【ゲムマ2026秋】こんなゲームがあったとは!会場で見つけた個性的なゲーム7選を紹介――「ゲームマーケット2026秋」レポートカードゲームからARGに展開する「ある炎上職人の一生」や全面広告を閉じるスキルが向上する?かも知れない「広告を閉じるカルタ」などなど

アナログゲーム
0コメント 田中一広

2026年10月17日・18日に、さまざまなアナログゲームが集うアナログゲームイベント「ゲームマーケット2026秋」が開催された。国内最大規模のイベントで見つけた、尖った魅力を持つ個性的なゲームたちを紹介する。

アナログゲームイベントとして国内最大の規模を持つイベント「ゲームマーケット2026秋」。「アナログゲーム」とは、ボードゲームやカードゲーム、テーブルトークRPG、シミュレーションゲームといった「電源を使用しない」、ことを前提としたゲームのこと。「アナログゲーム」という時点で、ビデオゲームとは異なる魅力を持つことが多い上、同イベントでは個人が作成したゲームも展示・販売されるため、「こんなゲームがあったとは!」と驚くような、個性的なゲームも少なくない。そこで今回は、イベント会場で筆者が見つけた、尖った魅力を持つアナログゲームたちを紹介したい。

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楽しく遊べるカードゲームの外側にさらなるゲーム展開が!?「ある炎上職人の一生」

今回真っ先に紹介したいのは、ブース名「反社会人サークル」の「ある炎上職人の一生」だ。本作はその名の通り、「炎上系インフルエンサー」にまつわるカードゲーム……に、見える。「見える」と書いたが、実際にカードゲームとしてもプレイ可能。ただ、それだけではない。なんと本作は、「ARG(代替現実ゲーム)」となっている。

「ARG(代替現実ゲーム)」とは、「ゲーム内の架空の物語」と「現実の物語」の境界を揺るがし、さも現実の出来事かのように物語を表現するというゲームジャンル。いわゆる「モキュメンタリー」や「フェイク・ドキュメンタリー」といった映像ジャンルのゲーム版と考えると、イメージしやすいかもしれない。

本作も、ゲームの中に組み込まれた「違和感」から、カードゲームの外側へと物語が展開していく。ただ、「ARG(代替現実ゲーム)」と切り離してカードゲーム単体でも楽しめる、1粒で2度おいしい構造となっているのが素晴らしい。

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この広告を閉じるにはどこをクリックすればいいんだ!「広告を閉じるカルタ」

「炎上」という「ネット由来のネタ」を持つゲームを紹介したところで、続いてブース名「プレイクリエイト」の「広告を閉じるカルタ」を紹介したい。日常的にWEBサイトを見る人であれば、、「全面広告を閉じるボタンが分かりにくい」という点に悩まされたことは多いだろう。

本作はそんな経験をゲーム化した作品。配置された広告を閉じるためのボタンを探し、いち早くタップするというルール。なんと広告には、60以上の実在サークルの実際の広告を使用しているという。広告がリアルなことによって臨場感があるだけでなく、スキルアップにも繋がる……かも? 本作をプレイすることで、実際のWEBサイトを閲覧する際にも、広告を閉じるスピードがアップするかもしれない……とのことだ。

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仲間とバッティングしないように怪異から逃げろ!カジュアルホラーゲーム「跫(あしおと)」

続いては、ブース名「LiNovent(リノヴェント)」の「跫(あしおと)」をご紹介。同作は、追いかけてくる怪異から逃げるというホラーゲーム。プレイヤーの目的は、マスを進んで森から脱出すること。そのために歩数カードを出し合い、カードに書かれた数分のマスを移動する。当然、大きな歩数を出した方が、より早く脱出可能。

しかし、出した歩数カードが他プレイヤーとバッティングしてしまうと、移動することができない。はたして仲間は何歩のカードを出すのか…という心理戦と、怪異に追いつかれてしまうのではないかというスリルが魅力だ。

ちなみに怪異に追いつかれたら盤面から離脱……ではなく、スタンスが変化し妨害プレイが楽しめるようになっている。本作の制作にあたっては、ホラーと言っても老若男女問わず楽しめるものにしたかったとのこと。実際、怪異に捕まってもプレイ継続という点や、ポップなキャラクターなど、気軽に手に取ってプレイできるものになっていると感じた。

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魅力的なイラストが詰まった絵本に浸れるホラーカードゲーム「マッドブック 発狂絵本」

続いてもユニークなホラーゲームを紹介したい。ブース名「ポイエータイ」の、「マッドブック 発狂絵本」だ。発狂絵本というタイトルの通り、本作は「絵本」をベースとしている。「絵本」そのものはゲームの説明書となっており、実際のプレイを行うのは絵本をモチーフにしたカード。カードの交換によってポーカーの役を作ると、絵本のページを読み進めることが可能。これによって最後のページまで読み進めることが目的となっている。

