スクウェア・エニックスが2024年4月25日に発売予定のPS5/PS4/Nintendo Switch/Steam/iOS/Android用ソフト「サガ エメラルド ビヨンド」のプレイレポートをお届けする。なお、今回プレイしたのはPS5版となる。

目的の異なる6人5組の主人公から好きなキャラクターを選んで物語を進めていく「サガ エメラルド ビヨンド」。今回のプレイレポートではそのなかの3人である御堂綱紀編、アメイヤ アシュリン編、ディーヴァ ナンバー5編を遊んだ内容をお届けする。

※プレイした内容は開発中のものであり、実際の製品とは異なる場合があります。
「サガ スカーレット グレイス」の進化ではなく、「サガ」シリーズの集大成
「サガ」ファンである筆者は“Nintendo Direct 2023.9.14”で8年ぶりの完全新作「サガ エメラルド ビヨンド」が発表されたとき、とにかく心が踊るとともに、前作「サガ スカーレット グレイス」で採用されたタイムラインシステムが今回も使われていることが分かり、「サガ スカーレット グレイス」の進化系になるのだろうと考えていた。
しかし、今回実際にプレイしてみたところ、いい意味でまったくの別物。新鮮に遊ぶことができた。とくに同じかと思っていたバトル部分は本作ならではの味付けがポジティブに作用しており、爽快感あふれるものになっていてすごく楽しかった。

ずっとバトル部分を遊びたいと感じるような秀逸なシステムとなっており、筆者としてはここをいちばん最初に推したいので、まずはこのバトルから紹介していこう。
本作のバトルはターン開始時に敵の行動と順番が明らかになっており、プレイヤーが技によって行動順を変化させ、味方の連携を発動させたり、敵の妨害を狙ったりする“タイムラインシステム”を採用。「サガ スカーレット グレイス」で実装されたシステムで、パズル的な楽しみが盛り込まれているのが特徴だ。


前作ではキャラクターが倒されたとき、両サイドが同じ勢力だった場合に“連撃”が発生したが、本作では同じ勢力が繋がっている状態であれば必ず“連携”が発動するように。狙って技を出しやすくなり、爽快感が増している。また、連携している数が多いと連携率が上がっていき、100%を越えると“オーバードライブ”が発生。もういちど連携が発生する。
この連携が次々につながっていく様子は「サガ フロンティア」以降の「サガ」らしさが詰まっており、とても気持ちいい。「サガ スカーレット グレイス」の頭を悩ませるバトルもそれはそれで病みつきになったが、本作の爽快感はまた別の中毒性がある。

タイムライン上に自分以外のキャラクターがいない場合は自分ひとりで連続攻撃を行う“独壇場”が発生。独壇場は戦闘に参加している人数が減るほど発生しやすくなるので、強敵を相手に仲間が次々にやられてしまっていても、一気に逆転をするチャンスがある。「サガ」シリーズでは強敵を相手に“ひらめき”で新しい技を覚えて倒す気持ち良さがあるが、本作ではその逆転要素にもうひとつ加わった感覚だ。

なお、“連携”や“独壇場”は敵も使用してくるのでスリリングなバトルを体験可能だ。全体の爽快感は上がりつつも、「サガ」らしい歯ごたえのあるバトルを体験できる。「サガ スカーレット グレイス 緋色の野望」のような難易度選択はないが、バトルに敗れて再挑戦したときは、初期連携率が上昇した状態で再戦できるようになっている。また、フィールドには自由に戦闘ができるスポットがあり、育成をしてから強敵に臨むことも可能だ。

バトルで大きく変わった点は種族が増えたことにより、戦略が深まったことだ。バラエティあふれる世界を旅することができるのは「サガ エメラルド ビヨンド」自体の大きな魅力であるが、登場するさまざまな種族たちは技や術の習得、成長方法などが異なっており、ゲームシステム的にも深い戦略を生んでいる。
人間やモンスター、メカなどは過去のシリーズにも登場したが、本作には新たに戦闘中に使われた技を真似て習得する“クグツ”、LPを消費して強力なブラッド技を使う“吸血鬼”、戦闘を重ねるとLPが減り、LPが尽きると次世代に技を継承する“短命種”といった新種族が登場。それぞれの種族の得意なことや不得意なことを理解しながら戦っていくのが楽しい。また、御堂綱紀編だと前半は主人公の綱紀以外は全員がクグツのパーティで進むことになったりと、主人公ごとに違いもあった。ここは「サガ フロンティア」に近いかもしれない。


バラエティあふれるストーリーが展開
ストーリーに関しては、「サガ」シリーズや「サガ フロンティア」と同じように複数の世界を冒険していく内容。和風だったりダークだったりと異なる雰囲気が楽しめるが、とくに注目なのはイトケンこと伊藤賢治さんの音楽だ。バトル曲のアツさで話題になる伊藤さんだが、本作の曲を聴くことで多彩な引き出しを持っていることを改めて知ることができる。とくに魔法少女モノの要素があるアメイヤ編の音楽はこれまでの「サガ」シリーズでは、なかなか聴くことができなかったものなので必聴だ。

また、ストーリーのなかにはさりげなくこれまでの「サガ」シリーズをプレイしているとニヤリとするような要素も多い。アプリで展開している「インペリアル サガ エクリプス」「ロマンシング サガ リ・ユニバース」はシリーズの垣根を越えたイベントもあるが、コンシューマのシリーズでは作品の世界観は完全に独立していたので、こういったファンサービスは新鮮でおもしろい。



各キャラクターのストーリーもしっかり用意されている。前作の「サガ スカーレット グレイス」はコアとなる部分以外の要素を極力排除した作りとなっており、ストーリーもユーザーが想像して楽しむところが多かった。本作はそんな「サガ スカーレット グレイス」に比べると、丁寧にストーリーが描かれており、戸惑うことなくプレイすることができる。そのため、「サガ」シリーズをプレイしたことがない人の入門としてもオススメできる。

実際のストーリー展開などは製品版でのプレイを楽しみにして欲しいが、ディーヴァ ナンバー5であれば、序盤で人間としてのボディを失い、可愛らしいロボの姿になって冒険することになるなど、予想できない展開が多く、おもしろい。また、アメイヤ アシュリン編ではネコを集めることでキャラクターを強化していく独自の要素も存在する。



ゲームのなかの選択も多彩で、ひとつのイベントにも攻略方法が複数用意されている。選択肢は正解のようなものを選ぶよりかは自分が最善となるものを選ぶようなものになっており、TRPGを遊んでいるような雰囲気を味わえる。また、違う主人公で同じワールドのイベントを体験したりすることもあるが、それぞれの主人公で違いもあり、比べる楽しさもあった。

ワールドには“エメラルドヴィジョン”というものがあり、イベントの発生する場所がひとめで分かるようになっている。ストレスなくゲームを進めることができるため、かなり現代向けになっていると感じた。


実際にプレイするまでは「サガ スカーレット グレイス」に近い作品を想像していたが、システムの進化や世界観の広がりに驚かされた。挑戦を続ける「サガ」シリーズの最新作にふさわしい内容になっているので、ぜひ発売を楽しみにして欲しい。
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