8月21日~23日にかけて、パシフィコ横浜 ノースにて開催のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2024(以下、CEDEC2024)」。8月21日に行われた「神は細部に宿る!『学園アイドルマスター』のこだわり抜いた3Dキャラクター・背景制作」の内容を紹介する。
「学園アイドルマスター」の魅力のひとつとして挙げられるのは、従来のモバイル水準を超えるリッチなキャラクターモデルや、リアルライブの臨場感を味わえるライブステージだ。
本セッションでは、同作におけるキャラクター・背景の3D制作事例を紹介。本作の開発を務めるQualiArtsより、3Dディレクターの杉村貴之氏、テクニカルアーティスト室 テクニカルアーティストの見原朋也氏が、開発において実際に取り組んだことを中心に解説していった。
本作における3Dビジュアルのコンセプトとして掲げられているのは“みずみずしさ”。これまでQualiArtsが培ってきた技術を活かしつつ、モバイル3D美少女の最高クオリティを目指したという。
また、ゲームのコンセプトに伴ってライブシーンはソロライブという条件があったが、その中での最大限のクオリティを実現するべく、キャラクターモデル1体としての表現力・個性・実存感を増したり、リアルライブの臨場感を生み出すシーン・背景の作成に取り組んでいったそうだ。
キャラクターの表現要素として重視したのは、演出的なライティングを施すことで魅力的な画を作れるキャラクターモデルとシェーダ、髪の毛・肌表現の向上、身体造形の個性表現、衣装造形の作り込み、生き生きと表情、アイドルの魅力を底上げする揺れものとなっている。
ここからは各項目に切り分けるかたちでそれぞれの仕様などを紹介していった。全てに触れると膨大な量になるためここでは一部にフォーカスするが、例えばリリース前から話題となっていたメッシュに1体約6万ポリゴンを使用していることをはじめ、キャラクターのライティングに用いるライトの種類、肌などの陰影や衣装の質感を生み出すテクスチャのバリエーション、フェイシャルの仕様紹介に付随した鼻ポチ制御の仕組みなど、多岐にわたる項目が紹介されていった。
加えて、キャラクターモデル制作におけるこだわりとして、身体造形を個々に制作していることなども解説された。髪の毛の書き込みなども含めて、しっかりとキャラクターごとの差別化が図られているというのが、こうした点からもよく分かる。
続けて、ライブにおける仕様として観客およびステージ表現に関する紹介が行われた。キャラクターがフォーカスされることは多いが、観客自体がどのように設計されているかや、リアルライブの臨場感を出すためのステージ上の仕掛けをどう実現しているかという点がさまざまな表現手法を通して語られた。
今回のセッションは約1時間ノンストップで進行していったが、それでも収まりきらないほどに「学園アイドルマスター」における3Dビジュアル表現にはこだわりが詰め込まれていることが分かる内容となっていた。より詳しく確認したい人はタイムシフトにて視聴してみてほしい。
CEDEC2024公式サイト
https://cedec.cesa.or.jp/2024/
THE IDOLM@STER(TM) & (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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