聞くところによると、本作の制作のきっかけは、絵本のイラストデザインを担当したPANAPANA氏の絵にあったという。実際、PANAPANA氏の描いた絵本のイラストは、独特なダークさとキュートさを持っており、非常に魅力的。カードの絵柄にも絵本のページがあしらわれているので、ゲームプレイ中、魅力的な世界観にどっぷり浸ることができる。世界観には「クトゥルフ神話」を採用しているので、「クトゥルフ神話」好きも注目の一作だ。

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承認欲求を満たしながら承認力まで磨けちゃう!?「承認寺拳法 アチョー!」

次はホラーからぐっと雰囲気を変えて、ブース名「質問型ゲームラボ」の「承認寺拳法 アチョー!」を紹介したい。同作は、「承認」をテーマにしたコミュニケーション型カードゲーム。ネットでは「承認欲求」の強さを批判されることが多いものの、実際問題、誰だって「承認」はされたいもの。筆者だって、常日頃から「褒められたい!」「チヤホヤされたい!」「持ち上げられたい」と思っているくらいだ。

ただ皆が内心そう思っているからこそ、そうそう簡単に「承認欲求」が満たされることはない。けれど同作なら、そんな「承認欲求」を簡単に満たしてくれる。

同作の内容は、相談者が選んだテーマについて、プレイヤーが「承認カード」に基づく「承認」を発想し、相談者へ贈るというもの。相談者側が「いちばん心地よかった」と感じる「承認」を贈れたプレイヤーの勝利となる。相談者側でプレイした際には、バッチリ「承認欲求」を満たすことができる。

しかしそれだけでない。プレイヤー側に立った場合には、相手を「承認」する力が磨かれていく。人を「承認」する力は人づきあいでも、仕事の上でも非常に重要。楽しみながら、社会人スキルまで身に着いてしまうお得な一作だ。

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こんな手札じゃ勝てない?なら勝てるカードを買えばいい!「オークション ポーカー」

続いては、ゲームシステム面で輝く魅力を感じた作品をご紹介。ブース名「YYKオークションポーカー」の、「オークション ポーカー」だ。同作は、トランプの「ポーカー」に、オークションを組み合わせたゲーム。「ポーカー」では、ドローしたカードを組み合わせ、「ストレート」や「フラッシュ」といった役を作っていく。

しかし本作では、役作り用のカードをオークションで競り落とすことが可能。だったら、強いカードを買って誰でも「ロイヤルストレートフラッシュ」が出せちゃう…とはならない。というのも、欲しいカードが出ても、価格が高ければその分資金が減ってしまう。資金を渋れば、カードは手に入らない…。ポーカーの持つ心理戦に、オークションの心理戦までをも組み合わせた、非常に面白いゲームだと感じた。

実際、制作者の方に聞いたところ、本作は制作陣が旅行の際に何度もプレイしたルールをベースにしているという。既にプライベートで何度もプレイし、研ぎ澄ませたゲームシステムならではの完成度だと思う。

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勝利も敗北も生成AIのお気持ち次第?「ChatGPTを使って遊ぶアナログゲーム」

最後に、輪をかけて個性的なゲーム紹介したい。ブース名「TaiMEN GAMES」による、「ChatGPTを使って遊ぶアナログゲーム」だ。ブース名「TaiMEN GAMES」では、「ChatGPTを使って遊ぶアナログゲーム」をテーマに「in暴論」や「ワンチャンポーカー」などといった複数のゲームを展示・販売していた。

いずれも特徴は、ゲームの判定にChatGPTを絡めていること。要するに、ChatGPTを審判役として使うという話なのだが、ただ単に「人間の代わり」ではないのが特徴。というのも、ゲームシステム上、「説得」を許容しているのだ。もし人間の審判であれば、「説得」次第で判定がころころ覆るのは不公平。しかし、ChatGPTであれば、むしろその不公平さがおもしろみとなる。

ビデオゲームの世界では、ゲームの生成AI活用についてネガティブな文脈で語られることが多いが、「TaiMEN GAMES」のゲームはいずれも、生成AIだからこそ面白いという内容に仕上がっており、ゲームの新しい可能性を感じた。

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さらに新たなおもしろさが生み出されていく?次回以降にも大きく期待したい「ゲームマーケット」

今回の取材で感じたのは、個性的なゲームの多さ。「ゲームマーケット2026秋」会場では、この記事で挙げた意外にも、個性的なゲームが多数展示・販売されていた。アナログゲームは、ビデオゲーム以上に、ネットでの流行語を取り込んだり、これまでにないアイデアを採り入れたりといったスピードが速い。

だからこそ、単純に「多様なゲームがリリースされる」だけでなく、「ゲームの進化速度も速い」ように感じた。特に、アナログゲームとスマートフォン、アナログゲームと生成AIといった形で複数のデバイスや媒体を組み合わせ、独自のゲームシステムへ昇華させている作品は、間違いなくゲームの進化形といえるだろう。

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次回のゲームマーケット時点では生成AIがより普及しているだろうし、世の中に新たなデバイスが登場している可能性もある。このため、次回以降の「ゲームマーケット」では、さらに個性的なゲームや、より進化したゲームへと出会えそうで楽しみだ。今回参加できなかったという人も、次回はぜひ参加してみてほしい。

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