アトラスが2024年9月10日に配信を予定している「ペルソナ3 リロード」(以下、「P3R」)のダウンロードコンテンツ「Episode Aegis」の試遊インプレッションをお届けする。
「Episode Aegis」は、2007年発売の「ペルソナ3 フェス」(以下、「P3 フェス」)に収録された、「ペルソナ3」(以下、「P3」)の後日談。その衝撃的な展開と感情を揺さぶるストーリーは当時のユーザーの間で大きな話題を呼んだ。
「P3R」のプレビュー・レビュー記事を担当した時にも記載したが、筆者の「P3」作品、そして「ペルソナ」シリーズを通しても、最初に触った作品が「P3 フェス」だった。当時は本編はもちろん、「Episode Aegis」もプレイ。印象深いエピソードであったが、それ以降の「ペルソナ3 ポータブル」などには収録されなかったため、「いつかまたプレイしたい」と長年思っていた。
そして、「P3R」発売時から期待していた人も多かった「Episode Aegis」の追加。シリーズファンはもちろん、「P3R」から入ったという人でも本編のその後、「P3R」の完結を描いた物語ということで、注目している人も多いだろう。その「Episode Aegis」を冒頭ではあるが、一足先にプレイすることができたので、そちらの模様をお届けしていく。
…ちなみに「Episode Aegis」を紹介していく以上、一部「P3R」本編の物語について触れる部分がある。「Episode Aegis」の内容含め、極力ネタバレはしないよう心掛けていくが、気になる人は注意してほしい。また、「P3 フェス」の「Episode Aegis」をプレイしたと記載したが、17年前ということもあり、少し内容があいまいになっているかもしれない点は、ご容赦いただきたい。
「Episode Aegis」は、本編ラストで描かれた卒業式の少し後、3月31日から始まる。この日をもって、特別課外活動部(S.E.E.S.)の仲間たちと過ごした巌戸台分寮が閉鎖ということだったが、そこには岳羽ゆかりと真田明彦の姿はなかった。それぞれの道を歩み始めたという点では喜ばしいことだが、どこか寂しさを感じてしまう。
3年生には進級せず、ラボに戻ることを明かしたアイギス。桐条美鶴と真田の卒業を含め、それぞれの門出を祝うという意味を込めて、今いるメンバーで豪勢な食事をとることにした一同。…気が付けば時刻は間もなく0時。以前であれば影時間を迎えるが、今はその心配もない。はずだったが、0時を迎えた瞬間に不思議な感覚に襲われた一同。周りの様子に変化はなかったため、皆の気のせいということでその場を収めた。
その後、部屋に戻り休んでいたアイギスのもとに皆を助けてほしいと飛び込んできた山岸風花。彼女とともに寮のラウンジへ向かうと、メティスと名乗る者に襲われているメンバーたちが。
一度は勝利するも、彼女の発動した“オルギアモード”による攻撃で形勢は逆転。絶体絶命のピンチに陥った時、突如アイギスのペルソナ“アテナ”が、主人公の使用していた“オルフェウス”に変化。複数のペルソナを使い分ける“ワイルド”の力に目覚めたアイギスによって窮地を脱する、といった流れが「Episode Aegis」の導入を含めたあらすじとなる。
その後は、3月31日をずっと繰り返され“時間が空回り”する危機的状況が判明し、その状況から脱するため、メティスを仲間に迎え入れ、寮の地下に現れた謎の空間“時の狭間”を探索していくこととになる。
ネタバレ回避、プレイ時の楽しみを取っておくため、かなりざっくりとした紹介となったが、「Episode Aegis」をプレイしたことがない人は“なぜ主人公の姿がないのか”という疑問に直面するだろう。その答えについては「Episode Aegis」をプレイして確かめてみてほしい。
「Episode Aegis」では、操作キャラが主人公からアイギスに移るということで、気になっていたポイントがいくつかある。1つが“メニュー画面に変化があるのか”という点。「P3R」の発売前からそのおしゃれさで話題になったメニュー画面だが、「Episode Aegis」になってから変化はあるのだろうか。
一部確認できなかった部分もあるが、「P3」のイメージカラー“青”を基調としつつ、描かれているキャラは主人公からアイギスへと変更されていた。寮内で購入できる自動販売機でもアイギスとなっており、追加装備も含めて描かれていた。
