AMPLITUDE Studiosが開発を進め、2025年夏の早期アクセス開始が予告されている「Endless Legend 2」。この記事ではそのデモ版の先行プレイレポートをお届けする。
「Endless Legend 2」は、「Endless Space」や「Endless Dungeon」などが展開される「Endless」シリーズの最新作だ。開発であるAMPLITUDE Studiosはストラテジーゲームの開発を長年続けてきた人気スタジオであり、本作の直接の前作となる「Endless Legend」も好評を得ている。期待を寄せるファンも多いだろう。
また「Endless Legend」には日本語ローカライズは実装されなかったが、「Endless Legend 2」では日本語ローカライズの実装が予定されている。日本でも今後注目が予想されるタイトルだ。

「Endless Legend 2」は惑星サイアダを舞台としたファンタジー4Xストラテジーゲームだ。サイアダは滅亡の危機に瀕しており、タイドフォールと呼ばれる地形変化が起こっている。そんな星でなお、覇を得ようとするさまざまな勢力をプレイヤーは指揮することとなる。
今回のデモ版では遠く離れた星からこの地にやってきた人間たちの種族Kin of Sheredyn、サンゴとマシーンで構成された体を持つハイブリット種族Aspectsを操作できた。さまざまな種族が入り乱れる覇権争いというわけだ。前作にも登場した勢力ネクロファージも敵勢力としてデモ版に登場していた。早期アクセス開始、またフルリリースの際にはさらに多くの勢力が入り乱れる戦いとなるだろう。
ちなみに「Endless」シリーズはその世界観を共有しており、惑星サイアダの外にも世界が大きく広がっている。ただ、他作品を遊んでいなくとも楽しめるのがこのシリーズだ。直接の前作となる「Endless Legend」は惑星オーリガが舞台であった。「Endless Legend 2」では新しい惑星での新しい物語が描かれていく。

4Xストラテジーといえば、さまざまなリソースを管理し、戦争だけでなく外交にも気を配り自勢力を発展させていくゲームだ。本作でも食料、資金、工業ポイント、研究ポイント、そしてインフルエンスポイントといった基礎リソースに加え、6種の採掘資源、さらにいくつかのラグジュアリー資源を管理し、陣営を大きく強固なものへと変えていく。
領土を広げリソース生産量を増やし、研究を進めて施設をアンロック、領土に施設を立ててさらにリソースの生産量を増やしていく。増えたリソースで外交にも力を入れる。オーソドックスな4Xストラテジーシステムを本作も踏襲している。

ただ、複数の要素が複雑に重なり合うのが4Xストラテジーである。世界の探索と戦闘要素も重要だ。そこで本作の特徴となるのがヒーローユニットである。
ヒーローユニットは固有の名前と能力を持った戦闘ユニットで、1人を持った状態でゲームがスタートする。ゲーム序盤はこのヒーローを未開の地へと送ってマップの状況を確認することとなる。
ヒーローユニットは戦闘で敗北してもロストせず資金を使って復活させることができ、かつ戦闘で勝利すると経験値を経てレベルアップして強くなっていく。さらに、ヒーローユニットはマップ上に拠点を設営できる。拠点はリソースを消費することで都市へとアップグレード可能で、勢力の拡大には欠かせない。
マップ上にはリソースや鉱脈、中立勢力の街、そしてダンジョンが生成されている。中立勢力はお金を積んで仲間になってもらうもよし、クエストを受けてもよし、戦いを挑んで略奪してもよしだ。ダンジョンを制覇すればお宝が手に入り、その場所に拠点を立てることもできる。
ヒーローを世界へと冒険させて強くする。このRPG的エッセンスが「Endless Legend 2」の大きな特徴だ。
中立勢力からクエストを受注する際には会話が発生し、ゲームの展開を物語として見せてくれるところなどまさにRPGといった雰囲気だ。また、ヒーローユニットにはスキルツリーや装備スロットも用意されており、冒険を重ねることで多様なビルドに派生させるところもRPGらしい部分だろう。

また、戦闘システムもユニット1つ1つが重要なシステムとなっており、ヒーローの存在を意識させている。
ユニットは重ねて1ユニットとして、通常時は移動や待機などの運用が可能だ。だが、いざ戦闘が始まると戦闘モードに移行。重ねられたユニットがバラバラにマップに配置され、各ユニットを動かしてのターン制バトルが始まるのだ。ヒーローユニットはレベルアップや装備品で強化されているため、ここでも切り札として活躍するわけだ。
戦闘力だけでバトル結果を計算するバトルスキップ機能やオート戦闘機能も用意されているが、プレイヤーがうまく指揮をすればステータス上は劣る敵にも勝てるかもしれないし、自動戦闘よりも損耗を抑えられるかもしれない。ときには切り札となるヒーローを通常ユニットで守るような戦術も必要だろう。
4Xストラテジーは何百ターンもかかる長いゲームだが、このゲームはそこにヒーローユニットを中心としたRPG的探索・戦闘要素が加えることでその長いプレイを物語として体験できる作りとなっている。

もちろんクエストは中立から受注するだけでなく、勢力ごとのメインクエストも用意されている。各勢力にはそれぞれ失われた力の復活や世界の調和といった目標が設定されており、それを追うストーリーも楽しめる。世界が滅亡しようとする中で世界の覇者になろうとする者たちの物語だ。
この世界の危機と4Xストラテジーが組み合わされているところも本作の面白いところだ。
先にも説明した通りこの世界にはタイドフォールと呼ばれる地形変化現象が起こっている。その名の通り海面が沈み、今まで海の底にあった場所が陸地へと変わる現象だ。
4Xストラテジーでは勢力間の争いを誘発するため、ゲームの区切り(時代とか歴史とかEraとか呼ばれる)にマップが拡大されるシステムが採用されていることが多い。広がったマップにはこれまでなかったリソースと新しい敵勢力があり、新しいリソースを奪い合う領土争いが加速するという仕組みだ。
本作(ならびに前作の「Endless Legend」)はそれがタイドフォールという形で描かれている。世界が滅びに向かう最中争いが激化していくという、ストーリーに連動する形でゲームが進行していく。他の4Xにはないストーリードリブンな体験が「Endless Legend 2」の魅力である。

今回のデモ版では2度目のタイドフォールが起こるところまでの体験となり、世界の破滅と争いがさらに加速していくその最中で終了となる。まさにここからというところで終わってしまうため、今後ストーリーがどう盛り上がっていくのかはわからなかった。非常に気になるところである。
前作ではさまざまな勝利条件のほか、世界の謎、あるいは勢力の宿願へと迫るクエスト勝利が用意されていた。危機に瀕するサイアダには当然、秘められた謎があるようだ。それを解き明かせるかは他勢力との争いに勝ち、世界の覇者となれるかにかかっている。
またデモ版は残念ながらまだ英語のみであったが、このストーリーが日本語で楽しめるとなればストラテジーゲームファンだけでなく、RPGファンにもオススメできるゲームになるだろう。この夏に早期アクセスを控えた「Endless Legend 2」。前作からのファンはもちろん、多くの方に注目してほしいタイトルだ。
(C)2025 Amplitude Studios SAS. All rights reserved. Amplitude, Amplitude Studios, Amplitude's logo, Games2Gether, Endless Space, Endless Legend, Endless Dungeon, Dungeon of the Endless and Humankind are registered trademarks of Amplitude Studios SAS.
※画面は開発中のものです。
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