コナミデジタルエンタテインメントより本日8月28日に配信となったPS5/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Steam向けタイトル「Castlevania Dominus Collection(キャッスルヴァニア ドミナス コレクション)」のプレイレポートをお届けする。
目次
本作は、「悪魔城ドラキュラ」シリーズの過去3作品を収録したダウンロードタイトル。さらに、1988年に稼働したアーケード版「悪魔城ドラキュラ」と、アーケード版「悪魔城ドラキュラ」をアレンジした「悪魔城ドラキュラ Revisited」の2作品もボーナス作品として収録されており、合計すると5作品がプレイできる。
「悪魔城ドラキュラ」といえば長く続くシリーズで、さまざまなハードで登場してきたタイトルだ。ファンとしては過去のシリーズ作品をプレイしたい人がいると思うが、古いハードになるとプレイするのがなかなか難しいのも事実だ。
このダウンロード作品に収録されている「悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架」、「悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス」、「悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印」はニンテンドーDSで発売されたタイトルなのだが、ハード自体を手にするのもハードルが高めだし、ソフトによってはプレミアがついていることもある。そういった作品が改めてプレイできるのは、それだけ価値があることなのだ。
本稿では、本作に収録されている各作品のプレイレポートをお届けしていく。
ソウルの力を使ったアクション要素が楽しい「悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架」
「悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架」の特徴は、敵を倒して得られる「ソウル」と武器を組み合わせて新たな武器を生成できるシステムだ。さらに、ソウルを装備することで、そのモンスターの能力の一部を使えるのも特徴的である。また、ボスを倒したあと魔封陣システムで封印するというのもユニークなポイントだった。
なお、この魔封陣はニンテンドーDS版ではタッチパネルを使用していたが、今回のコレクションタイトルでは順番にボタンを押すことで封印することが可能になっている。このようにプレイアビリティを向上させているのも本作の特徴である。
今回は序盤のみのプレイだったが、戦闘の難易度はそこそこに高いと感じた。特にボスは攻撃ボタンを連打すれば勝てるようなものではなく、立ち回りや、敵の攻撃を上手く避けることが求められる。
アクションゲームに慣れていればそれほど困らないと思うが、それなりに難しいという印象だ。このことから、やりこみがいがあると感じた。本作では、武器やソウルをどう使うかが攻略の鍵になる。ソウルを集める楽しさや豊富なやりこみ要素も用意されているとのことで、この一作だけでもかなり長く楽しめるだろう。
二人の勇者が紡ぐ絵画世界の冒険「悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス」の魅力
「悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス」の特徴は、2人の主人公キャラクターがいること。切り替えながら進むこともできるし、一緒に行動することもできる。
特筆すべきは、片方のキャラクターを特定の場所に待機させる機能。ギミックによってはその機能を使って先に進むような仕組みもあり、ちょっとした謎解きが楽しめるのが魅力となっている。
本作のもう一つの核心となるのが場内に点在する「絵画」の存在だ。「悪魔城ドラキュラ」シリーズといえば城の中を探索するというイメージがあるが、今作では城に飾ってある絵画の世界に飛び込むことができ、それぞれの絵の中には特色が異なる世界が広がっている。
つまり、城内の探索と絵画世界の冒険が融合し、広大なマップを探検できるのだ。このコントラストや広さは本作の特徴である。ほかにも特定の条件が提示されるクエストシステムがあり、それを達成することで新しいアクションを習得できることもある。これらの革新的なシステムにより、本作は従来のアクションゲームの枠を超えた、唯一無二の体験を提供している。
「グリフ」が織りなす新たな闘い。「悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印」の面白さ
「悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印」の特筆すべき特徴は、革新的な「グリフ」システムにある。XボタンとYボタンそれぞれにグリフを割り当てる事ができ、このグリフを使って敵を攻撃する。グリフの使用はMPを消費するが、静止時の自然回復により、少なくとも序盤では困ることがなかった。
探索システムも独特で、マップ上の複数の特定地点を巡る形式を採用している。ロケーション毎に異なる雰囲気になっているとのことで、それらを探索していくのも楽しさの1つになりそうだ。
3作品共通の「図鑑」機能は、ソウルや装備などのコレクション要素を網羅的に閲覧できる。これにより、見逃しがちな要素も発見でき、ファンにとっては嬉しい要素となっている。
「悪魔城ドラキュラ」シリーズの醍醐味である、マップ探索と踏破要素を楽しめるのも魅力だ。ニンテンドーDSはスクリーンが2つあるので、片方にマップが表示されていたとのことだが、それらはコレクションタイトルでは画面右側に表示される。ニンテンドーDSの時と完全に同じプレイフィールというわけではないが、これは遊びやすいシステムだと感じた。さらに、設定変更により、ニンテンドーDS時代の上下分割画面表示も再現可能だ。
ボーナス作品の「悪魔城ドラキュラ Revisited」も面白い!
そして、アーケード版「悪魔城ドラキュラ」と、それをアレンジしたボーナス作品の「悪魔城ドラキュラ Revisited」も楽しめた。
アーケード版「悪魔城ドラキュラ」は、その高難度さで知られている。というのも当時のゲームセンターではプレイヤーに何度もプレイしてもらうことで、プレイ料金を集めるというゲームシステムだったため、長くプレイされない方が良いのだ。そのため難易度は高めになっているが、今回の作品ではプレイ料金が不要なので何度も挑戦すればいつかはクリアできるかもしれない。
「悪魔城ドラキュラ」シリーズの特徴である高品質な楽曲は健在だ。アーケード版では当時の音源を忠実に再現し、レトロな魅力を存分に味わえる。
本コレクションのポイントとも言える「悪魔城ドラキュラ Revisited」も取りあげたい。これはアーケード版のアレンジ作品ということになっているが、個人的にはかなりゲームが変わっているように感じた。確かに登場するギミックなどは共通している部分があるが、かなりアレンジされており、難易度は調整されている。アーケード版に比べるとかなり遊びやすくなっているし、プレイフィールはかなり異なるだろう。
またBGM面でも音源はかなりリッチになっており、どちらのBGMも本当にカッコよく、それだけでもかなり満足度は高かった。
またあるタイミングで、KONAMIと言えば……というコマンドを入力するとステージセレクト機能で全ステージがアンロックされるという。これらを使えばクリアに近づくことができるだろう。
「Castlevania Dominus Collection」の魅力は、稀少な過去作品へのアクセスだけでなく、近代的な便利機能の追加にもある。「悪魔城ドラキュラ Revisited」(※)を除く全作品で中断セーブや巻き戻し機能が実装され、プレイアビリティが大幅に向上している。
※代わりに「悪魔城ドラキュラ Revisited」は「ステージセレクト機能」が実装され、ON/OFFで切り替えが可能
図鑑要素は面白いし、当時の開発時の資料や説明書のデータを見られるコレクション要素も楽しいところだ。これらの作品を過去にプレイした場合は再度プレイできる機会とも言えるし、シリーズ作品のファンとしてはプレイしにくいタイトルを遊ぶこともできる。
本コレクションは、アクションゲームファンから熱烈なシリーズマニアまで、幅広い層に訴求する作品となっている。シンプルに名作を楽しみたい人も、「悪魔城ドラキュラ Revisited」という新たな挑戦を求める人も、それぞれに満足できる作品になっているのだ。
(C)Konami Digital Entertainment
※画面は開発中のものです。
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