ミニチュアゲーム「Warhammer 40,000」の世界観を用いた協力型シューター「Warhammer 40,000:Darktide」(以下、「ダークタイド」)のPS5版が、2024年12月3日に発売。PC版をプレイしていたライターが改めてPS5版に触れ、その特徴と魅力を紹介していく。

目次
  1. メリハリのある戦闘と、自然にチームプレイ感が演出される戦場演出が魅力的!
  2. ウォーハンマー40,000の世界観を味わう作品としても超おすすめ!!

「ダークタイド」は、世界中で大きな人気を誇るミニチュアゲーム「Warhammer 40,000」の世界観を使った、協力型シューターだ。ベテラン、ジーロット、サイカー、オグリンの4クラスからキャラクターを作成し、異端に汚染された地下都市でミッションを遂行していくことになる。

ウォーハンマー沼にどっぷりと浸かっている筆者としては、この魅力的な世界についてもぜひ触れていただきたいのだが、ひとまずミニチュアゲームや「Warhammer 40,000」という作品については最後に触れることとし、まずはゲームの概要についてお伝えしておこうと思う。

大波のごとく群がってくる異端者どもを蹴散らす協力型シューター「Warhammer 40,000:Darktide」PS5版をレビュー!の画像

メリハリのある戦闘と、自然にチームプレイ感が演出される戦場演出が魅力的!

本作は協力型シューターということで、ミッション中は4人1組のチームとして行動していく。自動マッチメイクシステム形式なので、事前に友人とグループを組んでいなければ、同じ時間に遊んでいるどこかのプレイヤーとマッチングすることになる。もし相手が見つからずとも、BOTが仲間として同行するため、単独で攻略するということにはならない。

操作するキャラクターは、4クラスから選んで作成できる。射撃を得意とするオールラウンダーのベテラン(古参兵)、信仰の力で味方を鼓舞し、果敢に切り込んでいくジーロット(狂信者)、魔法使いのように異能の力を操るサイカー(異能者)、巨体を生かした強力な突破力を誇る亜人・オグリンだ。

大波のごとく群がってくる異端者どもを蹴散らす協力型シューター「Warhammer 40,000:Darktide」PS5版をレビュー!の画像
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作成したキャラクターはそれぞれ固有のセーブデータとなり、ミッションを通して獲得する経験値でレベルをあげ、スキルなどをアンロックしていく仕様だ。そのため、クラスレベルなどはセーブデータ固有のものとなる。

セーブデータは複数作成できるため、すべてのクラスでプレイすることは可能だが、経験値の共有などはできないと覚えておこう。

さて、本作におけるゲームとしての魅力は、やはり無数の敵が攻めてくる中を突っ切ってミッションをこなしていく爽快感と緊迫感だろう。

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本作も「Left 4 Dead」に代表される協力型シューターの流れを汲んでおり、複数のプレイヤーが連係しつつ、数による敵の暴力を切り抜けていく感覚をしっかりと味わえる。

もちろん敵である異端者たちは、ただ漫然と突撃してくるわけではない。ウォーハンマー40,000の世界観を使っているため、ゾンビのように緩慢に近づいてくる敵もいれば、遠くから射撃してくる敵もいるし、巨大なディーモンといった超常的な敵も登場する。

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これらの多彩な敵が、ミッションごとにランダムなタイミングでウェーブを形成して襲い掛かってくるので、同じステージであっても毎回異なるプレイ感を得ることができ、つねに程よい緊張感を保てるのが良い。

ミッションも複数種類があり、最奥にいるボスを倒すもの、施設からの脱出を目指すもの、特定のオブジェクトを破壊するものなどさまざまだ。

ほとんどのミッションは、最終的には輸送機やエレベーターで脱出することで終わるのだが、ウェーブに追われるなか、輸送機に到着した味方が別プレイヤーの脱出を援護する場面などは、個人的にチームプレイ感が高くて好きな部分だ。

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同ジャンルのゲームをプレイしたことがある人はご存じかと思うが、本作にもプレイヤーの動きを封じるようなタイプの敵が出現する。噛みついて拘束するハウンド(犬)や、電磁ネットで捕縛するトラッパーなどだ。こういった攻撃を喰らってしまった場合、自分で脱出することはできないため、味方プレイヤーが助けなければならない。

