「太鼓の達人ドンダフルフェスティバル」家庭用シリーズ初となる120fps対応となった移植版の特徴や「太鼓の達人」の今を聞くプロデューサー・上田彩乃氏にインタビュー

インタビュー
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バンダイナムコエンターテインメントよりPS5/Xbox Series X|S/PC(Windows/Steam)版が2024年11月7日発売予定の「太鼓の達人ドンダフルフェスティバル」。家庭用ゲーム「太鼓の達人」プロデューサーを務める上田彩乃氏に話を聞いた。

「太鼓の達人ドンダフルフェスティバル」家庭用シリーズ初となる120fps対応となった移植版の特徴や「太鼓の達人」の今を聞くの画像

――「太鼓の達人」はアーケードゲームとして稼働して以降、現在もさまざまなプラットフォームで展開していますが、シリーズの現状をお聞かせいただけますか?

上田:「太鼓の達人」は歴史の長いシリーズで、2001年に最初にアーケードゲームとして始まり、3年前の2021年には20周年を迎えました。2002年からは家庭用ゲームを発売し、今ではスマートフォンアプリもリリースされ、マルチなプラットフォームで楽しんでいただけます。

長く続いているということもあって、やはり子供から大人まで多くの方に楽しんでいただいていますし、当時遊んでいた方が今はお母さんやお父さんになって子供といっしょに遊んで、みたいな感じですごく幅広い年代の皆さまに遊んでいただいていると感じています。

ゲームセンターで太鼓を叩く経験をしていただいた方が、お家で遊べるかたちとして家庭用ゲームを買っていただいて、家庭で遊んでいただいている方も多いですが、初めて遊んだのが3DS版などの家庭用という方も結構いらっしゃいます。

――世代によって接点やプレイのアプローチが違っていて、それぞれが感じる「太鼓の達人」というのも少しずつ違っている感じなんですね。

上田:ただ、やはりアーケード版でも家庭用でも太鼓を叩く体験を楽しんでほしいので、家庭用では3DSでタッチ操作で表現したり、専用コントローラー「太鼓とバチ」を出したりもしています。

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――すでにNintendo Switchで出されていた「太鼓の達人ドンダフルフェスティバル(以下、ドンダフルフェスティバル)」をほかの現行機種でリリースすることになった理由をお聞かせください。

上田:元々「ドンダフルフェスティバル」を作るにあたって考えていたのは、「太鼓の達人」はユーザーが幅広く、ライトな方が友達や家族と遊んだりする一方、とにかく難しい曲を極めたい、という方もいて、それぞれに遊び方が違うということです。

1人でコツコツと遊びたい人もいれば、みんなでわいわい遊びたい人もいる。そういったあらゆるニーズにお応えするために「ドンダフルフェスティバル」はいろんなモードを入れています。コツコツ遊びたい人は演奏モードやオンラインマッチを楽しんでいただいて、みんなでわいわい遊びたい時のためにパーティーゲームを入れています。また、上手くなる途中の方に向けては上達サポートを入れていたりします。

また、アニメの曲が好きな人、難しい曲が欲しい人、さらには海外の人も含めてそれぞれに好きな曲も違っているので、700曲以上が遊べるサブスクリプションサービス(太鼓ミュージックパス)も用意しています。収録するモードとしても曲としても幅広い人が楽しめるゲームにしようと取り組みました。

その上で、「ドンダフルフェスティバル」をより多くの人にプレイして頂くために、PS5/Xbox Series X|S/PCに移植しました。

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――ハード側のスペックが上がることで新たに取り組んだことはありますか?

上田:今回移植するにあたって売りにしているのは120fpsに対応しているというところです。普通に遊んでいる分にはあまり分からない部分かもしれませんが、普段から難しい曲とかをやるような人からするとすごく滑らかというお声もいただいたりします。今のゲームセンター版は120fpsなので、ゲームセンター版のプレイヤーの皆様にも満足いただけるのではと思っています。

――確かにリズムゲームのジャンルではタイミングはすごく重要な部分ですよね。

上田:“おに”という特に難しい譜面は音符が次々にたくさん流れてくるので、そういう意味でもプレイしやすい環境だと思います。体験版をプレイしてくださった方からは、好意的な声をいただいています。

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――そのほかにNintendo Switch版からのフィードバックを得ての変化はあるのでしょうか?

