千葉・幕張メッセにて9月26日~29日にかけて開催の「東京ゲームショウ2024」。本稿ではSelected Indie 80ブースにて展示中の、Steam用タイトル「KILLA」の試遊体験レポートをお届けする。
現実世界と精神世界を巡って、真実を探る
「KILLA」は、2025年5月にSteamにて発売を予定している、開発/販売:ケンキツ団(Black Tangerine)によるマルチエンディングタイプの、推理アドベンチャーゲーム。
残酷で美しい童話の絵本やペーパークラフトのようなアートを取り入れており、プレイヤーは師匠を殺害した犯人を探して復讐を遂げようとする少女ヴァルハラとなり、孤島でのティーパーティに招待された人物たちと会話し、特殊能力で相手の無意識の世界に入り込んで秘密を暴くことになる。
ゲーム画面は、頭身の高いリアリティのあるキャラクターの立ち絵と、実際に動かすことのできる3頭身キャラクターとが混在した、可愛らしくて繊細な雰囲気の画面になっている。
今回の試遊は、物語の冒頭から始まった。師匠に内緒でこっそり薬剤師の試験を受けにいっていたヴァルハラだったが、師匠の下に帰ってくると、師匠は死にかけていた。そして師匠は「“ラ”を殺せ」という一言を残して、この世を去ったのだった。
師匠の下に届いていた謎の招待状を手に、謎の孤島へとたどり着いたヴァルハラ。その孤島では、「ティーパーティ」なる催し物が開催されようとしており、そしてそこに集ったのは招待状を手にした6人(+ヴァルハラ)の参加者だった。不思議なのは、その参加者たち。
ララ。バニラ。シラ。ミカエラ。……などなど、みんな名前が“ラ”で終わっているのである。師匠の言っていた「ラを殺せ」とは、この“ラ”で終わっている名前の者たちの中の誰かのことなのだろうか?
さらに不思議なのは、本物の招待状は5枚しかないのに、参加者が7名いる、ということ。誰かが偽物の招待状でこのティーパーティに参加しているようなのだが……。
しかも、島にはウジの湧いた死体が放置されており、その死体を見つけたヴァルハラの前に謎の人物が現れ、ヴァルハラの招待状は偽物で最後のティーパーティが始まる前に本物の招待状を手に入れなければならないというのだ。
師匠を殺した「ラ」の正体、このティーパーティはなんのために開かれているのか、そして偽物の招待状と本物の招待状とは、……と、序盤から謎が洪水のように襲い掛かってくる。これらの謎を、島を歩き回りながら調査していくことになる。
今回プレイできた体験版では占い師の少女ララのエピソードをプレイすることができたが、ただララの部屋を捜索したりするだけではなく、ララの心の中も捜査することができたのは、おもしろかった。
現実と心の狭間で集めた手がかりから、相手の心の奥底に迫っていくようだ。
ララの場合は、精神世界で裁判を行う必要があった。裁判にて、ここまで集めた情報から、被告、原告、裁判官、証拠品の4つを正しい場所に置くことで、ララの心を暴くことができる、といった風だ。
この精神世界での裁判はなかなかに難しく、しかもヒントらしいヒントがなく、筆者は何回か間違えた結果(間違えてもバッドエンドにはならない)、開発陣にヒントを聞いてしまった。
この裁判パートや、血の色がピンクなことから筆者は「ダンガンロンパ」を思い浮かべたのだが、開発の尹世恩氏によれば、やはり「ダンガンロンパ」や「逆転裁判」、「キミガシネ」あたりのタイトルに特に影響を受けて制作しているとのことだ。
推理物の難度としては少々高めに感じたが、ライト層から玄人まで、どの辺りの層をターゲティングしているかというと、中間のミドル層とのこと。だが裁判パートは試遊でも少々手こずる人が多いようで、今後さらなるヒントの改善なども検討していくという。
ちなみにマルチエンディングとのことだが、大きなエンディングは3つあり、また各キャラクター個別のエンディングなどもあわせるとそこそこな数のエンディング数になるとのこと。さらに1周のプレイ時間は大体15時間ほどだそうだ。
2024年3月にはバンダイナムコ主催の「2nd GYAARインディーゲームコンテスト」でAward Winnerを受賞するなど、非常に注目作となっている「KILLA」。Steamでは既に体験版をダウンロードできるので、推理アドベンチャーが好きな人にはぜひプレイしてみてもらいたい。
なお、日本語訳が若干微妙なところがあったが、その精度も今後上げていくとのこと。リリース予定日の2025年5月までに細かい点でのクオリティアップはされていきそうなので、楽しみにしていてほしい。
Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/2524200/KILLA/?l=japanese
(C) Black Tangerine
※画面は開発中のものです。
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