バンダイナムコエンターテインメントより2024年1月26日に発売予定のPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト「鉄拳8」。10月20日から23日の期間で行われた第2回クローズドβテスト(CBT)をレポートする。
今回のテストでは、前回のネットワークテスト(以下、CNT)から調整が入った新規バージョンがプレイできた。新バージョンではフェン、レイヴンが追加プレイアブルキャラクターとして登場したほか、本作からの新規キャラクター・アズセナが使用できた。
また、東京ゲームショウ2023で紹介があった「TEKKEN FIGHT LOUNGE」の一部機能も体験できるようになっている。このレポートでは、アズセナの使用感をメインに紹介しつつ、そのほかの追加要素をレポートしていく。
なお、本稿内ではコマンドをテンキー表記で記載する。例として下、右下、右というコマンドはテンキーに当てはめて236と記載する。また、左右はL・R、同時押しはW。パンチはP、キックはK、発生等のフレームはFと表記する。
アズセナの戦い方を紹介。構えの当身効果を盾に二択を迫れ!
アズセナは、総合格闘技を使うペルー出身のファイターだ。踊るようなステップ、体重を預けて投げ出すようなパンチ、顔をさらけ出す特殊構えから体全体を使ったウィービング。筆者の個人的な印象としては、あのレジェンドボクサー、ナジーム・ハメド選手を彷彿とさせるような自由奔放で華麗なモーションが特徴となっている。
ゲーム内の性能としては、上段と下段を自動で回避する構え「リベルタドール」からの二択をメインウェポンに、性能の良いフライングヒールキック系の9RKや、横移動性能の高いクイックフック系の9RPを引っ掛けていく。
鉄拳の地上戦三すくみである置き・スカし確定(スカ確)・二択のうち、置きは9RKが優秀なものの、右アッパー・3RPのリーチが短く、相手の技の隙を狩る“スカ確”が苦手。66LKが比較的長いが、コマンドの性質上発生が安定せず難度は飛鳥の鬼殺し(6RP)などと比べて高い。基本は二択と置きで戦う印象で、中距離での差し合いは苦手なキャラクターであるようだ。今回のCBTからはアレンジコスチュームも使えたので、一部の画像ではそちらを着た状態となっている。
主要技紹介
ここからは主要技解説の後に、連携部分などを紹介していこうと思う。あくまで筆者が使ってみて使用感の良かった技をピックアップしているので、人によっては別の技を主力にする可能性があることは断っておく。
マンデリンバックナックル(6LK→RP)
6LKは前蹴り系の技で、ヒットしたかどうかを確認してRPに派生できる。RPまで入るときりもみ系の特殊なやられ状態になり、66LKが入り51ダメージが確定する。アズセナが技の差し合いで使える貴重な技だ。
RPに派生しない場合、自動で「リベルタドール」に派生する。仮にガードされたとしてもRP派生を盾にした二択に行けるため、主力の中段技として使っていける。
グランデコンボ(3LP→RK→LP)
発生13Fのショートアッパーの派生。ショートアッパーとハイキック部分は連続ヒットする。この技の強力な点は、最後のLP部分がカウンターでコンボ始動になっている点。加えて、「リベルタドール」に派生でき、6RK同様の二択を迫れる。
最後のLP部分を遅らせることもできるので、いやらしい攻め方が可能。これが基礎技で発生13Fのショートアッパーから出るというのも強みだ。
ハイマウンテンコンボ/ハイローストコンボ(LP→LP/LP→RP)
発生10Fのジャブからの派生技。LP→LPは2段目が中段になっており、ヒット時は「リベルタドール」に派生できる。LP→RPのいわゆるワンツーは、ヒット時にきりもみやられになり大幅有利、ガード時には確定反撃をもらうが壁際なら壁強やられになりコンボに移行できる。ギガースのワンツーに近い使用感だ。
LP→LPの使い勝手が非常によく、二段目が中段という事もあって、避けられる心配もなくかなり気軽に振っていける。ヒット時のリターンも十分だ。
タコネスドリップ(9RK)
いわゆるフライングヒールキック系の技。ジャンプステータス付きで、ヒット時にはコンボに行ける。それでいてガード時に確定反撃をもらわないので、置き技としてかなり強力だ。同系統のほかの技と比べて飛ぶモーションが少なく、少し見切りづらい。
横方向への判定は薄いので、相手の横移動はホーミング技の6RK等で咎めながら使っていこう。
オルティスモリーノ(66WK)
ガード時+4Fで「リベルタドール」へ移行できる突進技。かなり突進力が高く、積極的に二択へ行きたいときに有効だ。ある程度横への判定もあるので、タコネスドリップを見せて相手を下がらせてからコレで突っ込もう。
連携紹介
リベルタドールからの読みあい
リベルタドールからは、奈落系下段の2LK→LKと大きく打ち上げる中段のWPの主力二択のほか、暴れつぶしのワンツーなどが繰り出せる。技の発生はやや遅いが、「リベルタドール」の性質である上段避け+下段捌きが生きてくる。
