Oculus Studiosより12月15日に発売予定のMeta Quest(Meta Quest 2、Meta Quest 3、Meta Quest Pro)用ソフト「Asgard’s Wrath 2」の先行レビューをお届け。
あなたは、これまでの人生でモンスターを斬ったことがあるだろうか? 私はある。
そんな非日常体験を提供してくれるのが、今回紹介していく「Asgard's Wrath 2」だ。本作は神々の世界を舞台にしたVR用アクションRPGで、40時間以上のプレイ時間を誇る壮大な物語が楽しめる。雷神トールといった北欧神話の神から、エジプト神話のセクメト神まで、幅広い神話から神々が登場し、物語を繰り広げるのだ。

本作においてプレイヤーの立場は“神”であり、前作で「裏切りの神」の異名を持つロキの脱獄を手伝わされた挙句に見捨てられ、身代わりとして牢屋に叩き込まれるところから本作はスタートする。前作、という単語が出たが、特に前作をプレイしていなくても本作は楽しめるようになっているので安心してほしい。

本作は、VRらしいアクションをとことん突き詰めた操作性によるゲームプレイの没入感が高く、非常に楽しく遊べた。本稿では、ゲームの序盤から筆者が体験した、文字通り“神体験”を読者のみなさんと共有していこうと思う。なお、VRゲームの撮影という関係上、若干画質が悪いが、実際の映像はもっときれいなので、その点についてはご容赦願いたい。
常に遊園地のアトラクションのような気分!映像美からプレイヤーの心をキャッチ
本作を起動すると、まずはオープニングの映像美に心を持っていかれる。神々の世界という壮大なスケールの世界観を、360度どこを見ても楽しめるのだ。自分の何倍もある神が現れては背後に流れていくムービーは、まるで遊園地のスクリーン系アトラクションに乗っているかのよう。
オープニング終了後は、酒場を模した監獄から操作がスタート。あちらこちらを探索していると、不思議なオブジェを発見した。手に取ってみると、巨大な怪鳥が酒場をたたき割って侵入してきた。これで脱出できるじゃん、とのんきに思っていたら、その鳥に吹っ飛ばされて外の世界へ。そのまま、バトルチュートリアルとなった。
バトルの詳細については後述するが、飛んできた弾を弾き返したり、剣を投げたりしながら、何とか鳥を撃退した。その後、主人公をだましたロキを追跡すべく、人間に憑依という荒業を強行することになる。ここまでがチュートリアルで、第一章ではエジプトの墓荒らし・アブラクサス(Abraxas)へと憑依し、物語が進んでいく。

王の墓を荒らしに来たアブラクサスは、秘宝を手にするも墓の守り神であるセクメト神によって墓の奥底へと落とされ、瀕死の重傷を負う。そこで、神である主人公と融合して協力関係を結ぶのであった。
アブラクサスパートの序盤は、墓に仕掛けられた謎を解きながら脱出を目指すというもの。一人称でダンジョンを見渡しながら仕掛けを解いていくのはなかなか新鮮で、ひもを引っ張ったりレバーを倒したりといったアクションを自分でやるので、他にはない没入感があって面白かった。

時には、アブラクサスの体から分離し、アブラクサスと主人公を切り替えながら謎を解く場面も。神としての権能で巨大な仕掛けを動かし、それに連動する仕掛けでアブラクサスを奥へ進めていくという感じだ。このパートではひらめきと注意深さが求められる。

物語を進めていくうちに、アブラクサスが主人公に心を開いてくれる様子が描かれているのも、バディもの感があってワクワクしたポイントだ。アブラクサスは神という存在に否定的だが、神であるプレイヤーとの冒険は最終的にどこへ行きつくのだろうか……?
アブラクサスパートはエジプトが舞台なので、ミイラやサソリといった敵が多かったが、本作はアブラクサスのほかに4人の人間に憑依して物語が進んでいく群像劇のような形式のため、他の登場人物のパートではまた違った冒険が楽しめるだろう。
日頃のストレスをその手に込めて!戦闘パートは抜群の臨場感
続いては、本作で最も推したいポイントである“バトル”についてお話ししていこう。本作のバトルは、剣や斧を実際に振るうVRアクションが特徴だ。本作はこのバトルのクオリティが非常に高い。かなり現実味のある戦闘になっていて、冒頭で語った“日常生活でモンスターをぶった切る体験”を提供してくれるわけだ。

筆者が舌を巻いたのは、緻密な部分にまでこだわり抜かれているところだ。倒したとき以外、敵を剣が貫通しないし、二刀流をした時に剣同士がぶつかるとうまく振れないようになっている。逆に、敵の防御がない部分にうまく剣を当てたり、足元をさらったりと、フェンシングのような攻防が実際に楽しめるようになっている。これは、剣道経験がある人なんかは、特に感動するのではなかろうか。

