「これぞ!」という女性向けコンテンツについて語っていく連載企画「おとめげ!」。今回はNintendo Switch用ソフト「OVER REQUIEMZ」についてお届けします!
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「おとめげ!」は、イケメンと可愛い女の子をこよなく愛するライターが、さまざまな乙女コンテンツをご紹介する連載企画です。今回はアイディアファクトリーの女性向けゲームブランド「オトメイト」から2025年4月17日に発売されたNintendo Switch用ソフト「OVER REQUIEMZ」についてお届けします!
「OVER REQUIEMZ」ここがポイント!
・キャラクターごとに用意された真相(FACT)と闇堕(DARK)ルートがあり、フローチャート経由で自由にプレイ
・好感度がないため選択肢を自由に選ぶことが可能で、ご褒美ボイスもたっぷり
・「オズの魔法使い」をモチーフにした幻想的な世界で繰り広げられる不可思議でダークな展開
「OVER REQUIEMZ」とは?

本作は「オズの魔法使い×殺人鬼」がテーマ。「オズの国」に迷い込み死罪となってしまった高校生の主人公が、同じく死刑囚である青年たちや監視役と共に危険な廃墟調査へ赴く。
攻略対象キャラクターはカイゼ・オズマ(CV:阿座上 洋平)、クロード・グレイン(CV:古川 慎)、モリィ・ウッドランド(CV:石川 界人)、ノイル・ベスティア(CV:鈴木 崚汰)、ドロシー(CV:堀江 瞬)。
死罪を言い渡された4人の殺人鬼&監視役と、命がけの探索任務へ
本作の舞台は、国王と4人の「魔女」が治める「オズ」と呼ばれる国です。周囲を砂漠に囲まれた逃げ場のない土地で、1000年前の建国時代から続く伝承によって黒髪黒目の人間を「悪魔憑き」と恐れ蔑む風習があります。


主人公のユヒル(名前変更可)は謎の竜巻に巻き込まれ、オズに迷い込んでしまった高校生の少女。国王が殺害されたという厳戒態勢のタイミングだったうえ、悪魔憑きの伝承そのものの外見だったこともあり否応なく死罪となってしまいます。


この国では千年前、突然空が裂けて不思議な建造物が現れたとされています。それらはショッピングモールや地下鉄など現代日本で見覚えのある建造物。そこには定期的に異形の化け物が湧き上がるといいます。
この異常な生命力をもつ化け物の討伐を命がけで担うのが、主人公のように死罪を言い渡された死刑囚たち。廃墟に行けば、元の世界へ帰る手がかりが見つかるかもしれない――こうして主人公は殺人鬼として死刑判決を受けた4人の青年、さらに監視役と共に廃墟を目指して旅に出ることとなりました。
本作ではプロローグを終えると、キャラクターの個別ルートを制限なく自由に選ぶことができます。また選択肢の好感度によってストーリーが分岐するのではなく「重要な選択肢でどちらを選んだか」により、過去を乗り越える「真相ルート」と、道を踏み外した彼に迫られる「闇堕ルート」に分岐。そこから、さらに複数のエンディングが待っています。


前述のとおりストーリーで同行するのは、ほぼ全員が殺人によって死刑を言い渡された男性たち。しかし何かと苦労も多い旅路の中で芽生えるのは、彼らとの仲間意識や信頼でした。そして「こんなに頼りがいのある人たちが、本当に殺人鬼なの……?」と疑問に思うと同時に、少しずつ彼らが死罪になる原因となった過去の事件も明らかとなっていきます。
痛みを伴う真実と向き合うか、彼の深い愛情がもたらす仄暗い結末に身をゆだねるか、すべてはプレイヤー次第。シリアスで重々しい展開こそ多くありますが、胸の熱くなる真相ルートも背筋の凍る闇堕ルートも魅力たっぷり。フローチャートでストーリーをすぐにやり直せるので周回プレイもしやすくなっています。


このほか本作では状況に即した選択肢を選んだり、物語を進めたりすると「ご褒美ボイス」を獲得できます。シチュエーションは非常に豊富なので、好みのボイスを集めるべくストーリーを読み進めるのもモチベーションのひとつになりますよ。この選択肢は、本作で唯一といっていいほどコミカルな要素も含んでいるのもポイント。思わず「この状況で、こんな冗談みたいなこと言うの?!」と驚くような選択肢もあるので、相手のリアクションを堪能するという面でも楽しめます。