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一方で、火炎放射器やグレネードを投げてくる敵と戦う際は、味方が固まっていると同時にダメージを受けてしまうため、ある程度の距離を保っていたくもある。加えて、複数のオブジェクトを起動する必要があるミッションや、オブジェクトを探す必要があるミッションなどは、個別に探した方が効率的なこともあるため、味方との距離感はとても重要だ。

眼前の敵だけに意識を取られているとチームが壊滅寸前ということもあるため、つねに味方の位置は確認しておきたい。敵やアイテムをワンボタンで強調表示することもできるため、ボイスチャットがなくとも最低限の連係を取ることは難しくない。

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ミッションをクリアすると、ミッション難易度に応じた経験値や、報酬として武器を得ることができる。武器は近接武器と遠距離武器の2種類を装備することができるのだが、装備の種類も非常に豊富だ。

連射できるアサルトライフルや、近距離火力に優れたショットガンといったお決まりのもののほか、火炎放射器やSF世界ならではのレーザー銃なども存在。またウォーハンマー40,000の世界では、SFでありながらも近接戦闘も重視している世界観なので、近接武器のバリエーションも豊かだ。

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とくに剣の刃の部分がチェーンソーになっているチェーンソードなどは、ウォーハンマー40,000世界の代名詞ともいえる武器だ。回転する刃で敵をガリガリと削り斬るのは独特な快感があるので、ぜひ一度使ってみてほしい。

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キャラクターの育成ももうひとつの魅力だ。キャラクターのレベルが上がることで、ミッション中に有効になるパッシブスキルなどをアンロックできる。ツリー形式になっており、プレイヤーが自由に選択して強化していくことが可能だ。単純に能力値が上がるものから、固有の戦闘スキルを置き換えるものもあるため、プレイ感にも影響していく。

スキルツリーのポイントは自由に振り直しができるため、気楽にいろいろな振り分けを試しやすいのもありがたい。

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また武器種ごとにも熟練度が設定されている。いわば武器版のレベルのようなもので、レベルを上げることで、キャラクターのパッシブスキルのようなものを取得していくことが可能だ。ただし、キャラクターレベルと違い、経験値は熟練度を上げたい武器種に属する武器で戦わないと蓄積されないため、ある程度育てたい武器が決まっているなら、同じ武器種を使い続けるのが良さそうだ。

といったものの、本作にはいらない武器を消費することで、任意の武器種の熟練度に変換する設備もあるため、そこまで神経質にならずともいいのも嬉しい。

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ちなみに武器にはメインとなる性能のほかに、ランダムで付与される副次効果が存在する。いわゆるトレジャーハント要素だ。レベルを上げている最中は、ただアイテムパワーが強い武器を乗り換えているだけで十分だが、レベル上限に達したあとは、この武器種を吟味して理想的な装備を追求していくことになるだろう。

ただミッションをプレイしているだけでもおもしろいが、そこにキャラクター育成要素が加わったことで、ゲームとしてやり込む部分も多いことが、本作の魅力だ。

ウォーハンマー40,000の世界観を味わう作品としても超おすすめ!!

ここからはウォーハンマー40,000という作品の側面から、本作の魅力を見ていこう。まずウォーハンマー40,000について簡単に説明すると、世界でもっとも人気があるといっても過言ではないほどのミニチュアゲームだ。

そもそもミニチュゲームは、小さなミニチュア(昨今は大きなものも増えてきたが……)をコマとして用いる卓上ゲームのジャンルで、ウォーハンマー40,000はそのうちのひとつ。

人類が反映して宇宙へと生息圏を拡大した遠未來を題材としており、宇宙へと活動の場を広げた結果、多種多様な異種族と遭遇、生存権を賭けた戦争を繰り返しているという世界観となっている。

特徴的なのは、なんといってもその世界観だ。宇宙へと進出するほどの技術を得たものの、さまざまな災害によって大半の技術は失われてしまい、遺された技術と歪んだ信仰によって成り立つ、退廃的かつ独自の宗教感溢れるダークファンタジーな世界となっている。

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実際、唯一無二のこの世界観は多くのファンを獲得しており、ビデオゲームとしても多くの作品を生み出している。昨年発売され、高い評価を得たアクションゲーム「スペースマリーン2」などが記憶に新しい。

その「スペースマリーン2」では、人類の守護者たる改造人間“スペースマリーン”が主役だったが、本作はそうではない。本作でプレイヤーが操作するのは、もっと矮小な存在である、ただの人間だ。まあ亜人であるオグリンもいるが、いずれにせよスペースマリーンほどの一騎当千な力は持っていない。