近接攻撃以外に、先にも軽く振れた通り“剣を投げつける”というアクションも可能だ。飛んでいる敵はこのアクションで対処可能で、遠くで魔法詠唱をしている敵に投げつけて中断させるといった使い方もできる。逆に、敵の飛び道具は剣で弾き返すことができ、成功すると怯みなどのボーナスがもらえることが多い。

なにより筆者が一番感動したポイントは、剣を使ったパリィ=受け流しアクションができるという点だ。アニメや漫画でよくある、剣が交錯し互いの攻撃をブロックする、というあのシーン。あんなシーンを、実際に自分が体験できるわけである。
左で剣を受け流した動きのまま、下から斜めに斬り上げる逆袈裟斬りをしたり、上段で受けて胴を薙ぎ払ったりと、思いつくままに“それっぽい剣術”を全身全霊で楽しめる。序盤は敵のモーションも大きいので、パリィもそこまで苦労しないだろう。とどめは自分のモーション通りに敵が斬れるので、これも爽快ポイントだ。


強力な攻撃ほどパリィに成功すると大きな隙をさらすので、今まで紹介してきた剣術らしいアクションを全てかなぐり捨てて、鉄パイプで殴りかかる不良のごとくめった打ちにできる。別に筆者がストレス過多というわけではない(と思う)が、これがたまらなく爽快なのだ。
二刀流で乱舞が決まったときなんかは、かなりアドレナリンが出る。筆者のように拳を椅子に強打しないよう気を付けつつ、ぜひ本作で暴れてみてほしい。筋肉痛になるくらいには運動量がある。



さらに、武器によっては固有アクションがあるようで、例えば斧なら投擲後に再度方向を転換できる。L字に曲げたり往復させたり敵の背後から襲わせたりと、面白い使い方ができる。壁の向こうにあるスイッチにカーブさせて当てるといったギミック解除にも有用だ。


バトル面の総評としては、「VRアクションってこんなに進化しているんだ。」という一言に尽きる。かなりリアリティがあり、緊張感のある戦闘が楽しめた。うまい具合に剣術が使えたときは、まさに物語の主人公になった気分で、筆者の場合は敵を求めて徘徊するバーサーカーになった。オープンワールドで自由なゲームなので、こういうプレイングでもいいのだろう。
ストレス発散にも最適で、先述した通り敵を渾身の力でぶん殴っているときはかなり爽快。リリース後にぜひ、この爽快感を味わってみてほしい。

バトル好き必見のローグライトモードやアンケート製の対抗モードなど要素も充実
バトルの楽しさを説明したところで、本作にはバトルにハマった人向けに、戦闘に特化したローグライトモード=アンチャーテッド・リフトが存在する。このモードでは、バトルや探索などを行うとポイントが加算されていき、本編で使える素材アイテムなどが手に入る。オンラインで得点を競い合うランキング制度もあった。

次々と小部屋を巡りながら戦闘を繰り広げていくのだが、毎回舞台となるダンジョンが異なり、敵も異なっている。戦闘方法などの攻略も異なるので、毎回新鮮なプレイが楽しめる。

さらに、失敗してもワンアクションを起こすことができ、自分の亡霊をその場に残すことができるのだ。残し方は2種類あり、他の人をサポートする守護霊とするか、他の人の邪魔をする悪霊とするかが選べる。
製品版では、強力な守護霊が来ることもあれば、行く手を阻むお邪魔キャラクターが来ることもあったりと、ユーザー同士の間接的なコミュニケーション機能として楽しめるだろう。
さらに、「AとBどちらが好きですか?」といったアンケートに答えて、その陣営に所属する対抗戦機能も実装予定とのことなので、剣術に覚えのある人(?)はぜひ、発売後に本モードに入り浸ってみてほしい。


RPGの定番要素をVRでこれでもかと積み込んだ大作の予感
簡単ではあるが、本レビューはここまでとする。今回詳しく紹介していないが、料理やクラフト、狩りなど、昨今のオープンワールドRPGが持つ要素がVRでしっかりと搭載されているので、プレイフィールとしてはまさに「RPGゲームの中に入りこんだ」感じである。

一般的に思い浮かぶ“最近のRPGでできること”は全てできるといっても過言ではなく、それをVRで実体験として楽しめるというのが、大げさだがゲーム新時代の到来を感じた。
繰り返しになるが、本作の発売日は12月15日。今ならMeta Quest 3に無料で付属しているとのことなので、少しでも気になった人でMeta Quest 3を持っている人は、ぜひプレイしてみてほしい。
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