コーエーテクモゲームスがアカツキゲームスとの共同開発で、iOS/Android/Steam向けにサービス中の「レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~」。2024年2月28日よりハーフアニバーサリー月間(半周年)を迎えたことを記念して、同作の開発者へのインタビューをお届けする。

目次
  1. 「アトリエ」シリーズの世界観に新たな要素を加えるため、ふたりの主人公を採用
  2. メインストーリーで特に印象的だったのは、錬金術の対比が描かれたあのシーン
  3. 歴代シリーズキャラクターとの絡ませ方に気を使いながら、新たな一面も見せていきたい
  4. 戦闘の戦略性は大事にしつつ、育成や調合はサクサクできるように
  5. 基本的なマインドは常に「ゲームを楽しんでもらいたい」

今回インタビューに応じてくれたのは、「レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~(以下、レスレリアーナのアトリエ)」総合プロデューサーの細井順三氏(コーエーテクモゲームス)、開発プロデューサーの作田泰紀氏(コーエーテクモゲームス)、プロデューサーの田川勝也氏(アカツキゲームス)、ストーリー原案・シリーズ構成・シナリオ監修を担当しているタカヒロ氏。新たなPVも公開され、「第一部、完結。」と謳っているメインストーリーや、ユーザーの声を反映させて日々改修されているシステムや戦闘に関してなど、さまざまなことをお聞きした。

細井順三氏
細井順三氏
作田泰紀氏
作田泰紀氏
田川勝也氏
田川勝也氏
タカヒロ氏
タカヒロ氏

なお、ハーフアニバーサリーで新たに追加されたキャラクターや、チャレンジバトル、アイテム大戦といった内容に関しては、別記事を参照いただきたい。

「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像
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「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像
「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像

「アトリエ」シリーズの世界観に新たな要素を加えるため、ふたりの主人公を採用

――まずは、ハーフアニバーサリーを迎えた率直な感想や手応えをお聞かせください。

細井氏:ハーフアニバーサリーを迎えることができて、大変嬉しく思っております。「アトリエ」はCS(コンシューマー)で大きく育ってきたシリーズですので、発表当初やサービス開始時にはさまざまなご意見をいただきました。そこから半年が経ち、とても手応えを感じているといいますか、皆様に更に楽しんでいただけるコンテンツになり始めていると感じています。ハーフアニバーサリーはメインストーリーでいえば第一部が完結となりますので、注目していただければ嬉しいです。

その一方で、CSの「アトリエ」作品はまだ発表できておりません。我々としては「レスレリアーナのアトリエ」と、もうひとつの柱であるCSシリーズを同時に展開することで更により皆さんに楽しんでいただけると考えており、ユーザーの皆さんに「アトリエ」シリーズの規模感が大きくなったとお伝えできると思っています。CSシリーズが出ていないことに対して不安に思われている方にも、今後きちんと発表することによって、「アトリエ」シリーズ、そして「レスレリアーナのアトリエ」にさらに注目してもらえるのではないかなと考えております。

田川氏:私どもとしましては、「アトリエ」シリーズのポータルになれるようなアプリを、コーエーテクモ様と一緒に開発できたらいいなと思ってやってまいりました。CSのタイトルとして25年以上続いているシリーズではありますが、やはりモバイルゲームの1番のポイントは、高頻度でなにかしらの更新があり、日々の中心、ポータルになることかと思っております。

更新があることによって、365日なにかしらのコミュニケーションが生まれることは、シリーズにとってもすごく良いことです。その中でも主人公をもとにした物語が展開されていく部分は、軸として必ずあるべきだと思いますので、月1回の更新はお約束させていただいております。

おかげさまでふたりの主人公や世界観といった要素が受け入れられて、ユーザーの皆さまにも好評をいただき、すごくホッとしているのが実情ではあります。今後も、歴代シリーズタイトルに登場したキャラクターはもちろん、積極的なコラボも検討させていただきながら、「ポータル」と「新しい展開」を両輪として回せるような関係性になればいいなと思っております。