オープニングでわかることだが、プレイヤーキャラクターたちは何らかの罪を犯し、投獄されている身だ。結果的に命は助かるものの、囚人兵として多層都市の浄化の尖兵として使われることになる。

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敵となるのは渾沌を崇める異端者たちや、彼らが呼び出したディーモンなどだ。この世界には暗黒の神々が存在し、絶えず人間を誘惑している。神々にかどわかされた異端者たちは、都市の深部に潜み、人類の敵として暗躍しているのだ。

スペースマリーンは確かに人類の守護者ではあるが、彼らの戦場は星々が消滅するような規模の戦闘であり、本作のような(比較的)規模の小さい事件においては、囚人兵が使われるということだ。

ちなみにキャラクター作成時には、このキャラクターの出身惑星やどのような生活を送ってきたのか、そして何の罪を犯して捕まったのかを選択することになる。これらの設定はゲームには関係ないのだが、TRPG的でおもしろいし、何よりウォーハンマー40,000の世界で一般人がどのような生活を送っているのかがわかるのも、ファンとしてはたまらない。なかにはケイディアなど、ファンなら馴染み深い単語も登場する。

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なお、この世界の一般人は消耗品的な扱いなので、基本ろくでもない人生を送っている。捕まることになった理由も、上官に口答えをしたとか、ちょっと信仰についての捉え方が違ったとかそんな理由である。

ウォーハンマーファンである筆者が個人的に推したいのは、まずオグリンがプレイできることである。スペースマリーンや一般兵がプレイできるウォーハンマーは数あれど、オグリン視点でプレイできるのはかなりレアだ。しかも顔のカスタマイズも可能!

ちゃんと実際の視点も高いし、固有スキルの突進はオグリンらしさ全開なので、使っていて楽しいのも良い。

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もうひとつがサイカーだ。サイカーが使うサイキックパワーの出どころは、実は渾沌である。暗黒の神々の領域の力なのだ。そこから力を引き出しているため、リスクがかなり高い。設定的に言えば、精神が崩壊したり、肉体が変異したりと、しっかりと制御しなければ悲惨な最期を迎えることになるのがサイカーという人種だ。

本作では、サイキックを使いすぎると頭が爆発して戦闘不能になる。しかも強靭なスペースマリーンのサイカーではなく、あくまでも一般人のサイカーなので、使用上限もそこまで高くない。なのでサイカーでプレイする場合、サイキックの危険度をチラチラ確認しながらプレイすることになる。サイキックの危険さと隣り合わせな感じを味わえるのが嬉しいし、上限を超えると無慈悲に倒れるというのも設定を重視していて非常に良い。

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マップの作り方も最高だ。建築計画など関係ないといわんばかりの、増築に増築を重ねてダンジョンのようになった多層都市がしっかりと表現されている。たまに行き先がわからなくなることもあるが、「ウォーハンマーの人類の都市なら、まあそうだよね」で納得できる。

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反面、敵の多さがちょっと気になる。ゲームとしてはワラワラ出てくるのは正解なのだが、設定的にみると「こんなに渾沌汚染された人間がいるなら、この都市はもう終わりでは……?」と思わなくもない。なんか囚人4人で対抗するには厳しいディーモンも出てくるし……。

と言っても、この辺りを追求するのは野暮というもの。ゲームである以上おもしろさを追求するのは正しいし、実際におもしろいから良いのだ。

とくに友人たちとボイスチャットをしながら遊ぶにはもってこいのゲームだと思うので、友だちと遊べるおもしろいゲームをお探しの方は、ぜひ遊んでみてほしい。ウォーハンマーを知らずとも問題はない。ちょっとNPCが何を言ってるかわからなかったり、単語の選び方のクセの強さが気になるかもしれないが、それがウォーハンマーの味なのだと思ってよく味わってほしい。

もちろん、ウォーハンマーファンであれば絶対に損しないので、ぜひ遊ぼう。

2008年から、主にゲームメディアを中心に活動しているフリーランスライター。海外ゲームを遊ぶ比率が多く、ファンタジーやSFがテーマのものが大好物。特にミニチュアゲームの「ウォーハンマー」やTRPGの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は、もはや人生になくてはならないものとなっています。

それはそれとして日本のかわいいキャラも好きで、「Fate/Grand Order」や「ウマ娘」もプレイ。最近は「ウマ娘」の影響でダンスを始めました。

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