千葉・幕張メッセにて9月21日~24日にかけて開催の「東京ゲームショウ2023」。3gooより2023年11月30日に発売予定のPS5版「RoboCop: Rogue City」試遊レポートをお届けする。
「RoboCop: Rogue City(ロボコップ:ローグ シティ)」は、1987年より公開されている映画「ロボコップ」シリーズをゲーム化した作品だ。ストーリー的には「ロボコップ2」と「ロボコップ3」の間を描く完全オリジナルストーリーとなっている。
映画「ロボコップ」主演のピーター・ウェラーさん自ら声優を担当しており、原作を再現。開発は過去に「ターミネーター」のゲーム「Terminator: Resistance」を開発したテヨン(Teyon)が担当しており、原作に忠実な作りが本作でも発揮。シリーズファン必見の一本だ。
一応、筆者のロボコップ知識について軽く解説。筆者は、映画「ロボコップ」は小さなころに一度見た程度で、正直お話の内容も覚えていない。大人になってからエアガンにハマり、ショップで見かけたロボコップの愛銃AUTO-9の圧倒的な存在感が印象に残っている程度の浅知恵である。
銃器類は割と好きなため、ロボコップのAUTO-9が、“連射ができるハンドガン”・ベレッタ93Rのカスタムという予備知識だけがあり、本作ではこのナイスデザインな銃を使えるとのことなので存分にぶっ放してきた。
なお、本作はCERO:Z(18以上対象)ということで、原作さながらのスプラッター表現などが入っている。苦手な人は目を通す際に注意してほしい。
開発スタッフが“ロボコップならこうする”にこだわりぬいた演出
ということで、開発スタッフによるデモプレイを見せてもらった。場面は工場で行われる犯罪取引を阻止する、という状況だ。
本作では会話で登場人物との関係値が変化し、マルチエンディングになっているとのこと。デモプレイでは、ジャーナリストの取材に協力するかどうかの選択を迫られていた。
会話を終え、いよいよ突入していく。すると、横から巨大な戦闘二足歩行ロボが。こちらが「ED-209」というロボで、原作では共闘シーンがなかったとのことだが、本作ではロボコップと肩を並べて犯罪を駆逐していく。
アクションシーンでは、「ロボコップといえばバイオレンスアクション」ということで、原作に引けを取らないスプラッター表現が入っている。戦闘が終わったころには血みどろの現場が完成。ただ、これも原作愛ゆえの演出となっており、デモプレイをしてくれたスタッフさんの「これがないとロボコップじゃないです!」という熱いセリフがそれを物語っている。
銃ごと腕を吹っ飛ばしたり、足を撃って移動不能にしたりと、スプラッター描写ならではの戦略も取れる。片手で敵をつかんで投げつけるというロボらしいアクションもなかなか見応えがあった。
戦闘をより自分らしいアクションで楽しめるRPG的な要素も。経験値をためることでもらえるスキルポイントを使って、パラメーターの強化ができるとのことだ。
例えば、技術のパラメーターを上げていると、工場の運搬用列車を敵に向かって突っ込ませて、マップ内にあるオブジェクトを起動し、敵を一網打尽にするギミックアクションが可能となる。
ロボコップ本体のみならず、愛銃・AUTO-9も改造可能。連射力や装弾数をあげられるほか、ユニークな点としてプリント基板と呼ばれるスキルツリーそのものを入れ替えられる。好みのスキルが取れるものを選ぶか、バランスのいいものを選ぶか、プレイヤーが判断を求められる点だ。中には映画同様に“一切リロードしない”というユニークな効果もあるようだ。
後程聞いてみたところ、画面のUIなどにもこだわっているとのことで、なるべく原作映画に近い色合いのものやデザインを採用しているそう。元が古い映画なので、プレイしてみるとどこか“レトロっぽさ”を感じた。だが、決してグラフィックが悪いわけではないので、最新ゲームなのにどこか古めかしい、まさにレトロフューチャーを感じられる表現だ。