――「第一部、完結。」ということで、メインストーリーに関してお聞きしたいと思います。改めてになりますが、タカヒロさんが本作でストーリー原案・シリーズ構成・シナリオ監修を担当するに至った経緯を教えてください。

タカヒロ氏:各種媒体で仕事をしている中でコーエーテクモ様の目に留まり、オファーいただきました。自分自身、小学生のときからコーエーテクモ(当時はコーエーとテクモ)のゲームはいろいろ遊んできまして、今年も「三國志8 Remake」や「Winning Post 10 2024」を買いますから、いつも楽しい時間をくださるメーカーさんに恩返しをするときが来たなと思いましたね。

――「アトリエ」シリーズもプレイしてきたのでしょうか?

タカヒロ氏:もちろんです。初代の「マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜」からプレイしています。一番やったのは……「トトリのアトリエ 〜アーランドの錬金術士2〜」か「メルルのアトリエ 〜アーランドの錬金術士3〜」かな。トータル時間はわからないですけど、学生時代から今に至るまで、結構な時間プレイしています。

――本作はオリジナルキャラクターだけでなく、今まで遊んできて知っている「アトリエ」のキャラクターたちも登場します。ストーリーはどのように考えていったのかお聞かせ下さい。

タカヒロ氏:まず全体の大きな流れを私が原案として考えます。その流れをもとに運営サイドから章ごとの登場キャラの指示などが来ますので、それに合わせて具体的なプロットを作っていく感じですね。

「アトリエ」シリーズとしての監修には吉池さん(「アトリエ」シリーズの生みの親である吉池真一氏)が入ってくださっているので、「アトリエ」のキャラらしい動きができますし、安心して仕事ができています。例えば、「この単語の使い方は『アトリエ』シリーズ的にありですか?」「このシーンでこのセリフを言うとしたらこのキャラだと思いますけど、他に似合っているキャラはいますかね?」といった、細かいことまで吉池さんに聞いています。

――主人公をレスナとヴァレリアの2人にしたのは、タカヒロさんが考えられたのでしょうか?

タカヒロ氏:そこは最初に企画書をいただいた時点で、ふたりの主人公でいきたいと書いてありました。

細井氏:そうですね。本作の世界観を作るにあたり、アカツキさんや作田たちと「これまでの作品を受けたあとの「アトリエ」シリーズにしたい」と話していました。その上で、俯瞰してどういう風に見せたらいいか。王道の「アトリエ」シリーズを感じていただけるような牧歌的な世界観と、そこにもうひとつ、例えばヴィランのような今までとは違う要素をどう入れていくか――そういったところからスタートしています。

その際に、1人の主人公だけだと新しいユーザーの皆様に届かない可能性があると思い、ふたりの主人公を採用しました。レスナは王道の「アトリエ」シリーズを体現してもらえるキャラクター、ヴァレリアはこれまでのシリーズとはちょっと毛色の違った雰囲気のあるもう1人の主人公。そうして、拡張性のある世界観を作りたいと思ったんです。

「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像

メインストーリーで特に印象的だったのは、錬金術の対比が描かれたあのシーン

――スマートフォン向けのゲームということで、ストーリーの更新タイミングもそうですし、話の展開スピードに関して意識されていることはあるのでしょうか?

タカヒロ氏:月1でストーリーを更新していくと聞いていましたから、それに合わせて飽きないような展開の持っていき方、配分は考えてやっているつもりです。「少年ジャンプ+」で隔週の漫画連載(「魔都精兵のスレイブ」)もやらせていただいていますが、隔週だとしても「毎週見たい」という読者の声は多いんですよ。そう考えると、本作のメインストーリーはある意味“月刊”のような感じですから、1つの章の満足度とある程度の展開の早さの両方を確立してやっていかないと、ユーザーは冗長に感じてしまうかなと。そこは常に頭に置いています。

――展開の早さについてお聞きしたのは、第6章(Chapter 6)でとあるキャラクターの戻りが予想より早かったので、もしかすると展開の早さを意識されているのかなと思いまして。

タカヒロ氏:そこは、現在公開されているメインストーリーの中でも1番お声はいただいたところではあります。第6章の間に戻ってくるのは、展開のスピード的に全然アリだと思っていますが、見せ方や説得力はもうちょっと工夫できたな、上手くやれたなと分析しています。そこは今後の糧にしていくところですね。

「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像

――では、それも含めて第一部の中で特に印象深かったところや、苦労したところはどこでしょうか?