もう1つ気になっていたのが“ダンジョン内での操作感”だ。敵とのエンカウント時の攻撃方法がどのようになるのか実際に確認してみたが、まずアイギスでは一定範囲に近づくと、ターゲットマークが表示。狙った敵は逃さず銃撃ですることが可能。また主人公と比べてみても、かなり遠距離から攻撃することができるようになっている。
ダッシュからの攻撃では、通常の攻撃よりも広い範囲を銃撃することができるのがポイントだ。
エンカウントから始まる戦闘について、基本となるシステムについて大きな変更というものはないが、アイギスの追加装備によるビジュアルや総攻撃後のカットインの変化、ワイルドに目覚めたことによるペルソナチェンジ、テウルギアの変更などは存在する。
テウルギアについては、「P3R」本編では確認できなかった新たなペルソナの組み合わせによる“ミックスレイド”も存在していたので、新たなペルソナを生み出していくという「ペルソナ」シリーズならではの魅力にさらに磨きがかかりそうだ。
そして、メティスが戦闘に参加するのも忘れてはならない。弱点属性がないという点は、「P3 フェス」の時から同じではあるものの、非常に心強い。また「P3R」からペルソナのスキル構成に変化があったと思うが、メティスのペルソナ“プシュケイ”についても習得するスキルから違いを確認できた。レベルアップに合わせて、どのようなスキルを覚えていくのか、楽しみなポイントの1つでもある。
さらに「P3R」からの新要素であるテウルギアは、メティスでも使用可能。本編でアイギスが使用してたのでおなじみの“オルギアモード”が発動できる。ゲージ上昇に関わる特性については、“アイギスからのシフトを受け取ると姉を救うために自らを奮い立たせる”といった内容のため、他キャラと比べるとかなりピーキーなものとなっている。
ちなみに、戦闘において注意しておいてほしい点がある。それがS.E.E.S.メンバーのレベルが下がっている、弱体化しているということ。しばらく戦いから離れていたこともあるが、本編から続けて「Episode Aegis」をプレイするという場合は、スキル構成などがだいぶ前の段階に戻っているということは頭に入れておいてほしい。
なお「ペルソナ」シリーズにおける大きな魅力の1つでもある楽曲に関して、「P3R」の試遊インプレッション時に発見し、驚きを隠せなかったチャンス・ピンチエンカウントによる戦闘楽曲の違いは「Episode Aegis」でも健在。通常・ピンチエンカウントでは「Mass Destruction -P3fes Reload-」が、チャンスエンカウントでは新戦闘曲「Don't」が流れる仕様となっており、初回戦闘時にはどちらも聴き入ってしまった。
今回の試遊では、新OP曲「Disconnected」を聞くことは叶わなかったが、別の機会の楽しみとして取っておきたい。また「P3 fes -Reload-」は存在しているものの、本編では未使用とのことが事前情報で判明している。ただこちらについては「Episode Aegis」の発売日と同日よりサブスクリプションサービスなどで配信されるオリジナル・サウンドトラックCDに収録されるようなので、こちらも楽しみにしておきたい。
「P3 フェス」の発売当初、17年振りに「Episode Aegis」を冒頭部分ではあるものの、プレイしたわけだが、「P3R」でグラフィックが一新されている手前、本編をプレイした時と同様に、新鮮味をもって遊ぶことができた。
特にメティスについては、「P3R」のグラフィックで描かれている手前、より魅力的だなと言動の一挙手一投足を見つめてしまった。姉と呼ぶアイギスに対しては、重いとも言える、ヤンデレにも似たセリフを序盤からぶつけていたわけだが、表情やしぐさも分かるくらい描かれているのを見たら、「これは許せるかも…」とその魅力に取り込まれてしまいそうになった。
内容については、シリーズファンはもちろん、「P3R」から入ったという人も満足できるものとなっているので、主役であるアイギスの起動日でもある9月10日の配信を楽しみにしておいてほしい。
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※画面は開発中のものです。
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