がベストだろう。ただ、こちらのレベルが十分高ければ、オート機能に任せても問題ない。なので、周回プレイなどではオート機能が輝きを見せる。

あらゆるアクションRPGファンにオススメ!懐の深い一作

本作はストーリー、バトルのいずれも完成度が高い。原作を知らないアクションRPGファンがバトルパート目当てにプレイしたとしても楽しめると思うし、丁寧に作られたストーリーパートによって原作の魅力を知ることができるだろう。「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」を知るきっかけとしてオススメの一作だ。

もちろん、原作ファンが楽しめることは言うまでもない。思い出のシーンを追体験しつつ、アクションバトルの楽しさに浸れるだろう。幅広いファンが楽しめる、懐の深い一作だと思う。

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