タカヒロ氏:苦労したのは、やはり最初の方ですね。当初はもっと話が長かったんですよ。ただ、いま話したようなテンポに関しては制作サイドもわかっていて、制作サイドから「こことここは削らせてください」といった話をよくいただきました。そのぐらい削ぎ落としてやっていたので、調整はみんな苦労したんじゃないかなと思います。

印象に残っているのは、初めてヴィランが出てきた第2章の極夜の錬金党戦です。「錬金術を自分のために使おうとしている人」と「みんなのために使おうとしている人」との、錬金術の対比で上手い山場になったなと思っていて。それを盛り上げる各種演出素材も揃えていただき、とても嬉しかったですね。

「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像

――戦闘の難易度も含めて極夜の錬金党戦はかなり印象的でした。ストーリーに関して、細井さんはいかがですか?

細井氏:そうですね。開発チーム全体として、タカヒロさんとぜひご一緒したい! というところから始まっていて、タカヒロさんにさまざまな点でご協力、執筆していただいています。「アトリエ」シリーズとして、これまで以上にダイナミックな展開といいますか、我々が期待した以上の展開をしていただけて、非常に嬉しく思っています。

――本作のタイトルが、なぜ「レスナのアトリエ」ではなく「レスレリアーナのアトリエ」なのか、それもメインストーリーの中で明らかになります。このタイトルはタカヒロさんが考えられたのでしょうか?

タカヒロ氏:タイトル自体は私の案ではないんですよ。

細井氏:タイトルは開発チームで検討した結果です。「アトリエ」を体現できるような、複数キャラクターを内包できるタイトルにしようと思い「レスレリアーナ」になりました。レスナとヴァレリアに関しても、「レスレリアーナ」に内包できる名前をどうするか、といったところからスタートしています。それでタカヒロさんに、「我々はこういう風に考えているんですけど……」とご相談させていただきました。実はこれ以外にもまだ秘密が隠されているタイトルなんですよ。

歴代シリーズキャラクターとの絡ませ方に気を使いながら、新たな一面も見せていきたい

――メインストーリーの第一部完結に向けて、2月28日の第9章追加に続いて3月には第10章と第11章が追加予定と聞いています。こちらの見どころを言える範囲で教えて下さい。

タカヒロ氏:見どころは、初めての頂獣との対決ですね。そこはぜひ楽しんでいただければと思います。もちろん、それが終わったあともレスナたちの物語は第二部へと続きますので、そちらも楽しみにしていただきたいです。こちらの配信は5月を予定しています。

細井氏:第二部はタイトルの副題部分に非常に深く関わる話になっていきますので、ぜひ期待してもらいたいです。

「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像

――「月影の会」や「極夜の錬金党」のメンバーなど、気になるキャラクターの深堀りも、まだこれからですし。

タカヒロ氏:はい。名前だけでまだ登場していないキャラクターもいますので、そういう人たちがこれからどんどん出てきて、いろいろなドラマを織りなしていきます。レスナたちはまだ旅の途中ですから、引き続き楽しんでもらいたいです。

――ちなみに、メインストーリーはどのぐらい先まで考えているのでしょうか?