筆者も実際に遊んでみた。重厚感が爽快感とともに“無敵感”を演出
デモプレイを終えて、早速筆者もプレイ。一度このAUTO-9を撃ってみたかったのだ。
筆者が担当するのは、ゲームセンターで行われている違法薬物販売の取り締まり。ズシンズシンと重い足音を響かせながら、早速夜の街に繰り出していく。
本作にはスプリントがあるのだが、スタッフさん曰く「ロボコップは走りませんから」とのこと。ちょっと早歩きする程度だ。その分、マップがコンパクトに作られているので、移動にストレスは感じなかった。むしろ、早歩きで銃を片手に歩いて近づく、というのも圧倒的強者の風格があって良い。
さて、その後ゲームセンターに向かう道中、コンビニらしきお店の前にたむろする不良集団が。どうも、爆音で音楽を流して店に嫌がらせをしているらしい。
こういう感じで、本作はちょっとしたオープンワールドの形式になっており、街の人々を助けたり、サブクエストをクリアしたりすると評価やエンディングに影響があるのだとか。
不良少年は言う事を聞いてくれないので、問答無用でラジカセを破壊。これで静かになった。ロボコップって、こんなにパワー系なのだろうか。多分、これまでのゲームの様子をみるにそうなのだろう。
ゲームセンターにたどり着いたのだが、店主は捜査を拒否。鋼鉄の扉に逃げ込んでしまった。「捜査がしたけりゃ令状をもってこい」ということで、ここで捜査パートに入った。捜査パートとは、ロボコップが搭載しているスキャン機能で証拠を集め、令状を発行するまでのプロセス。怪しいところに近づいてスキャンを行ったり、聞き込みを行ったり。こうしてみるときちんと刑事をしている。
トイレにいた若者の体内から薬物を検出し、聞き込みで証言を手に入れたことで令状が発行。あまりにもスピーディーである。アメリカではこれが普通なのだろうか?
さて、令状を手に入れた所で再び店主に詰め寄る。それでも捜査を拒否したので、扉を破壊してアクションフェーズに突入した。
アクションを実際に体験してみて感じたのは、スプラッター描写がいい具合に爽快感を与えてくれるということ。先述した通り走らないので、ズカズカ歩きながら出てくる敵をちぎっては投げていく。
重厚感のある足音と動きが“無敵感”を演出してくれて、スピード感とは違った気持ちいいアクションが体験できた。回復が短いスパンで使用できるほか、任意発動できるスロー効果もあるので、そこまで被弾は気にせず行動できるのもポイント。
敵はもちろん、その辺に落ちている家具やら椅子やらも投げつけられて、気分はまさしく一騎当千。随所で入るスロー演出もあって、映画を見ている気分にもなれる。破壊神のごとく暴れまわっていたら、ボスまで到達した。
最後はスロー演出から目にもとまらぬ早撃ち(実際は筆者がモタモタしていたが)でクリア。無事、違法薬物の取り締まりに成功した。それにしても、生存者が少ない現場である。
さて、ここまで「RoboCop: Rogue City」の試遊をお届けしてきたが、本作から感じたことをシンプルに言うなら、多大なる原作への“愛”だ。原作を見たわけじゃない筆者が言うとおかしく聞こえるかもしれないが、随所の演出やUI、歩き方へのこだわりまで、「これこそがロボコップ」という制作陣の想いをダイレクトに感じられた。
かといって、遊びやすさが損なわれているわけでもなく、アクションゲームとしても完成度が高い。カスタマイズやスキル振りなど、一辺倒なプレイフィールにならないよう工夫されているし、独特なロボコップらしい操作性もかなりクセになってくる。これを機に原作映画を見てみようという気になるほど、秀逸なゲームだというのが感想だ。
原作ファンのみならず、ある程度レトロ映画が好きな人なら文句なく楽しめると思うので、11月30日の発売に注目してみてほしい。