上段が撃てない以上、相手としては中段を撃つしかないので、基本的には13F以降を潰せれば相手の手を封じることができる。ここが「リベルタドール」の面白い点で、無派生=様子見によって一部の選択肢を封じれるのだ。遅らせて技を撃つことで勝手にさばいてくれることもあるし、焦ったしゃがみパンチなどを勝手にさばいてくれる点も良い。
ただ、相手の思い切ったライトゥー(9RK)暴れやレイジアーツにはすこぶる弱いので、中段暴れを読んだらバックステップ入力で下がってから技の隙をついていこう。
1LKなど背向けからの読みあい
アズセナは「リベルタドール」のほかに、背向けからもなかなか面白い読みあいに行ける。背向けからの主な二択は、LKの下段とRPの中段。下段からは「リベルタドール」で攻めを継続でき、中段はジャスト入力で演出に入りダメージが高い。
1LKの下段から背向けの読みあいに行くのがベターで、「リベルタドール」と違って当身属性はないので、基本的には有利フレームから読みあいに行きたい。
総評
基本的にスカ確が弱いので、相手の置き技には困る。中距離からどう接近するかがカギになるわけだが、そこで活躍するのが「リベルタドール」とオルティスモリーノ(66WK)だ。
「リベルタドール」がそもそも前進するので、ちょっとしたステップ系の技のように使える。そのほか、ガードで有利な二択にいけるオルティスモリーノも突進技として優秀だ。空中判定になっているので、相手の置き技を喰らってもそこまで痛手にはならない。
二択にいったら無派生の当身を盾にして強気に攻めるのが良い。多少不遜なくらいの気概で無派生選択をした方が、相手の技を刈り取りやすい印象だった。無理に技を撃つと発生負けしてしまうので、当身のプレッシャーを見せないといけないのがアズセナの読みあいの軸だと思う。もっとも、筆者は横移動が苦手なので、そこを含めたらもう少しやりようがあるのかもしれない。
技を避けたときの爽快感はたまらなく、まさに「してやったり」という感じ。相手の選択肢をよく見ながら、華麗に避けて強烈な一発を叩き込む。吉光や州光、リロイ、ジョシーあたりが好きな人は、楽しく使えるのではないだろうか。
ファイトラウンジの機能を体験!話題のゴーストバトルも
続いて、「鉄拳8」のロビー機能である「TEKKEN FIGHT LOUNGE」を見ていこう。今回のCBTでは5つある機能のうちバトルエリアとカスタマイズショップ機能のみが使用できた。
ファイトラウンジでは製作したアバターで動き回る。ということで、筆者もアバターを作ってみることに。
意外と細かいところまで設定できるほか、前作「鉄拳7」のキャラクターカスタマイズのように衣装の細部に色指定ができるので、オシャレにこだわりたい人でも満足のいく仕様になっていると思う。色々いじってみた結果、筆者はヤンキーマンガのキャラクターみたいな男が出来上がった。
アバターの見た目は、あとからカスタマイズショップで設定しなおせるので、あとから変更したくなっても大丈夫。また、カスタマイズショップにしかない衣装などもあるようだ。製品版では画像よりもさらにラインナップが増えたショッピングが楽しめるだろう。
カスタマイズショップではその他に、前作で言うところのプレイヤーカスタマイズも設定できる。例えば称号や体力バー、プロフィール欄などだ。
本CBTでは体力バーのカスタマイズ以外が可能で、称号には前作でも使用できた「確反しっかり」などおなじみのラインナップが確認できた。
アバターや称号のセッティングが終わったら、いよいよバトルエリアに繰り出していく。バトルエリアは一言で言うとゲームセンターのようなもので、対面の筐体とマッチングするグループマッチなどが楽しめる。
現実世界と同様に、思わぬところで有名プレイヤーにあったり、連勝している人の周りに人だかりができたりと、ゲームセンターの原風景が楽しめた。本作からは有名プレイヤーを見つけたら、動きを学習したAIとゴーストバトルで疑似対戦ができるというメリットがあるので、暇があったらラウンジを訪れてみるのも良いだろう。
さて、そのゴーストバトルを筆者も体験してみた。対戦相手は、たまたまそこに居たレイヴン使いの人だ。
ゴーストバトルをしてみた感想だが、正直言われなければAIだと気付かないというのが正直なところだ。“この行動の後には必ずこうする”といったパターン化された動きではないので、いくつかある選択肢からキチンと読みを働かせて対戦しなくてはならない。
相手に手癖を読まれていたら選択肢を変えるといった動きは確認できなかったが、「このあとこういう動きをしがちだからこの選択肢を取ろう」という鉄拳の読みあいの本質的な部分は十分に楽しめた。
まとめ:鉄拳8、本当にボリューミーだった
さて、以上で確認できた大体の要素を紹介し終えた。まとめとしては、「本当にボリューミーだな」という感想。ファイトラウンジ等の要素もそうだが、すでに公開されている「ヒート」システムが対戦のボリュームを底上げしている。ヒート発動時の専用技まで含めると読みあいの幅が広く、発売された暁には長く遊べるゲームとして楽しめそうだ。
製品版では基礎から学べるアーケードクエストや先ほども紹介したゴーストバトルなどなど、初心者が遊びやすい仕組みもあるので、昨今の格闘ゲームブームも相まって流行しそうな気配を感じる。製品版の発売日は2024年1月26日、全鉄拳プレイヤーは続報等にも注目していこう。