タカヒロ氏:具体的なことは言えないですが、「相当先まで」ですね。ハーフアニバーサリーの物語の打ち合わせをしたのも、もう1年ぐらい前ですから(笑)。

――ストーリー関連では、以前のレスレリ生放送で「イベントストーリーもタカヒロさんが途中から監修することになった」とおっしゃっていました。どのような経緯や考えだったのかお聞かせ下さい。

細井氏:もともとイベントストーリーはタカヒロさんとは別でやっていたのですが、運用を開始して、パラレルストーリーをいくつか公開した際に、ユーザーの皆様から我々の想定していたものとは違った反応をいただいたことがきっかけです。そこでタカヒロさんにご相談して、「イベントストーリーも世界観に即したもの、『レスレリアーナ』の世界に沿ったものに変えたい」とお願いしたんです。タカヒロさんもその方が絶対に良いとおっしゃってくださり、タカヒロさんに監修していただく形に変更しました。

タカヒロ氏:そうですね。イベントストーリーでは、メインストーリーでは触れられなかったキャラクターの一面にもフィーチャーしつつ、世界観にも触れていて。メインストーリーとは違ったほんわかした話を楽しんでもらう、といったところにも主眼を置いています。

「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像

――この世界観の中で、レスナたちと歴代シリーズキャラクターをいい塩梅で絡ませるのは、難しいですか?

タカヒロ氏:絡ませ方は一番気を使っています。「レスレリアーナのアトリエ」ですし、本作のキャラクターたちがメインに活躍していい話ではありますが、歴代シリーズのキャラクターが出てくれるからには意味のあるものにしたいと思っています。

――歴代シリーズキャラクターとの掛け合いや、どこにどのキャラクターを配置するかなど、メインストーリーも序盤から気を使っているなと感じました。

タカヒロ氏:歴代シリーズのキャラクターは(シリーズファンの)皆さんの思い入れがありますから、その思い入れは大事にしたいです。せっかく新規で声も入りますから、新たな一面が見えてもいいと思うんです。異なるシリーズごとのキャラクター同士が絡んだりして。そういったところもチャレンジしていきたいです。先ほど話したように、「アトリエ」シリーズの監修として吉池さんが入ってくださっていますから、より面白くする方向を探っていけるんじゃないかなと感じています。

――ちなみに、タカヒロさんにシリーズファンから「僕の好きなシリーズや、〇〇(キャラクター名)はもっと出番がないのか?」「もっと強くして欲しい」といった声が届くことはあるのでしょうか?

タカヒロ氏:ストーリーの中身は私の責任ですけど、どのキャラクターが実装されるかや、キャラの性能については私の担当ではないので。自分自身もあるキャラクターをもっと強くして欲しい! とか思いますし、初期実装キャラクターのリストを見せてもらったときに、「このキャラいないじゃないですか!」と言いましたからね(笑)。

細井氏:おっしゃっていましたね(笑)。タカヒロさんにはシナリオメインで関わっていただいていますが、コンテンツそのものやプロモーションに関してもいろいろなご意見やアドバイスをいただいていますので、開発チームのメンバー全員が助かっています。

タカヒロ氏:今回の半周年に関しても一つ意見出しましたね(笑)。採用されるかどうかのジャッジはお任せしていますが、少しでも何かのお役に立てたら幸いです。

戦闘の戦略性は大事にしつつ、育成や調合はサクサクできるように

――システムや戦闘に関してもお聞きします。YouTubeでアーカイブ配信されている「レスレリ生放送」を見てもユーザーの声をどんどん反映させていると感じるのですが、改修やアップデートについてはどのように考えているのでしょうか?

田川氏:おっしゃる通りで、システムの改修や、多くの声をいただいているルールの改修については、ユーザーの皆様の声をすごく参考にさせていただいております。基本的に1ヶ月に1回アップデートしながら改修しているのが実情です。運営に関しても、ユーザーの皆様のアンケートでのご意見を踏まえながらやっております。

――そのあたりはアカツキさんの経験があればこそでしょうか。運営次第でユーザーの反応や評価がかなり変わりますし。

田川氏:そうですね。オンラインゲームの開発は“出した瞬間に終わり”では全くないですから。もちろん、いろいろな制約の中でやっていかなくてはいけないですが、一番大事なのはユーザーの皆様との対話の中で、どれだけ会話のキャッチボールができるか。きちんとユーザーの皆様の意見を盛り込みながらより良くしていけるか。そのコミュニケーションのプロセスがすごく大事だと思っています。