プレイヤーが選ぶのは掴み取った真実か、愛ゆえに生まれた闇か
続いて、登場するキャラクターについて紹介していきます。オズの第二王子であるカイゼ・オズマ(CV:阿座上 洋平)の罪状は、実の父である国王を手にかけたという「王殺し」。カイゼ自身も現在は罪を認めている様子で、その衝撃の大きさを懸念して国民には事実が伏せられていています。
主人公と同じく黒髪黒目の外見から周囲に恐れられ、これまでほぼ人と関わらず生きていました。そのため誤解されやすい態度を取りがちですが、プロローグの時点でもだいぶバレていたとおり実はかなり可愛らしい性格をしています。

同じ外見の主人公をとくに気にかけてくれるのは、悪魔憑きがどのような扱いを受けるかよく分かっているからこそ。カイゼのこれまでの苦しい経験を思えば、主人公のような同じ痛みを分かち合えるかもしれない存在に惹かれていくのも素直に頷けました。その感情がどんな方向に向かっていくのか……王殺しに隠された真実と共に見守ってほしいなと思います。


クロード・グレイン(CV:古川 慎)は元々、廃墟の研究者でした。3年前、彼の出身地である穀倉の村の住人を殺害したという罪で廃墟探索を命じられることになります。
面倒見がよく旅に慣れていてさまざまな知識も豊富と、ろくな支援も受けられない旅路での先導は的確で非常に頼りになります。突然右も左も分からない状況に置かれた主人公にも理解を示し、さりげなく気にかけてくれる優しさや包容力が心に染みました。

「そんな彼が、本当に家族を含めた故郷の人たちを殺せるの……?」と疑問は尽きませんが、クロードはなかなか胸中を明かしてくれません。やがて彼にとってあまりにも残酷な真実が明らかになった時、主人公はどのような形で寄り添うのでしょうか……。


モリィ・ウッドランド(CV:石川 界人)は、いつも穏やかな笑みをたたえる葬儀屋の青年です。街道で旅商人一行を襲い、皆殺しにしたという罪で今回の廃墟探索へ加わることとなりました。
葬儀屋らしからぬ特技があったり、旅の途中でも妙に気になる行動があったりと、色々な意味で気になる部分の多いモリィ。その正体を知ったことで翻弄されることになりますが、彼の裏にある感情を理解できた時には胸がいっぱいになりました。

当然モリィにも大きな秘密があり、主人公もそんな彼の運命に否応なく巻き込まれて行きます。どうにもならない切なさを抱えながら前に進むのか、甘い誘いに囚われて引き返せないところまで堕ちていくのか……一筋縄ではいかない選択を突き付けられます。


ノイル・ベスティア(CV:鈴木 峻汰)は王国騎士団所属の騎士で、自身の小隊の騎士を惨殺した罪に問われています。問題児扱いされていますが国への忠誠心は確かなもので、仕えるべき対象のカイゼには道中も大人しく従います。
育った環境もあり言動に粗暴な部分はあるものの、彼の本質はそれだけではありません。主人公とも旅の中で、ゆっくりと時間をかけて確かな信頼関係を築いていきます。剣の腕前も確かなもので、廃墟探索をはじめ危険な状況で真っ先に主人公や仲間を守ろうとする姿は心に響きました。

やがてノイルも、目を背けたくなるような出来事と向かい合うことを余儀なくされます。彼は騎士として立ち上がるのか、それとも……。


ドロシー(CV:堀江 瞬)は国王を支えて政務を行う4人の「魔女」のひとり。罪人の監視役として旅に同行しますが色々といい加減な一方、異世界で目覚めて何も分からない主人公を献身的に、時には過保護なほど支えようとしてくれます。

ドロシーについて語れる部分は、ほかのキャラクターに比べてあまり多くありません。ただ頼れるもののない異世界で、主人公にとってドロシーは数少ない拠り所でした。そんなドロシーの手を覚悟を持って掴むのも、目を閉じて歪んだ優しさに包まれていくのもプレイヤー次第です。


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