上田:基本的には移植版になるのでそのままの内容になっています。ただ、Nintendo Switch版を遊んでいただいたお客様の感想などは拝見していて、随時アップデートをしているので、その内容で楽しんでいただけます。

――本作においてここは面白いから遊んでみてほしいというところはありますか?

上田:ゲームの舞台である「オミコシティ」にある「太鼓ランド」で遊べるパーティーゲームに注目して頂きたいです。例えば「ドンカツおもちゃ大戦」はデッキを組んで対戦するモードで、1回遊んで終わりではなく、いろいろなおもちゃの組み合わせによって出すお邪魔が変わって遊び方が変わってきたりするので自分だけのお気に入りのデッキを見つけていただきたいです。

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――複数人で遊ぶモードでも「どんちゃんバンド」は協力、「走れ!ニンジャ道場」は対戦といったようにバリエーションがあって、それも遊びたい人のニーズに応えるものになっているのかなと思いました。

上田:そうなんです。協力プレイがしたい人、対戦で1位になりたい人がそれぞれいると思うので、そのニーズがありそうだと考えながらモードを入れています。

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――その上で、面とふちを叩くという基本は何も変わっていないのがすごいですね。

上田:やはり「太鼓の達人」の基本的な遊びである、流れてくる音符を面とふちで打ち分けて遊ぶというところは変えてはいけないと思っています。

――太鼓ミュージックパスに関してはNintendo Switch版の段階からありましたが、移植版が出て以降も基本的には頻繁に追加していくのでしょうか?

上田:移植版が発売してからも毎月コンスタントに楽曲を追加していこうと思っているので、楽しみにしていただければと思います。

――そのペースですと、やはり盛り上がっているような楽曲はしっかり押さえていきたいという感じでしょうか。

上田:毎週開発と会議をやって、流行っているのはどんな曲かというのは話していますね(笑)。毎月楽曲を追加するにあたって、お子さんが好きそうな曲も必要ですし、流行りの人気曲も入れたいし、チャレンジしたくなるような難しい曲も入れて幅広く楽しんでもらえるようにしています。海外のプレイヤーもたくさんいるのですが、海外の曲はもちろん、日本のアニメ曲も人気だったりします。

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――ゲームセンター版をはじめ、近年では「太鼓の達人」のゲーム大会を結構やられている印象があるのですが、そうしたコミュニティの盛り上がりはいかがでしょうか?

上田:おっしゃる通り、ゲームセンター版の世界大会は何年かに1回あって、そこには大人も含めてとにかく上手い人たちが集まっています。一方で、家庭用ゲームでは小学生を対象とした大会も開催しています。「小学生ドンカツ王決定戦!」の模様はYouTubeでも公開していますが、小学生でも大会に出場してくれるような子たちは本当にめちゃくちゃ上手いです(笑)。

また、主催大会に限らず、例えば「東京eスポーツフェスタ」では毎年「太鼓の達人」を使った親子大会があったり、「ねんりんピックはばたけ鳥取2024」のeスポーツ部門で採用していただいたり、いろんな自治体からeスポーツの大会や体験会をやりたいといったお問い合わせも多くいただいています。弊社からもトーナメント戦がしやすいようキットもお渡ししていて、そうした支援を通してeスポーツの取り組みも広げていきたいと思っています。

――最後に発売を楽しみにされている方に向けてメッセージをお願いします。

上田:今回PS5やSteamも初めてというところで、新しいハードに期待していただいている声をいただいています。

移植版の新しい要素の120fps対応や新しいコラボのぷちキャラや楽曲も収録しているのでそれは楽しみにしていただきたいなと思いますし、太鼓ミュージックパスも毎月いろいろと曲を追加していくので、ぜひ長く遊んでいただけると嬉しいです。

――ありがとうございました。

2011年イクセル入社後、Gamerをはじめとした媒体の運営に携わる。好きなジャンルはRPG、パズル、リズム、アドベンチャー(ほぼギャルゲー)。実はゲームよりもアニメが大好きです。

※画面は開発中のPlayStation5版のものです。

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2025-11-18 09:05:49