リリース当初は正直バタバタしていたところはありましたが、ハーフアニバーサリーを迎えるにあたって、特にこの3ヶ月はPC版(Steam版)を開発しながら、いろいろな要素を盛り込みながらより良くするために進んでまいりました。UIの改修や便利な機能に関しては、日々皆さんのストレスになってしまっていたところの優先度を上げて対応しているところです。さらに、新しい機能も盛り込みながら、より便利に遊んでいただけるようにバージョンアップデートも予定しております。

――UIも含めた手軽さ、遊びやすさはスマートフォンのゲームでは必要ですからね。同時に、「レスレリアーナのアトリエ」を実際にプレイしてみて、戦闘に戦略性があってとても面白いと感じています。ただ、手軽に遊びたい人からすると面倒くさいと思われる可能性もありますし、そのあたりに関してどのように考えていますか?

田川氏:戦闘の戦略性はすごく大事にしています。例えば、キャラクターを入れ替えて、そのキャラクターの固有のスキルを使って攻略していく――そういう体験がゲームとしての面白さのひとつだと思いますので。逆に、育成や調合は、今後もう少しライトにサクサクとできる形にしようと考えています。

12月のアップデートでも、下限キャラクターのレベルを上位5人に合わせる機能「育成研究」を実装しまして(※レベル上限はキャラクターごとに上げておく必要がある)、それによっていろいろなキャラクターを(成長させた状態で)使えるようになりました。キャラクターをセットして放置すると勝手に素材を集めてくれる「探索」といった機能も実装予定です。

そうやって、育成や調合といったアウトゲーム、戦闘以外の部分を遊びやすくする改修を優先し、キャラクターが強くなった段階できちんと濃い戦闘を遊んでいただく。手軽にするところとしっかり遊んでいただくところをわける形で進めています。

――戦闘では「パネルの固定化」も大きな変更点です。こちらは賛否両論がありそうですし、ユーザーの声を聞いてブラッシュアップしていく可能性もあると思いますが、現状の感触はいかがですか?

田川氏:パネルの固定化(バトル時、タイムライン上に表示されるパネルの順番がランダムではなく決まった順番になる)に関しては、さまざまなご意見をいただいております。固定化した背景としましては、RPGの文脈でいくと、「キャラクターを育成したり調合したりして、より良い装備をつけて戦闘に挑み、その(育成や装備の)結果が反映される」というのが通常だと思うんです。固定化する前はランダム性のあるパネルによって勝敗が左右されるところがあり、人によっては自分に合ったパネルになるまでリタイアを繰り返すので(いわゆるリタマラ)、それがストレスだと言及されている方がいらっしゃいました。「きちんと育成や調合に時間をかけていだき、戦闘に挑戦してフィードバックを得る」といった体験が、本来のRPG文脈に則っていると思い、今回パネルの固定化を実装しました。

実際に皆様の反応がどうだったかは、まだ固定化からさほど時間が経っていませんので、これから定性と定量の両方のフィードバックが得られると思います。実際のバトルデータと、ユーザー様の反響で今度どうしていくか検討させていただければと思っております。

作田氏:やはりランダム性がありすぎると、本来の楽しみ方や攻略の仕方が伝わらず、その手前部分でストレスを与えてしまうのではないかと感じています。なので、「我々としてはこのように楽しんでもらいたいです」という形をお届けした上で、それに対するユーザーの皆様の声をいただければと思います。私がこれまでやってきたタイトルでの経験からも、そうやってひとつひとつコミュニケーションを取りながらクリアしていくのが、運営タイトルだからこそのメリットだと思っていますので。

――ということは、このインタビューやレスレリ生放送などをご覧になり、実際にプレイしてみた感想を送れば、その声を聞いてどんどん改修されるのですね。

田川氏:はい。皆様のご意見を参考にしながら、より便利に、よりストレスなく遊べる改修をしていきたいと思っています。

基本的なマインドは常に「ゲームを楽しんでもらいたい」

――さまざまな改修などで既存ユーザーの遊びやすさや楽しさを向上させるのと同時に、やはり新規層への訴求も大切になってくると思います。ハーフアニバーサリーのキャンペーンや施策も含め、どのように考えていますでしょうか?

