サイバーコネクトツーから2025年5月29日に発売されるドラマティックシミュレーションRPG「戦場のフーガ3」のレビューをお届けする。
本作は、イヌヒト、ネコヒトの世界を描く“リトルテイルブロンクス”の流れを汲む「戦場のフーガ」シリーズ3部作の完結編。PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam、Epic Games Store、Windows)と、さまざまなプラットフォームでプレイ可能となっている。

本稿は、ゲームの最序盤である第1章クリア時点でのPC版のレビューとなる。本日(3月15日)開催の“ハピネットゲームフェス!~2025 春の陣~”でも試遊が可能となっているので、気になった人はぜひ触れてみてほしい。
世界観の理解を促す“ケモペディア”で至れり尽くせり
「戦場のフーガ3」の第1章は、前作、前々作のハイライトから幕を開ける。このハイライトはかなり短めにまとめられたものとなっており、これとは別にメインメニューからはかなり掘り下げた過去作の振り返りを見ることができる。
また、本作独自の固有名詞は“ケモペディア”から確認が可能。ケモペディアは敵とのバトル中以外のほとんどの状況ですぐに開くことができ、過去作から登場してきた固有名詞の意味を思い出したくなったときなどに便利だ。これらの機能により、過去作をプレイしていない人も「戦場のフーガ3」から問題なく楽しめるだろう。


プレイヤーにとっては親切設計と言えるが、それと真逆を行くように、ストーリーはマルトたち作中の登場人物にとって、序盤から過去最高に過酷な展開が待ち受けている。本稿で多くは語らないが、ボロボロになりながら戦う子どもたちの中に、マルトの姿はない。この第1章がどのような結末を迎えるのかは、ぜひ自身でプレイして確かめてほしい。


最大で200%のダメージを与える“弱点コンボ”と大技“バーストアタック”で駆け引きの奥深さと爽快感アップ!
第1章はゲームシステムのチュートリアルを兼ねているのだが、前作を踏襲している部分は改めてガイドに従って復習するか、自由にプレイするかを選択できる。過去作をやり込んでいる人も、設定やシステムの多くを忘れてしまった人や「戦場のフーガ3」から初めてプレイする人も、自分にあったほうを選べるのは幅広いプレイヤーに気を配ってくれているからこそだと感じる。
やはり、赤・黄・青に割り振られた属性の弱点を突ける子どもを都度配置することで敵の攻撃順を遅らせる、戦術性が高いバトルは過去シリーズに引き続き楽しい。ここに新たに加えられるシステムのひとつとして、第1章から導入されるのが“弱点コンボ”だ。これは弱点を突く攻撃を連続で発生させるたびに攻撃力の倍率が20%ずつ上昇するというもの。5回繋げば最大で200%(通常の2倍)もの攻撃力が出る。この新システムが駆け引きの奥深さと爽快感の両方を引き上げている。


たとえば、前作、前々作でも「弱点を突くよりも、いまはスキルで硬い敵の装甲ランクを落としておきたい」といった局面があった。同じような局面は「戦場のフーガ3」にもあるのだが、装甲ランクを落とすスキルの“ピアスショット”は攻撃力自体があまり高くないので、これが弱点コンボで“攻撃力200%”に強化されても、恩恵はそこまで大きくないだろう。同じコンボが途切れる行動を取るなら、敵全体に大ダメージを与える“シェルフェスティバル”を200%の威力で叩き込んでから“ピアスショット”を使ったほうがいいかもしれない。こうした判断により敵に壊滅的な損害を与えられたときは強い興奮を覚えた。
さらに、弱点コンボを繋げるほど増加する“バーストシンボル”が最大になると放つことができる大技“バーストアタック”は、大ダメージを与えられるうえ、ゲージが最大になった瞬間に同じ座席に座っているふたりの組み合わせによりさまざまな効果を発生させる。ゲージが最大になるたびバトル中に何度も発生させられるので、これも踏まえて戦いかたを組み立てられれば、よりよい立ち回りができそうだ。


第1章で体験できたバトルにおける新システムは上記の“弱点コンボ”と“バーストシンボル”のみだったが、十分に駆け引きの深化が味わえた。第2章以降ではさらに“マルチリーダースキル”、“アシストシステム”といった新システムが加わるということで、どこまでの深化を遂げているのか、楽しみだ。
「戦場のフーガ3」の第1章は、プレイヤーにますますの親切設計や“とっつきやすさと奥深さの両立”をもたらすビジョンが明確に感じられるものだった。一方で、作中に登場する子どもたちには鬼畜の所業と言うべきさらなる絶望を与えるのだから、その相反する“サービス精神”には驚かされる。過去作をプレイせずとも本作を楽しむための機能も非常に充実しているので、マルトたちの絶望や苦悶の表情になにか感じた場合、ぜひ触れてみてほしい。

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※画面は開発中のものです。
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