細井氏:先ほど話があったように、ユーザーの皆様からフィードバックいただいた結果をもとに、適宜修正をかけさせていただいています。田川さんがおっしゃっていた調合のやりやすさやマナの回復速度、レベリングに関しても「難度が高い」「時間がかかってしまう」といった要望をひとつひとつクリアしているので、半年前のリリース時よりも圧倒的に遊びやすくなっていると思います。今からプレイしていただいても全然楽しめる内容ですし、既存ユーザーの皆様が不安に思っていることやストレスを感じているところはこの先も改善していきますので、格段に遊びやすくなった「レスレリアーナのアトリエ」を体験していただけるのではないでしょうか。

――ストーリーや戦闘以外にもさまざまな機能がアップデートされましたので、そのあたりについてもご説明いただけますでしょうか?

作田氏:サービスインのときは、すこしでも早く「レスレリアーナのアトリエ」を楽しんでいただきたくモバイルでの実装を優先して、Steam版対応やキャラクター鑑賞機能といったものは、入れない形でスタートしました。ですが、皆様から多数ご要望をいただき、サービスイン後に急ピッチで進めて1月にSteam版をお届けできましたし、12月末にはフォトモードも実装しました。

ちなみに、フォトモードは、3月後半のアップデートで背景の追加やボイスを変更できる機能を実装予定です。「なぜ背景を変えられないのか?」といったご要望があるのは想定していたのですが、それらまで実装してからリリースするとお待たせしてしまうことになると思い、優先度をつけて実装してきました。

こういったゲームサイクル以外の楽しみ方ができる機能は今後も継続して改良していきますので、メインとしてはストーリーや戦闘、キャラクターの育成を楽しんでいただきつつ、いろいろな楽しみ方をしていただければ嬉しいです。

「レスレリアーナのアトリエ」ハーフアニバーサリー記念インタビュー:タカヒロ氏や開発スタッフにメインストーリーの見どころやシステムの改修点を聞くの画像

――Steam版はグラフィックをはじめとして評判がかなりいいですね。

作田氏:ありがたいです。「こういったところが望まれるんじゃないか」と思ったことはできる限り入れました。サービスインのときにSteam版が対応されていなくて遊んでいなかった皆さんにも、ぜひ遊んでもらいたいですね。

――では、最後に改めてメッセージをいただければと思います。

タカヒロ氏:おかげさまでハーフアニバーサリーを迎えることができました。応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます。今後も「レスレリアーナのアトリエ」のキャラクターたちが愛してもらえるような話を頑張って作っていきますし、従来の「アトリエ」シリーズのキャラクターたちもどんどん出てきますので、応援よろしくお願いします。

田川氏:皆さんの声を参考にさせていただきながら、随時いいアプリになるように改修を繰り返しています。すでにお伝えしています通り、2月下旬からのガチャでは、初登場から56日を経過したキャラクターはいわゆる「恒常入り」しまして、より新規のユーザーの皆様が始めやすい環境を整えていきます。 物語も第一部が佳境に入りますので、新規の方も久しぶりの方も、ずっと遊んでいただいている方も、楽しんでいただければ嬉しいです。

作田氏:いつも遊んでいただき誠にありがとうございます。半周年を迎えることができますのも皆様のおかげです。Steam版やフォトモード、各種アップデートなど、サービスイン時からお待たせした機能をこれまで注力して対応してまいりました。また、プレイテンポが遅くなっていた箇所なども実装を見直すことで改善しております。まだ遊んでいなかった方も、途中で離れてしまった方も、ぜひ今一度このタイミングで遊んでいただけますと幸いです。

細井氏:いつも応援していただき本当にありがとうございます。リリース直後からいろいろなご指摘やご意見をいただき、その皆様のお声に答えるべく、運用面やシステム面、ストーリー面に関しても常にアップデートしてきました。ハーフアニバーサリーを迎え、より良い作品になっていると思いますので、これを機にぜひ遊んでもらいたいです。1周年に向けてもさまざまな企画や、「アトリエ」シリーズの新作CSを含めていろいろ準備をしていますので、ご期待いただけますと幸いです。

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